ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
イタリアでターボプロップエンジンを開発したイタリア出向ニキが日本に帰国し、元々勤めていた宝田動力に戻り、ターボプロップエンジンの開発技術を元にジェットエンジンの開発に取り掛かる。
ターボプロップエンジンはレシプロ機……普通のプロペラを使う機体の進化系であり、レシプロ機より燃費は悪いものの、出力はターボプロップエンジンの方が高く、エンジンも小型のため重さも軽量とレシプロエンジンの上位互換と言えるエンジンであった。
イタリア出向ニキは日本で再設計し、ダンジョン素材及び輸出禁止のネオジュラルミン等の素材を使った結果、イタリアでは1500馬力だったエンジンを1700馬力まで引き上げることに成功。
更に新技術である二重反転プロペラ……プロペラを二重にし、それぞれを反転させて動かす特殊なプロペラ……性能が大幅に上がるが、整備性が落ちるというのと組み合わせることで、1700馬力のエンジンでも時速650キロ以上を達成することが出来る。
まぁ整備性や量産性が落ちるので一長一短であるが、ジェットエンジンに通じる過程のエンジンではある。
「発展性はこっちのターボプロップエンジンの方が良いか……ジェットエンジンの系譜が誕生したのならばこっちの方が良いな。共同研究した各航空機企業にエンジンの現物と設計図を回せ。星型エンジンより小型で高出力だからこっちを発展させよう」
宝田動力ではこれを機に星型エンジンに見切りを付けて、ジェットエンジンの開発に注力していくことになるのだった。
流星を開発していた航空機ニキにも新型のターボプロップエンジンの情報が届き、
「1700馬力……チューニングすれば1800馬力には到達できるな。大型の星型エンジン部分をターボプロップエンジンに換装できれば空気抵抗を低くできるかもしれない。そうなれば流星に必要だった性能を達成することもできるか?」
栄エンジンからターボプロップエンジンに換装したバージョンで量産型流星が完成し、諸元がこんな感じ。
・全長 11.4メートル
・全幅 14.4メートル(翼を折り畳むと8.5メートル)
・全高 4メートル
・自重 2.1トン
・全備重量 3.5トン
・動力 宝田エンジン(ターボプロップエンジン)
・出力 1700馬力(ターボチャージャー使用時1800馬力)
・最高速度 610キロ
・上昇速度 990メートル毎分
・航続距離
正規1800キロメートル
追加3000キロメートル
・武装
12.7ミリ航空機関銃6丁
・爆装
800キロ爆弾1発及び250キロ爆弾2発
もしくは500キロ爆弾1発及び250キロ爆弾2発
・雷装
1000キロ魚雷1本
参考にイタリアがターボプロップエンジン搭載として開発した陸上攻撃機が最高速度550キロ、魚雷1本もしくは500キロ爆弾1発なので、性能がバグっている。
艦載機ということを考えると、イギリスは複葉機を使っているし、最高速度350キロという感じなので、いかに高性能かがわかる。
これでいてエンジン出力を上げれば更に重武装にできる拡張性も備えといた。
なおターボプロップエンジンを神風型戦闘機に搭載した結果850馬力時点で時速500キロであったが、1700馬力に向上したことで700キロまで速度が向上していた。
余力が出たので、機関銃を20ミリ機関砲に換装する計画も着々と進んでいた。
「武田飛行機は戦闘機や攻撃機みたいな軍用機とセスナみたいな小型飛行機ばかり作っているけど、大内飛行機は飛行艇や水上機の開発に成功していたし、長尾飛行機は大型爆撃機や輸送機開発に成功していたから得意分野がばらけてるんだよな」
航空機ニキの得意分野が戦闘機なのでこればっかりは仕方がない。
「当面神風改と流星を発展させていけば30年代後半までは負けないだろう。1200馬力の栄エンジンはせっかくだ韓国に売ってしまうことを提案するか。横流しされたとしても技術形態がきり替わったから他国の開発スケジュールを混乱させることもできるかもしれないからな」
次は襲撃機の開発に航空機ニキは注力していくことになるのであった。
「食糧がよく売れるなぁ……」
「大陸だと食糧が足りてないらしいからな、あの国の購買力は化け物だよ」
食糧輸出国となった日本であるが、その食糧は主にアメリカと中国に流れていっていた。
格安でそれなりの品質がある日本産の食料品は大陸で大量に購入され、その支払いとして鉱物資源が輸入されていた。
アメリカからは工業製品を購入する代わりに食料品を輸出しており、基礎技術力は驚異的な速度でアメリカに追いつきつつある。
まぁ研究開発速度が速い理由は転生者達による努力とダンジョンに潜って超人化した頭脳が高まった人達、更に高性能なコンピューターを使っているためであり、欧米列強の開発速度の10倍近くの速度で研究開発が進んでいた。
ただまだ一部分野が追いついた段階なので、追い越すにはもう少し時間が必要ではあるが……。
「造船所は相変わらずフル稼働だな」
「軍艦よりも大型の漁船や貿易船の建造が絶えないらしい。欧州大戦で日本製の輸送船がドイツ潜水艦の攻撃で沈まなかったのも頑丈で沈みにくいと売り文句になったのだとか」
「なるほどなぁ……」
造船業だけでなく、工業自体が絶好調で、政府が補助金どんどん出しているため、各地で電化が起こっており、第二産業革命が日本にようやく浸透してきた感じであった。
電化による産業の効率化は著しく、機械化による人手が減った分だけ探索者の人数が増やせる。
そのため常に日本は人手不足という状態に陥り、労働者が辞めないように賃金が高くなり、それでいて業績も良くなるし、稼げる人達が多くなったので、個人投資をする人も増え、好景気となっていた。
大戦特需から開発特需にうまいこと切り替えることに成功し、この年GDP……国内総生産……一種の国力指数であるが、フランスを追い抜いて世界第5位にまで向上。
1位はアメリカ、2位イギリス、3位ドイツ、4位オランダで5位にランクイン。
フランスは長年不況と大戦によって人口ピラミッドが崩壊したダメージが大きく復興してきているが、追い抜かれる形になり、その下にイタリアがいる状態である。
ちなみにロシアは更に下の下で中南米の国々にも負けていたり……。
ただ社会主義の計画経済が本気出すと爆発的に国力が増加するのである。
まぁ日本はここから人口爆発の影響で加速度的に国力が上がり続けるのであるが……。
好景気を謳歌する日本であった。