ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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タイ国の現状 転生者以外で頑張る者

「なんかめっちゃ日本が支援してくれる……」

 

 タイ王国ではアジア地域で数少ない独立国ということで、同じ独立国である日本との連携が強まっていた。

 

 将来のアジア大戦で少しでも味方国家が欲しい日本と近代化をして他国に負けない国家を作りたいタイの利害が一致した結果である。

 

 まず日本はダンジョンを使って品種改良を施し、生産力を高めた作物の種の輸出を行った。

 

 中華という巨大な消費地が内戦で疲弊しているため、食糧供給能力が高い国というのは魅力的で、特にタイは米の有数の生産地でもあり、ある程度農業の基礎基盤が整っていたのも大きい。

 

 そこに日本の安い農業用重機を販売し、日本で生産される部品や燃料を買ってもらうという戦略が大当たり、重機だけでなく軽トラックや大戦時に売りまくり、倉庫でダブついていたジープもどきの日の丸車もタイで身近な足として使えるからと大量に輸出され、一気にタイの自動車文化がここ7年で芽吹いていた。

 

 更に日本で古くなった工業製品をタイの企業が買い取ることで自国の工業化に一役買い、1927年頃には日本で旧式になっていたアジア号の在庫処分としてタイ陸軍に格安で払い下げ、自国で整備や部品の調達ができる工場もセットで建設し、タイがアジアでは陸軍力第三位に飛躍する……なんて摩訶不思議な現象が起こったり。

 

 ちなみにアジア地域で限定しているのと、一位は日本、二位は巨大化した韓国、三位タイ、四位中華民国という感じで、米軍や他の植民地軍は勘定に入れていない。

 

 また、鉄道部門でも日本企業が進出し、電車の普及により蒸気機関車が廃棄となっていたが、それをタイ政府が買い取り、鉄道敷設を日本が手伝ったことで、タイの鉄道網は一気に発展していった。

 

 工場の誘致にも成功し、情勢が不安定な中華民国やベトナム、ビルマ等の地域よりも治安が安定しているタイの方が良いと判断したイギリスやフランス企業と他国進出しても戦えるか不安だったがタイなら優遇してくれると踏んだ日本の新興企業が流入し、近代化に一役買っていた。

 

 海軍に関しても、軍艦設計ニキが設計した輸出型戦艦の薩摩と安芸の2隻を購入していたが、性能的には金剛型を更に発展させた物になっており、大型艦船の実験的な技術を詰め込んだ……みたいな軍艦になっていた。

 

 イメージはイギリスのキングジョージ5世級戦艦に近く、建造費用はアメリカやイギリスの新型戦艦の半分以下までコストダウンしていた。

 

 ブロック工法の実現で更に建造期間が短縮できたことと、JSハイテン鋼の供給が安定化したことが理由である。

 

 タイ政府はその他にも駆逐艦20隻と巡洋艦6隻の購入を日本に打診しており、日本の財閥や転生者達新興財閥達の造船所もフル稼働して建造されていた。

 

 お陰で現状はドイツ海軍並の海軍力をタイは有することになる。

 

「農業の安定、工業化も著しく、インフラの整備技術も日本から教えてもらうことができた。お陰でアジア有数の国家として国際的に認めてもらえた事も大きい」

 

 事実1920年に開設された国際連盟の加入や各国からの独立保障などなど、少し前より確実に外交的には恵まれていた。

 

 元々タイ王国は外交の立ち回りが上手かったのもあるが、国王が開明派だったのも大きい。

 

「戦艦を有したことで、一応他国と渡り合えるだけの国力は有していると牽制できるようにはなったか。特にタイは中華とインドという巨大な消費地が近い。生産性が上がった食糧を輸出し、鉱物資源を買い取り、加工してまた他国に売る……これの循環で生きていくしかないな」

 

 タイは強かに、確実に国力を高めていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 1927年、昭和2年。

 

 ラジオ放送局が増え、全国どこでもラジオが聴ける状態になり、電波塔の建造も増えていたり、政府が打ち出した5カ年所得倍増化計画の3年目となり、賃金が目に見えて上がったり、家電の量産体制が整ったり、国民車として愛用されていた日の丸車を更にグレードアップし、スバル・360をベースとした丸っこい車体が特徴的な愛知、静岡、横浜、広島の各自動車メーカーの共同企画としてミライという車が開発された。

 

 100円を切る80円の値段で売りに出され、日の丸車よりも見た目や性能が上がっていたことで、購入希望車が殺到し、所得が増えたことでローンを組めば買える客層が多くなったことも後押しし、1年で8万台、3年で30万台を販売する大ヒットとして成功する。

 

 そんな中ラジオ、自動車の普及だけでなく、エアコンの販売も始まり、冷蔵庫、洗濯機と並んで家電製品が大量に売れていく時代に突入。

 

 東京では災害復興により集合住宅……団地が建ち並び、その中での生活が普及していった。

 

「建設業に携わる身としてはここまで短期間に東京を復興できたのは正直奇跡だと思える」

 

 そんな町の様子を売り始められたエアコンの効いた事務所で眺める男がいた。

 

 宮本善一……ゲームの主要キャラの1人で、本来であれば陸軍にいるはずの人物であるが、転生者達によるクーデターにより陸軍を離れて、建設業に携わり、震災復興と各都市の開発、電車への切り替えなどで、あれよあれよと業績を増し続けて、今や中堅の建設業者へと成り上がっていた。

 

「陸軍に未練はあるが、村上達若いのが頑張っているなら問題は無いだろう。さてと、次は10万近くのビル建設にトンネルの切削、飛行場の整備と仕事は山のようにあるからな。部下のために仕事引っ張ってきて稼がんと」

 

 転生者でなくても活躍する人材が増えつつある日本だった。

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