ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「ゆっくり紅白饅頭よ」
「ゆっくりバナナ饅頭だぜ」
「「ゆっくりしていってね!」」
「ねぇねぇバナナ」
「なんだぜ紅白?」
「1929年から始まる世界恐慌について教えてほしいんだけど」
「了解したぜ、ついでにこの恐慌で祖国日本がどうなったかについても解説するぜ」
〜そもそも世界恐慌前のアメリカについて〜
「世界恐慌前のアメリカについてから解説していくぜ」
「よろしく頼むわ」
「当時のアメリカは世界の工場と呼ばれ、世界の生産力の4割から5割を有していたんだぜ」
「それじゃあ世界の半分じゃない」
「そう、それだけ工業力を持っていたら売り先に困るのが資本主義国家の常なんだけど、工業力が高まっていた段階で欧州大戦が勃発して生産国だった欧州諸国が巨大な消費地になったことで、その莫大な生産力をフル稼働させて大金を稼いでいったぜ」
「日本もこの時に稼いだお陰で震災の復興や革命政府が経済成長できる下地を作ったのは記憶しているわ」
「大戦終結後に戦災復興でアメリカは1920年頃までは稼げていたぜ。ただ講和条約も決まり、ドイツが賠償金支払い不可能なくらい膨大な賠償金や現物支払いさせようとフランスが暴走した結果、欧州経済はぐちゃぐちゃになり、イギリスやフランス、ベルギーに大金を貸し付けていたアメリカへの支払いも滞ってしまったぜ」
「それ大丈夫なの?」
「幸い金はたんまり持っていたアメリカはドイツに復興資金を援助することで、復興した資金を使って産業を立て直し、金を稼げるようになって、フランスやイギリスに賠償金を支払えるようになって、巡り巡ってアメリカに還元できる金の流れを作り上げるぜ」
「へえ、じゃあ経済は落ち着いたの?」
「そうだぜ、というかこの頃のアメリカは好景気真っ只中で金がちゃんと循環されていたぜ」
「これが当分続くなら好景気も続きそうだけど」
「実際15年近く好景気が続いたぜ」
「じゃあなんでバブルが弾けたの?」
「実態が伴わなくなったんだぜ」
〜世界恐慌の原因〜
「1924年頃より投機ブームが到来し、靴磨きの少年でも投資をしているとかヤバい状態に陥るぜ」
「靴磨きの少年も!?」
「大量の金が金融業に流れ込んだ結果、実情の経済は1927年頃飛び越えてしまって、作物の相場が崩れたり、投機目的の住宅の空き家が増えるなど着実に崩壊へと進んでいったんだが、投機バブルを経験していないアメリカはこれを警告する人は居てもいつ破裂するか分からなかったんだぜ」
「他にも政府が過熱した金融の締め付けとして沈静化を行う法案を複数可決させたり、イギリスが金利引き上げでアメリカ資金の一部がイギリスに流れた結果バブルは弾けたんだぜ」
〜世界恐慌の発生〜
「1929年10月24日に自動車メーカーの株が下がった事を皮切りに多数の株が売りに出され、暴落が発生。この日1日の株の損失は100億ドルに達すると証言する経済学者もいるぜ」
「100億ドル……どれぐらいの金額なの?」
「アメリカの国家予算が30億ドルだったらしいから国家予算3年分が1日で消失したぜ」
「3年分も!?」
「この後直ぐに経済界や銀行家などが協議して買い支えを行うことを決めたんだが、これが余計に傷口を広げる結果になるぜ」
「買い支えって?」
「下がった株を購入することで株価を操作することだぜ。本来自由市場でやるべきではないんだが、緊急事態として動かせる金は全て投入されて市場を安定化させようとしたの」
「それでどうなったの?」
「数日は耐えたけど、新聞が株価暴落の報道をしたため、再び売り注文が殺到し、買い支えの許容を超えてしまったぜ」
「うひゃぁ」
「結果、3年近く平均株価が下落していくことになり、ダウ平均株価も300ドル超えだったのが、最終的に40ドルまで下がる結果になるぜ」
「これが世界恐慌の発生につながるの?」
「これだけならアメリカの景気後退で済んだんだが、その後がマズかったぜ」
〜連鎖〜
「アメリカはこの経済損失を他国に貸し付けている金の引き上げで埋めようとしたんだぜ」
「ええ! それってアメリカの援助で回っていた欧州経済が!」
「ああ、破綻したぜ」
「真っ先に影響を受けたのが敗戦国だったオーストリアで、ここの大銀行が倒産、それに連鎖でドイツ第二位の銀行も倒産。ドイツ経済はパニックになり、もちろん賠償金を支払える様な状態じゃなくなり、ドイツの賠償金で経済を回していたベルギーとフランスも連鎖して企業の倒産が相次いだぜ」
「イギリスも無傷じゃなく、金本位制に復帰したばかりだったのに、金本位制を緊急停止し、金の国外流出を食い止める動きをしたんだけど、紙幣の信用が下落し、株価も反応してイギリスの株取引市場もパニック売りが発生したぜ」
「欧州だけにとどまらず南米でもアメリカから金を借りて経済を回していた国が多かったことから、国家ごと破産……デフォルト宣言をした国が多数出る結果になり、アルゼンチン、ブラジル等の南米の大国も経済が崩壊してしまうぜ。この影響で治安が崩壊してしまった影響は50年以上国家成長を阻害し続けることにもつながるぜ」
「無事だった国ってあるの?」
「まずは社会主義国家だったソ連だぜ。ソ連は独自の経済システムで動いていたお陰でまったく影響を受けなかったぜ」
「他にはイタリアもほぼノーダメージだったぜ」
「イタリアが? なんで?」
「イタリアはアメリカではなく日本からの投資が大部分を占めていたんだが、日本が資金引き上げをしなかったことと、ファシズムに基づく、国家社会主義で政府が多くの企業を国有化していた為に政府主導で補助金を出したり、経済に政府が直接介入できる仕組みを作っていたから景気後退は免れたし、情勢不安定なバルカン半島の国々やヨーロッパ各国に石油輸出量を調整したことで、世界恐慌下でもほぼ唯一好景気を維持できたんだぜ」
「これをイタリアの奇跡と評する経済学者もいるし、ムッソリーニ率いるファシ党の支持率が更に高まる結果に繋がるぜ」
「はえ~上手くやったのね……日本は?」
「日本にはダンジョンがあったのと、以前に金本位制から離脱した際に既に他国の資金引き上げをした後だったから不利益は被ってないぜ」
〜その後の各国の動き〜
「アメリカはその後大統領が変わってニューディール政策という景気刺激政策が行われ、第二次欧州大戦が始まるまで長い不景気が続くことになるぜ」
「イギリス、フランスはブロック経済という植民地以外に高い関税をかけることで、身内で経済を回すことで何とか回復に持ち込むぜ」
「ダメージが少なかった日本とイタリアは経済協力機構レガーネという組織を作り、イギリスとフランス、アメリカ経済圏からはじき出された者で相互援助組織を作り、韓国、タイ、トルコ、チェコスロバキア、ドイツが加盟して新ブロック経済圏とも呼ばれる仕組みを作り、景気維持及び繋がりを深めていくことになるぜ」
「ドイツがこの時日本に近づいたのね?」
「ああ、これによって再び経済危機に陥っていたドイツは何とか立て直すことに成功したのと、日、独、伊による技術交換なんかも行われるぜ」
〜まとめ〜
「この時の経済危機によってドイツも大変なことになるが、何とか一息つくことができ、更に日本とイタリアと接触したことで技術力も回復し、以後1936年まで比較的友好的に繋がるんだが、ナチスドイツが同年にレガーネ脱退を宣言してオーストリアを併合したことで距離が離れていくことになるぜ」
「再軍備までの約7年間でドイツ民間人を装って日本のダンジョンで積極的なレベリングを行うのと日本の資源輸入も目的とした政策を採用して50万人近くの超人兵団を作る事に成功するぜ。しかも日本からたんまりジャパニウム鉱石等の資源も輸入したりしていたので、一気に強力な軍が誕生することにも繋がるぜ」
「それじゃあどうなっちゃうの?」
「それについてはまた別の動画で紹介するぜ」