ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
世界恐慌が発生し、その期間マネーゲームを行っていた日本の転生者達はどんどん転がり込んでくる莫大な金額に毎度歓喜していった。
その分アメリカは痛めつけられることになるが、日本の国家予算1年分くらいを担保に始めたマネーゲームは相場が落ちれば落ちるほど空売りを繰り返し、差額が利益となっていくのである。
転生者の中には短期予知のスキルを使える者もいるので、1週間後の未来の相場を占いながら金を稼ぎまくり、アメリカが暗黒の木曜日や悲劇の火曜日などと言われている最中、日本に莫大な富が転がり込み、財務大臣などは高笑いが止まらなくなっていた。
それと同時に世界恐慌発生による国内産業を守るために、早々に臨時予算を組み、政府の積極的支出で、景気を刺激し続けた。
そのため好景気は終了し、若干の不景気になったものの、失業者や倒産する企業は殆ど出さなかった。
世界恐慌発生から1ヶ月で400億ドルの金をアメリカから毟り取ることに成功し、日本円レートで1000億円……国家予算16年分を勝ち取った。
マネーロンダリングしているためアメリカも日本が動いているのは知っていたが、ここまで儲けているとは知らず、日本はこの稼いだ1000億円で第一次五カ年計画を次の国会で発表。
総額200億にも及ぶ大規模投資で重工業化及び化学産業やダンジョン産業、インフラ設備のさらなる拡大を目標に資本が投入された。
結果、日本の不景気は半年で吹き飛び、再び好景気、国力を高成長に転じるのであった。
一方で大恐慌の波は隣国台湾を直撃した。
ドイツと同じくアメリカの資本投入によって国を回していた台湾であるが、約8年近くの資本投入によってようやく国家としての基盤が固まりつつあった所に、投資の停止が発表され、一応貿易は続いているためアメリカと中華民国の中間貿易で経済崩壊は免れたが、日本との経済競争にほぼ独力で立ち向かうことになってしまう。
ダンジョンの無い台湾では産出する資源も限られているため、資源大国との経済戦争は分が悪い。
アメリカ植民地のフィリピンと経済協力して乗り切ろうとしてはいるが、事前に計画されていた対日戦略としての海軍整備計画は頓挫、結果自国に作られていた航空機メーカーと協力して、航空機を整備することになるのだった。
アメリカで始まった世界恐慌により1930年、これ以上軍拡をしている状態ではないとしてイギリスの呼びかけによりロンドン海軍軍縮条約が取り決められることになった。
これは前回は主力艦(大型艦)のみに適合された枠組みであったが、今回は補助艦……駆逐艦、巡洋艦、潜水艦の保有量も制限されることに決まった。
ただ日本が保有していた神風型駆逐艦が今の枠組みだと軽巡洋艦になってしまうという問題が発生してしまった。
今回の条約で巡洋艦は重巡洋艦と軽巡洋艦の2つの枠組みに分けて、保有数を制限することに決まっていたが、日本の既存艦は通常の巡洋艦が大型で重巡洋艦に分類されてしまい、大型駆逐艦は軽巡の能力があるとして問題視されてしまった。
拡張性を持たせて長く使える船にするという節約思考が裏目に出てしまったのである。
日本は何とか新型である神風型駆逐艦32隻の保有を認めさせるために、旧式化していた巡洋艦5隻の廃艦、7隻を練習艦とすることをアメリカとイギリスに認めさせ、大型駆逐艦で植民地警備をしたいフランスと経済的に結びつきが強く、親日になっていたイタリアの援護により神風型駆逐艦は廃艦にしなくても良いと決められた。
ただ今まで日本では二等駆逐艦(輸出用駆逐艦)と分類されていた船が駆逐艦の主力に、巡洋艦に至っては一時的に実戦配備できる数が0隻になると大打撃を受ける結果となったが、重巡洋艦は10隻分の新建造が認められるのであった。
また、アメリカとイギリスの艦数保有数の約7割を保有することを許された。
一応条約の枠内で日本が保有して良い艦数がこんな感じ。
〜主力艦枠〜
戦艦(巡洋戦艦)
・6隻(金剛型)
空母
・10隻(白龍型4隻、蒼龍型2隻、翔鶴型4隻)
工作空母
・2隻(紅鶴、白鶴)
軽空母
・2隻(鳳翔、龍驤)
〜補助艦枠〜
重巡洋艦
・10隻(新規建造)
軽巡洋艦
・32隻(旧神風型駆逐艦→神風型軽巡洋艦)
駆逐艦
・89隻(大多数新規建造)
潜水艦
・28隻(新規建造)
これが条約で決められた日本海軍の枠組みであった。
こうしてみると条約内でも結構規模はデカいが、中身スカスカである。
まぁ潜水艦に関しては条約を守る気はさらさら無いのだが……。
またアメリカの台湾に駐留している艦が日本の脅威に感じるとして、台湾に停泊を許す代わりにトラック諸島……南洋諸島の島々に日本艦を停泊する拠点を作ることを許すというのも条約に盛り込む形になった。
トラック諸島であれば周囲から監視されることも無いので、潜水艦を停泊させて保存仕放題である。
艦の保有数と新造艦が許されている時点で結構周りが譲歩してくれたが、日本としてはアメリカとイギリスが勝手に牽制し合って保有数を制限してくれたのが一番大きい。
なおイギリスとアメリカは新造艦作っている場合ではなくなっており、旧式艦の大艦建造条件を20年から26年に延長したりして、今ある艦で何とか有利にすることで躍起になっていた。
噂によるとアメリカは空母を3隻保有しているが、戦艦よりも費用対効果が悪いと判断されて全部廃艦にしても良いのではないかみたいな声が議会で本気で議論されたりもしていた。
こうしてロンドン海軍軍縮条約は締結させるのであった。