ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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レールガン

 陸海空合同兵器開発局という部署がこの世界の日本には存在し、陸海空軍で活用できる兵器の開発や陸軍と海軍で仕様が異なる機体に関しての調整を行い、両方で共有化できる物は共有したほうが生産性が高くなる……ということで、空軍発足時に出来上がった部署である。

 

 例えば円盤型飛行船丸ゆ……元々は陸軍が開発した兵器であるが、下部に88ミリ高射砲を搭載できたり、電気が尽きるまで飛行可能である為、既存の航空機の十数倍滞空できるのを利用して災害や船や航空機が撃沈された際等の水難の救助、魚雷を数本搭載して攻撃できたりと普通の航空機よりやや速度は物足りないけれど、七六式多目的機が行えたことを全て代用できることから、海軍バージョンに改造したりする作業を担ったのがここの開発局である。

 

 ヘリコプターで行える用途がほぼ全て代用できて、兵器を格納しておけば水上機の様に水上でも浮かんで低電力で移動できたりと色々便利だったので水上機の代わりに最近軽巡洋艦に改められた神風型軽巡洋艦各艦の後部甲板の上に2機乗っけられた。

 

(なお緊急時には丸ゆに避難して船員が脱出できる様になっており、詰めれば一応丸ゆ1機に40人は乗れる……まぁ全員は乗れないので、他は脱出艇に乗る必要があるが)

 

 戦闘機の方の神風や流星も艦上戦闘機、艦上攻撃機として開発されていたが、高性能なので、地上基地からも出撃できる地上機タイプも作られていた。

 

 ほぼ神風(ベースとなったP51マスタングのD型かつバブルキャノピー……コックピットを覆う透明の天蓋を装備しているタイプ)と同じであるが、着艦しなくてもいい分、ブレーキ性能や離着陸を地面を想定した地上機の紫電や流星の地上機バージョン(こちらは流星のまま)等の開発、調整も行っていた。

 

 そんな開発局で働く転生者の開発局ニキはロンドン海軍軍縮条約で重巡洋艦を新規で建造するにあたり、適する主砲はどれが良いかと軍艦設計ニキから質問が届いていた。

 

「重巡洋艦ねぇ……砲は6.1インチより大きく8インチ以下……センチに直すと15.5センチ以上20.3センチ以下……一応20センチ砲は載せられるのか」

 

 参考資料として前世で造られた巡洋艦や他国の巡洋艦のスペックを提示された。

 

 有名なのが高雄型重巡洋艦で、これは条約ギリギリになっており、主砲が20.3センチ連装砲5門他副砲、高射砲多数とめっちゃ重武装になっていた。

 

「ただこれモデルにするとトップヘビー……船体のバランスが悪くて嵐や魚雷攻撃で転覆する可能性があるな……ん」

 

 開発局ニキはふとアルファ博士の作り出したマナタイト発電所の事を思い出す。

 

「動力のマナタイトタービン……1基じゃ余剰電力は限りあるけど、重巡洋艦なら2基、3基搭載してもスペース的には余裕があるよな」

 

 マナタイトが少量で大きな力を発揮でき、マナタイトタービンも通常動力機関よりも小型であるため、燃料庫のスペースを詰めればマナタイトタービンを複数置けるだけのスペースは条約で大きさ制限されている重巡洋艦でも問題無かった。

 

「あれ、搭載できるんじゃね? ……超電磁砲……」

 

 開発局ニキは開発局の仲間を集めて超電磁砲……レールガンが実用可能か計算してみることにした。

 

 まずレールガンの問題は船舶に搭載できる発電施設の問題で、1基動かすのに火力発電所1基に相当する電力が必要であり、自衛隊は高性能バッテリーを搭載することで解決したが、この世界ではアルファ博士が開発したマナタイト発電装置があり、これはタービンを動かしている動力から流用することが可能である。

 

 なのでマナタイトタービンを2基以上搭載すれば1基は動力と船内設備用に、もう1基……いや発電量的にレールガン3門を動かせる電力を作れるため、レールガン3門を装備することが出来るのではないか……と計算していった。

 

 あとレールガンの問題は高速で物体を射出するため砲の寿命が短いという欠点があり、これが理由で史実アメリカはレールガン開発を放棄していたが、ジャパニウム鉱石を利用した今の合金技術であればレールガンの摩耗に耐えられる砲身を作れるのではないかと考えられたのである。

 

 その他の技術的に必要な仕組みはダンジョン素材を使えば可能と結論付けられ、政府が世界恐慌で荒稼ぎした資金の一部を流用してもらい、モノレール技術研究費用としてこちらに回してもらえた。

 

 で、転生者の技術者や使い魔、野生の天才技術者達を数千人規模で集めて実験した結果、半年で地上試験に合格。

 

 その勢いで艦に乗せても問題ないかの実験が改装中であった金剛で試され、これも合格し、結果新型重巡洋艦10隻はレールガン搭載艦として決められた。

 

 ちゃっかり金剛も主砲の数が減って、1基レールガンに変わったが、レールガンによって砲の面積が減ったので、円盤型飛行船丸ゆを搭載できる航空戦艦へと変わるのであった。

 

 対地攻撃用として20.3センチ連装砲が前部に2基搭載され、艦橋を挟んで前後にレールガンを2門乗っけ、空いた後方スペースに丸ゆが4機乗っけられるようになっていた。

 

 弾薬庫のスペースが大幅に削減されたし、レールガンの砲身寿命はダンジョン素材を使った結果500発までは耐えられるようになり、甲板に予備の砲身を乗っけたりもしたが、主砲と違い、ダンジョンに潜った探索者でもある水兵や使い魔であれば、レールガンの砲身は10人いれば運べる重さなので、船上での取り替えも可能。

 

 しかも弾薬庫スペースが減った結果船員の生活スペースを広げることができたし、マナタイトタービンを2基積んだので万が一1基が不調に陥っても、動力を変更することで帰還できる可能性が大幅に向上する結果に繋がった。

 

 ちなみに重巡洋艦の速度は40ノット以上で航海することが可能である。

 

 レールガンの威力のほどはというと、通常の戦艦の大砲の初速が760m/s……マッハ2.3くらいの速度で砲弾が飛んでいくところ、レールガンは2300m/s……マッハ7に相当する初速で飛んでいく。

 

 速度が速いと貫通力が上がるし、近くを通るだけでソニックブームで船体を傷つけることも可能である。

 

 戦艦でも理論上200キロ先から数発命中すれば沈む威力があり、駆逐艦や巡洋艦ならそれ以下の命中数で沈む。

 

 空母なんかは艦載機をソニックブームで破壊できるため、近くを通っただけで甲板を火だるまにできたりもする威力がある。

 

「これあればミサイルより命中精度高いだろ……」

 

 マッハ7なので200キロ先に1分半で到達するため、敵艦の座標を航空機で連絡できれば遠距離から一方的に敵艦を無力化することができそうである。

 

「ますますレーダーの高性能化とレーダー搭載した偵察機の開発が急がれるな」

 

 金剛型の戦艦達にも主砲の数を減らしてレールガンを搭載することに決まるのだった。

 

 

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