ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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タイガーショック

 韓ソ戦争と呼ばれる戦争にて日本軍はソ連軍を圧倒し、他国に先駆けて戦術のアップデートを行うことに成功した。

 

 まず機甲戦力の集中投入により既存の塹壕戦では対応が不可能ということであり、和虎だけでなく旧式化したアジア号でも無線を用いた連携及び各部隊が最大限力を発揮できる場所であれば旧式兵器や練度の劣る韓国軍でも戦線の突破は可能である……という点がまず1つ。

 

 機甲師団に追随できる自動車化部隊や史実ドイツが創設していた装甲擲弾兵(機械化師団)等の戦車以外の部分の機械化に予算をかける必要があること、戦車の速度に自走砲以外の大砲は取り残されてしまうため、砲兵隊の自走化を急ぐこと。

 

 無線を用いて目標地点に短期間に集中して火力を叩き込むことで敵の能力を一時的に大幅に落とすことができること。

 

 試作兵器であった多連装ロケット砲搭載型和虎(和虎の車体の上にロケット発射レールをポン付けした兵器)が面制圧で想像以上に効果があったこと。

 

 高レベル兵向けに30ミリ対物ライフル(大型狙撃銃)を持たせたところ、普通に敵戦車を撃破したり、3キロ以上離れての狙撃に成功事例多数と、費用対効果が高い歩兵装備の確認も取れた。

 

 ただ何より航空攻撃による破壊力がヤバすぎた。

 

 戦闘機が4世代くらい隔絶していた為、制空権を一瞬で奪取するとあとはボーナスゲーム。

 

 ソ連の薄い装甲の戦車には50キロ爆弾1発で撃破できるため、基地破壊以外では小型爆弾連打で無力化に成功したものの、双発や4発大型爆撃機みたいな絨毯爆撃できる機体があった方が便利ということで、大型爆撃機の必要性が再認識される結果となった。

 

 あとは制空権を奪った状態かつ、機甲部隊が迅速に移動すると補給がままならない可能性が出てきたため、空中投下による物資投下を行えることや、超人兵達による空挺降下で敵防衛地点の撃破等を行うための輸送機も必要と考えられた。

 

 戦術面での戦訓は以上であり、次は戦果の方である。

 

 ソ連軍30個師団約40万人、戦車1500両、車両5000台、大砲6000門に航空機3000機と普通の中小国なら国家全戦力に匹敵する極東軍であったが、日本軍が確認できた戦果だけでも、戦車1390両、車両4500台、大砲4230門、航空機2972機の撃破に成功。

 

 特に第一航空団の性転換転生者で固められたお嬢様飛行中隊は戦闘機の出番が無いと見るや急降下爆撃ができる流星を操りピンポイント爆撃や機関銃による地上掃射で1人あたり80両の車両と30門の大砲を破壊した。

 

 まぁその人達は流星で敵戦闘機も何機も撃墜していた為、5機以上撃墜者に与えられるエースの称号を中隊パイロット12人全員が保持することにもなった。

 

 以後彼女達はアイドルのような扱いを受けることになり、広報で引っ張りだこになるのだった。

 

 

 

 

 

 日本軍が大戦果で歓喜に沸いていたところ、ソ連軍では完膚なきまでの大敗北に指導者であるスターリンが激怒し、極東軍の将軍達は多くが粛清されてしまったものの、終盤は韓国軍にも敗北する自国軍の弱さを痛感し、政敵であるはずのトハチェフスキー元帥やその配下の優秀な将校達の粛清を取りやめ、赤軍の近代化及びそれに耐えられる国の重工業化に邁進することに繋がる。

 

 これにより史実以上に強化されたソビエト赤軍が爆誕することにつながるのであった。

 

 そのため兵器開発も今まで以上の速度で進み、韓国軍から鹵獲したアジア号を徹底的に検証して、1934年にT-34を完成させたり、日本軍の和虎を倒すために重戦車や駆逐戦車の開発も進められ、122ミリ砲を搭載した大型戦車が多数作られることに繋がった。

 

 航空機も散々落とされた為、色々試行錯誤された結果、コンクリート航空機と呼ばれる重防御の攻撃機が作られたり、軽量で小回りが利く戦闘機を開発したりと強化されるのであった。

 

 

 

 一方で韓国軍は国力が伴ってないと政権上層部が判断し、戦災復興に努めながら、日本との協力関係を強め、自国で兵器開発ができるだけの工業力を得るために努力をし、政府のバックアップを受けて新興財閥が起こり、財閥を中心として経済を強化していくことになるのだった。

 

 

 

 

「韓ソ戦争の情報が観戦武官により届きました」

 

「拝見しよう」

 

 軍事制限を受けていたドイツでは民間軍事組織だったり、ナチ党の私兵である親衛隊だったりと、ドイツ国防軍以外の武力組織が台頭しつつあった。

 

 ただ国防軍はその中でもソ連と協力して戦車開発を進めたり、イタリアのエンジン技術をスパイを通じて奪取し、ノルウェーや第三国経由で極秘裏に航空機開発を進めたりと、着実に力を蓄えていたのだが、そんな最中仮想敵国の1つである日本の航空機や戦車のおおよそな性能がわかると、上も下も大騒ぎであった。

 

 欧州大戦にてフランスやイギリスに戦車の原型となった自走砲を輸出した過去があり、再びドイツが戦争をすることになったら、日本がこの戦車(和虎)をフランスに輸出するのではないかと危険視したのである。

 

「今の戦車で88ミリ砲を搭載できる車体は無いぞ」

 

「それを動かせるエンジンも開発できてない……」

 

「世界に冠たるドイツも過去のものか……」

 

 ただその中でも機械化した師団は塹壕をものともしないで進撃したという情報は、再びの塹壕戦になることを恐れていたドイツに希望を与えた。

 

「戦車は前面を傾斜させた装甲を持たせ、支援車両として研究されていた4号戦車を更に拡張させた戦車でないと日本戦車には対抗できない。より大柄で拡張性のある戦車にしなければ!」

 

 その結果ドイツ軍では史実のパンター戦車の車体に4号の砲塔を搭載したレオパルドという戦車が早期にロールアウトすることに繋がるのだった。

 

 

 

 

 

 イギリス、フランスも日本の和虎に衝撃を受けたが、一番衝撃を受けていたのはアメリカの陸軍だった。

 

「ジャパニーズタイガーは最低80ミリの装甲を持ち、時速45キロ以上で動き、何より88ミリ砲を搭載している。これに勝てる戦車は現状どの国も保有していない!」

 

 タイガーショックと呼ばれる戦車史のターニングポイントが起こり、各国は和虎を倒せる戦車開発に躍起になるのであった。

 

 一方で和虎はスペック詐欺の戦車かつ、他国が無理して大型砲を搭載しようとして、重戦車化する中、日本は和虎を当分のベース車両にすれば良いと割り切っていたため、500馬力だったエンジンを新型の750馬力エンジンに換装したり、整備に手間取っていた履帯周りを整備しやすい方式に転換したり、トランスミッション系をセミオートで動かせるようにした。

 

 車体はそのままに、中身を改善し続けて、韓ソ戦争の戦訓を反映した和虎改が1932年に、1935年には射撃補助装置及び暗視装置を搭載した和虎改ニ、1937年には砲塔をより大型な大砲を載せれるように大型化(キングティーガーみたいな砲塔)した和虎改三と堅実な進化をしていくのであった。

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