ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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出稼ぎドイツ人のアル 1

「ドイツ人の日本旅行者が急増しているな」

 

「出稼ぎしないとやっていけないのだろう」

 

 5年間の長期就労ビザを携えて日本にやってくるドイツ人達。

 

 転生者達は裏にナチスの陰謀が隠れているのだろうと勘ぐっていたが、一般人からしたらそんな事は知らないため、普通に探索者たり得る人材……仲間として当たっていった。

 

 ドイツ人達も真面目な方が多い為、日本にある日本語学校や探索者として最低限活動できる予備校にちゃんと通ってから探索業務に就くことが多かった。

 

 それは日本が韓ソ戦争に参加している間も来日を続け、元軍人だったりする人達が日本に流入していた。

 

 まぁ日本人の数からすると圧倒的に少ない人数であるが、数十万単位で来日していた為、政府や現場では対応に追われていた。

 

 まぁ多くのドイツ人が大戦後に引き抜きして日本に帰化した元ドイツ人達とコミュニティを作り、ドイツ人村というべき場所を作って住んでいたりしたが……。

 

 今回はそんな人達のお話……。

 

 

 

 

 

 

 俺の名前はアルノー……皆からはアルって呼ばれている。

 

 年齢は28歳で欧州大戦でも兵士として活動していた元軍人だ。

 

 兵役解除になってから数年は労働者としてルール工業地帯の工場で働いていたんだが、いかんせん時勢が悪かった。

 

 とにかく不景気だし、政府が金を刷りまくったから金の価値はほぼ無くなるし、アメリカからの支援でなんとか立て直せたと思ったら、世界恐慌で職を失う羽目になったし……。

 

 そんな最中、ナチ党の政策に惹かれ、強いドイツの復権を掲げていたナチ党に入党し、党員として活動を始め、当初突撃隊に所属していたんだけど、突撃隊が政党内で揉めごとを度々起こしているのに嫌気がさしていた頃、日本への出稼ぎの話が出てきた。

 

「日本にはダンジョンがあり、そこから無限とも言える資源が産出する。日本とは大戦時に敵対したが、その資源は魅力的故に経済協定も結んだし、出稼ぎに行ってみないか」

 

 と上司に言われて、日本語を軽く勉強してから、多くの失業者と共に日本へ出稼ぎに向かったのである。

 

 ナチ党としても党員が予定より膨らんでしまい、制御ができなくなっていたらしいので、組織のスリム化の為に、役職が特に無い人員は積極的に出稼ぎへと行かされる事になった。

 

 船に揺られて日本に到着し、日本でもドイツ人の出稼ぎ労働者受け入れの為に住む場所を用意してくれていて、日本人が経営するアパートの1室を借りて、日本での生活が始まった。

 

「日本語軽く学んでおいて良かった」

 

 日本語を学ぶ予備校とダンジョンに潜るための予備校があり、俺は直ぐにダンジョンに潜るための予備校に通うことができ、予備校では武器の扱い方や素材の採取の仕方なんかを3ヶ月間学んだ。

 

 その間も低額ながら給金が発生して、普通に生活することができたが、パーティーを組んでダンジョンに潜るようになると世界が広がった。

 

「ヨロシクオネガイシマス」

 

「おう、よろしくな!」

 

 俺は日本人の岡野さん率いるパーティーに荷物持ち兼採取要員として雇われ、探索者としての仕事が始まった。

 

 岡野さんのパーティーには人間が俺含めて5人と使い魔と呼ばれる人型のモンスターが10体働いていた。

 

 人型と言っても普通の人間の様に意思疎通が出来るし、なんなら俺と会話しやすいように岡野さん達はドイツ語を習得していた。

 

 聞いた所によると、ダンジョンに潜っていると身体能力だけでなく頭も良くなりやすい為、他国の言語を習得しやすいらしい。

 

 だから日本でダンジョンに潜って長い人物達は英語、フランス語、ロシア語、ドイツ語、スペイン語、オランダ語、イタリア語を2から3種類は習得しているらしいし、ロシアから亡命してくる人やドイツから出稼ぎに来る人物も多いので、ドイツ語とロシア語は結構な人達が覚えているのだとか。

 

「まぁそのうちアルは企業からお声がかかったりするだろうし、基礎教えたら、アルを企業所属になれるように推薦するから頑張ろうな」

 

「ハイ」

 

 ダンジョンに潜る者……探索者も自営業と企業所属の2種類があり、岡野さんのところは自営業なのだとか。

 

 色々な企業から仕事を貰ってきたり、素材を相場で売ったりするのが仕事で、企業所属だと指定された素材をノルマの分だけ採取してきてほしい……みたいな事を言われるのだとか。

 

 給料は自営業の方が比較的稼げるが、企業所属のほうが保証とか色々あって楽なのだとか。

 

 出稼ぎ労働者は予備校が斡旋したところで働くことになるから、最初は自由が無いけど、雇い主がOKを出したら他所に移動することもできる。

 

 まぁ就労ビザで来ているので5年間同じところで働くのが普通らしいけど。

 

 まず驚いたのが個人で戦車や装甲車を複数保有している点だろうか。

 

 岡野さんに聞いたら、探索者は稼げるし、一定の実績があればローンで戦車等を購入することができる。

 

 それに普通のパーティーは1日で数十円から数百円……ドイツのマルク換算だと1ヶ月分から半年分の金を稼げてしまうらしい。

 

 まだ給料を受け取っていないので分からないが、楽しみである。

 

 俺もトラックに乗り込んでダンジョンに潜ってみると、天使がいたり、妖精がいたりとファンタジーな世界であったが、攻撃してくるので銃で迎撃し、採掘地点に降りたら、ダイナマイトやドリル、採掘機を使って鉱石をガンガン採掘していく。

 

 採掘された鉱石を使い魔達がトラックに運び込むので、トラックの周りでモンスターが襲ってこないか警備を任され、1時間立っていたら、30分トラックの車内で休憩をして、時折襲ってくるモンスターを銃で倒してを繰り返した。

 

 トラックが満載したら撤収し、それを何度も往復する。

 

 倒したモンスターの素材は自分で換金して良いと言われたので集めて、その日の終わりに換金所で換金すると10円にもなり……ライフスマルク計算で16.8ライフスマルクになり、2日働けば1週間働いた金額と同等の金額になってしまう。

 

「こんな楽に稼げて良いのか?」

 

 今までの労働が馬鹿みたいであり、週間4日勤務で1ヶ月働くと、給料日となり、国からの出稼ぎ労働なので半分ドイツ本国に給料を天引きされる結果になったが、80円の金が入ってきた。

 

 個別で換金していた平均8円の追加収入とは別口で。

 

「今月だけで約200円も稼げたぞ……え? 日本ヤバすぎない?」

 

 そんな生活を2ヶ月した結果、自前の車を一括で購入することができた。

 

「ドイツだと車購入するのに3年ローン支払わないといけなかったりするのに……一括で買えちゃったよ! 探索者稼げすぎじゃん!」

 

 祖国との給料格差に唖然とするアルだった。

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