ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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量産型あきつ丸

「うーん、海さんよ。もし戦争となった場合大陸や台湾、そしてフィリピンに軍を展開しなければならないと思うのだが」

 

「そうですが陸さんは何か不安でも」

 

「いや、輸送能力が史実のことを考えるとフィリピンへの海上輸送が不安でして」

 

 海軍の上層部と陸軍の上層部、そして空軍の上層部……転生者だけでなく陸軍や海軍、航空大学を卒業し、師団長や艦長を経験した佐官もこの場に参加していた。

 

 来るアジア大戦において陸海軍の意思疎通を素早く統一するために、ドイツ軍やイギリス軍を見習って大本営……参謀本部の創設された。

 

 そして史実を反省し、シビリアンコントロール下に置くために、最終的な指揮権は首相が持つというのも転生者の派閥が押し切り、軍内の反発を抑えて憲法に組み込んでいた。

 

 そんな大本営の初会合として議題に上がったのが、輸送能力問題である。

 

 韓ソ戦争において海上輸送を妨害する勢力がない状態でも、2個師団及び航空団を大陸に送り込んで、不足なく運用するために上層部は輸送に頭を悩ませていたが、多方面戦闘をしなければならない事を考えると今以上の輸送力を有さなければ、補給不足に陥る可能性が高いと大本営隷下の総合戦略研究所……総研から報告が上がっていたのである。

 

 ただ海軍は駆逐艦の建造で精一杯であり、海上輸送を目的とする艦の建造計画が遅れていた。

 

 そこを陸軍が心配したのである。

 

「陸軍としては強襲揚陸艇の母艦となる艦の建造を計画しているが……」

 

「それは海軍の領分に抵触するのでは?」

 

「空軍が航空機を管轄するのに丸ゆは陸海軍が管轄しているのと似たような物だ。それに強襲揚陸艇は陸軍が管轄しているからな」

 

 というわけで、和虎の車体をベースに様々な車両を作っていたり、軍用トラックや車両の製造において互換性を優先していた陸軍はコストダウンに成功して、予算的に余裕があったのである。

 

 なので、その浮いた予算を使って強襲揚陸母艦兼輸送力が高い艦の建造をしたいと考えていたのである。

 

「しかしそんな都合のよい艦なんて作れるのか?」

 

「一応民間企業にコンペを出して面白い物が既に出てきている。これは空さんも賛成してくれるかと」

 

「ほう」

 

 というわけで提案されたのは、史実ではあきつ丸と呼ばれた軍艦を今の日本の技術力で改善できる部分を改善した物であった。

 

 大きさはあきつ丸と同じ140メートルと少しで軽巡洋艦と同じくらいの大きさだが、空母にするには滑走路が短くて神風や烈風、流星等を飛ばすことはできない仕様になっていた。

 

 なっていたんだけど、陸軍と空軍が協力して作った襲撃機というか近接支援機というか……分厚い二等辺三角形こと乱波が少しの浮力で浮き上がるし、着陸する時の必要距離が50メートルと少しあれば着陸できるので、乱波を飛ばすことができたり……。

 

 まぁ本命は丸ゆである。

 

 ヘリコプターと同じ感じで運用できるUFO……円盤型攻撃機である丸ゆをあきつ丸だと甲板に15機載せて運用することができるし、丸ゆは爆雷とソナーを下部に取り付けることで潜水艦を撃沈する能力もあるし、対空装備もマシマシなので空中対空防御陣を取ることでハリネズミの様に艦を守ることもできた。

 

 何より丸ゆの本領は下部に取り付けられたガトリング砲や機関砲であり、なんなら75mmや88mm航空砲を取り付けることで、トーチカや戦車等を簡単に撃破できる点である。

 

 丸ゆを飛ばして地上の目標を撃破し、強襲揚陸艇で兵士を上陸させて拠点を制圧する。

 

 強襲上陸しない場面では広い船内の輸送能力で甲板に航空機を露天駐留させて陸上に運搬したり、戦車や車両を運搬できる……そう聞くとあきつ丸が欲しくなってくる。

 

「海軍軍縮条約でも補給艦等の艦には制限がかかってない筈だ。それに空母にしては小さいから外国からの理解は得られると思うぞ。対空砲と爆雷投射機以外に攻撃力も持たせる予定はないし」

 

「ふむ……条約に抵触しないか確認してみよう」

 

 というわけで海軍はイギリスとアメリカにこんな補助艦を作ろうと思うんだけど〜と提案したが、両国経済的混乱で新造船どころではなく、主力艦をどう長く使うかを考えており、イギリスに至っては

 

「この強襲揚陸母艦というのうちの使えなくなった軽巡洋艦を改修して作れるんじゃね?」

 

 と考えたらしく、使える補助艦が少しでも欲しいイギリスも賛成したことで特に制限が付けられることは無かった。

 

 で、陸軍は海軍から船員を融通してもらうが、有事の際には陸軍だけでもこの艦を動かせるように、平時では戦車や車両、航空機の輸出の運搬船として活用することを建造理由に盛り込んだ結果、10隻分の予算が政府から降り、まさかのあきつ丸量産が決定。

 

 艦の設計は軍艦設計ニキも協力し、しかも4大財閥の保有する大きな建造ドックでなくてもあきつ丸の大きさであれば建造できるからと、転生者が経営する中規模の造船所が建造することになるのだった。

 

 約8ヶ月であきつ丸型が量産され、実際に演習で運用したところ、想像以上の利便性から陸軍は更にあきつ丸を量産。

 

 実質ヘリ空母なので利便性が良いのは分かるが、貿易船としても便利であり、タイ陸軍や最近仲のよいイタリアに輸出用に陸軍が作った……というより和虎でコンペ落ちしたメーカーに気を使って輸出用に鋼材を複合ではなく単一素材にしより安価にした合金を使って史実の自衛隊の61式戦車そっくり(性能は史実ドイツのパンター戦車並み)の輸出用を友好国に販売することにしたのだ。

 

 イギリス軍は研究用に少数購入、フランスは外国人部隊ニキが偉くなっていたので、外国人部隊の機甲部隊の装備品として100台近く購入。

 

 韓国軍もアジア号より強いとして、アジア号を中国に転売して予算を捻り出して購入。

 

 タイも購入したが、景気が良かったイタリアは他国に航空機の輸出が好調だったこともあったし、治安がムッソリーニの手腕で改善して、欧州に売り込むための拠点として日本企業がイタリアに進出しやすかったので、イタリア国内で製造工場や整備工場を作ることを条件に2000台の大規模受注に成功。

 

 何かイタリア軍がめっちゃ強化されることになるのだった。

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