ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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発展する電子機器

「3、2、1、ファイヤー」

 

 シュボボボボー

 

 1935年1月……種子島に建てられた宇宙研究所にて、日本人科学者、亡命ロシア人とユダヤ系技術者、そして大恐慌時代に引き抜いたドイツ人技師達の国際チームがこの日、宇宙にロケットを用いて人工衛星の打ち上げを成功させた。

 

 一般には天候の早期予測の確立向上や宇宙空間の研究など新時代に先駆けて、人類を次のレベルに引き上げる未来に通じる技術の1つだと報道したが、転生者達の間では次のように評価された。

 

「予想された場所に物体を投射できる大陸間ミサイルの技術を手に入れたことになるか」

 

「これで、アメリカに対して日本から攻撃することができる」

 

「将来的には核が投射できるようになるだろうが、アルファ博士がマナタイトを使った広範囲爆弾の研究も続けている。完成次第アメリカの生産拠点を叩けるが……」

 

 アメリカへの攻撃手段の1つとして考えていた。

 

 主に使うのは工業地帯への爆撃であるが、あくまで米国本土攻撃は最終手段の1つ。

 

 できればハワイの陥落をもって海上戦力を殲滅させ、太平洋上の制海権を奪取し、アメリカの経済活動に致命傷を与えれば自ずと手を上げざるを得ないだろうと考えていた。

 

 ベトナムの様なゲリラ戦をする気は無いが、厭戦気分を蔓延させて、民意をもって講和に持ち込めれば上々と考えられていたし、ナチスかソ連のどちらかが膨張すれば、同じ民主主義国として手を組まざる得なくなるだろうし、史実日本と違い、この世界の日本は資源大国。

 

 資源と日本の技術力を用いれば、人口爆発も相まって、国際的な地位も自ずと向上するだろうという国家戦略も描かれている。

 

「それにこれからはミサイルの時代だ。レールガンとミサイル……海軍はこの2つを主力として兵器開発を進めなければ……」

 

 そんな誘導弾には量産が始まったファ◯コン……いや、ゲーム◯ーイ級の小型コンピューターはミサイルの誘導制御装置にピッタリであり、命中率が格段に向上し、無誘導弾の開発に拍車がかかるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 ロケット関連でなく、コンピューターの性能向上は他の電子装備の発展にも大きな影響が起こっていた。

 

 まず開発されたのがコンピューターとは関係ないが、赤外線暗視装置の開発成功で、歩兵にはゴーグル状の、戦車等の装甲兵器により大きな暗視装置を取り付けることで、夜間戦闘能力が大幅に向上。

 

 元々日本兵は高レベルになれば夜目のスキルで夜間でも昼間のように見えるのであるが、そうでない兵士でも戦力を増強できるようにや、暗いダンジョンでも活動しやすくするように……という理由で開発が進められていたのである。

 

 さてさて、コンピューターが使われている兵器として対空戦車の開発も進んでいた。

 

 韓ソ戦争でソ連の攻撃機に物量攻撃された場合、一時的に制空権を喪失して車両に被害が出る可能性が高いとして、陸軍は海軍や空軍と協力してレーダーの開発に注力した。

 

 ラジオやテレビでも電波を取り扱うため、転生者が経営する家電メーカーも開発に参加し、副産物として電子レンジが出来上がったりしたが、レーダーの性能は着実に向上。

 

 和虎は拡張性が高い車両だったので、砲塔や大砲を対空仕様に変更。

 

 空軍が開発した20mmバルカン砲……見た目はガトリング砲の様に複数の砲身が電動モーターで回転し、機関銃以上の高レートで弾丸を射撃する砲で、日本軍の主力機関銃であるM2もどきが発射レートが毎分1200発であるのに対して、バルカン砲は毎分4000発であり、複数砲身があるので、砲身冷却時間や効率もこっちの方が早い。

 

 有効射程距離は約4000メートルであり、低中高度から進入する爆撃機や攻撃機の命を刈り取る兵器が完成した。

 

 和虎をベースにあるので飛虎と命名され、これが甲タイプ。

 

 乙タイプには重爆撃機に対抗するため戦車で使われていた88mm対戦車砲を高射砲に再設計し、砲塔を90度の直立まで砲を動かせるように改造砲搭を搭載。

 

 半自動装填装置を搭載し、1分間に20発の砲弾を空中もしくは地上目標に叩き込むことができ、この砲弾に小型コンピューターを組み込むことで、目標近くで爆発するようになり、周囲に砲弾の鉄片をばらまく。

 

 VT信管とも呼ばれる信管を採用し、対空目標への撃墜率を約20倍に上げることにも成功し、それでいて両方が敵味方を感知できるレーダーと連動機して、敵だけに砲弾を叩き込むことができる。

 

 甲はバルカン砲の高レートでの射撃で、曳光弾を使うと光の線に見える攻撃を行い、実戦訓練で中高度を時速650キロで自動操縦されていた戦闘機の神風改や時速600キロで飛行する流星を簡単に撃墜できる性能を発揮し、レーダーの進歩により、レーダーに対抗できない攻撃機や爆撃機は鴨になるという恐ろしい戦訓を陸軍と空軍に叩きつけた。

 

 対応として、ステルス爆撃機である乱波や対空砲でも落とせない防御力がある丸ゆの量産及び、対空目標の優先的な撃破、無線誘導ミサイルの開発促進等の研究が加速することになるのだった。

 

 

 

 

 

 

 一方で海軍も陸軍のバルカン砲とレーダーを組み合わせた対空装備が有効であると判明したので、飛虎甲乙の対空装備をそのまま船に複数乗せる事が出来るため、対空装備全般を更新したり、鉄壁の防空網の形成に躍起になっていた。

 

 で、対空だけでなく対潜水艦のソナーに関しても研究が進み、駆逐艦の船底に大型の水中ソナーを搭載したことで、数十キロメートルで敵潜水艦や敵艦を早期発見できるようになり、何なら民間の魚群探知ソナーの性能も向上したので、漁獲量もなんか増えた。

 

 ちなみにこの時代のソナー有効範囲は5キロ以下かつ水中移動している目標が20ノット以下でなければ探知できない欠点を有していた。

 

 日本が開発した新型ソナーは速度の制限は無いし、出力を上げれば更に性能が上がるように設計されていた。

 

 駆逐艦にもマナタイトタービンが使われているが、将来的には重巡洋艦以下の船舶でもレールガンを搭載したいと考えていたため、マナタイト発電装置の大きさの小型化が達成されれば余剰電力でソナーの探知音を更に大きくすることができ、理論上200キロ以上の探知ができると考えられていた。

 

 レールガンの有効射程距離200キロ。

 

 ソナーの有効範囲200キロ……。

 

 対艦用対航空機用の大型レーダーの探知距離150キロ……。

 

 つまりソナーとレーダーの範囲内に入ってしまえば、航空偵察がなくても、敵艦を捕捉して撃破することができるようになったのである。

 

 まだ実験段階であるのだが、マナタイト発電装置の小型化で全てが達成され、大型駆逐艦及び軽巡洋艦で戦艦を葬る事が可能となるのである。

 

 恐ろしい未来が近づいていた。

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