ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
1936年が始まり、まず国際的な状況として行われたのがロンドン海軍軍縮条約の満期終了であった。
アメリカ、イギリス、日本、フランス、イタリアの5カ国で条約を結んでいたが、アメリカが国際状況を鑑みて抜けさせてもらうと言い出したことによりなし崩し的に条約は無効化してしまったのである。
日本としてはアメリカの海軍戦力を縛り付ける意味で延長を求めたが、明らかにアメリカが日本を仮想敵国と認定し、日本海軍とイギリス海軍を纏めて相手取れる数を揃えようとしているのはアメリカ政界の動きを見ていれば何となく分かっていた。
イギリスは大恐慌後の不景気がいまだ脱出することができておらず、海軍の拡張は現状難しいと言わざる得ない。
そのため、アメリカは一気に海軍覇権国になれるチャンスと受け取ったのかもしれない。
日本としては海軍の軍縮が撤回されるのであれば、数が足りていなかった軽巡洋艦や駆逐艦を更に作れるし、戦艦も金剛型がそろそろ艦歴20年が経過し老朽化が目立ってきたということも相まって、今の最新式技術を使ったハイブリッド戦艦の建造及び、使い勝手の良い中型空母の建造ができるようになるとして、アメリカみたいに常識外れな大軍拡とは行かなかったが、戦艦2隻、空母2隻、軽巡洋艦10隻、駆逐艦20隻のそこそこ大きな軍拡をする計画が立案され、許可された。
計画名は第一海軍拡張計画。
第二、第三を完全にやる予定である。
ただこれで日本は戦艦8隻、空母12隻、工作空母2隻、工作艦4隻、軽空母2隻、重巡10隻、軽巡42隻、駆逐109隻になる予定で、史実日本海軍の太平洋戦争時にだいぶ近づいた数になる予定であった(空母と軽巡は数超えているが)
後日本海軍は潜水艦建造に力を入れる予定である。
なお対するアメリカは追加で戦艦10隻に空母5隻、補助艦大量に造る計画を立てており、戦時でもないのによく予算案が通ったものであるなぁと思わずにはいられないのだった。
1936年と言ったら歴史好きや戦争ゲームをしている人には時報と呼ばれるイベントがある。
スペイン内戦だ。
スペインは王政が打倒され、共和制に移行していたのであるが、社会主義的な思想が強く、国民からも人気が高かったわけではなかった。
そのため反共を掲げるフランコ将軍率いる軍部が反乱を7月に開始し、日本は社会主義政権を応援できる感じでもないため、消去法的にファシズムのフランコ将軍側を応援する形になったが、イギリスとフランスは静観していたため、日本もどちらかに肩入れするのは止めておき、ジブラルタル海峡(スペイン南端とアフリカ大陸の狭間の海峡、地中海の入り口)を封鎖しなければ特にアクションを起こすことは無かった。
が、一部の軍人達はフランコ側に義勇軍として海を渡って参加したのであった。
「ここがスペインか……」
『よお日本の兄弟』
『お、イタリアの兄弟じゃないか!』
フランコ側の義勇軍にはイタリア軍も参加しており、日本人達はイタリア人部隊と一緒に行動させてもらうことになった。
『悪いな、ライスボールは無いけど、パスタならあるから許してくれや』
『戦場でもパスタを食べるって流石イタリア人だな』
『褒めてもなんも出ねぇぞ』
ゲラゲラ笑っているのを同じく義勇軍のドイツ兵も見ていたが、あんなのが味方で大丈夫かと疑問を思っていたが、実際に戦闘が始まると、日本義勇兵は一騎当千の働きをしてみせる。
『お、おい! 日本の兄弟! それ重機関銃だぞ。一人で運用するものちゃうから』
『なんだイタリアの兄弟。日本だとこれくらい普通にダンジョンで運用できないと死ぬからな』
『マンマ・ミーア』
日本義勇兵達は重機関銃やら数人で普通運用する大型の対戦車ライフルを担いで軽々と陣地転換をしていき、爆速で塹壕を掘って、敵の部隊を次々に撃破していった。
『日本のサムライ達やべーな……ちょっとイタリアの凄いところを見せてやろうぜ!』
『『『おう!』』』
これがイタリア人達も火をつけたのか、狙撃銃でイタリア兵達も次々に敵兵を狙撃していったり、ライセンス生産したイマガワ型戦車で次々に敵陣地を破壊していく。
しかし快進撃を止める存在が現れる。
『日本の兄弟逃げろ! ソ連の新型戦車だ!』
まだT-40ではなく、T-34であったが、イマガワ型戦車と殴り合いができるというだけで普通に強い戦車である。
防御力はイマガワ型が有利であったが、側面を晒せばT-34に撃破される為、遠距離から見つけて主砲の優位性で遠くから撃破する戦術に切り替える。
ただ日本義勇兵はイタリアの戦車部隊が楽に攻撃できるように、偵察役を買って出て、戦車の近くまでバイクで進出し、無線で位置を教え、ソ連戦車を撃破するのに一役買っていた。
『日本の兵士は練度が異常に高く、それでいて勇敢……ナチスの教本にあった黄色人種に関する記載で日本人だけ突然変異扱いするのも納得できるな』
ドイツから派遣された将兵も日本人の活躍を目の当たりにし、評価を高めていた。
そしてドイツも戦車を派遣されていたが、新型のⅢ号戦車パンターは本国で生産が開始されたばっかりなため、海外派遣できるだけの数が無く、なのでII号戦車レオパルドが駆り出されていた。
レオパルドも快速戦車ゆえに機動力は素晴らしく、時速60キロ以上を出せるのであるが攻撃力が50mm砲ではソ連戦車の側面に500m以内に近づいてようやく撃破できるかどうかという感じであり、現地改修で75mm砲を積んだ物にしてようやく倒せるくらいソ連戦車の強さを感じ取っていた。
『奴を確実に倒すためには88mm砲を出すしかない! それは本国で生産されているパンターに搭載できるが、ソ連は更に強い戦車をきっと開発してくる……パンターをより強化し、レオパルドも75mm砲をより長い砲を搭載して、撃破できるようにしなければ……』
逆に共和国側の義勇兵に来ていたソ連軍はここでもイタリアとドイツの兵器に撃破されて、やはり自国の兵器は遅れていると確信。
それに航空機に関しては航空先進国のイタリア戦闘機に散々撃墜され、イタリア義勇兵達は結構な人数エースパイロットが誕生することに繋がり、日本義勇兵もイタリアの戦闘機を借りて戦闘したりしたが、日本義勇兵からは爆撃できない日本の神風改と互角くらいだなという評価を受けるのであった。