ゲーム世界転生〜現代ダンジョン世界かつ1900年開始で生き残るには〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
日本の潜水艦開発は欧州大戦より前に遡る。
始まりはアメリカが開発した実戦的な潜水艦ホランド号を購入したところから始まる。
実戦での使用は日露戦争時に国産化した潜水艦を使い、敵の艦に機雷をぶつけることでダメージを与え、実際に戦果を挙げたりもしていたが、日本海軍の潜水艦技術が一気に進んだのは欧州大戦後にドイツの潜水艦技術を戦勝国として接収できたのが大きかった。
ちまちま改良はされていたが、潜水艦を実際に戦略レベルで運用しようと考え出したのは現在の帝国政府が誕生してからであり、巡洋潜水艦構想(大型の潜水艦を運用する構想)が主軸になっていた。
で、日本海軍は今までの船舶で培ってきた金属加工技術と合金技術を惜しげもなく注ぎ込み、更に潜水艦の動力にできるレベルのマナタイトタービンの開発成功が1931年。
そこから諸々の実験が繰り返されたり、潜水艦に搭載できる魚雷の開発等の結果、実用レベルに達したのは1936年までずれ込んでしまったが、長距離航行及び水中の高速移動を実現した画期的な潜水艦が完成した。
史実日本海軍の潜水艦の艦名が伊から始まり500番代まで割り振られていたのと某小説の紺碧◯艦隊シリーズで伊600番から架空兵器として次世代潜水艦が出ていたので、それにあやかって実戦型潜水艦は伊600から始まる。
性能諸元を見ていこう。
伊600型潜水艦
基本鋼材 JMハイテン鋼(潜水艦用特殊鋼)
全長150m
全幅15m
基準排水量4500トン
動力 潜水型マナタイトタービン2型(2基)
出力 5万5000軸馬力
速度 水上50ノット 水中40ノット
武装
620mmソナー探知式誘導魚雷 8門(40発)
格納式機関銃 3丁
という感じであり、最新式のソナーと電探及び自動化できる箇所は自動化されているため、搭乗員数を他国が150名近く乗せなければならない所を100名にまで削られていた。
他にも伊700型潜水艦は全長が50メートル伸びる代わりに、水上機を搭載できる格納庫が付き、潜水空母として水上機を飛ばせるようになっていたりもした。
両潜水艦は海軍決戦兵器の1つとして戦略兵器扱いされ、量産が開始。
生産効率を考えてブロック溶接工法ってのも考えられたが、史実ドイツでそれやって、各工場での誤差で潜水艦が組み上がらないとか無理やり溶接した結果内部のパーツがぶっ壊れたり強度不足になるからと、流石にこの工法は見送られたが、潜水艦を建造できる10社の造船所に大量発注をお願いし、1年間で60隻ペースでの建造が始まった。
目標はドイツのカール・デーニッツ大将が考案していた潜水艦300隻体制を日本で達成できればという考えからこれが至っていた。
300隻あると、実働に100隻、訓練100隻、整備100隻でローテーションが組めるのがよい点であり、広い太平洋を潜水艦を用いて索敵するのを考えると、これくらい数が必要だと試算されていた。
好景気なのと大恐慌で荒稼ぎした金があるからできる荒業であり、維持コストが潜水艦なので比較的安いのもこの大建造を後押ししていた。
一応アメリカの諜報機関には日本海軍が潜水艦を大量建造していることはバレていた。
アメリカはソナーを搭載した駆逐艦の数を増やせばなんとかなると考えていたが、日本側はアメリカのソナーの性能的に水中速力40ノットの潜水艦を探知できる技術は無いと確信していたため、初戦は優位に立てると目算していた。
それに小型化したソナーと制御装置を魚雷に搭載し、自動追尾で敵艦を襲ってくれる機構も開発成功したため、射程距離は10キロであるが、自動追尾の探知範囲内であれば推進剤が切れるまで追いかけてくる魚雷となっていた。
ちなみにドイツが似たような魚雷を史実第二次世界大戦中に開発していたので、今の日本の技術力ならできるだろと思い、作った結果普通に出来上がった代物である。
酸素魚雷は威力も航続距離も長いのだが……いかんせん劇物すぎて狭い潜水艦だとろくに整備出来ないので、通常の動力型魚雷が使われていた。
ジェット推進するミサイルの様な魚雷が運用できるのは今のところ駆逐艦や軽巡だけである。
こうして日本海軍でも潜水艦が着実に作られていたのであった。
「史実では微妙だった兵器を救いたいの会」
「「「いえーい!」」」
この世界でも珍兵器を愛する者達が集まり、自作兵器を開発している者達が居た。
例えば珍兵器の王様パンジャンドラムに飛行石を埋め込み、発電機も取り付けて空中から浮かせて攻撃する……みたいな馬鹿げた兵器が作られていたが、その技術は熱源探知できる装置とロケットの形状をまとも(V1ミサイル形状)にして遠距離から戦車を撃破できるドローン兵器として改良され、軍に対戦車兵器として売られていたりした。
そんな彼らは珍兵器愛好会……珍兵器を愛する変態集団である。
「ご主人! 今日作る珍兵器は何ですか!」
「今日作るのはこれだ!」
手伝ってくれる使い魔の河童達に設計図を見せる。
そこにはバイクの左右の両脇に無反動砲が取り付けられた見るからにやべぇ兵器の設計図がそこにあった。
「無反動砲の運搬が面倒? ならバイクに取り付けてしまえばよろしい。バイクに機関銃乗っけるのがいけたんだからイケるやろ!」
「「「おお!」」」
こんなノリで兵器開発しているが、技術者として彼らは優秀であり、探索者としてもこんな珍兵器を量産できるだけの金は稼いでいた。
数時間後にバイクに無反動砲が搭載された代物が実際に出来上がり、搭載された状態で発射実験が行われたが、四輪車ではなく、二輪のバイクで停車している状態で放つと、発射角度が限定的で実用性が無い、外して放ったほうが命中率が高い、後方に放たれる高温のガスの一部が地面で跳ね返って、タイヤの劣化を早める等の散々な結果となってしまったが、珍兵器愛好会は開発を止めない。
「次はラジコン爆弾作ろうぜ!」
たまーに有用な物を作るので止めることもできないのであった。