ま、いいや!
雑談配信してから数日。
わたしとリズは、また渋谷ダンジョンへと来ていた。
「よーし!
1週間ぶりくらいのダンジョン、頑張るよ!」
「気持ちが空回りしないようにね」
「だいじょーぶだいじょーぶ。
あれからまた応援してくれる人も増えたっぽくてまた強くなってるしね!」
「調子に乗ってたらダメだから。
足、掬われるよ? 」
余裕を持つのはいいことだけど、かと言って調子に乗るのはダメ。それで死んで行った仲間を見たから。
前世の話だけどね。
「はーい。
じゃあじゃあ、莉愛姉が助けてね!」
「そもそも危ない場面はない方がいいけど…まあ絶対はないか。うん。わたしが莉月を守るから安心して。」
「守られたいんじゃないよ!
助け合いたいのー!一方的に助けられるだけなんてやだもんねー!」
「…ふふ、うん、そうだね。」
助け合い…大事だよね。
一方的な関係は不健全だ。わたしはそう思う。
「さて、今日は何層に行くことにしよっか 」
「んー…とりあえず5層でボス倒そ!
その後に考えればいいんじゃないかな!」
「まぁ、それでいっか。じゃあ、配信始めるよ。」
「はいはーい!」
:きちゃー!
:百億万年まってた!
:この前はボス戦せずに終わっちゃったから今回で倒すのかな?
:そもそも普通は一回目の探索でボス戦なんてしない定期
:そんな定期はない定期
「今日はコメントにもあったようにさっさとボスをしばくよ。」
「その後はどうしよっかなー、特に考えてないんだよねー!とりあえずれっつごー!」
カチッ
「「あっ」」
『『『ヴォァァァ!!』』』
:いや草
:普通なら笑えないのに二人なら安心だとわかってるからコントとして笑えるのズルいw
:コイツらダルいんだよなぁw
:弱いし魔法に弱いから二人ならよゆーよゆーw
「「うわっ、めんどくさ」」
「わたしが右。」
「じゃあ左行ってきまーす…」
リズが笑いながら歩き出すと同時トラップを踏み抜く。
今回のトラップはゾンビを大量に召喚するというトラップ。かなり極悪なトラップだが、精々2層クラスの実力しか持っていないため、他対一が出来るなら問題ない。
問題はここが2層ってこと。
他対一どころかゾンビとタイマン張ると危ういような初心者すら多い場所だ。その為かなり危ないトラップなのだが…まぁわたしたちはそもそも範囲攻撃もあるし、問題なんてないね。
「知ってる?
多すぎると、逆に戦いにくいんだよ?」
「チーム戦するなら少人数がいいよねー!相手の大きさにもよるけど!」
それこそレイドボスクラスの大きさじゃないと、味方で敵への射線が遮られるからね。剣だと振り抜く軌道に味方が居て攻撃できない!みたいなのも多いよ。
『ヴァぁッ!!』
「動きが遅い。
スキルを使う必要もないね。」
「よーし!どっちが早く全滅させられるか勝負だー!」
「まって。わたしの方がちょっと多いんだけど…!」
「じゃあ私が勝っちゃうね!」
「…絶対負けない」
勝負なら負ける訳には行かない。
わたし、案外負けず嫌いだから。不利だろうと関係ない。絶対勝ってやるし。
「負けたら罰ゲームね。」
「ふふん、いいのかなー?
私が勝っちゃうもんねー!じゃあよーいスタート!」
:コイツら遊んでやがる!w
:いくら余裕だからってよぉ…w
:まぁでも罰ゲームは楽しみだね
:罰ゲームは全力告白!!
「――――♪」
『『ヴォォァァォッ!?!?』』
歌姫スキルを使う。
わたしの目の前に居る大量のゾンビに向かって炎や氷、果ては雷撃までも飛んでいく。
「あ!?
全力じゃん!?私もやるもんねー!」
『『ォァァァアッァァッ!!!』』
舞姫スキルを発動するために踊るリズ。
リズの前にも居る大量のゾンビを全て範囲内に収めて5mはあるような炎の柱を作り出す。
「っ、―――♪」
「私の勝ちだね!!」
「…はぁ、わたしの負け。
純粋に負けた。罰ゲームはなに?」
:リズちゃんに告白!
:リズちゃんの頬にキス!
:リスナーに向かってウインクして投げキッス!
:ASMR配信して♡
うっわ…
「なるほど!
よし!リア姉、告白して!」
「…うわぁ」
何が悲しくて妹に告白しないといけないの…?
好きって伝えるだけでいいか。妹として見たら好きだし。
「えー…リズ、好きだよ」
「んー、やり直し!」
「は??」
:照れの感情ひとつなく淡々と好きとだけ伝えるってw
:いやまぁ…らしいっちゃらしいけど!!俺らは照れてるリアちゃんが見たい!
:照れリアはよ!
:本当に告白するように!
「…恥ずかしいんだけど?」
「それがいいんじゃん!!」
「…ふぅ、ちょっと、まって。」
「うん!わかった!」
内容は…うん、思い付くね。
…なんで思いついちゃうかなぁ。わたしが本当にそういう意味で莉月を好きみたいじゃん。
よし、覚悟もできた。やるからには照れさせてやるから…!
わたしはひとつ息を吐くと、軽く息を吸うと真剣な表情を作る。やるなら何事も全力、だよね。
「リズ。」
「お、楽しみだなー!
…ふぇっ!?」
身長差が少しあるが、関係ない。
リズの手を取り少し屈ませると、抱き寄せてリズの耳元に口元を寄せて
「リズ、大好きだよ。
もちろん外見も好みだけど、それだけじゃない。
わたしが好きになったいちばんの理由はね、舞う時の真剣な表情、優雅な動き、透き通るような綺麗な声、その全てに魅せられた。
普段から一緒に居て、細かい気遣いが出来るところとか、わたしのご飯を食べて笑顔で美味しいと言ってくれるところ、全部が大好き。
だからどうか、わたしと恋人になって貰えませんか?」
「―――ッ!!?」
「だめ…かな?」
「ひ、ひゃい… 」
「ふっ、勝った…第3部完。」
リズは真っ赤になって目を回してる。
…ところで、どうしてダンジョン内でこんな事してるんだろ?
:ふぉぉ!!リアちゃん恥ずかしそうじゃないけど、真剣な表情にドキドキしてる…これが…恋…!?
:実に良い…
:なるほどこれがてぇてぇ
:こんな告白されたら私はおーけーしちゃう自信ある!
:ダンジョン内なの忘れてしまう
:もしかしてリアちゃんって攻めもいける…?
:凄く凄かったです。まる
:告白すごいのに終わったあとコロンビアポーズしながらドヤ顔でネタに走ってるのおもろいw
:いやぁ、良かったです!
:俺はリアちゃんの顔があかいということを見逃さない
:とりまリズちゃん起きるまで待ち時間ですね(にっこり)
リズが起きるまでコメント欄とじゃれ合うとしよう。
なんでこんなゆりゆりさせてるんでしょう…?