(^o^)カクシンツイタゼ
人間には三大欲求があると言われている。というか、ある。
三大欲求とは、一つ食欲二つ性欲三つ睡眠欲のことでこれらのどれかがかけるとヒトは生きていけないという。まあそりゃあ食欲なければ餓死するし、性欲がなければ子孫残せないし、寝なきゃ死ぬわ。
そんな当たり前を文字にし、まとめたものが三大欲求。
その三つが揃っている人間は人間で、一つでもかければ人間とは言えない。そう、私は教わった。
誰に教わったのかもそれが嘘だったのか本当だったのかも私にはわからないけど、それなら私はもうとっくの昔にヒトをやめているのだろう。
食べるのも、性も嫌い。
ただ睡眠は好きだった。悪夢しか見られないようになるまでは。現実を少しでも忘れさせてくれ、何も考えずに済む深い深い眠りが好きだった。いつしか眠れなくなるまでは。
食欲は驚くほど無かった。味覚もおかしくなったのか、異常な味でない限りそれが「おいしい」のかすらわからない。だから母親に「おいしい?」と聞かれた時は困ったものだ。
(いつからだろうか、そんな問いかけに「うん」と迷いなく答えるようになったのは)
性欲は昔から無かった。特にトラウマがある訳でも無いのにその行為が嫌いで、それを彷彿とさせるものや、自らにそれをするように言うものが特に大嫌いだった。
性欲とは少し違うが、愛することも苦手だった。これにはれっきとした(?)トラウマがあるのだが、そんなことは今はどうでもいい。成長する上で大切な期間でことごとく歪んだ私は二度と恋などするものかと誓った。そしてそれは今までずっと守られ続けている。
愛がなければ、快楽に溺れるようなことがない限り三大欲求のうちの一つ性欲は満たされない。つまり、私にはもうすでに三大欲求のうちのどれも存在しないのだ。
「眠い」とも思わずいつも一人起きていた。
「お腹減った」とも思わずいつも一人震えていた。
「愛したい」とも思わずいつも一人怯えていた。
(怯えていたのは、愛を知っていたからなのかはたまた偽物の愛しか知らなかったからか)
夜の街を独り見下ろし考えた。ぐるぐるぐるぐる、いくら考えても弁解のひとつすら思い浮かばない。
発想力と思考力が私の取り柄ではなかったか?そう思い頭をふるも何一つ思い浮かばない。一人でこんなことをしていたと、あの子に言えば笑うだろうか?いや、きっと寒そうだな、と心配そうに言われるだけだろう。
私が今こうしてわざわざ夜の街を見下ろして殺人鬼を探しているのには訳があった。
「あ、」
ちらり、赤毛混じりの白髪がビルの隙間に消えるのを見た。追いかけようかと思ったが、そっちが餌なら追いかけるだけ損をする。視線を移しその場所を見る。……ダミーだ。
はあ、と本日何度目かわからぬため息をついた。私ホイホイか。そうなのか。しかし白髪のダミーがあるということは、私の推測は正しかったと言うべきか。いやいや、信じたくない事実ではあるが認めざるを得ない。
ブラッディスカーレット、昔亡霊と考えた殺人鬼。
ブラッドともう一人で悪者を制裁していくというものだった。亡霊はブラッド、もう一人は私。昔一度イギリスあたりで今の状況より酷いことをしていたけど、その歴史はこの世界には関係ない。そしてわたしとブラッドもとい亡霊はここでもう一度人間を殺戮している。
同じことを繰り返し、彼女のてを汚すとは。我が本能ながら憎らしい…………、とも言い切れないか。
私が人間を憎むのは当たり前。憎まなかったらおかしいし、だから私はここで唯一普通の行動をとっている。あと今もそうか。友人の手をこれ以上汚さないために、こうして夜の街を見下ろしているのだから。
友達のために行動するのは人間らしく美しい行動なのだろう?だから私は人間らしく美しい、普通のやつだ。
公園のベンチの横にある時計を見る。………もう夜が明ける時間か。
今日はもう諦めて帰ることにする。ああもう、昼過ぎまで寝よう。どうせ学校も仕事もないんだし………、ああ、手紙を書かなければ。あの子からビデオレターなんて来たら恐ろしくて開けられない。
疲れたマジで疲れた。何盛大にネタバレしてんの。まあほらサスペンスだかなんだかみたいにやるのも面白いじゃん。