今回は短編集なので続くはず
ロシデレの方の息抜きで書くことが多いと思うので暫くは更新少なめです
それは、雪の降る静かな街中での事だった。
気分転換したくて街を歩いていたら、視界の端でふらふらと歩いている人がいた。なんとなく気が向いたからその子の方に向かって行った。
まるで吸い込まれるようにその子の方に向かって行き、着いた先は行き止まり。目の前の彼 ─── プロイセン君がゆっくりと振り向いた。
「… なんで着いてきたんだよ 。」
「残念 、 ばれちゃった 。」
「質問の答えになってねぇよ 。」
「あぁ 、そうだね 。… まぁ 、 そんなことはどうでもいいでしょ ?」
「よくねぇよ 。… ったく 、 」
彼は悪態をつきながらも呆れたような様子を見せるだけ。少し顔色が悪いような気がするのは気の所為だろうか。いやきっと気のせいではないのだろう。
そんな風に考えて声をかけようとした直後だった。
彼の身体がぐらりと揺らる。僕が手を伸ばしても彼にはギリギリ届かない距離で。倒れる彼をしばし呆然と見つめた後、彼の方に歩み寄った。
「なぁに ?プロイセン君 。君 、 限界だったの? 」
「 … 悪いが 、少し 、このままで 。」
「え ?ちょっと 、プロイセン君 … ?」
冗談交じりに声を掛けたというのに彼の反応は酷く弱々しいもので、嫌な予感を感じながら軽く身体を揺さぶりながら声をかける。けど全く反応がない。寧ろ、なんだか顔色がさっきより悪いような ───
「ちょっと君 、熱あるでしょ 。ねぇなんでこんな寒い時にわざわざ僕の家に来たの ?」
どれだけ文句を言っても起きる様子は見られなかったので、諦めて僕の家まで運んだ。彼の弱った姿を見るのは新鮮だった。
「はぁ 。ほんと 、なんで僕の家に来たのかなぁ … 。」
彼を見下ろしながら不満げに声を漏らす。ただ内心酷く動揺し、また浮かれていた。だって、彼の事が ────
「勘違い 、しちゃうよ ? 本当にいいの ?」
返事はない。なぜなら彼は熱に魘されているから。それでいい。いっそ、君の熱が僕に移れば、なんて思ってしまうほど、もう戻れない頃まで来てしまっていたらしい。普段の俺様な彼が恋しくもあるけど、このままこの時間が続けばいい、とも思ってしまう。
考えれば考えるほど、君に狂ってしまうようだ。
「君はもっと 、 人に甘えることを覚えてよ 。」
虚空に溶けて消えた想いは、君に届くことなく。僕の中で渦巻き続け、そうして僕は君に溺れ続けていく。
「置いていくなんて 、 絶対にダメだからね 。」
彼の額に口付け、そして僕はその部屋を去った。
「俺様が聞いてないと思えば口に出せんのかよ 。 直接言えよ 、 直接 。」
その声を、言葉を。僕が聞くことは終ぞ無かった。