アズールレーン~紺碧の艦隊と蒼き海原~ 作:非常勤務艦隊本部
何も学んでいないとはこの事ですが、許して下さい!
反省はしているが、後悔はしていません。
こっちは3話投稿したら、しばらく書き溜めに徹しますのであしからず。
EP 0-0 戦いの序曲
20世紀は戦争の世紀と言える。
陸に、空に、海にその戦火は絶えず、近代兵器の発達はその災禍をも飛躍的に拡大させた。
昭和20年8月15日。
日米との太平洋地域の主導権争いは、日本の無条件降伏により多くの犠牲を出して終結した。
しかし………………………
この物語は、時の流れを遡ること2年と4ヶ月、ブーゲンビル島上空でのある一人の提督の戦死から始まる。
1943年(昭和18年)4月18日:ブーゲンビル島上空
一式陸攻副操縦士《後方からP-38が2機!!下方から接近中!!》
一式陸攻操縦士《機銃座は撃方始め!!護衛機各隊は迎撃に向かうんだ!!》
帝国海軍聯合艦隊司令長官:山本五十六元帥(やはり来たか……………………。)
この日、山本五十六提督は、ショートランド島近くのバラレ島基地を視察する為、一式陸攻2機はガダルカナル島のヘンダーソン基地を出発。
道中、ニューブリテン島ラバウル東飛行場にて護衛の戦闘機11機を引き連れ、バラレ島基地に向かっていたが、事前にこの情報を解読していたアメリカ軍は、ガダルカナル島の陸軍機P-38を持ってしての山本五十六への報復作戦を実行。
かくして、ブーゲンビル島上空で空中戦闘が行われた。
一式陸攻機内:後部機銃座
機銃手「後方、新たに敵機!!」
敵機の出現に気を取られる暇もなく、P-38からの機銃掃射を受け、後部銃座が破壊される。
山本五十六(……………………っ!!)
P-38の銃弾が、彼の体を撃ち抜き死を悟る。
銃撃はさらに続き、遂にエンジンの1基に直撃を受けて燃料タンクに火が回り、エンジンがやられ飛ぶ力を失いかけた一式陸攻は、翼から黒煙を噴き上げながら硬度を下げ続ける。
黒煙に満ちる機内には、軍刀を床に突き立てながら静かに死した山本五十六の姿が……
そして……………………
戦闘機操縦士「長官ーーーーー!!」
ブーゲンビル島のジャングルに墜落して、爆炎が上がる。
ここに、山本五十六は悲惨な最後を遂げたのだった、しかし………………
1971年(昭和46年)4月1日:重桜軍令部:執務室
重桜軍令部の一室に、ある一人の男がいた、その男の名は【高野五十六】。
軍令部参謀次官:高野五十六(18歳)(私は、確かに''あの時''、ブーゲンビル島上空で戦死したはずだった……………………だが目を覚ますと、時の流れを21年をも伝った1964年、セイレーン作戦にて行われた、第二次日本海海戦の最中、戦艦天城の艦内だった……………………。)
何を隠そう。
この男高野五十六こそ、前世で[山本五十六]として生きていて、ブーゲンビル島で戦死して、山本の後継者である[小沢治三郎]となって、遂に後世であるこの世界に生を受けて、高野五十六として生きていたのだ。
高野五十六(私は後世に転生したのだ。だがこの後世も、第2次世界大戦と同じ過ちを繰り返そうとしている。……………………あのアズールレーンとレッドアクシズとの武力衝突まで時間がない、急がねば!!)
高野五十六は、前世での記憶を引き継いでいるのと同時に、もう一つの記憶をも受け継いでいた。
その記憶は、現代の日本に暮らす元男性政治評論家であり、偶然にも山本五十六が戦死した4月18日に、不幸な事故に巻き込まれ命を落としたが、その男性が当時、趣味で見ていたアニメ「アズールレーン」の記憶と現代日本の記憶が、これもまた偶然にも高野五十六に引き継がれていて、セイレーンと戦う為に、高野は秘密裏に海軍内に[紺碧会]を結成して、ある計画を急いでいた。
高野五十六「綾波くん。例の計画の進捗はどうだ?」
重桜駆逐艦:綾波「はい。新機軸の電算機の開発に成功して、第一次量産に移りました。」
高野五十六「新機軸の電算機は、真空管を使わないと聞いたが?」
綾波「真空管を使わないで、電装系を活用した特殊の高速電算機のようです。」
高野五十六「高速電算機か、頼りになるな。それで、あの新造艦の建造状況は?」
重桜重巡:高雄「通常より30%の遅れが出ているが、概ね順調だ。だが、''あの大戦艦''の建造に資材の半分を使われているからな。無理もない。」
高野五十六「だがやるしかない。何としてでもアズールレーンの分裂と武力衝突を防がなければならない。」
そう言うと、高雄は例の計画書に手をかける。
高雄「一二〇八計画……………………本当に達成できるのだろうか…………。」
一二〇八計画。
それは、アズールレーンとの間で戦争状態に突入した際の、打開策を盛り込んだものであった。
その打開策とはどのようなものなのか、それはいずれ判明するものであった。
この日高野はいち早く軍令部を後にした。
連日の陸軍の抗議に、いささか疲れを感じていたのだ。
軍令部:玄関前
高野五十六「高雄、あとを頼むぞ。」
高雄「承知した。」
高野が帰宅しようとした時、陸軍将校の一人が高野の元へ歩み寄る。
陸軍将校「高野中将閣下でありますか。」
高野五十六「そうだが?」
陸軍将校「…………っ!!」
高野五十六「俺に何か用か?」
その時、高野の後ろから刃物を持った男が走ってきたのだ。
高野五十六「…………な!!」
逆賊「天誅ぅーーー!!」
高雄「逆賊だ!!」
逆賊に襲われそうになるが、間一髪のところで攻撃をかわして、男を背負い投げで壁に投げ飛ばす。
高野五十六「馬鹿者が…………!!」
誰もが凌ぎ切ったと思ったその時!
バァン!!
高野五十六「ぐわっ!!」
高野の元へ歩み寄って来た陸軍将校が、突然拳銃を発砲。
突然の事で、高野は咄嗟に避けようとするが間に合わず、左手を負傷する。
陸軍将校「くそっ!!まさか失敗するとは!!」
高野五十六「まだ分からないのか?!こんな事をして、何になる?!」
銃声が響いたことにより、軍令部から海軍将校が駆けつけてきたのを確認すると、陸軍将校と逆賊は慌てて逃げていった。
幸いにも、高野の傷は大事に至らず、かえってこの騒動は陸軍の暴論を収める要因となった。
それから数ヶ月後、蝉が鳴る夏の頃であった。
1971年8月5日
軍令部:執務室
この日、デスクの電話鳴る。
高野五十六「私だ。……………何?大高閣下から?つないでくれ。……………………変わりました…………」
電話の主は、陸軍の大高弥三郎からであり、人目を避けて会談をしたいとの申し出であった。
両雄との会談は人目を避けて、神楽坂の小さな料亭で行われた。
帝都東京:神楽坂 料亭
店員「お客様がお見えです。」
⁇?「あぁ。」
店員が襖を開けると、一人の男がいた。
店員「どうぞごゆっくり。」
⁇?「おかけになってください。」
高野五十六「では、遠慮なく。」
高野が座ると、自身の正体を明かす。
陸軍大臣:大高弥三郎(22歳)「大高です。」
高野五十六「高野です。」
大高弥三郎「…………前世では、高野として嫁いでおりました。」
高野五十六「…………!!いやはや、あなたもでしたか!」
互いの正体を明かし、両雄は明るく笑う。
大高弥三郎「噂はかねがね聞いております。我が陸軍も青風会なるものを結成して、戦略と戦術を研究しております。」
高野五十六「我が海軍も、紺碧会を秘密裏に結成して、いずれ発生するであろうアズールレーンの分裂と対立戦争の対策を練っております。」
大高弥三郎「いずれ来るアズールレーンとの戦いは、結果的に泥沼化の一途をたどります。要は勝ち過ぎず、負け過ぎず、如何により良い負けを得るかです!」
高野五十六「全く貴方の言うとおりです。我が紺碧艦隊も、その思想を体現しています!」
高野が言う紺碧艦隊とは、海軍が掲げた1208計画の主役であり、いずれ来るアズールレーンの対立戦争をより良い負けへと導くための、潜水艦隊であった。
大高弥三郎「紺碧の艦隊…………良い響きだ…………。高野さん。この戦いをより良い負けにするためにも、負けられませんな。」
高野五十六「全くです。」
この両雄との会談から数ヶ月後、高野は元帥に昇進し重桜艦隊の司令長官に任命される。大阪湾に停泊する戦艦長門のメインマストに、長官旗が翻る。
重桜艦隊総旗艦 戦艦『長門』
同 戦闘艦橋
この日、電信員のもとにある電報が入った。
電信員「長官!!鉄血が遂にやりました!!」
高野五十六司令長官「馬鹿者!!浮かれるんじゃない!!」
半ば興奮気味の乗務員を叱って落ち着かせる。
電信員「…………はっ!!電文です!!」
高野五十六「うむ!」
電信員から伝聞を受け取る高野。
それには、やはりあの事象が起こったことの内容であった。
高野五十六「やはり重桜は鉄血と同盟を組んだか……………………何としてでもレッドアクシズの台頭は許すわけには…………!!」
だが高野の思いも虚しく、1975年5月18日、鉄血の首都ベルリンにて【鉄血・重桜ニ国同盟】が成立して、同年8月15日に新陣営『レッドアクシズ』が結成される。
これに対しユニオンとロイヤルは、1977年3月17日に鉄血と重桜を軍事同盟【アズールレーン】から追放。
更に2年後の1979年7月に、重桜と鉄血が『自由アイリス教国』のインドシナ領へと侵攻、これがユニオンとロイヤルを刺激させてしまい、同年8月にユニオンは自らが掲げる''太平洋戦略構想''に基づき、【対レッドアクシズ石油輸出全面禁止】を布告。重桜・鉄血両国の資産を徹底的に締め上げる。
そして数ヶ月が経ち、両雄は、重桜がユニオンとの緩衝地帯である北海道に建国した従属国【北北海道】の高野は海軍大臣、大高は統治領首府の官職についていた。
1987年12月某日
北北海道首都 札幌市郊外
とある料亭
この日大高と高野は、ある計画の実行の為、最後の決意を固めていた。
大高弥三郎「遂に、時来たれりですな!」
高野五十六「はい!」
1990年1月4日、択捉島の単冠湾から高杉英作中将率いる[第1航空機動艦隊]が出撃、改装により全艦にガスタービン機関を搭載され、連日ながら高い航続距離を有する艦隊は、濃い霧が立ち込める中、アズールレーンの太平洋根拠地[ハワイ諸島]へと進路を取る。
択捉島 単冠湾
第一航空機動艦隊旗艦 高速戦艦『比叡』
戦闘艦橋にて
比叡航海長「三戦速、舵そのまま!」
比叡操舵手「宜候!」
第一航空機動艦隊司令長官:高杉英作中将(25歳)(打つべき手は打った。あとは時を待つのみ…………!!)
だが、同年6月に鉄血の選挙にてビスマルクが失脚して、新総統に『ハインリッリ・フォン・ヒトラー』が就任。
ビスマルクたち鉄血KAN-SENを軒並み解任させた上で何処かへ軟禁して、鉄血は国民が知らぬうちに狂いはじめようとしていた。
1999年11月27日。ユニオンとロイヤルから、新陣営の無条件解体を含めた【ハル・ノート】を重桜と鉄血に提示される。
これに対して重桜は鉄血と御前会議を開き、あくる12月8日、アズールレーンの共同基地を攻撃する事を決意する。
しかし……………………
北北海道首都の静寂を打ち消すかのように、多数の陸軍の青風会が決起。車両を連ねて月下の札幌市の要所を駆け回った。
陸軍部隊が統治領官邸と陸軍省を確保したと同時に、海軍の紺碧会も決起して瞬く間に首都札幌全ての要所を確保して、札幌市には戒厳令が敷かれた。
そして統治領官邸では、臨時の記者会見が行われていた。
統治領官邸 会見場
北海道新聞記者「大高閣下にお伺いしたい。」
大高弥三郎「どうぞ。」
北海道新聞記者「今回の決起には、高野閣下の声明がありますが、この決起には海軍も参加しているでありますか?」
大高弥三郎「その通りです。我々は、頑迷なる指導者に振り回させることなく、己の信ずる道を辿るために、重桜に対し決起を起こして独立した次第です。」
読売新聞記者「では、ハル・ノートを拒否されるのですか?」
この問いに大高はため息をつくが、すぐにこれに答える。
大高弥三郎「…………いいですかな?記者諸君。ユニオンとロイヤルが提示したハル・ノートは明確な謀略です!重桜と鉄血に受け入れ難い内容を突きつけ、戦争へと引き摺り出そうとしているのは、寧ろユニオンとロイヤルである事を理解させたい!」
そうした上で大高は、ある事を公表した。
大高弥三郎「さて、ここからが重大な事であります。我々は諸君らの取材活動を一切妨害しない事を約束します!これを踏まえて、記者諸君達にはこの事を''誤解なきように''報道していただきたい。」
読売新聞記者「検閲の撤廃をするのでありますか!!」
大高弥三郎「左様です。」
この記者会見の後に、北北海道は正式に重桜から独立。新国家【大洋州同盟】が建国された。
それと同時に、ハル・ノートに対しても明確な回答をユニオンとロイヤルに送る。
その内容とは、「ハル・ノートが要求する''旧陣営の解散とアズールレーンへの即時加入''は、ユニオン・ロイヤルのアジア全域からの撤収と重桜・鉄血への貿易禁止の撤回を確認してから行うものとし、もしこの要求が入れられない場合、大洋州同盟は全アジア解放のために、アズールレーンと開戦する。」という内容であり、加えて、回答通告期限が重桜時間12月8日午前0時までと明記されてあった。
ユニオン首都 ワシントンD.C.
ホワイトハウス 執務室
この回答を受けたユニオン政府は、憤りを感じずにはいられなかった。
ユニオン海軍参謀長「奴等め!堂々と宣戦布告というわけか!!」
ユニオン総務省長官「ふん! 1万数千キロの太平洋を渡って、ユニオン本土を攻撃するだと?ブラフだ!ブラフに決まっている!!」
ユニオン海軍参謀長「馬鹿馬鹿しい!やれるものならやってみるがいい!!奴らに何ができるというのだ!」
ユニオン第32代大統領:ヘンリー・ルーズベルト(……………ひょっとすると、大高は想像以上に手強い相手かもしれない…………!)
そしてこの回答は、アズールレーンの首脳部にも伝わっていた。
ハワイ諸島オアフ島 パールハーバー
アズールレーン合同基地
同 統合作戦会議室
ロイヤル戦艦:プリンス・オブ・ウェールズ「さて、今回集まってもらったのは、先日独立宣言をした大洋州同盟からの回答文書についてだ。」
ロイヤル戦艦:クイーン・エリザベス「全く、思い切った回答をしたものね。あたし達に対して、こんな理屈だけの回答をするなんて。」
ユニオン空母:エンタープライズ「いや、敵を侮るのは時期尚早だクイーン・エリザベス。」
ユニオン空母:ホーネット「そうだねぇ〜。だってこの回答文書、地味に痛い所をついてきてるもの。」
ロイヤル戦艦:フッド「…………''ユニオン・ロイヤルのアジア全域からの撤収とレッドアクシズへの貿易禁止の撤回を確認してからアズールレーンへ加入する''……………………まさに公明盛大で、それ相応の代価を払ってもらう必要があると書いてありますわ。」
エンタープライズ「……………………もしかしたら、大高弥三郎はユニオンの最後通告が、レッドアクシズを戦争へと駆り立てる謀略である事を''すでに見抜いている''んじゃ…。」
プリンス・オブ・ウェールズ「…………………とにかく、ネルソンたちを増援としてハワイに向かわせよう。」
エンタープライズのこの発言は、まさに的を射抜いていた。
そして、この事態を受けたアズールレーンは、ロイヤルのシンガポール要塞から気高い貴族心を持つ戦艦ネルソンを旗艦とする[東洋方面第2艦隊]がハワイ諸島へ派遣されることとなった。
しかし、アズールレーンとユニオン・ロイヤルですら想定外の出来事が、ヨーロッパのスイスの都市[ミュンヘン]で起こった。
1999年11月29日
スイス連邦首都 ミュンヘン
国際議事堂 会議室
ここミュンヘンの国際議事堂にて、アズールレーン準加盟国の『自由アイリス教国』・『ヴィシア聖座』・『サディア』・『北方連合』の4カ国が大洋州同盟と会談を行っていた。
自由アイリス教国代表:リシュリュー「大高弥三郎閣下にお伺いしたい。」
大高弥三郎「何でしょう。」
リシュリュー「あなた方大洋州同盟は、レッドアクシズと共に戦うのか?それとも、アズールレーンと組むのか?」
この問いに大高は、自身の計画を明かす為真実を話す。
大高弥三郎「率直に申し上げます。我が国はアズールレーンに属する意志はありませんし、レッドアクシズにも属することもありません。」
サディア代表:リットリオ・ヴェネト「では、中立を宣言するのですか?」
大高弥三郎「いいえ……………………独自の、第3の陣営を立ち上げる為であります。」
ヴィシア聖座代表:ジャン・バール「第3の陣営を?それで、その名は?」
大高弥三郎「我が国名と同じ、''大洋州同盟''であります。」
大洋州同盟、それが大高が考えた新陣営であった。
大高弥三郎「つきましては、今回ご出席いただいた貴国達にも、我が陣営に加わっていただきたいのですが…………。」
北方連合代表:ソビエツカヤ・ロシア「……………やはり、この戦いに勝利するためか…………。」
大高弥三郎「いえ。我が陣営は最終的に''負けます''。」
「「?!?!」」
大高が放ったこの言葉は、誰もが驚いて動揺を隠せなかった。
リットリオ・ヴェネト「…………今、負けるとおっしゃいましたが…………その根拠は?」
この問いに大高は真意を話す。
大高弥三郎「我が陣営がアズールレーンとレッドアクシズとの間に戦争を仕掛けた時点で、『国力と工業力』では''既に''負けています。それはあなた方も同様であり、幾ら我が陣営が如何なる新兵器や新戦術を用いようとも、結局はこの戦争に勝つことは不可能なのです。ならば、無理に勝ちを拾うことはしない、つまり''より良い負けを得る''ことがこの戦争を終わらせる要なのです!」
これこそ、大高や高野が立てていた[1208計画]の最大の重要項目であり、アズールレーンとレッドアクシズとの戦いを終わらせる為の最大の目的であった。
ユニオンなどの主要4カ国に戦争を仕掛けても、国力と工業力に物を言わせて物量戦を仕掛けてくる。
つまりどう足掻いても結果的には敗戦してしまう。
ならば、勝つ事より負ける、いや[より良い負け]をすることにより、落とし所を作って講和ないし和睦をするのが、この戦いの真の目的であった。
リシュリュー「どう努力しても結果的に負けるなら、より良い負けを得て落とし所を作る……………正に良い考えです。我がアイリスは、大洋州同盟に加わる事を要請したい。」
リットリオ・ヴェネト「リシュリュー…………。」
リシュリュー「確かにこの戦いは不要に近いはずです。ならば、我々が率先して戦争を終わらせることができるのならば、アイリスは喜んで同盟に入りましょう。」
このリシュリューの行動が、各国の代表の心を奮い立たせ、行動を起こさせた。
そして、この階段の翌日、ミュンヘンにて【大洋州同盟の創設】が宣言され、アズールレーン・レッドアクシズ・大洋州同盟の【三極構造】が完成した。
この報は瞬く間に全世界に伝わり、レッドアクシズとアズールレーンも、この情報に触れる。
当然、彼らは第3の敵を作りたくなかったのか、連日ながら中立条約の締結を申し込まれる事態となったが、ユニオンの大洋州同盟大使館からのダメ押しの声明文が、宣戦布告の引き金となった。
大洋州同盟大使《我が同盟は、数世紀に渡る世界各地の非白人民族の悲惨な現状を大いに憂い、我ら大洋州同盟の総力を上げて、決起するものであります。》
この声明文は、アジア・ヨーロッパ・アフリカ・アメリカに伝わり、ユニオンもこの報に触れた。
ホワイトハウス 執務室
この声明文の書類を見たルーズベルトは、予想外の事態に驚きを見せていた。
ルーズベルト「なんて事だ!!大使発表と同様の声明文を、南米各地にも発表している!!」
ユニオン海軍情報部部長「インド・アラブ・アフリカにも一斉に発信されています!!」
ユニオン海軍参謀長「手をこまねいておりますと、世界中で民族独立の火の手があがりかねませんぞ!!閣下!!」
ルーズベルト(……………………これでは……大洋州同盟が''正義の味方''で、我々が''悪役''になってしまうではないか……………………!!)
ルーズベルトは、自身が掲げる太平洋戦略構想の続行が危ぶまれることを心の中で警戒していた。
そして、12月7日。
大洋州同盟首都 札幌市
海軍軍令部 地下作戦室
軍令部の地下作戦室では、ハワイ諸島への完全奇襲攻撃のため、現在持てる全ての情報処理能力を傾き始めた。
作戦士官4「高杉艦隊!ミッドウェー島沖合へ突入!」
作戦士官5「重桜艦隊、ウェーク島沖合へ向かっています!」
参謀長「回答通告期限まで、後16時間です!」
高野五十六「そうか。」
運命の開戦が刻一刻と迫っている中、役者が次々と、その表舞台へと姿を現す。
重桜帝都 東京
皇居 大会議室
重桜代表:戦艦長門「我が重桜は、今夕1208に、アズールレーン及びユニオン・ロイヤルとの開戦を決意する!!このアジアに再び安寧をもたらすために!!」
鉄血首都 ベルリン
総統官邸 会議室
鉄血総統:ハインリッリ・フォン・ヒトラー総統「諸君!我が鉄血も友邦重桜と共に、アズールレーンと戦うぞ。世界制覇のためにな………ふっふっふっ………………!」
鉄血某所 とある邸宅
元鉄血総統:ビスマルク「まさか…………あのヒトラーが、この世界に転生していたなんて…………。(奴の存在は危険すぎる…………一刻も早く脱出しなければ………)」
ハワイ諸島オアフ島 パールハーバー
アズールレーン合同基地 統合作戦会議室
戦艦プリンス・オブ・ウェールズ「我々も重桜・鉄血に宣戦を布告する。セイレーンの技術は危険すぎる。人類が過ちを犯す前に、レッドアクシズを崩壊させるぞ。」
レッドアクシズ・アズールレーンは、両者との間に宣戦を布告する。
そして、超大国ユニオンと海洋国家ロイヤルは…………
ユニオン首都 ワシントンD.C.
ホワイトハウス 執務室
ルーズベルト「我がユニオンも宣戦を布告する。世界の警察としての権威をもって、重桜の太平洋進出を阻止するのだ!!(うまくいけば、アズールレーンの共倒れを引き起こさせて、太平洋は我がユニオンの物に…………ふふふ…!!)」
ロイヤル首都 ロンドン
首相官邸 執務室
ウィストン・チャーチル「我がロイヤルも、友邦ユニオンと共に宣戦を布告する!何としてでも、鉄血のヨーロッパ制覇を死守するのだ!!(この戦いで、鉄血を押さえ込まなければ、世界の破滅をもたらすことになる!!)」
ユニオンは自らの野望を達成するため、ロイヤルは鉄血のヨーロッパ制覇を阻止するため、この戦いに乗り出す。しかしユニオンは、その選択が後に予想だにしない出血を被ることとなる。
そして、大洋州同盟の高杉艦隊は今まさに、アズールレーンの合同基地に打撃を与えるべく、その鋭い牙を磨きつつあった。
ここに、この後世世界の歴史に名を残す''第3次世界大戦''の火蓋は、切って落とされようとしていた…………
次回:EP 1-1に続く・・・・
次回から、シーズン1に入ります!