アズールレーン~紺碧の艦隊と蒼き海原~   作:非常勤務艦隊本部

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△:EP3-6 風雲マダガスカル

 

 

 

昭和18年4月18日。

 

ブーゲンビル島上空で戦死した聯合艦隊司令長官「山本五十六」は、アズールレーンの要素を含めた後世世界に『高野五十六』として、生まれ変わることとなる。

 

 

高野は、アズールレーンとレッドアクシズとの泥夢魔な戦争を防ぐために、密かに精鋭集団【紺碧会】を結成して、陸軍中将『大高弥三郎』と共に緩衝地帯【北北海道】にてクーデターを決行、新国家『大洋州同盟』を樹立して、第三勢力【大洋州同盟】を創設した。

 

 

だが、戦争へと転がり始めた歴史の流れを止めることはできず、平成11年12月8日。

 

大洋州同盟は、ユニオンの太平洋地域戦略の要であるハワイ諸島パールハーバーを奇襲攻撃し、これを占領した。

 

 

勢いに乗る大洋州同盟軍は、パナマ運河を破壊。

ユニオンの太平洋への軍需物資輸送手段を遮断せしめて、それからの主要な戦いに勝利を収めていき、太平洋の制海・制空両権をほぼ手中に収めたのである。

 

 

一方、鉄血総統に就任した【ハインリッリ・フォン・ヒトラー】は、世界制覇を目論み、着実に実行に移しつつあった。

 

重桜はこれに対して亡命ユダヤ人を受け入れて、平成14年………南樺太に【東方エルサレム共和国】を建国。

同年8月、大洋州同盟は鉄血に対し宣戦を布告した。

 

 

時を置かず、大洋州同盟は奇想天外『天極作戦』を発動。

重桜の誇る超大艇富士を以て鉄血の原爆研究所を爆撃、悪魔の計画を頓挫させた!

 

 

この成功をきっかけに、ロイヤルの同盟加盟が締結されて、鉄血によるインド太平洋地域進出を阻止すべく、共同歩調を取ることとなった。

 

 

そして……翌、平成15年8月16日。

 

超戦艦日本武尊を旗艦とする【旭日艦隊】が、ロイヤル本土援護のため重桜を出撃。

 

そして同年10月。

 

 

大洋州同盟軍による、鉄血のインド太平洋進出の拠点『マダガスカル島』奪回に向けて、大作戦を展開しつつあった!

 

 

 

 

マダガスカル島はインド洋の西端に位置していて、中東・インド・東部アフリカ等を威圧できる、戦略的には比較的重要な拠点であった。

 

ヒトラーは、この島に10万の部隊を送り全島を要塞化していた。

 

 

ロイヤル・インドで構成される上陸軍は20万。

 

その船団を護衛するため重桜の『紅玉艦隊』・『坂本艦隊』が随伴して、アイリス・ヴィシア・サディア・北方連合の艦隊も船団護衛に就いていた。

 

大西洋では、超戦艦日本武尊を旗艦とする援用派遣艦隊『旭日艦隊』が、鉄血の地中海艦隊を抑え込んでいた。

 

 

そして、我が紺碧艦隊は、マダガスカル島北端のアンブル岬沖1,000キロに達していた。

 

ここで、海兵隊員の教育係であるボースとサラは紺碧艦隊と別れ、潜揚艦隊と同行して南下。

一路、上陸地点である「フォールドファン」を目指した。

 

 

フォールドファンには、チタン鉱を含む重砂鉱床があり、鉄血はこの採掘作業にユダヤ人を駆り出して過酷な労働を強要していたのだ………

 

このユダヤ人たちを現地レジスタンスと合流して救出するのが、海軍特殊師団の任務であった。

サラの兄も、そのレジスタンスの一員として戦っていたのだ。

 

 

とまれ、紺碧艦隊はそのままアンブル岬沖に待機して、後続の大船団の到着を待った。

 

 

アンブル岬沖 海中

 

紺碧艦隊旗艦 伊601潜 発令所

 

 

伊601艦長:入江九市「作戦開始まで、ここで息を潜めている事は、結構辛いものがありますな。」

 

 

紺碧艦隊司令官:前原一征「敵哨戒圏内の真っ只中だ。しばし我慢だな?」

 

 

入江九市「はっ!我慢も、潜水艦乗りの本分でしたな!」

 

 

前原一征「ふっ、その通りだ。」

 

 

 

平成15年10月

 

インド洋沖

 

 

大型貨物船から足の遅い漁船までをも取り混ぜた上陸船団は船足も遅く、やっとモルディブを通過。

 

うねりの高いインド洋を、マダガスカル島を目指して南西へと進んでいた。

 

 

 

アイリス艦隊総旗艦 戦艦リシュリュー

 

艦上

 

 

自由アイリス教国代表:リシュリュー「これはまさに壮観ですね。」

 

 

 

ヴィシア艦隊総旗艦 戦艦ジャン・バール

 

艦上

 

 

ヴィシア聖座代表:ジャン・バール「漁船までも動員するとは…………クレマンソーも案外くえないな。」

 

 

 

サディア艦隊総旗艦 戦艦リットリオ・ヴェネト

 

艦上

 

 

サディア代表:リットリオ・ヴェネト「マルコ・ポーロが見たら、どういうふうに言うのだろうな。」

 

 

 

北方連合艦隊総旗艦 戦艦ソビエツカヤ・ロシア

 

艦上

 

 

北方連合代表:ソビエツカヤ・ロシア「これからの戦………………果たしてどちらに転ぶか……」

 

 

 

重桜海軍 坂本本国艦隊

 

総旗艦 戦艦長門

 

同 戦闘艦橋

 

 

 

艦隊司令官:坂本良馬中将(26)「まるで、民族の大移動だな…………。」

 

 

重桜所属:長門「天気晴朗なれど波高し………じゃな。(嫌な予感がする……)」

 

 

言いようのない不吉な予感が長門の脳裏によぎった。

 

だが、その予感は数分ののちに現実のものとなる。

 

 

 

この大船団の進撃を阻止すべく、マダガスカル島から出撃してきた【新型Uボート】が艦隊に接近。

 

潜望鏡で目標を確認するや、魚雷を斉射!

 

瞬く間に船団に被害が出ることとなった。

 

 

 

重桜所属:伊勢《貨物船2隻が魚雷を喰らった!!大破炎上中!!》

 

 

ヴィシア所属:ダンケクル《近くにいた漁船が1隻爆発に巻き込まれた!乗員が海に!!》

 

 

重桜所属:妙高《羽黒が被弾!!左にやや傾斜している!!》

 

 

北方連合所属:チャパエフ《乗組員の救助を急いで!!》

 

 

重桜新KAN-SEN:尊氏《対潜哨戒機、全機緊急発艦!!》

 

 

旭日艦隊から作戦支援のため派遣された『防空軽空母尊氏』から、【艦上対潜哨戒機『雲竜』】が発進、追撃に移った!

 

発進した雲竜は、予想位置に多数の聴音短ブイを投下。

 

敵Uボートの位置を割り出して誘導短魚雷を投下、かくして敵潜を撃沈!

 

 

この様な支援もあり、海中からの脅威を取り除くことができたが…………………

 

戦艦駿河の索敵電探が、常識を外れた敵機の接近を告げたのだった。

 

 

戦艦駿河 戦闘艦橋

 

 

重桜所属:駿河「たった1機で?方位は!」

 

 

駿河電探手「右舷前方、17,000です!」

 

 

駿河「旗艦へ報告!」

 

 

 

旗艦 戦艦長門

 

同 戦闘艦橋

 

 

長門「マ島の敵基地には、そんな高高度まで飛べる爆撃機はいないはずじゃぞ?!」

 

 

坂本良馬「長門よ、噂に聞く''ヨルムンガンド''ではないかな?」

 

 

長門「まさか、本土の北阿弗利加から飛んできたと言うのか!」

 

 

坂本良馬「…………新装備された【新式対空兵装】を試してみる良い機会だ。」

 

 

長門「その様じゃな……」

 

 

 

艦隊前方 上空

 

 

戦艦駿河の索敵電探が捉えた鉄血の機体こそ、北方連合の工業地帯を爆撃した航続距離16,000キロを誇る戦略重爆………………いや、''大陸間渡洋爆撃機''である【Do340『ヨルムンガンド』】であった!

 

マダガスカル島に迫る大船団を攻撃すべく、北アフリカの空軍基地からインド洋まで飛んできたのだ。

 

爆撃手が坂本艦隊の旗艦を捉えて、爆弾倉から鉄血の飛行爆弾の一つ【V1】こと【Fi103】が戦艦長門に向けて放たれた!

 

 

ほぼ同時に、戦艦長門からも【新兵器】が放たれた!

 

 

同時刻

 

戦艦長門 前部甲板

 

 

長門砲雷長《発射口天蓋、開口確認!!》

 

 

長門の前部甲板に取り付けられたVLSに似た【噴進弾垂直発射機】のハッチが開いた!

 

 

電探室

 

 

長門電探手1「電探と連動よし!」

 

 

長門電探手2「敵機補足!」

 

 

元護衛艦乗組員5「諸元入力完了!電探で追尾後、終末誘導を熱探知にセット!!」

 

 

 

戦闘艦橋

 

 

長門「総員、衝撃に備えよ!!」

 

 

「ヨーソロー!」

 

 

長門『噴進弾、発射!!』

 

 

長門砲術長(元海自隊員)『EA攻撃始め!!』

 

 

 

発射煙と激しい閃光と共に、大洋州同盟の新兵器である【艦対空長距離誘導噴進弾】が、遥か高空にいるヨルムンガンドに向かって放たれた!

 

偶然にも、双方から類似した新兵器が発射されるのだった!!

 

 

長門の索敵電探が、高速で接近してくる機影を捕捉した。

 

長門本人も、最初は2機居たのではと予想するがその予想は外れ、その正体はヨルムンガンドから放たれた誘導爆弾『Fi103』であった!

 

それを確認した長門は、直ちに対抗処置を下す!

 

 

 

長門『電波妨害弾を発射せよ!』

 

 

まず手始めに、多量の金属片を封入した【電波妨害弾】を中央構造体に設置された『筒形多用途投射機』から放たれて金属片を四方にばら撒くも効果はなし。

 

 

長門電探手2《駄目です!効きません!!》

 

 

長門『ならば熱線放射体を放つのじゃ!』

 

 

今度は誘導爆弾に向かって、点火されたタングステン球を封入した【熱線放射断弾】を発射して封入され点火されたタングステン球が放たれるが、これも効果が無かった。

 

何故なら、この誘導爆弾は『無線誘導』であり、発射母機であるヨルムンガンドを落とさぬ限り回避することは不可能であった!

 

 

長門電探手2《防御手段、全て効果がありません!!》

 

 

長門『煙幕弾を前方に放て!!両舷全速、取舵一杯!!』

 

 

長門操舵手『両舷全速一杯!取りかーじいっぱーい!!」

 

 

防御手段が一切通用しないことを確認した長門は煙幕弾を前方に放つ様指示して艦を回頭、射線から外れようとする。

 

だが、それすらも無意味に終わり、誘導爆弾は進路を変えて煙幕を突破。

そのままの速度で長門へと迫った!

 

 

長門電探手1《敵噴進弾は無線誘導の様です!!》

 

 

長門艦橋見張り員2「方向を変えて突っ込んできます!!」

 

 

長門『なんじゃと!?!?』

 

 

長門操舵手「回避不能!!」

 

 

長門見張り員1「何かに掴まれー!!」

 

 

打てる手は全て打ち、全てが無駄に終わるかは、長門から放たれた対空噴進弾が先にヨルムンガンドを''堕とす''か、ヨルムンガンドから放たれた誘導爆弾が先に長門を''葬る''かは、非情にも神が振るサイコロの目に委ねられた。

 

 

重桜KAN-SEN:日向《対空砲開けぇ!!》

 

 

重桜KAN-SEN:愛宕《長門前面に弾幕を形成!!》

 

 

重桜KAN-SEN:尾張《機銃・高角砲も撃ちまくれぇ!!八八艦隊の意地を見せろ!!》

 

 

重桜KAN-SEN:戦艦加賀《何がなんでも撃ち落とすのだ!!総旗艦長門を護れぇーー!!》

 

 

周囲に展開していた重桜KAN-SENたちがすぐさま反応して、対空射撃を実施。

誘導弾の撃墜に果敢にも立ち向かうも、それすらも指すさすと潜り抜けていき長門へと迫る!

 

同時に、長門から放たれた対空噴進弾がヨルムンガンドの機影を捕捉して終末誘導に切り替わろうとしていた!

 

 

護衛艦艇からの対空砲火も虚しく、誘導弾が見える距離まで接近!

 

坂本中将は最早ここまでと悟り、静かに目を瞑り敗北を受け入れようとしていた。

 

 

重桜のKAN-SENたちが最早これまでかと絶望をよぎったその時!

 

終末誘導に切り替わった対空噴進弾が既のところでヨルムンガンドに命中、火だるまとなって空中で爆散したのだ!

 

そして長門に命中寸前であった誘導爆弾も、発射母機からの誘導を失い進路を大きく逸れて海上へ墜落、直後に水柱を上げて爆発したのだった。

 

 

長門「…………こちらからの攻撃が遅れていれば、今頃はただでは済まなかったであろうな。」

 

 

坂本良馬「…………そうだな。」

 

 

勝敗の分かれは微妙であり、また非情であった。

 

そして、それが何に起因するかは、実は何人にもわからないのであった…………

 

 

 

 

ヨルムンガンドを葬った艦隊はひたすら南下を続け、敵は鳴りを潜めていたが、船団がマスカレン諸島に差し掛かった頃…………

 

 

夕刻 マスカレン諸島沖

 

艦隊前衛

 

 

重桜KAN-SEN:能代「…………っ!この反応は!長門様!!」

 

 

艦隊前衛に展開していた【電子軽巡「能代」】が、鉄血空軍の大編隊を捉えたのだ!

 

 

戦艦長門 戦闘艦橋

 

 

長門電探手2《敵大編隊、機数約100以上!!》

 

 

長門電探手1《我が艦隊の前方から接近中!!》

 

 

坂本良馬「長門、迎撃隊を発進させてくれ。」

 

 

坂本中将は、直ちに迎撃を指示して対空戦闘の用意にかかる!

 

 

 

長門『全航空戦隊、迎撃隊を発艦させよ!!』

 

 

 

総旗艦長門の鶴の一声がかかり、各空母から艦載機隊の発艦作業が始まる!

 

その機体は、それまでのレシプロとは打って変わりプロペラが無くなり、エンジンは後ろについているだけでなく、そのエンジンも新型のものになっていた!

 

 

これこそ、大洋州同盟軍の新型艦上機である…………

 

 

噴式零戦『嶺花』であった!

 

 

ロイヤルの加盟により技術躍進が進んで、戦闘機の開発が急激に進歩したのだ!

 

全ての正規空母・軽空母から発進した墳式艦戦の編隊はその凄まじいスピードで、艦隊に接近する敵航空部隊へと向かう!

 

 

紅玉艦隊旗艦 航空爆撃戦艦「米利蘭土」

 

同 戦闘艦橋

 

 

メリーランド「ようやくジェットのお出ましか…………あたしらにも分けて欲しいものだ。」

 

 

紅玉艦隊司令官:川崎弘中将「噴式艦戦か、まるで雷だな。…………やれやれ、あの音にはどうも馴染めん。」

 

 

 

艦隊前衛 上空

 

 

飛行を続ける迎撃隊は、遂に敵航空部隊を捕捉した!

 

 

大洋州同盟:オメガ《敵は凄い数だ!》

 

 

大洋州同盟パイロット:メビウス《Ta-152(タンク)Ju-87B-2(フツーカⅡ)か。夜になると厄介になる、早いとこ片付けるぞ。》

 

 

大洋州同盟パイロット:ラリー・フォルク《さぁて、こいつの強さを見せてもらうか!》

 

 

大洋州同盟パイロット:サイファー《全機ブレイク!攻撃開始!!》

 

 

鉄血の航空部隊に覆い被さる形で、迎撃隊は全機突入!

 

ほぼ真上から、高初速の【30ミリ機関砲】が放たれて、被弾した敵機は容赦なく機体を抉られて空中で爆散!

 

鉄血空軍の航空部隊は、なし崩し的にドッグファイトにもつれこまるれる形となった。

 

 

同時に艦隊も密集体形をとり、対空戦闘の用意にかかる!

 

 

長門『全艦密集体形を取れ!近接防御戦闘用意!!』

 

 

 

リットリオ・ヴェネト『サディア艦隊、戦闘用意完了!』

 

 

ソビエツカヤ・ロシア『北方連合艦隊、用意よし。』

 

 

ジャン・バール『ヴィシア艦隊、準備はできたぞ。』

 

 

リシュリュー『アイリス艦隊、迎撃用意よし。』

 

 

重桜KAN-SEN:陸奥『こちらも用意出来ました!』

 

 

 

空中戦は、大洋州同盟側の圧倒的有利で進んだ!

 

護衛のタンクも果敢に立ち向かうも、レシプロ対ジェットでは最早敵う訳もなく無慈悲に撃ち落とされていき、スツーカⅡもまた同様であった。

 

この戦闘で大洋州同盟側は、「サイファー」「ラリー・フォルク」「メビウス」「オメガ」などといった名だたるエースパイロットを輩出するのだった。

 

 

それでも、敵は物量に物を言わせて船団に迫った。

 

 

陸奥『敵機来襲に備えてください!!』

 

 

長門『各艦隊、各自で応戦せよ!!』

 

 

「「「「「撃ち方始め!!」」」」」

 

 

 

号令と共に、艦隊から対空砲火が雨霰の様に上空に打ち上げられた!

 

機銃・高角砲に電探連動砲、果ては主砲までも動員して濃密な対空砲火を形成、敵機を次々と粉砕していく!

 

それでも、果敢にも立ち向かってくる敵機もまともな攻撃すら出来ずに、ただ闘争心を空費させるだけであった。

 

 

戦場に陽が落ちても敵の攻撃は続き、戦闘は激化していく。

 

坂本艦隊とアイリス・ヴィシア艦隊に攻撃が集中しているのを見計らって、紅玉艦隊とサディア・北方連合艦隊が夜陰に紛れて戦線を離脱、進路を北西に取る。

 

 

目指す先は、マダガスカル島北西海岸に位置するマジュンガ。

これは、翌日未明に行われる上陸作戦に備えてのものであった。

 

 

その頃、アンブル岬沖で待機していた紺碧艦隊も密かに行動をおこす。

 

マダガスカル島に残された鉄血最後の海軍力を封鎖するためである。

 

 

 

深夜 マダガスカル島北端

 

ディエゴ・スアレス近海 海中 (現アンツィラナナ)

 

 

鉄血海軍のディエゴ・スアレス基地に接近した紺碧艦隊は、48発の『音響探知式海底魚雷』を放出して軍港出入り口一帯に敷設。

 

それを確認した紺碧艦隊は沿岸に沿ってタマタヴに向かって南下を始めた。

 

マ島最大の鉄血電探基地を爆撃するために…………

 

 

一方紅玉艦隊は………………マジュンガに進出していた。

 

 

 

マダガスカル島西部 マジュンガ沖

 

紅玉艦隊旗艦 航空爆撃戦艦『米利蘭土』

 

同 戦闘艦橋

 

 

専務参謀「これより、爆龍によるマジュンガ攻撃隊を発艦させます!」

 

 

川崎弘「うん!」

 

 

メリーランド『格納庫シャッター開放!全艦、総発艦用意!』

 

 

 

サディア・北方連合艦隊を引き連れてマジュンガに進出した紅玉艦隊は、満を持して攻撃体制へと移り、『米利蘭土』・『軽掘尼亜』・『西処女阿』・『手音使』から【艦上特殊爆撃機「爆龍」】が、『筆汁芭近』・『根婆汰』から各3機の【水上戦爆両用機「春嵐」】、『亜利空奈』・『尾位保間』から各2機の【水上攻撃機「雷洋」】が発艦して、サディア・北方連合艦隊の空母からも攻撃機隊が発進していった。

 

艦載機隊の発艦作業を終えた事を確認した川崎司令は次なる指示を出す!

 

 

川崎弘『ン式弾の用意をさせよ!』

 

 

専務参謀「はっ!」

 

 

メリーランド「よし来た!!ビック・セブンの力を見せてやる!!」

 

 

 

三連装の射出器が迫り上がると、右に90度回り直立。

射出機に3発のン式弾が装填され、発射態勢を整える!

 

 

カルフォルニア《軽掘尼亜、用意よし!》

 

 

ウェストバージニア《西処女阿、用意よし!》

 

 

テネシー《手音使も準備よし!》

 

 

ペンシルベニア《こちら第2艦隊!ン式弾の用意よし!》

 

 

アリゾナ《第3艦隊も用意よし!》

 

 

ソビエツカヤ・ロシア《北方連合・サディア艦隊。ともに砲撃用意完了。》

 

 

 

全ての準備は整い、攻撃隊がマジュンガの鉄血基地に攻撃を開始した事で作戦は開始された!

 

マジュンガからのサーチライトを確認した紅玉艦隊からは、待ってましたと言わんばかりにン式弾が放たれ、サディア・北方連合艦隊も艦砲射撃を開始!

 

耳を弄する砲声と目をくらます閃光が、闇夜の海を照らした!

 

 

一方でマジュンガの鉄血基地に攻撃を開始した攻撃隊は、周辺施設と対空陣地を徹底的に爆撃!

 

第2艦隊から発艦した春嵐隊が爆弾を投下していき爆炎が上がる頃、サディア・北方連合艦隊から発艦した戦爆連合は、付近の空軍基地に対して決死の航空攻撃を開始!

 

レンドリースされた『電征一型』の大編隊が敵機を地上で撃破していき、『艦攻天山』と『R-5複葉艦爆』が滑走路と格納庫を破壊、トドメと言わんばかりに第3艦隊から発艦した雷洋隊から投弾された【親子型爆弾】が決定打となり、マジュンガの空軍基地は無力化に成功!

 

そして本命の爆弾爆龍隊は、マジュンガの鉄血電探基地に対しての攻撃を敢行!

 

攻撃直前で3機が被弾するも被撃墜はなく無事攻撃は成功、12発の飛行弾が電探基地を完膚なきまでに破壊し尽くした!

 

 

基地守備隊が混乱していところへ、艦隊からの二次攻撃が始まった!

 

紅玉艦隊からはン式弾の雨が、サディア・北方連合艦隊からは砲弾の嵐が吹き荒れるかの様に降り注ぎ、マジュンガの鉄血基地は文字通り壊滅。

 

攻撃は、夜明けまで続いた。

 

 

早朝、アンタナナリボの鉄血守備隊司令部は、マジュンガからの援軍要請を受けて【敵の上陸地点は北西海岸である】と予測して、全兵力をマジュンガに向けて出撃させて、海軍もUボート群を出撃させた。

 

だが、この一連の攻撃は敵守備隊を欺くための''陽動''であった。

 

 

ディエゴ・スアレスから出撃した鉄血のUボート群も、紺碧艦隊が仕掛けた海底魚雷からの無慈悲な雷撃を受けて全滅したのだった。

 

 

そして我が紺碧艦隊も、今作線の主要目標であるタマタヴの鉄血電探基地に差し掛かろうとしていた。

 

 

紺碧艦隊は、電探基地を攻撃すべく全艦浮上、艦載機隊の射出作業に取り掛かる。

 

伊601と602から水上攻撃機『雷洋』が各2機発進していくが、伊500型から発艦したのは、改装時に新しく搭載した【噴式春嵐】であった!(外見はOVA版)

 

1隻につき3機の計16機が発艦。

 

雷洋隊を易々と追い越し、先陣を切って電探基地に向かって突進していく!

 

狭い峡谷を先代から受け継いでいる小旋回性能で潜り抜けていき、電探基地を目視で確認するや全速で全機突入!

 

対空砲火を潜り抜けて順次爆弾を投弾していき電探基地を攻撃して、基地機能を奪っていく。

攻撃をし終えた噴式春嵐は間髪入れず、近隣の空軍基地に対して機銃掃射を実行。

 

後続の雷洋隊の安全を確保するため、敵機を瞬く間に地上で撃破していく!

 

 

そして、遅れて飛来してきた雷洋隊から、親子型爆弾が投弾され滑走路を破壊。

 

マダガスカル島における鉄血の目と耳を完全に奪い去り、昼間のうちに制空・制海権を失ったのである。

 

 

鉄血の大編隊を跳ね除けてマダガスカル島に進出した大船団は、5ヶ所の上陸地点に分かれて上陸を敢行。

さしたる抵抗もなく、ロイヤル・インド混成軍は次々と上陸していった。

 

 

タマタヴへは10万、マナンザリ(現マナンジャリ)へは5万5千、ファラファンガナなどフォールドファンには各2万、残り5千を以てサントマリー岬を制圧した。

 

これに先立つ3日前に、ユダヤ人解放の密命を帯びた海軍特殊師団2千がフォールドファンへと上陸を果たしていた。

 

 

海軍特殊師団はフォールドファンの重砂鉱床と収容所を強襲、囚われていたユダヤ人の解放に成功。

 

ヒトラーの大虐殺指令を阻止したかに見えたが………………

 

 

 

鉄血首都 ベルリン

 

総統官邸 執務室

 

 

鉄血総統:ハインリッリ・フォン・ヒトラー『死守せよ!死守せよ!死守せよ!死守せよだ!!マダガスカルに援兵など必要ない!!』

 

 

当のヒトラーはマダガスカル島への援軍派遣は念頭になく、狂った蓄音機の様に死守命令を繰り返していた。

 

だが、この後世のヒトラーは【狂いつつも腹の内は''冷静で打算的''】であり、ただ闇雲に死守命令を出してなどいなかった。

 

 

ヒトラーは現在の鉄血の勢力図を世界地図に照らし合わせ、次なる目標を大量の石油が産出されている【中東アジア】に目をつけていて、大洋州同盟がマダガスカル島奪回に関わっているこの絶好の機会を見逃さず、鉄血が誇る重戦車軍団を中東へと進出させるのだった…………

 

 

時に、平成15年8月15日を以て、歴史の改変劇はより混迷の度を深めていく。

 

『鉄血』・『ユニオン』・そして我が『大洋州同盟』の三極対立構造が、後世第3次世界大戦にどの様な影響を与えるのだろうか…………

 

 

我が紺碧艦隊も、戦乱渦巻くインド洋の海中を征く!

 

そして…………大洋に旭日旗をはためかす重桜の艦隊も、大西洋で戦いを火蓋を切って落とされようとしていた!

 

 

 

EP3-7へ続く・・・・

 

 





次回、旭日の艦隊始動します!
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