アズールレーン~紺碧の艦隊と蒼き海原~   作:非常勤務艦隊本部

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今回は本作初の紺碧・旭日の艦隊の混合回ですぞ?

対鉄血戦における一大作戦なので前後編に分けて投稿しますぞ!


☆:EP4-2 紅海雷撃作戦 / 巨砲鳴動ジブラルタル『上』

 

 

 

平成15年12月31日 未明

 

南洋群島 トラック諸島 環礁沖

 

 

量産型戦艦『扶桑』(予備役入り) 上甲板にて

 

 

重桜訓練生:山城上総曹長「早いですわね?」

 

 

重桜訓練生:石見安芸二等兵曹「久しぶりの陸も間近なんだ。嫌でも目が覚めるよ。」

 

 

重桜訓練生:能登和泉二等兵曹「トラック環礁ってどんなところなんだろうね〜?」

 

 

重桜訓練生:甲斐志摩子一等兵曹「のどかな所よ?太平洋じゃハワイに続く要所の一つなんだから。」

 

 

石見安芸「でも肝心のユニオンの艦隊がどこにもいないもんね〜………戦艦乗りは暇を持て余してそうだけど。」

 

 

 

そんな他愛のない事を話していると、練習戦艦の前から何やら巨大な艦影が2隻近づいてきてるのを確認する。

 

 

 

能登和泉「…………?ねぇ……何か来てるよ?」

 

 

石見安芸「え?何かって?」

 

 

能登和泉「ほら、霧の向こうから………………?!」

 

 

その艦影をよく見ると、普通の戦艦ではないとこがはっきりとわかった。

 

 

甲斐志摩子「ちょっと………………まさか………!!」

 

 

その艦影が次第に近くなってくると、全体像が朧げながらも見えてくる。

 

巨大な船体に、上部には幾つもの砲が搭載されて、何より…………大和型と同じ艦橋とマストが、何よりの証拠だった。

 

 

「「「「っ!!??」」」」

 

 

その戦艦が練習戦艦の右を横切り、艦橋から『他言無用、見なかったことに』と発光信号で送られてくる。

 

その後方から、重桜の人なら誰しも一度は目にしている巨大戦艦が通過していった。

 

彼女たちは慌てながら反対側に行き、もう一度その艦影を確認した。

 

 

甲斐志摩子「あ、あれって!」

 

 

山城上総「間違い無いですわ!あれ程の巨大な戦艦は世界でただ一隻!…………旭日艦隊旗艦、日本武尊!!

 

 

能登和泉「それに…………連合艦隊総旗艦の武蔵までいるなんて……!!」

 

 

山城上総「でも…………日本武尊は今、大西洋にいる筈…………」

 

 

石見安芸「じゃあ…………あれは一体!」

 

 

 

彼女らの疑問を残しつつ、その艦影は霧の彼方へと消えていった…………

 

 

時に、平成15年12月31日未明…………

 

ビスマルクⅡ世との対決から、2ヶ月後の事であった。

 

 

 

 

 

昭和18年4月18日。

 

ブーゲンビル島上空で戦死した聯合艦隊司令長官「山本五十六」は、アズールレーンの要素を含めた後世世界に『高野五十六』として、生まれ変わることとなる。

 

 

高野は、アズールレーンとレッドアクシズとの泥沼な戦争を防ぐために、密かに精鋭集団【紺碧会】を結成して、陸軍中将『大高弥三郎』と共に緩衝地帯【北北海道】にてクーデターを決行、新国家『大洋州同盟』を樹立して、第三勢力【大洋州同盟】を創設した。

 

 

だが、戦争へと転がり始めた歴史の流れを止めることはできず、平成11年12月8日。

 

大洋州同盟は、ユニオンの太平洋地域戦略の要であるハワイ諸島パールハーバーを奇襲攻撃し、これを占領した。

 

 

勢いに乗る大洋州同盟軍は、パナマ運河を破壊。

ユニオンの太平洋への軍需物資輸送手段を遮断せしめて、それからの主要な戦いに勝利を収めていき、太平洋の制海・制空両権をほぼ手中に収めたのである。

 

 

一方、鉄血総統に就任した【ハインリッリ・フォン・ヒトラー】は、世界制覇を目論み、着実に実行に移しつつあった。

 

重桜はこれに対して亡命ユダヤ人を受け入れて、平成14年………南樺太に【東方エルサレム共和国】を建国。

同年8月、大洋州同盟は鉄血に対し宣戦を布告した。

 

 

時を置かず、大洋州同盟は奇想天外『天極作戦』を発動。

重桜の誇る超大艇富士を以て鉄血の原爆研究所を爆撃、悪魔の計画を頓挫させた!

 

 

この成功をきっかけに、ロイヤルの同盟加盟が締結されて、鉄血によるインド太平洋地域進出を阻止すべく、共同歩調を取ることとなった。

 

 

そして……翌、平成15年8月16日。

 

超戦艦日本武尊を旗艦とする【旭日艦隊】が、ロイヤル本土援護のため重桜を出撃。

 

そして同年10月。

 

 

大洋州同盟軍による、鉄血のインド太平洋進出の拠点『マダガスカル島』奪回に向けて大作戦を展開。

マ島各鉄血基地を強襲、敵前上陸を成功させた!

 

 

そして大西洋では、名将「大石蔵良」率いる旭日艦隊が、鉄血のアフリカ侵攻を停滞させるべく作戦を展開。

 

夜陰に乗じて鉄血本土の要所【ジブラルタル海峡】を急襲、空軍飛行場を壊滅、量産型装甲空母グラーフ・ツェッペリンを撃沈せしめて、セウタ港から鉄血海軍が誇る旗艦級量産型高速戦艦『ビスマルクⅡ世』を大西洋へと引き摺り出して、打ち勝つ事に成功した!

 

 

だが、鉄血空軍の超重爆『ヨルムンガンド』が重桜本土を奇襲、帝都東京を目指していた!

 

これに対し高野は、本土防空の切り札として配備された【噴式局戦『桜花』】と、更に【特大型要撃機『嵐龍』】を迎撃に向かわせて、本土空襲の野望を打ち砕いたのだった!

 

 

 

 

 

平成15年も押し迫った頃、トラックからヤルートに向かう一群の潜水艦隊があった。

 

その潜水艦隊がたどり着いた先は紺碧島であった。

 

 

襟裳岬の秘密地中基地に根拠地を置く「海江田四郎少将」率いる【紺碧艦隊第2戦隊】が、次なる作戦に参加するべく遠路はるばるやって来たのだ。

 

 

紺碧島秘密基地にて

 

 

紺碧艦隊本隊司令官:前原一征少将「海江田少将、元気そうでなりよりだ!」

 

 

紺碧艦隊第2戦隊司令官兼伊602潜艦長:海江田四郎少将「司令官こそ、日焼けをするほど健康そうだな?」

 

 

前原一征「ハッハッハwww、北海道は今頃は雪景色だろう。」

 

 

海江田四郎「返ってここは、年中常夏で気分が晴れる。」

 

 

前原一征「そうか………………作戦内容は聞いているな?」

 

 

海江田四郎「あぁ。夜明け前に、トラックから特務艦隊が出撃したのを確認している。到着はおそらく来年の1月中旬あたりだ。」

 

 

前原一征「うむ、こちらの準備もできている………………だか今日は大晦日だ!恒例の紅白演芸会を楽しむとするか!」

 

 

海江田四郎「それは楽しみだ。」

 

 

 

紺碧島が大晦日で賑わいを見せる中、ここ重桜本土では…………

 

 

 

平成16年1月1日 日の出前

 

帝都 東京

 

帝都城 天守閣

 

 

初日の出の遥拝を、ここ帝都城の天守閣で行う1人の姫君が居た…………

 

 

初代政威大将軍:煌武院悠陽殿下「……………………。」

 

 

昨年末以来、ロイヤル本土は鉄血による攻撃の矢面に立たされていた。

 

ヒトラー自らが発案してグルッフ重工業に造らせた【ゲルマン砲】を、旧アイリス本土のアルトワ丘陵から、ロイヤル本土の沿岸都市を攻撃していた。

 

 

煌武院悠陽(ロイヤルとユニオンは地政学的文質では''海洋国家''であるものの、常に隣国からの脅威にさらされて来た鉄血の様な''大陸国家''は、強い被害者意識『反動』敏感な攻撃衝動となってしまう……………………「現状変更」を求める大陸国家と……「現状維持」を望む海洋国家の激突は……必然とみました。…………………我ら大洋州同盟は、同じ海洋国家であるロイヤルを救わなければいけません。)

 

 

その決意を示し…………

 

 

 

煌武院悠陽「頼みます…………大石司令長官、旭日艦隊!そして…………紺碧艦隊の皆さん!」

 

 

 

こうして、平成16年の年は明けて、正月三ヶ日はゆったりと過ぎていき…………

 

 

1月4日の22:00、紺碧艦隊による『紅海雷撃作戦』を主軸とする【シンドバット作戦】が発動され、紺碧艦隊は全艦出撃した。

 

 

紺碧島海底トンネル 海中

 

 

紺碧艦隊旗艦 伊601潜『富嶽号』

 

同 発令所

 

 

前原一征「外海に出たら10節を維持。インド洋までは昼夜潜航で行く。」

 

 

伊601艦長:入江九市大佐「はっ!」

 

 

 

紺碧艦隊第2戦隊旗艦 伊602潜『黒岳号』

 

同 発令所

 

 

伊602潜副長:山中栄治大佐「6日後には、例の特務艦隊がト島に到着している頃ですな。」

 

 

伊602潜航海長:内海「この速度だと、インド洋突入は2月頃になると思われます。」

 

 

海江田四郎「今作戦は旭日艦隊主導の作戦と連動して行われることとなっている。早くても2月6日頃には、行動を起こさなければならんな。」

 

 

山中栄治「はっ、準備だけは済ませておきます。」

 

 

海江田四郎「頼む。」

 

 

 

両雄期待の紺碧艦隊がインド洋に向けて出撃してから10日余り、ここ遠く離れた大西洋はトリスタン・ダ・クーナ島に、大石蔵良の新たな秘策が到着した!

 

 

平成16年1月中旬 深夜

 

南大西洋 ロイヤル領トリスタン・ダ・クーナ島 近海

 

駆逐艦紅月 艦橋にて

 

 

 

紅月電探手:西条未来中尉「空中・水上共に敵反応なし!」

 

 

旭日艦隊保安隊所属:星名透中尉「伊東隊長から港の安全確保との通信あり!」

 

 

紅月通信手:柏木紗香少尉「対潜警戒はこのまま続行!」

 

 

紅月艦長「三番バースに接舷せよ!」

 

 

重桜KAN-SEN:信長《これより、24時間のト島上空哨戒を開始する!》

 

 

紅月通信手2「不審電波の発信、今の所なし!」

 

 

紅月副長「柏木少尉、符牒を使う様に徹底させろ!」

 

 

柏木紗香「了解!『カラスハスニハイッタ』」

 

 

大石らが見守る中、2隻の巨大戦艦がト島に入港した。

 

 

旭日艦隊参謀総長:原元芳中将「本当に日本武尊と''瓜二つ''ですね……!!」

 

 

元ストライクウィッチーズ所属:宮藤芳佳大尉「あれが全て木で造られてるなんて…………」

 

 

旭日艦隊司令長官:大石蔵良元帥「来てくれたか。''木製戦艦八咫烏''に、総旗艦''武蔵''………!」

 

 

 

重桜…………いや、大洋州同盟が作り上げた奇想木製戦艦、それがこの八咫烏である。

 

大石の要請により、遠路はるばる旭日艦隊へと馳せ参じたのだ。

 

 

ト島 三番バースにて

 

 

大石蔵良「原君。彼女が重桜艦隊総旗艦、武蔵だ。そして…………」

 

 

特務艦隊司令官:海野十蔵大佐(18)「海野十蔵大佐であります!」

 

 

 

海野十蔵。

 

前世において、物資輸送中の伊号潜にて無念の戦死を遂げた潜水艦乗りである。

 

その無念を元に、彼がこの後世世界の記述で完成させた【木製潜水輸送船『鎗鯨』】による、革命的後方支援構想は、大石や高野にも高く評価されていた。

 

その手腕を買われ、現在は海野がこの八咫烏の指揮をとっている。

 

 

原元芳「それにしても、これ程巨大な木造戦艦なんて、初めて見ました………!」

 

 

超戦艦日本武尊艦長:冨山正因大佐「確か…………八咫烏は日本武尊の【原寸大試験模型】だったと聞いていますが……」

 

 

海野十蔵「旋回時の応力や増波抵抗のテストなどは、この八咫烏があってこそ実現できたのです。なにしろ日本武尊程の超巨大戦艦の建造なんて、過去に例がありませんでしたから。」

 

 

重桜総旗艦:武蔵「その八咫烏に、奇想天外な任務を与える事を思いつかれた大石元帥の慧眼には、感服するしかありませんわ。」

 

 

大石蔵良「思いつきだよ、苦し紛れさ…………所で、例のお客さんはどうだ?」

 

 

武蔵「インド洋で数名船酔いを起こしましたが、なんとか。今は宮藤殿が日本武尊の案内をしている頃かと…………」

 

 

大石蔵良「そうか…………彼女からしてみれば、1年ぶりの再会だからな。」

 

 

 

超戦艦日本武尊 防空指揮所にて

 

 

宮藤芳佳「どうですか?本物を見た感想は?」

 

 

元ストライクウィッチーズ所属:ゲルトルート・バルクホルン中佐「かなりの重厚感だな…………八咫烏とは段違いだ……!」

 

 

元ストライクウィッチーズ所属:シャーロット・E・イェーガー少佐「ほんと、よく東方エルサレムから借金して作ったな〜?」

 

 

元ストライクウィッチーズ所属:リネット・ビショップ中尉「借金って…………」

 

 

元ストライクウィッチーズ所属:ペリーヌ・クロステルマン少佐「それに51サンチ砲なんて…………」

 

 

元ストライクウィッチーズ所属:フランチェスカ・ルッキーニ中尉「ふぇ?それって強いの?」

 

 

元ストライクウィッチーズ所属:エイラ・イルマタル・ユーティライネン大尉「武蔵の46センチ砲なんて霞んで見えるくらいに強いゾ…………」

 

 

宮藤芳佳「ところで…………皆さん、どうして一緒にきたんですか?」

 

 

元ストライクウィッチーズ所属:サーニャ・V・リトヴャク大尉「芳佳ちゃんの手伝いに来たの。」

 

 

元ストライクウィッチーズ所属:エーリカ・ハルトマン少佐「501が解散して、あたし達暇になっちゃてね〜。高野総長の言いつけで特務艦隊と一緒にきたんだ〜!」

 

 

バルクホルン「今回の作戦は大掛かりと聞いてな、補充要員として旭日艦隊と行動を共にすることになった。」

 

 

宮藤芳佳「心臓作戦…………ですね?」

 

 

 

『心臓作戦』。

 

その名の通り、鉄血心臓部に打撃を与える「旭日艦隊」による独自作戦であり、同時に「紺碧艦隊」による独自作戦である『シンドバット作戦』もこれに連動している。

 

 

 

翌日から、旭日艦隊はこれ見よがしに艦隊行動演習を繰り返す。

 

その間にも、ヤルートから出撃した紺碧艦隊はハルマヘラ島の東岸で南に進路を取ってバンダ海に入り、アラフラ海からティモール海を経て…………………

 

 

平成16年1月中旬

 

東南アジア サブ海にて

 

 

伊601潜 セイルにて

 

 

前原一征「今日は新鮮なものが食えるな!」

 

 

入江九市「炊事員たちに発破をかけておきます!」

 

 

前原一征「そいつは結構!飯がいちばんの楽しみだからな!」

 

 

 

サブ海にて腹を満たした艦隊は、次の補給地点であるモルディブ沖に向けてインド洋を北西に進む。

 

アラビア海到達は20日後の予定である。

 

その頃鉄血は、煌武院悠陽の予測通り北インドへの進撃を開始。

 

ロイヤル・インド・アイリス・ヴィシアの混成軍と戦端を開き、苛烈な攻防戦が繰り広げられていた!

 

 

一方でマダガスカル島は、鉄血の守備軍を島の北端に追いやるも、未だ頑強な抵抗を続けていた。

 

 

1月下旬、雨天の日。

 

旭日艦隊主導の『心臓作戦』が発動された。

 

超戦艦『日本武尊』率いる旭日艦隊本隊とロイヤル艦隊は、何処ともなくひっそりと出撃していった。

 

 

ト島 桟橋にて

 

 

海野十蔵「始まりましたな、中村中将。」

 

 

前衛遊撃艦隊司令官:中村勘助中将「うむ。」

 

 

武蔵「我が方の準備も万全です。」

 

 

中村勘助「今回我々は、派手な陽動に徹する。本作戦の成否は、我々の戦い次第かもしれん。」

 

 

 

平成16年2月

 

 

モルディブ沖に到達した紺碧艦隊は、時折出没するUボートに警戒しながら、二度目の補給にかかる。

 

伊601潜に紅玉艦隊から派遣された「赤穂慎一作戦参謀」が乗艦して、戦況報告を聞いた。

 

 

マダガスカル島の奪回を目前にして、鉄血海軍の地中海艦隊に動きが見られ、このままでは紅玉・坂本両艦隊の背後が脅かされる危険があった。

 

 

一方、旭日艦隊は心臓作戦遂行のため、行動を起こしていた。

 

 

 

海野十蔵《(すごく恥ずかしいぞ…………)…………………旭日艦隊司令長官、大石である!これより我が艦隊は、友邦ロイヤルを救援するべく、作戦を展開する!一将、一兵に至るまで作戦の事由と真意を理解し、職務を全うしてもらいたい!…………以上!旭日艦隊、出撃!!》

 

 

本隊の出撃から遅れること3日。

 

中村中将指揮する前衛遊撃艦隊と亡命鉄血海軍は、各国にその存在を誇示する形で堂々と出撃した。

 

 

木製戦艦八咫烏 偽装艦橋

 

 

武蔵「お疲れ様です、''大石司令長官''。」

 

 

海野十蔵「よしてくれ武蔵…………影武者役が、こんなに緊張するとは思わなかったぞ?」

 

 

武蔵「それも、鉄血の無線傍受員にも聴かせるのだから、国際スター並ですね?」

 

 

海野十蔵「中村中将が、俺にこの役を押し付けた意味がわかったよ…………。」

 

 

 

前衛遊撃艦隊旗艦 航空巡洋戦艦『虎狼』

 

同 艦橋左ウィングデッキ

 

 

中村勘助「それにしても、よく出来ている。」

 

 

重桜KAN-SEN:虎狼「はい。とても、ベニヤ板の戦艦とは思えません。我々でされそう見えるのですから、敵からすれば余計にわからないでしょう。」

 

 

中村勘助「虎狼、ベニヤ板は酷かろう。木製戦艦と言えども、我が国の優秀な【高分子科学技術】の成果だ。」

 

 

虎狼「はっ!しかし、木で出来た戦艦で本当に戦闘が可能なのでしょうか?」

 

 

中村勘助「うむ…………そこが、大石司令の柔軟思想だ。要は''使い方''なのだ。」

 

 

 

彼の疑問も最もである。

 

 

奇想木製戦艦【八咫烏】は、外観こそは日本武尊と寸分違わぬものであるが、肝心の内部は極端に簡素化されている。

 

主機関は民間規格のディーゼルで、対空兵装・電探・逆探・通信設備は最新のものを搭載しているものの、艦そのものは''ハリボテ''と言っていい。

 

艦橋構造物も同様であるが、基部には厚さ1,000ミリで覆われた【司令艦橋】がある。

 

 

ト島を出撃した前衛遊撃艦隊は、赤道を超えて北上。

 

イベリア半島沖へと迫っていた。

 

 

前原はここで、ヒトラーの心理状態を不安にさせる事となった。

 

独裁体制なら、命令系統は一つだけ。

 

彼らは、ヒトラーの心理を読む事で、次の一手を空打とうとしたのだ。

 

 

 

鉄血首都 ベルリン

 

総統官邸 執務室

 

 

確かに、その頃ヒトラーは迷っていた。

 

予想に反した大洋州同盟の力に迷いが生じ、迷いは戸惑いとなり、決断力を鈍らせ、不安感が募っていった。

 

この日、ヒトラーの下にルーデンドルフからの電話が鳴る。

 

内容はマダガスカル島への増援派遣についてだったが、ヒトラーは断固としてこれを拒否する。

 

 

しかし、戦況は鉄血側にとっては芳しくなく、大洋州同盟の増援部隊が北西部海岸に上陸を果たしつつある上、守備軍はすでに弾薬が尽きて首都陥落は時間の問題であり、長く持っても10日が限界であった。

 

それを知ったヒトラーは''援軍''派遣を決意するものの、最後まで死守するよう今一度念を押した。

 

 

次に連絡を入れたのは、海軍司令部である。

 

 

ヒトラーはルーデンドルフから「マダガスカル島が後1週間も持たない」事を言った上で、海軍の現況を確認する。

 

リッペからは末ズの安全は確保済みと言ってきたが、ヒトラーが聞きたいのは『重桜艦隊』に勝てるかどうかであったが、リッペはそれを確約する。

 

 

ヒトラーは元からマダガスカル島を助ける気は全くなく、インド洋とアラビア海の制海権確保を考えていたのだ。

 

しかしヒトラーにも懸念点があった。

 

ト島から堂々と出撃した旭日艦隊の動向についてだが、リッペは「ジブラルタルは大量の機雷とUボートで封鎖している」と回答した。

 

 

これによりヒトラーは、あのナポレオンすら成し遂げられなかったインド制服が完璧なものになると豪語し、悪魔の笑い声が執務室に響き渡った………………

 

 

 

EP4-2『下』に続く・・・・

 

 





作戦の成否は如何に!?後編へつづく!



…………とまぁ、ここからはちょっとした話です。

ここ最近になって、中東情勢の不安定化で物価高やら石油やナフサ由来の製品供給の不安定やらで、少しずつではあるものの生活しづらくなってきましたね………。

うp主のリアルな仕事には今のところ影響は少ない方ですけど、これが長期化しちゃうと遠からずしわ寄せが来ちゃう予感が…………:(;゙゚'ω゚'):ガクブル

これ以上アメリカが変な気を起こしてくれないことを祈るばかりです…………。


では、また次回!
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