アズールレーン~紺碧の艦隊と蒼き海原~ 作:非常勤務艦隊本部
ブーゲンビル島上空で戦死した山本五十六は、前世とは全く異なる後世に【高野五十六】として転生。
アズールレーンの要素を含めた後世の歴史に違和感を覚えるも、重桜とユニオンの緩衝地帯である従属国【北北海道】にてクーデターを決行して、青風会のトップで陸軍中将の「大高弥三郎」を首班とする【大洋州同盟】を建国、同時にアイリスなどのアズールレーン準加盟国と会談を行い、新陣営【大洋州同盟】を成立させた。
だが、戦争への流れを止めることは出来ずに、平成11年12月8日、大洋州同盟は第三次世界大戦へと参戦する……。
【ハワイ海戦】で、ユニオンの太平洋に対する戦略拠点を占領して、ロイヤルの東洋方面第2艦隊を撤退させて、ユニオン太平洋艦隊と交戦して、これを降伏させた。
勢いに乗る大洋州同盟は、太平洋への戦略物資輸送を阻害する為、翌年の平成12年1月13日にユニオンのアキレス腱である【パナマ運河】を破壊せしめた。
初戦の連敗に頭を悩ませたユニオン大統領ルーズベルトは、国内の厭戦気分を払拭させるため新鋭重爆撃機[B-30]を用いてでの【重桜空襲】を敢行するが、これを察知した大洋州同盟が迎撃のため出撃させた局地戦闘機[蒼莱]と異世界から後世世界に転移してきた【ウィッチーズ】によって、頓挫させた。
だが、恐るべき巨大ユニオンの工業力である。
真珠湾攻撃で壊滅したはずの太平洋艦隊が、北太平洋のダッチハーバーにて蘇っていたのだ。
大洋州同盟はこの艦隊を、新鋭の高速電算機を駆使して完成した【天弦作戦】を発動させて、新太平洋艦隊を誘き出してこれを壊滅させた。
アイシャルリターンの台詞を残してフィリピンから脱出し、オーストラリアに身を潜めていた「ルイス・マッカーサー」であったが、大洋州同盟による【豪州封鎖作戦】の前にフィリピン奪回は思うようにいかず、さすがの名将にも焦りの色が濃かった。
平成12年11月には作戦乱が発動され、大洋州同盟軍が南太平洋各地で神出鬼没の作戦行動を実施。
第23水雷戦隊による往復2000kmにも及ぶ【長距離艦隊夜襲】でマッカーサー軍の別働隊を孤立させ、大洋州同盟の陽動に釣られてアラフラ海に出てきた「フレッチャー提督」指揮する第二艦隊も、トレス海峡にて駆逐艦2隻を残して撃破、同海峡を封鎖せしめた。
だが、この緒戦の輝かしい戦果の裏に、前原・海江田両少将に率いられた【紺碧の艦隊】と呼ばれる秘匿潜水艦隊が存在したが、それを知るものはごく僅かであった…………
・
・
・
2000年(平成12年)12月
パプアニューギニア ポートモレスビー
ウィロビー「メリークリスマス閣下。」
マッカーサー「メリークリスマス、ウィロビー。まあかけたまえ。」
ブナ奪回に動いたマッカーサー軍であったが、彼らの誘き出しにまんまとかかってしまい、逆に補給不足になってしまい前世とは真逆の状態に追いやられてしまったのだ。
更にブナ奪回のために放った別働隊も、大洋州同盟の悪魔の夜襲によってソロモン諸島に封じ込められてしまった上、フレッチャー艦隊もトレス海峡にて駆逐艦2隻を残して全滅して同海峡も完全に封鎖されたため、南太平洋戦線における一大反攻を目的とした【オペレーション・ウォッチタワー】は続行不可能となってしまっのだ。
マッカーサー「南半球の雪のないクリスマスは、なんとも味気ないな……………そうは思わんかね?ウィロビー。」
ウィロビー「は、はぁ…………………」
ウィロビーは再三にわたりシドニーのモルガン提督の元を訪れて救援を要請していたが…………
ウィロビー「何度も居留守を使われ、提督の御返事は………「参謀本部の命令ならともかく、一戦域司令官の要請を聞いて、貴重な艦隊を危険に晒すわけにはいかぬ。」…………との事です。」
マッカーサー「…………モルガンめ、サモアの防備を疎かにするからこうなったものを……!」
ウィロビー「閣下、オーストラリア政府は総辞職するかもしれません!」
マッカーサー「総辞職だと……?!」
ウィロビー「敵の海上封鎖が徐々に功を奏して、大洋州同盟との講和やむなしの意見が、議会の大半を占めているようで…………このままでは。」
マッカーサー「うーむ…………(だが、今やそれを防ぐ手立てがない。大洋州同盟の大高は…………歴代のユニオン大統領をも凌ぐ、相当な''大戦略家''だな…………)」
陸海軍との意見の対立は、前世の日本だけではなかった。
フィリピン奪回を狙う陸軍の「ルイス・マッカーサー」と、太平洋の主役を任ずる「ウィリアム・モルガン」率いる第七艦隊は、その意見を悉く対立させていたのだ。
平成12年師走 大洋州同盟首都 札幌
開戦から一年、ユニオン・ロイヤルに対して大洋州同盟陸海軍は各地で連戦連勝を重ねており、国民に戦争の影は未だ深刻なものにはなっていなかった…………だが……………………
中央区 首相官邸
応接室
この日両雄は、豪州の近況と今後の予測について話していた。
大高弥三郎「今年も暮れますな。」
高野五十六「今年も一年、色々ありましたからなぁ……。私はともかく、総理は政務の他にも陸軍大臣も兼任されておられる!くれぐれも、健康には注意してもらわなければ…………」
大高弥三郎「それは総長、貴方もですぞ?」
高野五十六「恐れ入ります。ところで、オーストラリア政府との講和交渉はいかがなものです?」
大高弥三郎「まだ、交渉のテーブルに着くという段階には至っておりません。しかし私の考えですが、兎に角豪州への上陸はできれば避けたい。豪州を戦火で踏み躙れば、どんな理由でさえ侵略になる。」
高野五十六「となると、やはり問題なのはシドニーに立て篭もるモルガン艦隊でありますか。」
第七艦隊ことモルガン艦隊は豪州防衛という任務の性質上、オーストラリア政府の一部議員の拠り所であるため、豪州をユニオンの手の内から離さないという役割を担っていた。
高野はこのモルガン艦隊を誘き出すために、サモアを占領して豪州各地で神出鬼没の陽動作戦を展開して見せたが、とうとうそれらに乗ってくる兆しは見せなかった。
だが裏を返せば、このモルガン艦隊を引っ張り出すことができて……それを殲滅することができれば、豪州は今度こそ丸腰の状態となり【講和】という選択肢を取らざるを得なくなる。
だが…………
高野五十六「しかしモルガンは非常に用心深い性格のようで、巣穴から引っ張り出すには知恵が入りそうですな。」
大高弥三郎「はははwwww…………私の見るところ、この戦争は長引きます。仮に鉄血が破れたならば、北方連合で政変が起こり敵に回るでしょう。そうなれば、最悪の事態が予測されます。」
高野五十六「更に恐るべきは、例の【マンハッタン計画】です。」
大高弥三郎「いずれにしても、わが国が勝つことはあり得ない戦争です。」
高野五十六「負けるための戦い…………いや、''より良い負け''を得るための戦い!全く難しいものだ………」
大高弥三郎「はい…………。」
より良い負けを得る。
これが何故難しいのかは、のちに明かされることとなる。
そして話題は、最近の世界情勢に変わる。
高野五十六「ところで…………鉄血についてですが、実は''ある人物''から有力な情報が入っているのですが…………」
大高弥三郎「鉄血についてですか?……………して、その情報源は?」
高野五十六「それが意外というか、情報の差出人が『クレマンソー』なのです。」
「クレマンソー」は、リシュリュー級の三女であり、ヴィシア星座に所属しているKAN-SEN。
ヴィシア星座の座長である「ジャン・バール」とは違い、ヴィシア星座の最高意思決定機関【審判廷】の長に就任している。
しかし、姉「リシュリュー」の悲願を達成させるべく、ジャン・バールの知らぬ所で策謀を尽くすほどの【戦略家】でもあり、自身の直属の部下も率いるほどの【指導者としての器】を兼ね備えている。
高野を推して、「敵に回すと、こちらの予想を覆す戦略を立ててくる、侮れない人物」として称賛している。
そんなクレマンソーであるが世界各地の政府機関に大勢の''友人''がいて、そのツテを使い大高に時折、今後の戦略構想に役立つ情報を提供している【情報屋】でもある。
そんなクレマンソーが今回送ってきた情報は、助言ではなくある種の【警告】であった。
大高弥三郎「鉄血で政変ですと?!」
高野五十六「開戦前に行われた鉄血議会の選挙にて、少数与党の【ナチス党】が単独過半数を獲得して、ビスマルクが鉄血の長から降ろされて、その後任に「ハインリッヒ・フォン・ヒトラー」が就任したとの事です。」
大高弥三郎「ヒトラーまでも、この後世に転生していたのですか?!その情報、確かなものですか?」
高野五十六「差出人がクレマンソーであるので、角度は高いかと…………しかし、これはかなり厄介ですな。」
大高弥三郎「はい。下手をしたら、わが国が窮地に立たされることになります。その前に、対鉄血戦の下準備を進めなくてはなりませんな……」
両雄の心内とは別に、平成12年の年の瀬は格段の変化を見せることなく、平穏に過ぎようとしていた…………
平成13年1月1日 元旦
ラタック列島某所 紺碧島
品川弥治郎「気をつけーー!遥拝ーー!!」
平成13年元旦。
紺碧島では新年の初日の出を皆が見ていた。
その中には、紺碧第2艦隊の面々も同席していた。
品川弥治郎「なおれー!」
前原一征「諸君、新年おめでとう。」
「「おめでとうございます!」」
前原一征「平成13年の新年にあたり、一言挨拶を申し述べる!我々は、全員【無名戦士】である!何故無名戦士であるか…………」
前原は新年の初頭にあたって、無名戦士たる紺碧艦隊隊員たちの労を労い、改めて秘匿艦隊としての意義を唱えた。
前原一征「我が艦隊の働きが、この太平洋の戦局を大きく左右すると言っても過言でもない!我々がいかに戦っているかは、我々自身が一番に知る所でもある!」
そしてまた、厳しさを増す戦局の展望を語り、対応する戦略を隠す所なく解禁した。
全ては、前原の戦う同士に対しての心遣いであった。
前原一征「諸君!ささやかではあるが酒も雑煮も用意した。正月三ヶ日はゆっくり休んで、英気を養ってくれたまえ!」
「「おぉー!!」」
前原の訓示は終わり、紺碧艦隊の隊員たちは正月休みを堪能した。
だが正月三ヶ日は瞬く間に過ぎていき…………………
その名残を惜しむかのように、伊501潜と伊506潜が塔作戦に先駆けてタスマン海域への偵察に出撃したのは、まだ末も取れぬ1月6日の事であった。
塔作戦の要目は【タスマン海の制海空権の確保】であった。
紺碧艦隊作戦部も、その準備に忙殺されていた。
紺碧島 司令部
前原一征「モルガン提督は……艦隊を動かす際には潜水艦からの攻撃に備えて、必ず航空戦力の支援を要請するという。なかなかの用心深さだ…………一筋縄ではいかんぞ?」
海江田四郎「それにこの所、味方の伊号潜が被害を受けているようだな?」
内海「はい。作戦乱発動以降、珊瑚海およびソロモン諸島海域を中心にして、伊147潜を始めとする海大型6隻が沈められていて、タヒチとフィジー近海でも伊12潜と15潜が沈められて、伊19潜と58潜が大破。更にサディアとヴィシアの潜水艦隊にも若干の被害を受けています。」
前原一征「敵もよほど高性能のレーダーを開発・配備をしたと見るべきだな。」
山中栄治「はい。そして、サモアを取ってモルガン艦隊を引っ張り出す当初の作戦にも、とうとう乗ってきませんでした。」
前原一征「我々の存在が、抑止力として効果を発揮している証拠だろう。」
紺碧艦隊隊員5「ところで、軍令部ではハワイの高杉艦隊を使って【FN作戦】を行うようでありますが…………」
FN作戦。
軍令部が立案した作戦であり、【[F]がフィジー】・【[N]がニューカレドニア】であり、この方面へ攻撃を行う…………というのが表向きであるが…………
裏には、【モルガン艦隊をフィジー・ニューカレドニア方面へと誘き出す】という真の狙いを潜ませていた。
紺碧艦隊隊員たちの隊員5「高杉長官は『また俺の艦隊を囮に使うのか?』と、高野総長に文句をつけたと聞いております。」
前原一征「はははははwwww、気持ちはわかるな…………ところでFN作戦だが、進んでいそうだったか?」
紺碧艦隊隊員5「はい。2月早々には、実施される予定とか。」
山中栄治「なら、こちらも作戦を早めますか?」
前原一征「そうだな。(高野総長に文句をつけるとは、高杉長官もなかなかの役者だ……)」
実は、FN作戦にはもう一つの目的があった。
それが、502部隊隊長である「グンドュラ・ラル中佐」が草案した【クリスマス島空軍基地への攻撃】であった。
この草案を高野五十六が作戦会議にて提唱して、【作戦『塔』】が立案された。
前世大戦では、日本側の情報がアメリカ側に尽く筒向けにされて裏を掻かれた苦い経験があり、それを恐れた高杉長官は一芝居打ったのだ。
前原一征「ここは一つ、サモアの九鬼兵団の力を借りねばならんな。」
海江田四郎「では、頭を下げにいきますか。」
平成13年1月8日。
紺碧第1・第2艦隊は秘計を胸に、紺碧島を出撃した。
向かう先はタスマン海であり、到着は【2月1日】であった。
紺碧艦隊の出撃から遅れること10日余り。
ハワイオアフ島から、高杉艦隊が出撃。
FN作戦に則り、太平洋を南へ南下してフィジーへと目指していた。
高杉艦隊出撃の報を受けたユニオンの統合作戦本部は、これまでの情報分析から【真に意図する大洋州同盟の狙いは、『モルガン艦隊の殲滅そのものにあり』】と確信していたが……………………
ユニオン 首都ワシントンD.C.
統合作戦本部 同 作戦会議室
対する意見は、四分五裂の様相を呈していた。
ユニオン陸軍長官「第七艦隊を動かさせないなど、海軍はポートモレスビーで孤立したマッカーサー軍を飢餓に追いやるのか!!もしそうなったら、国民が黙ってはいないぞ!!」
ユニオン海軍太平洋戦域司令官:カッター大将(25)「おいおい、そんな言いがかりはよしてくれよ。マッカーサー軍を助けたいのは海軍としても同じなんだが、マニラ島の第二艦隊が壊滅しちまった以上、オセアニアにはまとまった海上戦力が第七艦隊だけになっちまったんでな。これが無くなっちゃうと、手持ちの戦力じゃあ本土防衛もままならなくなっちまう。」
ユニオン共和党総裁「大洋州同盟による西部海岸上陸があった場合、第三艦隊だけで抑え込むのは難しい!」
ユニオン民主党総裁「その時はその時だ。」
ユニオン共和党総裁「貴方は、この神聖な国土を土足に踏み躙られてもいいと…………」
ユニオン民主党総裁「そんなことは言っていない!!ただ彼らに、それほどの力がないと言っておるのだ!!」
ユニオン海軍長官「我々が戦っているのは極東の重桜と大洋州同盟だけではない!!ヨーロッパには独裁政権と化した鉄血がいるのだぞ!!」
ユニオン統合作戦参謀長「その通りだ!敵の脅威を背腹に受けているこの状況を、しかと認識せねばならん!!」
意見が対立して、長時間に及ぶ会議に疲れが見え始めた頃…………
ユニオン海軍参謀長「そもそもの責任は、大統領にあるようですな。鉄血だけ戦えばいいものを、わざわざ重桜を挑発して戦争へと引き摺り込んだのですからな。」
ユニオン陸軍参謀長「おまけに、頼みのアズールレーンを軽視した結果、それまで友好国であったアイリスなどの国家が、重桜から独立した【大洋州同盟】に雪崩を打って手のひらを返す結果になりましたからな!」
ユニオン民主党総裁「その通りだ。」
ユニオン海軍長官「どうやら、大統領にも責任の一端はあるようですな。」
ユニオン陸軍長官「一端ではない!!全てと言ってもいいくらいだ!!」
ユニオン統合作戦参謀長「大統領の責任は免れんでしょうな!」
ユニオン共和党総裁「大統領の意見も聞きたいものだ!!」
ユニオン空軍長官「そうだ!次期諮問会で問いただそうではないか!!」
カッター大将(哀れ、ルーズベルト大統領閣下だな…………。噂の''最高法院''の言いつけに従ったはいいが、その分ツケが高くなって帰っていそうだな…………。)
思わぬ方向に向かう会議に大統領補佐官ヒルズは困惑し、会議を明日に持ち越すよう提案した。
その足で深夜にも関わらず、ホワイトハウスへ訪れたヒルズは…………
深夜
ホワイトハウス 談話室
ヒルズ「…………問題なのは、例の''姿なき海中の艦隊’です。」
ルーズベルト「またX艦隊か!」
ヒルズ「はい。彼らが太平洋を跳梁している限り、我々は手も足も出せません……。」
ルーズベルト「…………………なんとしてでも、X艦隊を撃滅せよ!」
ヒルズ「しかし…………」
ルーズベルト「X艦隊の跳梁を許していたら、我がユニオンは東西からファシストに攻められることになるぞ!」
ヒルズ「……………………閣下。ヒトラーはともかく、重桜と大洋州同盟はファシストではなくないかと…………」
ルーズベルト「ヒルズ君。君はこの大統領に異議を唱えるのかね?」
ヒルズ「い、いえ!!」
ルーズベルト「君も知っての通り、鉄血も我が国を上回る新兵器を投入して、反撃していると言うではないか。」
技術躍進が進んでいるのは鉄血も同じであった。
ビスマルクが失脚した事で新総統に就任した【ハインリッヒ・フォン・ヒトラー】の指示により、陸海空軍の技術研究を命令した事で、戦力が拡大。
既に空軍ではジェット推進法を確立させて、それを採用した【Me262シュバルベ】を実践配備して、ロイヤル・ユニオン両軍に大打撃を与えてる。
その脅威は隣国アイリスとヴィシア、サディアも同じであり、彼らは最悪の事態を想定して亡命国家を比較的安全である南アフリカとインド・東煌に創り、不測の事態に備えていた。
だが、ルーズベルトにはまだ挽回のチャンスはあった。
現在開発中の【原子爆弾】。
これが完成すれば、ルーズベルトにも反撃の起爆剤にできると思っていたが…………
ヒルズ「しかし閣下……鉄血も大洋州同盟も、原子爆弾を開発中との報告が入っていますが…………」
ルーズベルト「…………」
ヒルズ「また、
ルーズベルト「……………………どうやら、我々は鉄血と大洋州同盟の技術力をみくびりすぎたようだな。」
ヒルズ「はい…………我々は、容易ならざる敵を、戦争へと引き摺り出してしまいました…………。」
ルーズベルト「ヒルズ君。ひょっとすると、私はこの国最後の大統領になるかもしれんな。」
ヒルズ「どう言う事ですか?」
ルーズベルト「連中と我々が、人類未曾有の大量破壊兵器を開発して…………互いに応酬しあったとしたえ……………………全世界が、この地球が、滅びるかもしれんのだ!」
一旦動き出した【戦争というメカニズム】は、止まるところを知らない。
己の最初の意図に反し、世界をも破滅に至すかもしれないボタンを押したと気づいた時、ルーズベルトは言いしれぬ恐怖に襲われていた。
ヒルズ「閣下……大統領閣下!」
ルーズベルト「…………!」
ヒルズ「【B-32『フライングデビル』】の使用許可をいただけるでしょうか。」
ルーズベルト「それは出来ぬ!B-32は【デビル計画】の為のものだ!」
ヒルズ「そこを曲げてお願いします!X艦隊の正体がつかめない以上、高杉艦隊に対する防御法は他にありません!対重桜・大洋州同盟との講和の気運は、統合作戦本部にまで出始めています……将軍たちを宥めるには、B-32の投入しかありません!……………………閣下!」
ルーズベルトは判断に迷ったが、もはや後戻りはできるわけもなく、何よりルーズベルトには選挙という大事な行事が迫っていたのだ。
それらを考えたルーズベルトが出した結論は、【どのような犠牲を払おうとも、太平洋の戦線を最低2年持ちこたえよ】であった。
この判断により、ルーズベルトはデビル計画の要である【B-32『フライングデビル』】の実戦投入を正式に許可。
ヒルズが持ち帰った結論により作戦は急遽練り直されて、翌日午後にはアリゾナ州の空軍基地から、最新鋭の超重戦略爆撃機【B-32 フライングデビル】が、豪州のブリスベンへと飛び立った。
空飛ぶ悪魔は途中、タヒチで給油を行ったが、これを偶然にもタヒチ島近海にて潜入哨戒に就いていた、アイリスの砲撃潜水艦【フルスク】が、これを目撃した。
タヒチ島近海 海中
砲撃潜水艦フルスク 艦内
アイリス所属KAN-SEN:フルスク「何よあのデカブツは!?常識はずれじゃない!!潜望鏡を下ろして!!同時にケーブルアンテナで友軍に通報を!!」
この情報は、直ちに暗号に組み替えられて、近くの大洋州同盟軍基地へと打電された。
・・・巨大ナル六発機・八十ヲ視認、たひちヨリ西方ヘ向フ・・・
大洋州同盟は直ちに仙空十数機とストームウィッチーズを飛ばして、索敵に当たらせる!
幸運にもストームウィッチーズの「ハンナ・マルセイユ大尉」が、高度12,000mの高高度を西進する大編隊を捉えた。
・・・ワレ新型超重爆ヲ発見、巡航速力375
情報は直ちに太平洋を南下する高杉艦隊へ、そしてタスマン海に向かう紺碧艦隊へ、ティモール司令部へと伝達され、高野五十六も即日この情報に接した。
大洋州同盟 首都札幌
海軍省 執務室
高野五十六「敵は、我々の【潜水艦決戦思想】に対して【戦略空軍決戦思想】と言う新基軸を、より一層鮮明に打ち出してきました!」
大高弥三郎《その様ですな…………我々が最も警戒していた戦略です。》
札幌市中央区
国会議事堂(旧北海道議会議事堂) 執務室
大高弥三郎「まるで平面で戦う盤上が、突然三次元になった様なものです。敵が工業力を背景に、何千機もの超超重爆を一気に投入してきたら、防ぎようがありません!…………して、その機の推定航続距離は?」
高野五十六《タヒチから豪州東部間を一気に飛ぶとすれば…………最低6,000キロ以上でしょう。》
海軍省 執務室
高野五十六「ヨーク半島から重桜帝都まで届く距離です。」
大高弥三郎《【富士計画】が一歩、遅れてしまいましたな…………》
高野五十六「いえ、仮に間に合ったとしてもこちらは''手作り''、向こうは''大量生産''です。この戦は、とどのつまりは【消耗戦】ですから勝てません。」
国会議事堂 執務室
大高弥三郎「高野さん…………塔作戦は中止すべきではないでしょうか。あえて火中の栗を拾う必要はないと思いますが…………」
海軍省 執務室
高野五十六「総理。高高度を飛ぶ戦略爆撃機では、高速で移動する艦艇に爆撃をしても、効果はありません。」
大高弥三郎《無論それは分かっているつもりです。》
国会議事堂 執務室
大高弥三郎「しかし、どうも嫌な予感がするのです。」
海軍省 執務室
高野五十六「…………わかりました。直ぐに高杉艦隊に連絡を取り、独自に判断する様に伝えます。」
平成13年2月2日 南太平洋上
高杉艦隊 旗艦 高速戦艦比叡
戦闘艦橋
高野からの連絡は、直ちに高杉の下へと伝わる。
グリーンヒル大尉「長官。どうしますか?」
高杉英作「作戦は続行する。地上施設ならともかく戦略空軍だ。高高度からの爆弾投下では、我が艦隊への命中は至難の業だ。」
エンタープライズ「だが、雷撃ということも考えられるが…………」
高杉英作「心配することはない。雷撃といっても、我が艦隊の防備は完璧だ。そう神経質になる必要はない。」
高杉の判断で、作戦は続行された。
そして、紺碧艦隊独自の作戦も………………
同日 夜
ニューカレドニア 北方海域
元重桜所属駆逐艦島風 艦上
特殊師団兵5「右舷三番管、投下終了!」
九鬼鷹常「おう!」
特殊師団兵5「一番管、投下!」
前原の要請により、元重桜の高速駆逐艦島風に乗りニューカレドニアの北方海域に進出した九鬼兵団は、夜陰に紛れて、【置き土産】を海中へと敷設していた。
九鬼鷹常(前原の奴め、全く人使いの粗い…………ふふ、だが今度の作戦、はまれば面白い。)
島風「九鬼師団長殿!海底魚雷の敷設、完了であります!」
九鬼鷹常「よし!長居は無用だ、引き上げるぞ!」
島風「了解であります!」
置き土産を敷設していった九鬼兵団は、やることを終えると素早く離脱していった。
そして翌日…………
2月3日 豪州シドニー港
第七艦隊旗艦 旗艦級量産型戦艦ノースカロライナ級【ネブラスカ】
同 戦闘艦橋
第七艦隊司令長官:ウィリアム・モルガン中将(27)「なんで共和党支持者であるこの俺が、民主党出身の眼鏡ジジイの再選をかけて、命を張らなきゃいけないんだよ!」
専務参謀「しかし提督、B-32フライングデビルを投入するこの作戦は…うまくいけば、一撃で敵艦隊の撃滅が可能であります!」
モルガン「…………ふんっ!参謀に言われんでも、そんくらいの事はわかってるわ!」
専務参謀「はっ!」
モルガン「……………………何をぼけっとしてる!さっさと出撃準備をせんか!!」
「「はっ!!」」
これまでマッカーサーからの救援要請を拒んできたモルガンであったが、彼の下に「出撃しなければ解任するぞ」とルーズベルト大統領直々の命令が届いた事で、艦隊は出撃準備にかかった。
不承不承の出撃ではあったが、その心の内にはB-32を投入する作戦に期待するところ大であった。
シドニーを出撃したモルガン艦隊こと【ユニオン第七艦隊】の陣容は、旗艦級量産型戦艦のノースカロライナ級【ネブラスカ】を旗艦として、量産型正規空母【サクラメント】・【オースチン】、量産型護衛空母【ジャクソンビル】、重巡3、軽巡3、駆逐艦12隻、その他補助艦艇多数を随する艦隊はX艦隊を警戒して、大陸からの入れ替わり立ち替わりの支援機に守られながら、東部沿岸に沿って北上を続けた。
モルガン「輪形陣を崩すな!対潜警戒を怠んじゃねえぞ!」
第七艦隊の尋常な対潜警戒網にかかり、数隻の伊号潜が血祭りに上げられ、ヴィシアの潜水艦隊にも無視できない被害が発生した。
さらに、支援機からの襲撃により、偵察便の仙空数機にも目立った被害が頻発した。
X艦隊に対する警戒は尋常なものではなく、ニューカレドニアのヌーメアに着くまで4日半も要していた。
旗艦ネブラスカ 戦闘艦橋
専務参謀「敵機動部隊はその進路を度々変えながらも、フェニックス諸島の南まで南下しているとのことです。」
航空参謀「敵の狙いがフィジーであることは、間違いありません。」
モルガン(へっ……うまくいけば、敵の裏を掻けるぜ!)
モルガンは高杉艦隊の南進速度を考慮して、2月7日、リフー島にまで進出。
ここで、艦隊を待機させた。
モルガンがここを選んだ理由は、リフー島を真ん中にウベア・マレの3島がニューカレドニア島との間に幅150キロの水道を作り対潜警戒がしやすい事と、陸上基地からの航空支援を活かせるからであった。
しかし……………………
これを、伊701潜から発進した星電改が、艦隊から発する電波を遙か高空で探知。
第七艦隊の位置を割り出していた。
南太平洋上 海中
紺碧艦隊旗艦 伊601潜
同 発令所
伊601通信士「M艦隊発見!リフー島の水道に仮停泊中!」
前原一征「うむ、今のところ読み通りだな。」
入江九市「は!浮上する!」
第七艦隊の位置を割り出した紺碧艦隊は一斉に浮上。
艦載機隊を発進させて、作戦の準備を進めた。
入江九市「攻撃隊の発艦が終わり次第、直ちに潜航する!」
紺碧第1艦隊から発進した攻撃隊は一路ニューカレドニアへと向かい、紺碧第2艦隊から発進した攻撃隊は別名を帯びて何処かへと飛び去った。
同日 夕刻
ニューカレドニア 水道内
旗艦ネブラスカ 戦闘艦橋
モルガン「何ぃ?!敵艦隊が姿を消しただと?!…………どういうこった?」
専務参謀「はぁ、それが…………」
最初は、高杉艦隊の目的地を欺く作戦かと思われたが…………
航空参謀「報告します!敵機動部隊は''北東''へ転舵!そのままの進路を取り、なおも航行中との事です!」
モルガン「…………やりやがったな……!!通信長!」
通信長「はっ!」
モルガン「南東太平洋方面軍総司令官、ゴームレー提督宛に電文!」
・・・戦況ノ変化ニ鑑ミ、本作戦ヲ中止シ、コレヨリ母港ニ帰投ス・・・
突然の肩透かしを喰らったモルガンであったが、敵艦隊との決戦を免れた事で安堵を感じていた。
帰投を決意したモルガンであったが、夜間での航行は危険があるとして、翌日の夜明けまで待つことを決めたが、その判断が彼の足元を掬う事になる。
そして…………
2月8日 深夜
南太平洋上 某所
紺碧艦隊独自の作戦を成功させるべく、太平洋上の環礁基地から発進した【紫式水上戦闘機】と【緑電改水上攻撃機】の大群が、潜補【伊1000型】2隻の給油支援を受けて、紺碧第2艦隊から発進した攻撃隊の先導の下、ニューカレドニアへと向かっていた。
夜明け前
ニューカレドニア沖 海中
紺碧艦隊旗艦 伊601潜
同 発令所
伊601通信士「……富嶽1番からの通信です!」
前原一征「よし!作戦開始だ!」
入江九市「は!G7、発動!」
紺碧艦隊から囮魚雷G7が放たれ、作戦は開始された。
同じ頃、モルガン艦隊も帰投すべく水道から発進。
出口に差し掛かったその時、G7から気泡が放たれた。
ニューカレドニア 水道内
量産型駆逐艦 見張り台
整備兵5「…………!前方に無数の気泡を確認!!」
駆逐艦艦長「敵潜だ!!機関全速!!」
敵潜発見と共に、駆逐艦が艦隊の前方に出る!
モルガン(出たな…………X艦隊!)
ここぞとばかりに駆逐艦が爆雷を雨霰のように海中へ投下して、その対潜警戒を遺憾なく発揮するが、そんな所に我が紺碧艦隊がいるはずがなかった。
爆雷攻撃が苛烈さを極めたその時、九鬼兵団が事前に仕掛けた置き土産が発動!
海底に設置された無数の海底魚雷が、爆雷攻撃を展開している量産型駆逐艦群に襲いかかり、瞬く間に数隻の駆逐艦が血祭りに上げられて、旗艦ネブラスカの後部にも置き土産が命中する!
旗艦ネブラスカ 戦闘艦橋
整備兵17「右舷後方に被雷!」
モルガン(おのれ…………念には念を入れた対潜警戒網だぞ?!X艦隊め、一体どうやってすり抜けたんだ!!)
幸いなことに置き土産による被害は火災にとどまり、戦闘に支障はなかった。
戦場に火が昇り、被害が朧げに出る。
整備兵3「駆逐艦キャリー轟沈!重巡ナホマ大破!軽巡オハラ、航行不能!」
モルガン(雷撃はX艦隊じゃなかったのか…………それじゃあ、今のは一体…………!)
正体不明の雷撃の謎が解けぬまま、第七艦隊に二の矢が襲いかかった。
航空参謀「敵機来襲!1時の方向!」
モルガン「…………!」
第七艦隊に襲いかかったのは、紺碧第1艦隊から発進した攻撃隊であった。
敵支援機がいないことを確認した攻撃隊は第七艦隊に向かって突っ込んでいく!
周囲の艦艇がすぐさま反応して濃密な対空弾幕を張るが、すでに懐に潜り込まれた時点で勝敗は決していた。
雷洋の1機が艦隊の前方で魚雷を投下して、それに気付いた量産型重巡が余裕で回避してみせるが、その魚雷は【音響探知式】であったために被弾!
続け様に春嵐隊が持ち前の小旋回性能を遺憾なく発揮して、対空弾幕を潜り抜けて空母、重巡、軽巡、駆逐艦に急降下爆撃を敢行して、次々と致命打を与えていく。
大竹大尉が駆る雷洋が敵旗艦ネブラスカに狙いを定めて、ギリギリの距離で魚雷を投下、あわや衝突寸前の所で雷洋は離脱に成功。
対するネブラスカも急いで面舵を取って魚雷を避けようとするが、艦尾に吸い込まれていき、回避も虚しく被弾、2度目の火災発生を成功させる。
攻撃を成功させた攻撃隊は敵機来襲を確認するや否や、やることを終えて離脱を開始した。
旗艦ネブラスカ 戦闘艦橋
整備員5「消化急げ!被害状況を知らせ!」
見張り員「支援機が敵の追撃に入ります!」
モルガン「あの野郎ども……!逃すな!!1機残らず叩き落とせ!!」
だが、そこへあり得ない報告が入った!
レーダー手「…………なぁ?!レーダーに大編隊の敵影!1時の方向、敵機大編隊で来襲!」
モルガン「なんだと………………敵の大編隊だとぉ?!……んな馬鹿なことがあるか!!よく確かめろ!!」
専務参謀「間違いありません!程なく、肉眼でも確認できます!」
モルガン「そんな、馬鹿な…………!」
モルガンが双眼鏡で確認したその方角からは、大洋州同盟の攻撃機が大群を成して第7艦隊に迫っていた。
ユニオンの支援機隊が追いついた時には、紺碧第2艦隊の艦載機隊と紫式水上戦闘機隊が緑電改水上攻撃機隊を援護するため編隊から離脱して、ユニオン支援機隊に襲いかかる!
その様子を双眼鏡で見ていたモルガンは、ひどく狼狽していた。
モルガン(そ、そんな馬鹿な…………!敵の機動部隊は遥か東のはずだぞ、どうやって飛んでこられると言うんだ………!!)
モルガンが信じられないのも道理。
この【紫式水上戦闘機】と【緑電改水上攻撃機】の大編隊は、ヤルート島の環礁基地から発進。
途中、大洋州同盟と北方連合が共同で建造した【伊号第1000型潜水補給艦】2隻からの支援を受けて、ニューカレドニアへと長駆到達し得たのである。
この海上給油を実践したのは、本作戦が初めてである。
理由はどうあれ、この前例のない事態にモルガンはどうすべきか判断に迷っていたが………
幕僚の声と、目の前を通過する緑電改の姿に、とうとう恐れをなして………………
モルガン『………脱出だ!!この間の水道から、とっとと脱出しろぉ!!!』
モルガンの悲痛の指示が飛び、第七艦隊は残存艦艇を引き連れニューカレドニア島の水道から離脱を図る。
が、水道の出入り口に差し掛かった時、真の罠が海中から放たれようとしていた!
ニューカレドニア近海 海中
伊601潜 発令所
伊601聴音手「…………!スクリュー音接近!敵艦隊が水道脱出を図り、向かってきます!」
前原一征「よし、トドメを刺すぞ!」
入江九市「はっ!敵艦隊を邀撃する!潜望鏡深度へ!」
品川弥治郎「潜望鏡深度へ!」
第七艦隊にトドメを刺すべく、前原は乗艦を潜望鏡深度まで浮上させて目視で位置を確認する!
前原一征「水道を出てくるぞ!」
入江九市「全門雷撃用意!」
伊601水雷長《いつでもどうぞ!》
入江九市「射角18、扇状に発射!」
敵艦隊が射程圏内に入ったことを確認した前原は、合槌を打ち…………
入江九市「発射!!」
紺碧艦隊から62式酸素魚雷が放たれ第七艦隊へ向かい、紺碧艦隊は安全深度へと潜航する!
放たれた魚雷は第七艦隊へ突進していき、数分もしないうちに全艦に魚雷が命中して水柱が上がる!
艦隊の頭上を攻撃を終えた紫式水戦と緑電改の大群が通過していき、その直下では雷撃を受けた第七艦隊の艦艇たちが爆炎を上げて轟沈又は船体が折れて爆沈。
モルガン座乗の旗艦級量産型戦艦ネブラスカも、62式の多数直撃に耐えられずついに限界を迎えて各所で爆発が起こり…………
モルガン『こ、こんな事が…………うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
自身の艦隊に何が起きたのかすら明確に理解できずに、ウィリアム・モルガン中将は乗艦ネブラスカの浸水に巻き込まれ戦死。
旗艦ノースカロライナ級ネブラスカ以下第七艦隊全艦が海中にその勇姿を没し、残骸となって魚礁と化して、ここにユニオン海軍は太平洋海域で稼働する基幹艦隊を全て失ったのであった。
伊602潜 発令所
溝口「爆音が収まります…………海上にスクリュー音なし、聴こえるのは船体の圧壊音だけです。」
内海「作戦成功です、艦長。」
海江田四郎「そうだな。」
山中栄治「これで豪州にいるユニオン海軍は全て撃滅しましたが、我々はこのまま豪州封鎖を続けるのですか?」
海江田四郎「今や豪州は丸腰の状態だ。通商破壊なら呂型潜でも遂行可能だ。これからが、厳しくなるぞ。」
この時海江田は、紺碧艦隊の作戦域が太平洋のみならず、大西洋にまで拡大する事を予想していた。
海江田四郎「よし、艦隊進路を北に取れ!」
山中栄治「進路を北へ!」
だが、前原と海江田ですら想像だにしない絶対の危機が、高杉艦隊に襲い掛かろうとしていた!
B-32『フライングデビル』
ユニオンが放った【空飛ぶ悪魔たち】が必殺の作戦を抱き、一路ロイヤル領ライン諸島クリスマス島へと向かっていた。
そして……………………
その悪魔たちが狙う獲物…………【第1航空機動艦隊】こと【高杉艦隊】は、クリスマス島を目前としていた!
危うし、高杉艦隊!
彼らの運命や如何に!!
EP3-1に続く・・・・
次回、シーズン3突入!
高杉艦隊に危機迫る!