CELLが万能物質なんで基本的になんでもありなんですね~
※誤字修正(瑚→湖)
コンコン
お邪魔しまーす。
「……どうぞ、入って良いよ。」
それじゃ失礼しまーす。って、ん? この声……あーっ!! ライエじゃん!! 久しぶりー! ダキツキ
「ふふっ久しぶりだね、シーディ。変わってなさそうで安心したよ。」
それはこっちの台詞だよ! あの爆発の中で生きてたんだね! よかった~……!
「爆発……というと、女王打ち上げの時のアレのこと?」
うん! あの時私近く飛んでてさ~、ドッカンといった時に衝撃波で吹っ飛ばされて、それから最近までずっと気絶してたんだよね~。
「それはそれは、随分と派手に寝坊したもんだね……?」
いやあ、ベルさんに起こされてなかったらまだ寝てたのかと思うと、ぞっとしないねえ……!
「本当に身体は大丈夫なの? どこか不調とか……。」
起きた時は関節という関節がバッキバキだったけど 今は特に異常はないかな。何ならさっき温泉に浸かったから調子いいくらいだよ!
「そ、そう? それならいいけど。じゃあ立ち話もなんだし、こっち座りなよ。茶菓子でも出そう。」
ありがとー!
◇
キィィィィン……
「チィ、速度が足りん……!! 姉上……姉上ッ!」
ピピピッ
<<こちらピーコック1。侵入機に告ぐ、直ちに最寄りの滑走路に着陸せよ。>>
「了解した。」
……ィィィン、ズシャッ
「急いでいる。手早く済ませよ。」
バヒュッ、ガシャッ
「分かっておりますとも。(ピピッ)認証終了しました。教会長殿で間違いありませんね。」
「そうだ。これだけか?」
「ええ、もう通過していただいて構いませんよ。長から「本人確認のみで良い」と通達がありましたので。」
「感謝する! あとでヴィシクも通る!」ゴォォォ、バヒュオッ!
<<了解しました。あ、今夜は星が降るのでぜひ見て行ってください。>>
「ああ……!」
キイイィィン……
◇
へぇ~、今は長やってんだ。
「女王がいないから暫定的なリーダーとしてね。」
千翅長がやるなら誰も異論無かったんじゃない? 今も飛んでるの?
「いや、もう引退済みだよ。」
まだ全然飛べそうなのに?
「飛ぶよりも大事な仕事が出来たからね。今の私は
てことは、その壁際のモニターとか通信機器って、インテリアじゃなくて……。
「うん。全部生きてる奴だよ。まあ普段は頭の中でやり取りしてるし、備え付けの方は緊急用だから滅多に使わないんだけどね。」
今の人口は五百人くらいって言ったっけ? やっぱり人手が足りてない感じなんだ。町の中は技師型と通常型しかいなかったし、温泉もガラガラだったもんね。
「そうなんだよ……背面を気にしなくていい立地なのは助かるけど、正面は本当に何もないから飛行士たちも出ずっぱりでね……。攻めて来るような連中が近くに居ないのが唯一の救いだよ。」
かといって防衛の観点から領域を狭めることはできないし、なかなか難しい問題だねえ……。
「それにここは工場も無いから自動機械を生産することも出来ない。アルカンドの支援がないと立ち行かない零細コロニーなのさ。」
アルカンドの一部ってわけじゃないんだね。
「うん、イーデンが色々便宜を図ってくれてね。『女王がいない残党風情、態々手を下す教意味はない』って高僧たちを言いくるめてくれたんだ。」
それって逆に言うと、女王がいるコロニーはみんなアルカンドの一部になっちゃったってこと……?
「あぁそっか、シーディは知らないんだったね。下層が滅んだ辺りでイーデンが上層統一に乗り出して、今は教典で教義を刷り込んだコロニーを中央教会が取り仕切る形で纏まっているんだよ。」
私がアイディアを提供したとは言え、随分派手にやったなあイーデン。
「そりゃあもう派手派手だったよ。当時の各コロニーのタカ派はみんなぶっ潰して、それでも恭順しない所は洗脳紛いの教化で大人しくさせたんだから。」
ええ……。
「引く気持ちは分かるけど、せめてキミは理解してあげなくちゃイーデンが気の毒だよ。」
もしかして私の為にってことなの……?
「そうだよ? 昔イーデンに言ったらしいじゃない。『みんなと穏やかに過ごしたい』ってさ。」
そんなこと………………言ったわ。でもそれって窟帝の絶が始まる前の話だよ?!
「だからこそじゃない? 道半ばで斃れた姉の願いを代わりに叶えてやりたいって思うのは、身内なら自然なことだと思うけどねぇ。」
そっか……イーデン……。
「さ、湿っぽいのはここまで! 下に居たんならなんか面白い話とか持ってない?」
あ、うん、え~っとねぇ……。
・・・
「へぇ……そんな所があったんだ。種子はホドから生まれる、という話は本当だったんだね。」
そ、私も見た時はびっくりしたよ。それに100年以上経っても劣化せずに残ってるなんて、やっぱりニンフとは違う存在なんだなって思ったね~。
「普通、母体が枯れたら一緒に萎れちゃうものだからなあ。これも窟帝の加護って奴か。」
その“窟帝”なんだけどさ、とある伝手で亡骸見て来たんだよね。
「本当に? 亡骸なんて残ってないと思ってた。」
カミサマともなると何か根本から違うんだろうね。流石に上半身の骨格しか残ってなかったけど、何とも言えない圧の様なものを感じたんだよね~。
もしかして、あんなにボロボロでもまだ生きてたりするのかな? ……あ、そういえば聞きたいことあったんだった。
「何?」
ポロッカちゃん……女王は、結局どうなったの? 実はまだ跡地にも行けてなくてさ。
「女王か……。実は彼女がどうなったのかは、私たちもよく分かってないんだ。」
え?
「私たちがここに留まっている理由でもあるんだけどね、一応ここまでは打ち上って来たのは確かなんだよ。」
「離陸後、女王の枝葉がホドを貫く掘削機となり、ソレを盾としつつ私たちはこの貯水湖まで到達したんだけど……。」
「大光球の上の……最上層とでも言おうか。あそこにはとんでもなく速い気流があってね。バランスを崩しかけていた女王は上層の天井にぶつかった辺りで大きく姿勢を乱して、あの時しがみついていた生き残り達はあらかた振り落とされてしまったんだ。」
え、ええ~~!? それじゃあ、そのあとのことは……。
「続いて上がってきた仲間たちは、天井を抉りながら進む女王を見たと言っていたんだけどね。私はその時、降り注ぐ瓦礫の雨の中飛べない子達を拾うので手一杯で、女王の事を見ている余裕はなかった。」
「後で衝突ポイントを見に行ったけど、見つかったのは僅かに残った仲間たちの残骸程度で、存在するはずの大穴も見つからず、女王の痕跡はきれいさっぱり途絶えてしまっていたんだ。」
そんなぁ……。
「でも私は……いや、ここにいるみんなは、女王が無事に天井を突き破って行ったと信じてる。」
なにか証拠があったの?
「うん、上に痕跡が残されていないなら下を探せばいいと思ってね。湖底を調査したんだ。」
「その結果、女王の破片などは見つからなかった一方で、天井の構造材や「外」の物と見られる岩塊が大量に見つかったんだよ。」
「大きな瓦礫の一つは隣の区画の槽を破損させて、滝を形成していた事も分かってね。」
「今では女王の無事を願い私たちも後に続くという決意を固める、いわば祈願の場になっているんだ。」
そうなんだ……。
「あとで見に行こうよ。あ、行くときは鎧殻着てくからね。風が吹き抜けてて結構危ない場所だから。」
滝ってことは断崖だもんね。うん、わかった。
・・・
「ところでさ、イーデンには生存報告したの?」
あーそれなんだけどね……。
「なぁに? まさか怒られるとか思ってる?」
そ、それも、ないわけじゃないってゆーか、むしろあるけど……貰った鎧殻も壊しちゃって都合が悪いとか、今の構成だと浄水層に着く前に墜落しそうで行けないとか、まあいろいろ重なってまだって感じ。
「ふぅん、じゃあ丁度良かった。」
ん?
「今こっちに向かってきてるよ。」
ええ!? ちょ、心の準備が、ドヒャァッ、ドヒャァッ、ドヒャバスンッ! この噴射音は……!
チョ、イーデンサマ、オチツイテ オチツイテイラレルカ!
ガチャガチャ、ドシャ、ガランガシャン、アノコレハ テシテキトウニカクオケ!!
ダダダダ、バァン!!!
「ライエ!! 姉上は何処だ!!! っあ。」
あー、はは、は……。久しぶり……。
「いらっしゃいイーデン。しっかり時間稼ぎしておいたよ。」
「あ、あ……。」
い……イーデンちゃん……?
「あね、うえ……!」ポロポロ
あわわわわ、泣くほど怒っ タタタッ ボフッ ギュゥゥ ぐえぇっ?!
「莫迦者ぉ、怒ってなどいるものか……!! 本当に、本当に今度ばかりは、し、死んだものと……!!」グスッ
……うん、ちゃんと生きてるよ。ごめんね、苦労させちゃったね。
「苦労などという言葉で片付けられるものではない!! 姉上が居なくなって、せめて、あの時の願いだけはと……!!」
うん、ライエから聞いたよ。あの時の言葉、覚えててくれたんだよね? ありがとう、頑張ったね。イーデン。
「ぐぅ、ぅ、姉上、あねうえ、うぅぅ~~っ……!!」
よしよし。全部受け止めてあげるから、我慢した分泣いちゃえ。 ポンポン ナデナデ
・・・
「みっともない所を見られたな……。全く、姉上のせいだぞ。」
ぐうの音も出ねえや。ナデナデ
「あと撫でるのはもう止めてくれないか。流石に素面では羞恥が勝る。」
え~、抱き付きながらじゃ説得力ないよ?
「そうだな。」スッ
余計なこと言ったわ。久しぶりに甘えんぼモードのイーデン撫でれたのに……。
「あはは……ま、無事再会できて良かったじゃない。」
「ふん。ところでさっきから気になっていたのだが……姉上、その眼はどうした?」
え? ああこれ? 下で見つけた奴! イーデンが作った奴で合ってるよね?
「下……まさか偽装入構権限か!? そんな未完成品を勝手に付けるな! 姉上に致命的な不具合が出たらどうするのだ!?」
此処までなんも異常出てないから大丈夫だって~。
「エラーが積み重なって奇跡的に動いているだけという可能性もあるだろう! 後で姉上自身のオーバーホールが必要だな……中身がどんな状態になっているのか想像したくないが。」
少なくともリジェネレータ―は無事だよ!
「それは見れば分かる。リジェネレータ―が死んでいたら今頃姉上はCELLに還っていた事だろうしな。」
「色々手を加えられてるんだね……?」
イーデンが弄ってない所ってあんま残って無いんじゃない? 内臓はもちろん手足だって強化筋肉に交換済みだし、原型が残ってるのは顔くらいかな?
「その数少ない原型を自ら減らしていくのは感心しないぞ、姉上。」
え~、今更でしょ~。
・・・
「そういえばじきに夜になるね。今日はアレがあるし、滝に向かおうか?」
アレ?
「そうだな、せっかくだ、姉上も見ていけ。」
え~なになに? なにがあるの?
~~~
「いたいた、アイズちゃーん。これが今回の補給物資リストだよ~。」
「確かに受領しました。いつもありがとうございます、ヴィシクさん。」
「いえいえ、この程度お安い御用ですよぉ。」
ガチャ
「……『流星群』だ。どういった物かは、説明するより実際に見た方が良いだろう。」
「あ、イーデン様~。置いてくなんて酷いですよぉ~。」
「ヴィシク? ああ、忘れていたな、ご苦労。物資の方はどうだった?」
「忘れてたっ!? むぅ、扱いがぞんざいすぎませんかね毎度毎度……物資はあっちに下ろしてきましたよ~。」
「
「長、こちらがリストになります。」
「いつも差し入れありがとう、ヴィシク。……ふふ、早速誰か使うかもしれないね、これは。」
「ああ、今日はアレですか。」
楽しみだなあ~。どんなのなんだろう。
「それはですね……って、シーディ様!? ご無事でいらたんですか!?」
はーい生きてました☆ 久しぶり……でいいのかな? ヴィシクちゃん。
「そりゃあ100年以上会ってなかったら久しぶりなんてもんじゃないですよ~! いやほんとお変わりないようで何よりです……!」
私の感覚だと数週間ぶりくらいなんだけどね……知り合いと会う度にこうだとなんだか照れくさくなってくるねぇ。
「何照れてんですか。じゃあ言わせてもらいますけどね、貴女が行方不明になってからこっち滅茶苦茶大変だったんですよ!?」
うん、それは本当にごめんねぇ……。
「イーデン様、鎧殻をどうぞ。」ガチャガチャ
「ああ、さっきはすまなかったな。」シュン、シュン
「いえ、それだけの事態でしたもの、こちらのことはお気になさらず。今日は流星群を見ていかれるのですか?。」
「ああ、今滝へ向かうところだったのだ。」
「そうでしたか、では風に気を付けてお楽しみ下さいね。」
「ああ。」
「じゃ~私は露天風呂で観てますねぇ。温泉温泉♪」
「ではいつものようにお背中をお流しいたしましょうか。」
「うんお願い~。」
・・・
ヴィシクちゃんも温泉好きなんだね。
「素体の冷却性能が高いからな。どれだけ長風呂しても逆上せずに楽しめるんだそうだ。私にはよくわからん感覚だが……。」
「そういえば前回来た時は「大断層が寒すぎてキツイ!」って言ってたけど、彼女の赴任地はそんなに気温が低いところなの?」
気温が低いっていうか、あそこはでっかいサーバー置いとけるくらい風が吹き込むんだよね。私はそこまで寒く感じなかったけど、冷却性能高いと熱持ってかれすぎて辛いのかも。
「炭素生物の様に何かしら体に不調が出るわけでもないのだ。その程度我慢させておけ。」
えーそういうの良くないと思うな~。
「あーあ、言われちゃったね。」
「……はぁ、考えておく。」
「ふふ、相変わらずシーディには甘いね。それじゃあここで鎧殻着ちゃおうか。」ブォォン、バシン、バシン、シュゥゥ……
……ライエは
「うん。今は前線に出張る事も無くなったし、完全に陳腐化するまではこれを使い続けるつもりだよ。」
「ポロッカを忘れないために、か?」ガチン、ガチャ、キュッ
「それもあるけどね。一番の理由はやっぱり、これが私の飛び方に合っているから、かな?」
大出力でぶっ飛ばす!って感じだもんね、それ。そう思うとラインさんとかの鎧殻の小回り効く感じとかアルカンドっぽくなってたな。
「定期的に技術交換してるからその影響だろうね。」
「ところで姉上、Triusはどうしたのだ? それは拾い物だろう?」
あー、それは、そのー。
「なんだ、別に叱るわけではないのだから、そんなに縮こまることはないだろう?」
「言いづらいなら私が言うよ。女王打ち上げの時の
「んなっ……本当、良く生きていたものだ……。直してやるから寄越せ。」
はい……。シュン、ガチャガチャ
「うわ、ほんと酷いね。これ衝撃波だけの損傷じゃないでしょ?」
うん。よく覚えてないけど、とにかくいろんなところにぶつかりながら落っこちたから。
スンスン「それにこの匂い……種子か? 先程から気になっていたが、姉上からも同じ匂いがしているぞ。」
あーそれね。産まれる前の種子にのしかかったまま気絶してたみたいでさ、匂い移っちゃった。
「なんだそれは……まあいい。どうせほぼ作り直しになるのだ。」シュン、シュン
「姉上の身体もあとで診るからな。機能不全を起こしている部分もあるだろう?」
うーん、確かにいくつかの機能は動作不能になってるけど、今は先に下に戻らなきゃいけないからさ、今度帰ってきた時にお願いするよ。
「こちらとしては万全の状態にしてやりたいのだがな。誰か待たせているのか?」
うん、ヤシカさんとムシカさん。
「あの双子か……。ならば引き留めるわけにはいかんな。」
「あの子達、今どこに居るんだい?」
育房ってところ。ほら、さっき話した窟帝の亡骸があった場所だよ。
「へぇ~。」
「……!? 姉上、まさかあそこに入ったのか!?」
? うん、そうだけど……どうしたの?
「育房には機械根でしかアクセスできんし転送情報の検閲もされるんだぞ!? 何ともないのか!?」
うん、特に異常はないけど……?
「……本当になんともないんだな?! 全く、心臓に悪い……。」
そんなに心配しなくても大丈夫だよぉ。
「まあその能天気な性格は変わりようがないか。」
それひどくない?
「あっはは! さ、そろそろ行こうよ。」
「うむ。」
おっけー!
・主人公
おそらくホド内においてイーデンをちゃん付けで呼べるのはコイツだけ
今回で少なくともポロッカ成立時には活動していることが確定した
イーデンによる
・ライエ
元はポロッカのトップエースであり千翅長、打ち上げ時は女王の直掩にあたっており全体の指揮を執っていた
現在は機械根技術を応用し小規模ネットワークの中心『中央管制室』の役割を担っており、月に数度の
・イーデン
ゲーム本編と違いかなりのシスコン 嗚咽をこらえるような泣き方は姉譲り
姉の生存能力にはそれなりに信頼を置いているが、例の大爆発は流石にダメだろうと諦めていた
ライエを始めとしたストークの古参ニンフたちとはシーディ繋がりで親しくしており、この場では技師型であることは公然の秘密のような扱い
・ヴィシク
大断層は見た目通り寒いという事になりました 風も吹き抜けそうだし
規格外鎧殻「シャーレ」の接続者で、処理能力を高める放熱効率第一の素体を使用している為に尚更寒く感じる模様
またこの素体は超絶洗いにくいので毎回アイズに手伝ってもらっている
・ポロッカ(女王樹)
アサルトアーマーした後ドリルミサイルになって飛んでった
どこまで行ったのかは現時点では不明
シーディとは女王になる前から親交があったようだ
・ネマ
機械根に接続すればどこでも干渉してくるわけではなく、育房行きの時のみセキュリティ上必須であるデータチェックが入り、更に特筆すべき情報を持っていたり検閲が必要な場合においてのみネマが対処するという設定
なので双子との接触はまた別方面で起きた事である
糸を繋げられた個体は以降機械根を使う度に干渉がある