変わり者のホド旅   作:benitubaki

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場所はダイオウイカがいる屋内の鉄格子エリア、侵入不可領域のさらに奥です
(隠し扉がある設定)
マイルドにしてますが、主人公が結構豪快にバラされるので苦手な人は注意
6/5誤字脱字修正と、あとがきでヘイデンの説明が抜けていたので追加


16話 研究室

ギギィ……ガゴォン……

 

それにしても、下はだいぶ荒れてたね~。あれから150年近く経ってるから当たり前だけどもさ。

 

「浄水層も大宣教の時は一時移転を考えたほどだったが、他に良い場所がなくてな。警備の事を考えるとやはりここしかない。」

 

やっぱり戦闘あったんだ。機械根の辺りも凄い崩壊が進んでたから、きっと派手にやりあったんだろうなとは思ったけど。

 

……ん? ということは此処まで押し込まれたの? じゃあイーデンも危なかったんじゃない?

 

「押し込まれたのではなく誘い込んだのだ。」

 

「あの時大勢は決していたとはいえ、各地に燻ぶる残党を一つ一つ潰していたのではいくら時間があっても足りん。」

 

「だから一纏めになって攻めて来たくなるような情報をバラまいた。“イーデンを始めとした軍首脳部が、統一を宣言する為の演説を行う候補地の視察に赴く”とな。」

 

それで集まってきちゃったんだ。

 

「うむ。ククク……シャーレとTriusを着込み待ち構えていた我々の前に、丸腰で視察に来ていると思い込み乗り込んできた残党共のあの阿呆面、実に愉快な見世物だったぞ?」

 

すっげぇ悪い顔……まあ策がキレイにハマったらそりゃ気持ちいいだろうけど。

 

「少しやりすぎて地盤が崩落してしまったが、アレも見せしめにはちょうど良かった。」

 

少し!? 少しかな!? それ!?

 

「それに保険は何重にも掛けていたしな。」

 

保険……Triusの重装甲とか?

 

「それもある。私と姉上が使うのだから、いくら頑丈にしてもしすぎたという事はあるまい。」

 

そうだね。現にそのおかげで生還できたわけだし。ありがとうね。

 

「ふ、それでこそ作った甲斐があるというものだ。」

 

あとは何かあったっけ……?

 

「……そういえば姉上は知らなかったな。私は一つの肉体に縛られない存在となったのだ。種子の機械根システムを、一部だが私にも適用させている。」

 

へ? そうなの?

 

「あの場で私が討たれたとしても、すぐに次の身体で現れることが出来た。武力で斃せぬ統治者を目にすれば、反抗の意志も潰えようというもの。……まあこちらは披露し損ねたが。」ガコン

 

あ、手術室。ここもそのまま使ってるんだ。

 

「設備が設備だから動かすのも手間でな。鎧殻は照合と洗浄を行うから向こうのハンガーに掛けておけ。姉上のTriusもだぞ。」

 

おっけー。

 

ブゥン、ガチャガチャ、ガタッ、カチャッ……

 

よしこれで全部かな。

 

「そうだ、右眼はまだ持っているか?」

 

うん、持ってるよ。

 

「なら寄越せ。偽眼(偽装入構権限)で不具合が起きた時の為に、システムファイルの自動修復プログラムを入れておいてやる。」

 

あ、ありがとー。

 

「さて、ここに横になれ。身体を固定する。」

 

服消してっと、よいしょ。じゃあお願いね。

 

「ああ、いつも通り繋ぐから、後は意識をこっちに移せ。」ガチン ガチャリ

 

りょーかい。

 

カチ、カチャ、スコッ

 

「どうだ?」

 

<<あ、あー、……こんな感じかな?>>

 

「良さそうだな。違和感はないか?」

 

<<今んとこは何もないかな……ん? あれっ、身体がある!? ていうかモニターじゃない!>>

 

「ふふふ、驚いたか。まるで意識だけ自分の身体から抜け出したような感覚だろう?」

 

「以前姉上が持ってきた文献(心霊漫画)にあった、幽体離脱というものに着想を得てな。」

 

リコン(超小型偵察ポッド)に発声機能を付け、その上にホログラム体を投影しているのだ。」

 

<<成程さっすがー! これなら細かい意思疎通も簡単だね!>>

 

「ああ。では始めるぞ、まずは血抜きしながら腹を開く。」

 

・・・

 

「っ……これは……。」

 

<<うおお……。>>

 

グチャァ

 

「機能不全に陥るわけだ。生体部品の配置も形もまるで出鱈目ではないか。オーバーホールどころか総取り換えが必要だな……。」

 

<<正直此処までとは思ってなかったねぇ。確かに自己診断では真っ赤っかだったけど……。>>

 

「のしかかられていた種子が女王化プログラムを不完全に発動し、姉上の身体に浸透したのかもしれん。損傷が激しい部分を自分で代替しようとして、無理矢理復元したのだろうな。」

 

「機能は生きているがゆえに、これまでは動けたのだろう。……ふむ、匂いが消えぬのも身体の一部として溶け込んでいるからか。」

 

<<つまり、産まれる前の種子が純化結晶と同じ働きをして、歪ながら私の身体を修復していたと?>>

 

「そういう事になるな。こうなるとシステム部分も診なければならん。」

 

<<どのくらいかかりそう?>>

 

「間違いなく一日がかりの作業になる。まあ二日はかからんだろう。さて、どこまでイカれているか確認する為にスキャンせねばならんな……。」

 

「姉上、自分で詳細スキャンしておいてくれ。使い方はリコンと同じだ。私は道具と入り用なモノの用意をしておく。」カラカラカラ カラン ガチャガチャ

 

<<あいあいさ~。自分で自分の中身をスキャンするってのも新鮮……。>> カシャッ チチチ……

 

<<ところででこれ、ちゃんと直る?>> ヂーッ

 

「何、問題ない。私とて無為に時間を潰していたわけではないからな。臓器も私が納得いくまで調整したものを使ってやる。」バコッ シュァァァ

 

「元々あの時の偵察が終わったら内部を更新するつもりだったし、多機能変換炉も最新型を用意している。性能は私と連中で実証済みだ。」ゴソゴソ ペチャ

 

<<連中?>> ヂーッ

 

ヘイデンは知っているだろう、あの傭兵共だ。あそこにはそういう素体改造技術の需要がある。」カラカラ バコッ シュァァ ヒョイ ペチャ

 

<<ヘイデン……ああ、あの傭兵コロニーね! え、あそこ鎧殻じゃなくて素体を弄る方向に進んだの?>> キュィィ……

 

「もともとが素体性能に劣る集団だったからな、莫大なコストをかけて鎧殻を揃えても大したアドバンテージにならんと判断したんだろう。そこから『鎧殻並の性能を素体に詰め込む』ことを目標に技術開発を進めたようだ。」パタン

 

「計画には私も一枚噛ませてもらったし、今では定期的な収入になる良い顧客でもある。おかげで多様なデータが集められた。」カタ カラカラカラ

 

<<へぇ~。てことは、あの子達鎧殻なしで戦場に出てるってことなの?>> ヂヂッ

 

「そういう事になるな。直接の交戦は避ける偵察任務が主な活動内容だ。」

 

「だが生身の偵察兵と思って舐めてはいかんからな? 連中は下手な鎧化兵より身軽で、何より霧仕込みの奇襲・暗殺を得意とする。」

 

<<戦場で出会わないことを祈るしかなさそうだねえ……。>> ピッピッピッ……

 

「ああ、その辺は心配せずとも良い。姉上の事は既に根回し済みだ。実際に遭遇したとしても、ホールドアップして身元確認する程度になるだろう。」

 

<<うーん、コネの力……。>> ピピッ

 

「使えるものは何でも使わねばな。」

 

<<……よし、スキャン終わったよ~。こっちの投影機でホロ出しとくね。>> ヴン

 

「ああ、助かる。」

 

「……やはり神経接続と血管の配置も滅茶苦茶だな。少々時間がかかりそうだ。」

 

<<とりあえず作業中もスキャン継続しておくね。ホロにもリアルタイムで反映しとくから。>>

 

「頼む。」

 

「まずは軽く工程をシミュレーションするか。余分な箇所は切り取るにしても、ここは残しておくべきか……。」

 

・・・

 

「ふむ……要らん部分の切除で済ませても良いが、何かの拍子に再生されても困る。やはり思い切って丸ごと入れ替えてしまった方が良さそうだ。」

 

「それにこの臓器から種子の成分が検出できるかもしれん。あれらのサンプルはいくらあっても困ることはない。」

 

プツ スーッ ズルッ ベチャ チャキチャキ ズルリ プツ ヂョキッ ベチャ……

 

<<うわぁお、出してみるとこれまたすごいね。(生体部品5)なんか重なって融け合ってるからX型になっちゃってるし。>>

 

「しかも神経や血管が繋がっておらん。これでは三日と持たずに壊死していただろう。いや、その前に浸食虫に食い尽くされていたか。」ヌチャ…… ウゾウゾ

 

<<おえ~、免疫はそこには行き届いてなかったのか……。>>

 

「すぐこっちに来て正解だったな、姉上。このままも十日も経っていれば機能不全の臓器が浸食異形の苗床となり、身動きできぬほどの腹痛で悶絶していたところだったろう。」

 

「促進剤が効いたとしても異形が掃除されるわけではないから、自動修復で餌を供給し続け、食われては悶絶してを繰り返していたかもな。」

 

<<嫌すぎるぅ……。あれ? 元の倍以上の体積が詰まっていた割には、体型に変化が無かったけど。>>

 

「姉上の体内は散々手を入れたからな、いくらかの空きスペースはあったはずだ。腸も何も入っていなければ案外コンパクトなものだからな。」

 

<<成程ねぇ。>>

 

「変換炉は……目立った損傷は無しか。安心したぞ。」

 

<<……それって、傷ついていたらヤバかったってこと?>>

 

「ああ。促進剤が多少漏れるだけならそのうち他の組織に吸収されて消えるが、流出が止まらなければ最悪は再生エラーで二人目の自分を孕むことになっていただろう。」

 

<<………………。>> ダラダラ

 

「その反応、何かしたな? 正直に言え。今なら怒らずに聞いてやる。」

 

<<本当だよね? 信じるよ?>>

 

「そんなに怯えてどうした。開腹している今なら損傷を見逃さずに済むというだけの話だぞ。」

 

<<実は……さっきベルさんの妹さんが遺した書類を直すのに、お腹から拝借しちゃって……。>>

 

「という事は……これ(チューブの修復跡)はその時の物か。はぁ……。」

 

<<ご、ごめんね? まさかそんなことになる可能性があるなんて知らなくて……。>>

 

「いや、そっちではない……。どれだけ仲良くなったのかは知らんが、書類如きに態々そんな危ない橋を渡ることも無かっただろう、と言いたいだけだ。」

 

<<それはもうごもっともで……。>>

 

「イチイチ腹を裂いて出すのも面倒だろう。あとで促進剤入りのパックを持たせてやるから、今度からはそっちを使え。間違って飲むなよ?」

 

<<わかりました……。>>

 

「さて、と。これで生体部品は除去完了か。洗浄したのち変換炉の交換に移る。」

 

<<オッケー。>>

 

・・・

 

「しかし、随分とカスが多いな……これも種子のせいか?」ペリペリ

 

<<どうなんだろ。起きた時は全身の関節という関節が接着剤で固定されたかの様にバッキバキだったけど……。>>

 

「ふむ……それは恐らく、修復時に被膜として身体を覆っていたものが剥がれ落ちずに残ったものなのではないか? 促進剤で書類を直した時、表面に瘡蓋が残っただろう。アレと原理は同じだ。」ズゴォォォ ヂュゾッ

 

<<という事は、私一度繭に包まれてたってこと? それって女王化とも違う現象だよね。>>

 

「ああ、女王化は種子とニンフが混ざり合い直接樹に変化していくものを指すからな。姉上の場合、修復というより再構成に近い現象が起きて一度作り直された可能性がある。」シャーッ ズゾゾッ

 

<<マジで?>>

 

「吹っ飛ばされてTriusが全壊するほどの重傷を負ったのだろう? なら素体は更に損壊していてもおかしくはない。」ペリリ ポイ

 

「姉上が瀕死だったならば自分を使って再生する程度はやりかねん。アレらは女神の眷属だぞ? 見た目や成分・構成が我らと同じでも、根本的な部分が異なる。思考も含めてな。」ポンポン

 

<<どっちかというと窟帝に近い存在か……。じゃあ死んだのに復活してくるのも?>>

 

「ホドにバックアップがあるからだろうな。どのあたりまでの記憶を引き継ぐかは知らんが、少なくともホドに観測されている範囲は再生に反映されるだろう」ゴソゴソ

 

<<種子がやたら強いのはそれが原因かぁ。何度死んでもやり直せるなんて、勝てっこないじゃん。>>

 

「故に、奴らに対しては殺すより生け捕りにして凍結するのが望ましいという訳だな。尤も、向こうもそれをわかっているから虫卵なんてものを持たせているようだが。」バリッ ペリリ

 

<<虫卵? なに、異形持ち歩いてるの?>>

 

「そうだ。それも飛び切り危険なやつをな。ナガラの跡地を見てきたのなら分かるだろう?」ズルッ ポイ カラン

 

<<うげ、アレの卵か……。あ、ベルさんやナズさんが種子と関わりたくない感じで話してたのって。>>

 

「恐らく自爆に巻き込まれたのだろう。」シャーッ ズゾゾ ブォォ……

 

<<そりゃーあんな顔するわけだね……。>>

 

「よし、あらかた除去できたな。ようやく炉の交換に移れる。」

 

<<お疲れ様~。>>

 

・・・

 

<<これが新型の変換炉?>>

 

「そうだ。姉上の物に比べて倍以上の効果と速度で再生能力が発揮できる。」

 

<<凄いじゃん! ていう事は、傷も開いた先から塞がってく感じ?>>

 

「程度によるがな。腹に風穴一つ空いた程度なら、数秒で完治するだろう。」

 

<<ほぉ~。>>

 

「だからと言って無茶しても良いと言っているわけではないからな。」キュポ プチッ

 

<<わかってるよ~。>>

 

「腹を大きくして帰ってきた姉なぞ、私は見たくないぞ。」チキキキ ポロ カチャカチャ カコッ

 

<<ソウナラナイヨウニキヲツケマス。>>

 

「まあデメリットが無いわけでもない。使えば使った分だけ腹の減りも早くなる。」キュッキュッ カコ

 

<<まあ空気から材料取り寄せてるわけじゃないからね。補給は適当なもので良いの?>>

 

「うむ、消化できるものなら何でも構わん。最悪補給剤でもいい。」チキチキチキ ギュッ

 

<<補給剤って、弾の補充には影響出ないの?>>

 

「全く出ない訳ではない、といったところか。素体の修復を優先するように設定してあるから、直りきるまでは武装に供給はされないと思えばいい。」スコ カチン

 

<<なるほど、そういう感じか~。>>

 

「……位置よし、締め付けよし、配線よし。それでは臓器に移る。」

 

<<しかしまあ、自分の身体が磔にされて腹も開かれて、更に内臓も全摘されてるのをまじまじと見るってのも、なんだか不思議な気分だね~。事情を知らない子が見たら殺されてるとしか思えない光景だよ。>>

 

「あながち間違いでもないな。事実身体は死んでいる。意識を他に移しているから復旧可能なだけでな。」ベチャ グイグイ キュッキュッ パチッ

 

<<え、そうなの?>>

 

「あのな姉上。頭脳は人格部分以外は停止、肉体も機能の大半を取り払われ、血液も殆どが抜き出されている。それで生きていると言えるのか? セルに還りかけている亡骸と何も変わらん状態なんだぞ。」ズルッ グチャ キュッ パチッ

 

<<あ~、それもそうか~。>>

 

「まあ普通のニンフでは同じ状態からの復旧はできんがな……私の改造があって初めて可能なことだ。」ベチョ キュッ パチン

 

「取り付けよし、固定よし。血液補充開始……姉上、アクティブテストだ。」

 

<<はーい。それじゃあ機能を一部復旧してっと……。>> ……ドクン、ドクン

 

「何か感じるか?」モニモニ

 

<<……なんていうか、変な違和感。おえっ。>>

 

「……神経は正常に繋がっているようだな。ならば腹を閉じて次に移る。」

 

<<おけおけ~。停止っと。>>

 

・・・

 

「もののついでだ、ログも見るぞ。」

 

<<あ、うん。>>

 

「損傷ログ……これだな。」ピッ「ん?」

 

<<どしたの?>>

 

「この右上腕と左大腿部の被弾とはなんだ? しかも障壁保護も効いてない。」

 

<<ああ~これね。ストークに行く前に間違って中層に跳んじゃってさ。>>

 

「そこで撃たれたか……いや丸腰で何をしたんだ姉上! ……まあいい、あとで頭の中(記憶領域)をじっくり見てやる。」

 

<<あはは……お手柔らかにね。>>

 

「傷は既に治っているが、どのみち四肢も交換するから関係ないな。」

 

<<ヘイデンで使ってる手足に換装するの?>>

 

「あれとはまた別の物だな。連中の物は戦闘特化であるがゆえに、生体部分は排除しているモデルなのだ。」

 

<<じゃああの子達のは機械が剥き出しになってるってこと?>>

 

「そうだ。鎧殻を纏う姉上にはそこまでの物は要らないだろう? 私の物と同規格の四肢に換装する。」

 

<<りょうかい。ちなみに性能は?>>

 

「戦闘型と比較して筋力50%増しといったところだな。岩肌程度なら苦も無く登れるだろうし、近接武装もいくらかは威力上昇が見込める。照準のブレも抑えられるだろう。」

 

<<いいねえいいねえ。>>

 

「走力と跳躍力も底上げされるぞ。だが耐弾性能は変わらんからな。セル組成も弄ったから治りは早くなるだろうが、無理するなよ。」

 

<<善処します。>>

 

「まあ姉上に言っても無駄か。」

 

<<ひどいなぁ~。>>

 

・・・

 

こっち(筋組織)はあまり変化は無いのだな。つまらん。」

 

<<つまらんて……。>>

 

「まあ後でじっくり解剖して組成分析にかけてやるさ。とりあえずは腕を肩から、脚はハードポイントから丸ごと取り換えていくぞ。先に脚だ。」

 

<<おけおけ。じゃあすぐ終わる感じ?>>

 

「ああ。特に脚は換装するだけだからな。」ピッ カコッ ゴトッ

 

<<ふぅん……。あ、一つ聞こうと思ってたんだけどさ。>>

 

「なんだ?」カキン ピッ

 

<<さっき言ったベルさんの妹さんの書類の事なんだけど、形は直ったはいいものの、中身は断片化しててほとんど読めなかったって言ってたんだよね。>>

 

「まあそうだろうな。自分の肉体でもないのだから、修復するのにも限度があるだろう。」ピッ カコッ ゴトリ

 

<<そこでなんだけどさ……データを修復できる便利なものってないかな?>>

 

「……難しいな。修復も出来なくはないが、符丁が違えば勝手が変わる。機械を持って行って何とかなる話ではないぞ。」カキン ピッ

 

「正直私がやったとしても完全に復元できるかは分からん。そこまでして閲覧したい内容だったのか?」

 

<<私個人としては結構興味深いものだったと思うな。生きてたデータのホログラムを見たけど、多分イーデンも興味沸くと思う。メモリーに映像残ってるはずだからそっち見てみて。>>

 

「ふむ。わかった。」プツ スーッ

 

・・・

 

「動きはどうだ?」

 

<<違和感はないかな。動きのキレが上がった気がする!>>

 

「筋力に慣れるまでは繊細な作業はするなよ。握り潰す可能性があるからな。」

 

<<そんなに? わかった、気を付けるね。>>

 

「ふぅ……これで体の方は終わったな。」

 

<<おつかれさま~。>>

 

「じゃあ最後に、頭の方を見ていくぞ。」

 

<<わかった。一旦スリープしてればいい?>>

 

「ああ。終わったら起こす。」

 

<<おっけ~。んじゃおやすみ。>>

 

「おやすみ、姉上。」




・主人公
無自覚に中身がヤバいこと(人間でいうと寄生虫が発生する癌が出来たような状態)になっていたが、事無きを得た
素体性能が盛りに盛られ自然回復力は再生促進剤の4倍になり、格闘適性30+射撃適性30+漫画版ヨヨちゃん以上の登攀能力を得た模様 足も速くなった

・イーデン
この世界線では素体性能が非常に高いので、鎧殻無しでも難易度インフェルノを全クリする熟練レンジャーみたいな戦闘力を持つ
大宣教最終盤では嘘情報をバラまき8基のシャーレとフル武装Triusで騙して悪いがした
が、余波で浄水層の地盤が大崩落し、下部のコロニーから苦情がわんさか届いた

・ヘイデン
中層に拠点を構える中立傭兵コロニー
所属するニンフの殆どが優秀な傭兵という特異な構成で知られており、設立の経緯からアルカンド(というよりイーデン)と関係が深く、現在も技術提携している
少数ながらガーディナ兵も取り込んでおり、亡命した霧が戦術構築に貢献したとの噂もある
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