変わり者のホド旅   作:benitubaki

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こういう日常系の話を書きたいのよ、本当は

あと、ナインに深い設定は無いと言ったな アレは嘘になった(次回予告)


18話 研究室-貯水湖

「姉上。起きろ、姉上。」ペシペシ

 

……ん……らちゃ……まだ早いよ……。

 

「……。」スゥー……

 

「起きろ姉上ッッ!!!」

 

っびゃあっ!?!?

 

「目が覚めたか? メンテナンスの全行程はとっくに終わったぞ。」

 

あ、ああ、おはよーいーでん……。クラクラ

 

「全く、気が抜け過ぎではないのか? 寝言まで漏らして、夢でも見ていたのか。」

 

夢……? あ、そういえばなんか、懐かしいひとと話してたような……。

 

「……それは気のせいだろう。それよりも、姉上に結果報告だ。」

 

そうだそうだ、なんかあった?

 

「いや、特には。しいて言うならば、ギリーベルとやらに借りを返さなくてはならん、といったくらいか。」

 

あの部分見たんだね。興味沸いちゃった?

 

「ああ、実に興味深い。禁域のアレは巡礼共から報告が上がっていたが、接近できた者が居なくてな。大まかな性能と見た目程度しか情報が無かったのだ。」

 

「今回の記録から得られた情報から察するにあれは自動機械などではなく、むしろこちらのシャーレに類似した『規格外鎧殻』のようなものだろう。」

 

ああ~。

 

「これは規格外鎧殻という前提での推測になるが……下層の寄生異形共のニンフ・自動機械に見境なく取り付く習性から見て、あれも同じ末路を辿ったものと言えるだろう。」

 

「通常の凱殻であれば基幹たるニンフが無ければ取り付いたところで何にもならんが、アレはどうやら管制システムとしてニンフを繋ぐ必要があるだけで、機能自体は単体で完結しているのだろうな。」

 

「今は蟲にハッキングされて利用されているという訳だ。」

 

じゃあ、蟲を取っ払っちゃえばこっちで再利用できるかもしれないってこと?

 

「可能性はあるだろうが、正直言って難しいだろうな。外見では判断着かんが、中身は姉上のFolsがそうだったように異形がこびりついている可能性が高い。」

 

うへぇ、それはちょっと嫌だなあ……。

 

「だがアレの開発記録があるのなら話は別だ。もしあの記録媒体を復元出来れば、こちらで生産することが出来るかもしれん。」

 

成程ぉ……。でもアレを復元する手立てはあるの?

 

「ある。ホドの情報収集機能を利用するのだ。」

 

え、でもそれってどうやって……。

 

「姉上に自覚があったかは知らんが、無意識にその機能を使っている可能性がある。育房に飛んだ時にプログラムの更新があっただろう?」

 

あー、あれね。なんか知らないうちに戦闘型のプログラムがインストールされてたっけ。

 

「それに中層でヴォーグにホールドアップされた時、姉上の見聞きしていない情報を口にしていた記録があったからな。」

 

そうだったっけ?

 

「うむ。ナズの特徴を聞かれた時に、姉上が聞いたことが無いはずの内容も証言していたからな。これらの事から、姉上は何らかの形でホドそのものにアクセスし、プログラムや情報を取得しているとみていいだろう。」

 

私にそんな機能が……!

 

「もっとも、これは憶測に基づく希望的観測だ。此方に都合よく事が運ぶ確証があるわけじゃない。私の方でも出来る限りの手段は用意しておいたから、まずはそっちを試してくれ。」

 

分かったよ。んで、それらがダメだった時はそのホドの記録を……ってことだね?

 

「ああ。記録媒体を持って機械根に接続すればいい。そうすれば分解・再構築している間に、勝手にバックアップを適用してくれるかもしれん。」

 

運任せになるね。でも試してみる価値はありそう。

 

「任せたぞ。それと鎧殻の方だがな。」

 

鎧殻って、私が持ってきた遺品?

 

「うむ。とりあえずすべてのID照合は終えたから、こちらで預かることにした。それでFolsの持ち主についてなんだがな。」

 

うん、なんだか知り合いが居そうって話だったけど。

 

「その知り合いが今巡礼に行っていて上層に居らんのだ。今は恐らく中層を過ぎて下層をうろついているところだろう。」

 

そうかぁ……じゃあ下で会えるかもしれないってこと?

 

「運が良ければな。奴の名は「ハティ」。巡礼が使う相互連絡用の周波数帯を教えておくから、居そうな所に目星をつけて信号を飛ばせ。よっぽど入り組んだ場所にでもいない限り、応答があるはずだ。」

 

「あと、通信の暗号表も更新・適用しておいた。流石に150年近く前の物は平文と変わらんからな。」

 

おっけーありがと! ふむ、ハティちゃんか……。

 

「会えたなら鎧殻の事を伝えてくれ。今回の巡礼はその持ち主探しも兼ねているかもしれん。」

 

うん、そうだね……。ちょっと気が重いけど……。

 

「そこまで気にすることでもないだろう。わざわざ危険地帯へ行くのだ。巡礼にはそういう可能性がつきものだと教えてある。」

 

「ハティとその一族は好奇心が旺盛でな、しばしば休暇を取っては下層巡りをしているのだ。姉上の欲しい情報を得たりしているかもしれんから、今のうちに知り合っておくのもいいだろう。」

 

わかった!

 

ただし、一つ注意してほしいことがある。中央大空洞の事は出来るだけ伏せておいてくれ。理由は聞くな……奴が勝手に気付いたのなら諦めるしかないが。」

 

? とりあえずあのエリアの事や行き方を黙ってればいいってことだよね。わかった。

 

「そうしてくれると助かる。で、姉上の鎧殻なんだが……代わりに今こちらで普及している基本の3タイプと陸戦型、そして姉上の稼働記録を元に調整した最新バージョンのTriusを持たせてやる。性能はカタログで確認しておけよ。」

 

ふむふむ……重量汎用脚(Fols)中量汎用脚(Faluracan)軽量飛行脚(Shamalforn)と、地上戦用の中量重装型(Varches)……。おお、多脚を制式採用したんだ?

 

「ああ。コストは嵩むが別にガーディナ戦線で浪費するわけではないしな。なんとか採用させた。」

 

あー、またアレコレ言い訳して趣味枠捻じ込んだんでしょ。

 

「人聞きが悪いな。兵器にも多様性が必要と説いただけだ。Shamalfornは旧式で性能も割れているし、FolsとFaluracanも役割は見れば分かるからな。多脚を入れて少しでも戦術を読ませないようにしなければ……。」

 

んもーそんなこと言っちゃって、デカい硬い強いの三拍子が揃った鎧殻が大好きなのは知ってるんだからね?

 

「ふふ、流石に姉上は誤魔化されんか。」

 

ふふん、伊達にお姉ちゃんやってないよ。それで、最新バージョンって言うのは?

 

「うむ。姉上の耐久値を頼りに突撃する癖は直りそうもないからな、「なんか今ディスられた?」(無視)装甲配置の見直しと推力配分の調整を施しておいた。」

 

「類似する性能の鎧殻はナガラのKashimaだな。前面集中配置にしたから出来るだけ背後に受けないように気を付けてくれ。」

 

「それと、姉上が気にならないように運動性と機動力を確保しておいた。最高速は今までと同じだが、空中機動・推進機動の消費と旋回性能は今までに比べて快適になっているはずだぞ。」

 

おおっ、たすかる~。蟲に追われてた時きつかったんだよね。

 

「背嚢のステルスも現行仕様の物に差し替えておいた。効果時間は30秒で発動準備3秒、再使用は発動準備から60秒後だから覚えておけ。」

 

どっちも元の倍か。使いどころをちゃんと見極めないとね。

 

「そもそも頼らなければならないような状況に陥って欲しくないのだがな。それと副腕だが……。」

 

うん?

 

「姉上の戦闘機動に最適化して、熱塵砲限定だが大型火砲でも移動しながらでも撃てるようにした。これでCelpekをミサイルのように使えるはずだ。」

 

ええっ!? そんな調整できたの?!

 

「無論姉上だけの特殊な仕様だぞ。他の者が真似しても連射の反動ですっ転ぶだろう。」

 

「長年積み上げたマニュアル戦闘機動経験値のなせる業だな。脊髄反射レベルで反動制御できる姉上しかできん。」

 

えへへ……。

 

「それと、可能な分で構わんから戦闘機動中のキャノン発射のデータを収集しておいてくれ。姿勢制御のデータが揃えば、ゆくゆくは他の鎧殻にも適用できるようになるかもしれんからな。」

 

そうだね、わかった。

 

「調子に乗ってギプロベルデの主砲をぶっ放したりするなよ? アレの反動は流石に無理だ。」

 

あ、やっぱり?

 

「やる気だったな……。いいか、今回の仕様変更はあくまで発射時の反動が少ない熱塵兵器だから可能だったことなのだ。火薬の反動は今まで通り脚で受け止める必要があるからな。」

 

りょうかーい。

 

「鎧殻の説明はこのくらいだな。」

 

さーて、じゃあ下層に向かうか~。

 

「いや、その前に止まり木に寄り道していけ。ライエが何か用意しているらしい。」

 

何かって?

 

「さあ? 私もその辺は聞いていないが、まあサプライズのつもりだろう。これから向かう事は連絡済みだから、道中で飛行隊に合流するがいい。」

 

おけおけ。

 

「最後になるが……姉上、機械根を使って本当に違和感や変化を感じたことはないか?」

 

機械根を使って、ねぇ……。

 

育房に跳んだ時の戦闘プログラムのインストールくらいしか自覚できるものはなかったけど……。どうかしたの?

 

「うむ……。姉上の記憶領域にブラックボックスが生成されていた。作成日時から察するに初めて機械根を使った時に出来たモノだろう。」

 

おお……?

 

「それが直接姉上に影響を及ぼすという訳ではなさそうだから様子見することにしたが、万が一不調が出たらすぐ私に診せに来い。」

 

うん、分かったよ。

 

「それとできれば、機械根を使った時に自分の身に何か起きてないか、注意深く観察しておいてくれ。可能ならば跳んでいる最中のことを記憶するとかな。」

 

ちょ、そんなこと言われても、何をどうやればできるの……?

 

「それはおいおい感覚を掴んでいってくれ。私は()()機械根の転送は使えないし助言のしようがない。」

 

そっか……権限貰うにも中央大空洞まで行かなきゃならないしね。

 

「そうだ。っと、これ以上待たせてもいかんな、そろそろライエに会いに行け。慣らし運転も兼ねて直接向かうと良いだろう。」

 

うん! じゃあまたね!

 

「ああ、今度はちゃんと帰って来るのだぞ。」

 

キィィィ……ゴォォオオオ……

 

「さて、どうなるかな……。」

 

・・・

 

キィィィンン……

 

お~快適快適。

 

この子で飛ぶの久しぶりに感じるな~。私の中ではまだ昨日の事なんだけど。

 

やっぱ丸腰だったり拾い物で飛んだりしてたからかな……?

 

ピピピッ

 

ん、前方に反応。という事は……。

 

<<侵入機へ告ぐ。こちらストーク第8防空飛行隊。通信に応答せよ。>>

 

<<はいはーい、これでいいかな。>>

 

<<応答を確認。入領許可手続きを行う、こちらの誘導に従い着陸せよ。>>

 

<<りょうかーい。>>

 

・・・

 

おはよう、昨日ぶりだね。ラインちゃん、デイルちゃん。

 

はっ、昨日は知らずとはいえ無礼な態度をとってしまい申し訳ありませんでした!

 

「教会長の姉君とは知らんかったんですよ~。許してください!」

 

あはは……何があったかは知らないけど、別に気にしなくていいし私も気にしないから、顔上げてよ~。

 

「ご厚情痛み入ります……!」

 

「命拾いしたっすね~隊長。いや昨日のスピーチからずっとしかめっ面してハラいたそーにしてたんすよこの人。」

 

当たり前だ! このやんごとなき御身分のお方に私はなんという無礼な事を……!

 

そこまで言われると逆に気になっちゃうな~。なにがあったの?

 

ぐっ……!!

 

「言いづらいんなら私がぶっちゃけるっすよ~?」

 

それはダメだ! ……貴殿の鎧殻の構成と匂いから種子である可能性に思い至り、千肢長へ捕縛するよう進言したのです……!

 

ああ~……。

 

「身元の確認も行わずに早合点し、あまつさえ捕えようなどと……!」

 

まあまあ落ち着いてよっ。イレギュラーな要素が絡み合った結果だし、あれじゃあ勘違いしてもおかしくないよ!

 

ストークの事を第一に考える事自体は何もおかしくないんだからさ、あんまり自分を責めないで、ね?

 

「当人がこう言ってるんっすから、もう気にしないようにしましょーよ。ほらほら。」

 

ありがとうございます……!

 

それじゃ向かおうか。

 

「はい、それではこちらに続いて離陸してください。」

 

・・・

 

キィィィ……

 

<<あと数分で大滑走路に到着します。着陸後はアイズが案内を引き継ぐ手筈になっております。>>

 

あの糸目さんだね。

 

<<そっすね~。あ、ちなみにっすけど、あの人綺麗な目してるんすよね~。>>

 

へぇ~そうなの? 見たことあるんだ?

 

<<あ、ええ、まぁ……。>>

 

歯切れ悪いね……。もしかして。

 

<<アイズの目を見る時というのは、大体が彼女を怒らせた時なのです。>>

 

<<故に、「綺麗だった」という印象と彼女への恐怖心がセットで刻み付けられるという訳なんですよ。>>

 

あ~……。結構直ぐピリつく感じだもんね、あの子。昨日も人だかりを散らす時に結構な圧を放ってたし。

 

<<技師型や通常型の連中は日常茶飯事なんで耐性出来てるっすけどね。>>

 

<<私ら戦闘型はあんまり喰らう機会が無いのと、通常型があの圧を放つっていうギャップが慣れなくて……。>>

 

<<デイルの様な不良には効果覿面という訳ですよ。>>

 

あはは……。

 

<<それにしても、それ(Trius)着てると本当に教会長の身内なんだなって思うっすね~。>>

 

そうだね、この子は数機しか作られてないみたいだし。

 

<<という事は~……各機で性能とか違ったりするんすか~?>>

 

その辺は流石に秘密だよっ!

 

<<デイル、機密情報に探りを入れようとするんじゃない。本気で処罰されるぞ。>>

 

<<分かってますよ~、ちょっとした好奇心じゃないすか~。>>

 

好奇心猫をも殺すってね。あんまり危ない事には首突っ込まない方が良いよ?

 

<<ねこ……?>>

 

<<何すかそれ?>>

 

あ、これは炭素生物の文献にあった諺でね……<<ザザ こちら管制塔、スワロー隊と客人を目視で確認した。滑走路の誘導灯に従い着陸せよ。>> この話はまた今度だね。

 

<<そうですね。では我々に続いて着陸してください。スワロー1、着陸する!>>ゴォォォ、ビュッ

 

<<続いてスワロー2、着陸するっすよ。>>ゴォォォ キュッ

 

んじゃあ私の番だね、よいしょー! キィィィ ギキィィィッ

 

<<ナイスランディング。ではシーディ様、向かって左手の建屋に向かってください。案内役のアイズが待っています。>>

 

了解。ありがとうね、二人とも。

 

「はい、シーディ様もお疲れ様でした。それではごゆっくり。」

 

「また一緒に飛びましょーね~。」

 

<<スワロー1、離陸を許可する。>> 「了解。出る!」ゴォォォォ

 

・・・

 

「お待ちしておりました、シーディ様。」

 

こんにちは、アイズちゃん

 

「ふふ、この歳でちゃん付けされると、少しこそばゆいですね……♥」

 

お、おぅ……。なんか向けられてるハートデカくない? まだ二回目だよ?

 

「あ、鎧殻はここで外された方がよろしいですよ。街中で着ていると技師型の者たちが群がってきますので。」

 

あ~そうだよね。そいじゃ脱いでっと……。ガチャガチャ

 

……。

 

ゾワワッ

 

なんかすごい見られてる気がする……! でも突っ込んだら面倒なことになりそうだし……。)

 

「どうなされました?」

 

え、いや、なんでもないよぉ~?

 

「? そうですか?」

 

あ、あははは……。よし終わった、じゃ、案内よろしくね!

 

「はい、お任せください。」

 

・・・

 

ガヤガヤ

 

そういえばさ、アイズちゃんって目が細いよね。

 

「そうですね。視線が悟られないくらいには細いかと。」

 

そ、そうなんだ……。さっき聞いたんだけど、目が綺麗ってほんと?

 

「……その話をしたのはデイルですか? まったくあの子は。」

 

うん、ソレ聞いちゃったら興味が湧いて来てね、どんな色してるのかなーってさ。教えてくれるかな?

 

「うう~ん……実は自分で見た事はなくて……。」

 

えっ、そうなの!?

 

「気が高ぶっている時は、瞳の色を確認できる程度には目が開いているらしいのですが……。」

 

「意識して開こうとすると力んでしまい、却って閉じてしまうのです。」

 

ああ~、そうなんだ。

 

(気が高ぶった時……きっと情動とかそんなんだよね。昨日みたいなのも含まれるのかな。)

 

じゃあさっき脱いでた時に感じた視線は、気が高ぶってたからってことでいいのかな?

 

え!? そ、そんなに視線を感じられたのですか!? 私ったらお客様に対してなんてはしたない……!

 

無自覚ッ!?)あ~、視線というかなんかこう、落ち着かない感じっていうか、ソワソワする感覚があったからさ……へへ。

 

「あ、あらあら、私としたことがなんて失礼なことを……。

 

(これはもう一押しかな。)まーそれは別に気にしてないんだけど……ちょっとこっち向いて?

 

「は、はい。」ハシッ「ッ!?

 

あ、開いた。ホントだ綺麗な目をしてるね~。紅梅……いやどっちかというと鴇色の方が近いかな?

 

「あ、あの、シーディ様……?」

 

ごめんもうちょっとだけ見せて! へぇ~。あ、瞳孔(シャッター)が小刻みに動いてる。

 

「ああ、あの、お顔が、お顔が近いです……!」

 

私の事見てたんなら、私も見ていいでしょ~?

 

それは、そうなのですが……! ぁ、あう……。

 

ナニシテンノアレ サア? ナニナニ、チューシチャウカンジ?

 

あのっ、皆に見られていますので、この辺りでもう勘弁してください……!

 

あ、ごめんっ! 綺麗だからついつい見入っちゃった!

 

「ふぅ、ふぅ……もう、戯れが過ぎますっ!」

 

ごめんなさい! いやホントに!

 

「今後は、人前ではそういう事はご遠慮ください。ご覧になりたいのでしたら私の部屋でいくらでも……。

 

これからは気を付けるねぇ……。ん? 今いくらでもって。

 

な、なんでもありませんっ! はぁ……執務室へ行きますよ、シーディ様。」

 

う、うん、お願いね。

 

・・・

 

おじゃま~。

 

「……し~でぃ~? うちの子に手を出そうとしたんだって~?」

 

誤解だよ! 話に聞いたアイズちゃんのおめめをちょっと覗いただけで……!

 

「分かってるよ、ちょっと揶揄っただけさ。でも……。」

 

「あの子、ああみえて案外恋に恋するタイプだから、あまり勘違いするようなことしちゃだめだよ。」

 

へ? そうなの?

 

「始まりは下に居た頃にキミが持ってきた漫画のせいなんだけどね。」

 

なんか影響与えそうなの持ってったっけ……?

 

「ほら、低年齢層向けの恋愛漫画あったじゃん。戦闘型と技師型にはウケ悪かったけど、通常型には大人気でね。」

 

ああ~、そういえばそんなの持ち込んだっけ……。

 

「あの漫画のシチュエーションに憧れてるんだってさ。身体拭いてもらう時結構な頻度で熱弁されるから、興味なくても内容把握しちゃったよ。」

 

あ、あはは……なんかごめんね……?




・主人公
作風によっちゃ現地妻が出来てたレベルのやらかし それはそうと文献漁り趣味設定が初めて活きた回でもある
興味が湧いたら突撃するのが悪い癖だが、それが無いと話が進まないというのが悩みどころ
ちなみにアイズは比較的小柄なので、ハグしあうのにちょうどいい身長差だったりする

・アイズ
ポロッカ時代にシーディが置いていった恋愛漫画にドはまりして以降、素敵な人が現れないかと乙女心をときめかせている
来訪者の案内をする度「この方は私に興味を持ってくれるだろうか」と品定めをするかのような視線を向けるようになり、結果その視線を気味悪がられ続けて今に至る
今回の顔近い騒動(振り向きざまに顔を両手で挟まれ目を凝視)は恋愛漫画にあった展開に近く、かなりヤバいところまで心が傾いていた
※漫画の内容に元ネタはありません
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