今回訪れる場所はゲーム中では何もないエリアですが、本作では樹窟の縦穴くらいの脊柱が近くを通っている事になりました
ゴォォォォ……
パシュッパシュッ ガタン
そろそろ一番下に着く頃だと思うけど……ここは下層でいう所のどの辺りなんだろう?
上に行く時は機械根使ったから、いまいち地理関係がピンときてないんだよね……。
ハティちゃんの足跡も気づいたら無くなってるし……もしかしてこれ、道間違っちゃった感じ?
マップにはまだ先の分もあるから、通れないことは無いと思うんだよなあ。
うーん……だんだん大きくなってくるこの音、次のファンが稼働してるのかな。
だとしたら横穴でもない限り通れないってことになっちゃうけど。
まさか壊して止める訳にもいかないしなあ……。とりあえずリコンで地形把握っと。
カコ ピィン……チチチ
お? こんなところに横穴! 良かった良かった、ここまで降りて行き止まりだったら、途方に暮れちゃうところだったよ~!
……これマップにはない通路、というか送水管だね。パイプのボルトを飛ばして開けたのか。大断層思い出すなあ。
誰かが開拓したのかな? とりあえず鉢合わせして撃たれないように慎重に進んでいこう。
・・・
これは……大空洞と聖智廟の間のパイプラインみたいな感じだね。少なくとも正規のルートではなさそう。
修復が進んでないのかな? 入り口は最近開けたような感じじゃなかったよね。
スィーッ
わぁっ! クラゲだ! バスバスバスッ ドヂゥッ!!
あー危なかった。まともに受けたらTriusと言えどシャレにならないダメージになるからね。
しかし本当に下層に流れて来てるんだなあ。ファンで刻まれて残らないものかと思ってたけど。
あ、出口っぽい光発見。さてリコンを転がしてっと。コロコロ……フォン
……。
…………。
………………。
んん~~~、見事に何も引っ掛からない。更地ってこと? 瓦礫も見つからないなんて。
一応大きい通路ではあるようだけど、その先に何も見当たらない……あるのは地面と壁だけ。
嫌な予感とかはしないけど、何かありそうな感じもしない。まさかハズレルート……!?
ま、こんだけ何も無ければ見通しが良いだろうし……異形が隠れてることもなさそうだから、逆に安全と考えることも出来るか。
さてさてぇ、どんな空間に繋がってるのかな~っと。
・・・
でっかい通路を抜けて新たなエリアよこんにちは~!!
……。
何にも無いねぇ!! 見事になんもない!!
凄い広大な空間なのは通路から見てて分かってたけど、ホントに建物の一つもないなんて……!
ここで遭難したら絶望的だろうね。何せ水・食料どころか資源すら見当たらない、一面のコンクリ空間。異形が見当たらないわけだよ。
ある物といえば天井の大穴と直下の瓦礫、向こうの壁の遥か上方に微かに見える空間。あとは支柱みたいなでっかい柱くらいか。
愚痴っても仕方ない。とりあえずこの空間だけでもマッピングしておこう……。
いざとなったらあの上の空間目指して飛べばいいだけだしね。
・・・
ようやくマッピング終了~。いやあ無駄に広かった……。
さてぇ……ここの大穴、なにか探れそうと思って最後にとっておいたところなんだけども……。
これ、もしかしなくても天井の大穴と関係あるよね……?
構造の捲れる向きとか、位置関係とか。まるで何か大きなものが下から突き抜けていったような……。
はっ!! まさかこの下にあるものって……! リコン連続射出! パパパシュッ
フォン……チチチ
あの巨大なクレーター、間違いない! この大穴の中はポロッカコロニーがあった場所だ! という事は……ここは禁域の近くか!
じゃあさっきの通路を反対に抜ければ、ポロッカへ繋がるエレベーターがあるかも! 一旦戻って確認してみよう!
・・・
何も! 得られませんでした!!
予想はしてたけどさぁ、まさか修理不可能なほどエレベーターがグチャグチャになってるなんて……。どんだけ威力大きかったんだあの爆発。
困ったなあ……私が知ってるルートは外からじゃないとアクセスできないものばかりだし……。
かくなる上は、あの大穴を降りるか……?
こんだけの時間が経っていれば、流石にあの当時の異形も居なくなってるでしょ。
さっき巡航モード確認したけど垂直上昇もかなり余裕がある感じだったし、飛んで帰って来られるから行ける行ける!
じゃあそうと決まれば突入だ!
キィィィン……
・・・
パシューッ パスッ ガタン
うぉぉおお……すっげえ暗い……! 大爆発の影響かな……?
蓄光石どのくらいあったっけな。ひぃふぅみぃ……30個か。ポロッカコロニーは結構広かったから、その範囲を動くとなると全然足りないか。
仕方ない、少しだけ見てまわったら引き返そう。暗くて遭難しましたなんて情けないからね。
しっかし、こんなに暗くなる空間だったっけ? 夜でも割と明るかったと思うんだけど……。
とりあえずリコンでレーダー走らせながら歩いてこう。蓄光石もポイっとな。
ポト ボゥ……
「ぁぅ……。」
ゾクッ
えっ、今下から誰かの声が。
「あ……。」ボヤァ……
ぎゃーーーーーっっっ!!!!????
バタン!!
「ふぁ……ぁう、まぶしいなぁ……だれ? こいつ。」
・・・
う、うぅ~ん……はっ!
「あ、気が付いた。」
ひょわっ!? だだだっ誰ですか!? ……あ! 貴女さっきの!
「うん。驚かせてしまったみたいだねぇ。私も驚いたけどさ。」
「さて、自己紹介でもしようか? 私はスイコ、ストークの二等空士だよ。元が付くだろうけど。」
あ、私はアルカンドのシーディです。ストークの方なんですね。
「うん。しばらく前に事故で墜ちちゃったんだけど、何とか上がろうとしてるうちに逆に下ってっちゃって、今はここでずっと寝てるの。」
結構な大事件じゃないですか……しばらく前って、どのくらい前の話なんですか?
「ん~、体内時計によると80年くらい前……かな?」
そんなに前から?! よ、よく生きてましたね……?
「昔ナガラの戦士に教えて貰った『メイソウ』ってので殆ど寝てたから……。」
そうなんですね……。ところでここって、ポロッカコロニーの跡地で合ってます?
「うん。よくわかったね?」
ええ、彼女が居なくなる前はよく通ってましたから。
「……あぁ、もしかして妙なもの持ち込んでたのはキミ?」
むっ、妙なものではないですよ! 炭素生物の遺した文献です! 漫画とか歴史書とか!
「それを妙なものっていうんだよ。んでさ、キミはどういう目的でこんなトコに?」
ここの調査をする……つもりでしたけど、蓄光石が足りないので出直すところでした。
ハッ! もしかして出られなくなるトラップとかあるんですか!?
「んや、そういうのはないよ。異形すらいないとこだし。」
ほっ……。
「……あ、一つお願いがあるんだけどいい? 食べ物とか飲み物分けてくれないかな。ここ何にも無くてさ。」
そういう事でしたら、手持ちの分ですけど……これで足りますか?
「わぁ~、ありがとう! ここ10年くらい何にも口にしてなくてさ~。早速いただくね。ムグムグ」
じゅ、10年……!?
「ゴキュ、プハ……ごちそうさまでしたぁ。」
「うん、仕方ないからずーっと寝てたの。そしたらキミの蓄光石で起こされたってワケ。」
そうだったんですか。その、ここから出ようとは……?
「最初は出ようと頑張ったんだけど、墜落して調子悪いとこに無茶させたら完全に逝っちゃってねぇ。」
「今は跳ねて滑空するのが精いっぱい。部品が落ちてないか探し回ったりしたけど、先にお腹が空いて動けなくなったよね。」
大変だったんですね……。
「大変っちゃ大変だったけど、今はこの生活も割と気に入ってるかな。静かでさ。」
ふむ……鎧殻予備あるんですけど使います? 巡航モードで脱出出来ると思いますけど。
「申し出はありがたいけど、うちの鎧殻以外は身に着けるつもり無いからさ。ごめんね。」
そうなんですか。それじゃあ仕方ないですね。
「それに、ここなら誰にも邪魔されずに寝ていれるもん。演習で気を張ることも無いし、居眠りも出来ない退屈な待機も無い。」
「何より、此処で眠るとあの頃の夢を見れるんだ。」
あの頃……というと、もしかしてポロッカの?
「そう。上に居た頃はもう声も思い出せなくなってたけど、此処で眠れば昨日の事のようにあの日々を思い出せる。」
「だからずっとここで眠ってるのさ。ここでならみんなや母さんと会えるから。」
そうですか……。今後上に戻る予定は?
「うぅ~ん……手段があれば戻っても良いけど、今はまだ戻るつもりはないかな。」
「あ、気が向いたら修理用の部品とか持ってきてくれると嬉しいかも。流石に干からびるまで此処に居る気はないしね。」
ふむ、分かりました。後で必要なもの調達してきますね。
「お願いね~。」
それじゃあ、また今度。
ゴォォォ キィィィィ……
「ばいばーい。さて寝直すかぁ……おやすみぃ……。」スゥ……スゥ……
・・・
なんか独特な人だったな、スイコちゃん。
とりあえずポーチに入れてた分の修復剤と補給剤全部あげて来たけど、あれで足りるんだろうか……?
心配だから早めにまた来よう……。
さてそろそろ穴だね、今のTriusなら一息で上がれるでしょ、多分。
キュゴォォォォォ……
・・・
本当に一息で上がれるとは……技術の進歩って素晴らしい!
さてさて、じゃあ次はあの壁の上の空間を目指してみようか。
天井の大穴は後にしよう。現状何処に繋がってるか分からないし。
ここからなら余裕をもって到着出来そうだね。それじゃあ出発!……の前に、消耗品出しておかなきゃ。
回復系は再生剤しかないけどまあ十分でしょ。空いてるとこには適当に
これで良し。じゃあ気を取り直して出発!
・・・
ほい到着っと。いやあこの距離と高度でもほんとに楽々とは、下層探索も楽に進められそうだ。
しかしここも結構殺風景だね。てっきり給水タンクとかエアコンの室外機とか置いてあるもんだと……。
[…………]
んっ、視線? どこから?
姿は見当たらない……リコンでこっそり反応見てみるか。
……探知に引っ掛からない? おかしい、ならこの感覚は何だ?
ゥゥウウ、ゴン
んっ、向こうから音? たしかあっちはエレベーターが……。
「ちょっと貴女! そこは危ないわよ! 早くこっちに来なさい!」
ニンフ? ここが縄張りの人かな。
……この視線は少し不気味だし、ここは素直に指示に従っておこう。
はーい、分かりました! 今行きます!
・・・
「良かった、間に合った。あそこにいてよく無事だったわね?」
あ、やっぱりなんか居たんですね。
「ええ、通ろうとするニンフを狩る特殊な狙撃型の縄張りなのよ、あそこ。」
「普段は何も居ないのだけど、今日は張り込んでる気配がしてたから一応監視してたの。」
そんなのが居るんだ……やっぱ下層は怖い所だなあ……。ありがとうございます。
「どういたしまして。ここには入ってこないけど、万が一があるから上がりましょう。」
分かりました。
・・・
「名乗りが遅れたわね。私はラファ、ファブラーの生き残りで医者の真似事をしているわ。」
私はシーディ、アルカンドの者です。
鎧殻でなんとなくそうなんじゃないかと思ってましたけど、本当にファブラーの方だったんですね。
「ええ、他にも数人いるわ。それぞれエリアを分けて研究を続けているのよ。私はこの辺りが担当で浸食が専門。」
はぁ~、そうなんですねえ。てことは、あの注射薬とかも貴女が?
「そ! 培養や抽出は大変だけど、苦労に見合う効果がある自信作なんだから!」
「そういう貴女は、何が目的でこんなところまで? 見たところ巡礼という感じでもないようだけど……。」
私は……とりあえずこっちに色々と用事があって。
ベルさんとか、ナズさんとか、ヤシカさんとかムシカさんとか。あとハティちゃんにも会わなきゃなあ。
「あら、みんなともう知り合ってるの? その分だとレキとも会ってそうね。私が一番最後かしら?」
あ、はい。レキさんにもお世話になりました。
「やっぱり。いい? 聞いてるとは思うけど、あの人が護ってる場所は荒らしちゃ駄目よ。」
ええ。同郷の方々の墓守をなさってるんですよね。
「そう。もし荒らしたら私も黙ってないんだから。」
あはは……肝に銘じときます。
……ゥゥウン ゴン
「あ、来た来た。おーいラファ、薬売ってくれや……って、誰だそいつ?」
「この子はシーディよ。」
そういえば、この格好はまだ見せてませんでしたもんね。 カポ
「おわっ、マジかよ! アルカンドにもそんなゴツい鎧殻あるんだな。」
ふふん、これは私の専用機ですから!
「そうなの? 道理で見かけないタイプだと思った。」
「専用機まで貰えるなんざ、結構いい身分なんだな……?」
身分がというか妹が私をじっけんだゲフンゲフン、私を心配して用意してくれたものですけどね。
「今実験って聞こえたような気がしたんだが?」
気のせいです! ところでお薬貰いに来たのでは?
「そうだったそうだった。瓶詰め10個と注射5個くれ。」
「はいはい、ちょっと待ってね。」
・・・
あ、ナズさん……。
「んあ? どうした?」
さっき、中層の方でヴォーグさんと会ってきたんですけど。
「……お前って、結構命知らずだよな……。」
「アルカンドなのにガーディナと会うなんて、変わった子ねえ、貴女。」
「んで姉貴がどうかしたか?」
それが、結構思い悩んでる感じで……一つ約束して来たんですよね。半年後にまた会いましょうって。
「姉貴またなんか抱え込んでんのか。何でまたそんな約束を?」
今日双子が産まれたそうなんですが、そのことでちょっと。
「双子ねぇ……。そいつらになんかあったか。」
はい。どっちも盲目で片方は戦闘型としてやっていけそうなんですけど、もう片方は身体が通常型未満らしくて。
「成程な、そんでそいつを見捨てられねえと。大方お前に預けたいとか言い出したんだろ?」
やっぱりわかっちゃいますか。
でも私もこれから暫くは下層で活動する予定なので……その時まで生きていたらって条件で身請けを承けてきました。
「ふぅん……。」
「預かった後はどうするつもりなの?」
イーデンとライエに報告して、ストークにでも預けるつもりです。あそこは侵略とは無縁の場所ですから。
「そんなとこがあんのか。流石上層だな。」
「ライエ? 随分懐かしい名前が出てきたわね。」
女王と一緒に飛んだはいいものの、上層で振り落とされちゃったみたいで……今は生き残りの皆と集落を作って住んでますよ。
「ポロッカは女王諸共爆発で吹っ飛んだと聞いていたが……マジかよ。」
この奥の広い空間、地面と天井に大穴開いてるじゃないですか。あれ通った跡みたいです。
「とんでもねえな……。」
まああの爆発を見たら消し飛んだと思われても仕方ないですよね。
「生きていたのなら何よりよ。機会があれば会いに行きたいわね。」
それともう一つ、お二人に聞きたいことが。
「なにかしら?」
うちの巡礼のハティって子が今こっちに降りてきてるみたいなんですよ。見かけてないかなと思いまして。
「ハティ? あの子と知り合いなの?」
そういう訳ではないんですが、ちょっと会って話しておく事が出来たんで。
「それ、あの子がピリついてるのと関係あったりするの?」
はい、落ち着かせるために少しお話をと思って。
「成程ね。彼女なら一昨日薬を買っていったわよ。」
そうなんですか? 情報ありがとうございます。
「あ、そういえばさっきビルの上飛んでる奴は見かけたな。それがハティなんじゃねえのか?」
本当ですか!? どっちに飛んでったとかは……。
「この辺の周回ルートの真ん中、一番高いとこに降りてからは飛んでく姿は見えなかったな。」
「ならまだ居るかもしれないわね。」
ナズさんもありがとうございます! じゃあ会いに行ってきますね!
「おう。あと今は毒蜘蛛掃除終わったとこだから安心して歩き回っていいぞ。」
分かりましたー!
「それで買いに来たのね。じゃあちょっとおまけしてあげるわ。はい修復剤と補給剤。」
「お、サンキュー!」
・ラファ
降積地帯野良 ベルの回想を除けば初登場
ファブラーでの知見を活かし浸食異常の専門家として医者の真似事をしている
治療用の小虫や浸食予防の注射薬も彼女の手によって開発された
製造方法は公開しているので今ではホド全域で流通している
・ナズ
シーディが帰った後はなんとなく降積地帯の毒蜘蛛掃除をしていた、そんな日があってもいい
戦闘スタイルのせいもあるが、よく発症するのでラファのお得意様になっている
ハティはいつも罠自体を避けるので内心の評価高め
・スイコ
元ストーク二等空士 飛行技能は当時の空士の中で五指に入るほどだったが現在はMIA扱い
暴風に煽られ還流水路に墜ちた僚機を助けるべく自らも飛び込み、しかし自分だけ帰還したという過去を持つ
その後の捜索でトラブルに見舞われやむなく降り続けた結果、生まれ故郷のポロッカコロニー跡地へ戻って来ることとなった
瞑想は本来眠る為の技能ではないが、自己保存機能として上手く噛み合い冬眠のような効果を齎している
・ハティ
次回登場予定
上空ならばナズも手出しはしてこない為、慣れた巡礼は高空を飛行して移動する場合が多い
シーディは気付かずスルーしたが、ずっと上に横道がありそこがポロッカ穴(上)と繋がるルートになる
・擬態自走砲
実はイーデンと視覚共有できる半自律型
予想してないルートからの侵入で(何処から来たのだ姉上……)とジト目をしていたので、シーディは無意識にその視線を感じ取った模様
ターゲットの指定はイーデンが行っているのでシーディはスルーした
〇夢
ニンフは覚醒中に記憶の整理・定着処理をできる為、基本的に夢を見ることがない
そんなニンフが夢を見たという場合、大抵がトラウマ状態に陥っている(例:正史ベル)
しかしスイコの場合は感情にも既に折り合いを付けており、別段苦しんでいるわけではない
もしかしたら彼女は瞑想をすることで、
〇ポロッカコロニー跡地
かつて下層に存在した、空への憧れを抱き続けたモノ達の夢の跡
打ち上げ直前のアサルトアーマーで地上の物が全て吹き飛ばされ原型を留めていない
暫く後に起きた上部構造物の崩落により採光部が塞がれ、現在は深層の様な暗闇に包まれている