変わり者のホド旅   作:benitubaki

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久々に自律警備車両君登場


30話 中央大空洞

ボシュゥッ……ボロボロボロ……バガラッ

 

「じゃあ行くわよ。」

 

「おう、頼むぜ。」

 

お願いします。

 

カシャ、カシャ、カシャ……

 

バヒュッ、ガタガタガタガタッ!!

 

「同じところで待ち伏せなんて、ここは相変わらず芸がないわね!」

 

バガッ!! ダダンッ!! バガァンッ!

 

「一つ!」

 

ドギュンドギュンドギュン! ボガァン!

 

「二つ!」ジャキ「ッ!」ギュンッ!

 

ボンボンボンボン!! ……キョロキョロ

 

「どこ見てるの!」

 

バヒュッ! バシュッ!バヂバヂィ!! バガァン!

 

「三つ!」

 

ボンボンボン!!

 

「間合いが遠いわよッ!」ギュンッ!!

 

ドヒャァッ! ガギィンッ! ズシャァーッ!

 

「止め!」

 

ダダンッ!! バガァッ!

 

「四つ! ……ふぅ、これで全部ね?」

 

「さっすがセンパイ、腕は鈍っちゃいないな。」

 

「当たり前じゃない。伊達に生き残ってないわよ。次は……。」

 

「あ、片付けんのはあそこの四脚二機まででいいぜ。」

 

「? 分かったけど……。」

 

 

 

 

「終わったわよ。」

 

「おうサンキュー。」

 

ありがとうございます。

 

「んじゃあ行くか。」

 

「ちょ、そっちは壁……すり抜けた!?

 

やっぱりみんなここに通路があるって気付かないんですねぇ。

 

「そりゃそうだろ。外から見たら完全に壁だしな。」

 

「……驚いた。こんなところに隠し通路があるなんて。」

 

「この先にもっと驚くようなもんがあるぜ?」

 

危ないので、少し端に寄って進みましょう。

 

「ふーん……?」

 

・・・

 

ギャリギャリギャリ……

 

「何の音!?」

 

「お、向こうも気づいたみてえだな。」

 

ズドンッッ!! ドガァンッッ!!! バラバラ……

 

「な、壁が吹っ飛んだ!?」

 

「ケケケ、やっぱこれ初見は度肝抜かれるよなぁ。」

 

向こうにいる自動機械の挨拶みたいなものなので、身構えなくてもいいですよ。

 

「お、落ち着いてるわねぇ……。」

 

……今回は飛び出してこないですね?

 

「いい加減敵じゃねえって分かったんだろ。行くぞー。」

 

「え、ええ。」

 

・・・

 

[対応具申中...] [・・・] [要請ヲ受理デ(ダメ)キマセン]

 

「あり?」

 

「ダメなの?」

 

うーん、権限の又貸しになるからなんでしょうかね?

 

「そういう事かよ……しゃーねえな、じゃあちょっとアイツら呼んでくるわ。」

 

お願いします。

 

「行ってらっしゃい……って、どこに?」

 

「へへ、ちとワケあってな。今はこれが使えるんだ。」

 

スゥゥ……

 

転送?! でもあれはアーヴドの神官しか使えない筈じゃ……!?」

 

えーと経緯を説明しますとですね、上層でヤシカさんとムシカさんが───

 

・・・

 

───という事なんだそうです。

 

「そういう事だったのね、外じゃ見かけなかったはずだわ。」

 

はい。で、その育房ってところは他のエリアから隔絶されてるみたいでして。

 

あのエリアのどこを見渡しても、他の場所に繋がるような箇所が見つからないんですよねぇ。

 

「アーヴドの中枢でもあったようだし、それなりに厳重にしてあるんでしょうね。」

 

やっぱりそうなんでしょうかねぇ……。

 

…………。

 

「……どうしたの? いきなり黙っちゃって。」

 

その、昨日の事で、一つ謝りたいことが……。

 

「昨日? ……もしかして、レキの事かしら?」

 

っ、はい。その、いくら何でもレキさんに無茶をさせ過ぎたと思って……すみませんでした!

 

「ふぅん……? どうして急にその事を?」

 

え、えと、あ、お二人が『深い仲』だと聞きまして、掃討が終わって上がる時に、レキさんも少ししんどそうにしてるように見えたのを思い出して……。

 

浸食のダメージもきっと結構あったんじゃないかって、それを診たラファさんにも心配やご迷惑をおかけしたのではないかと。

 

「……。」

 

……それに、レキさんに手伝ってもらおうって言い出したのは私なんです。

 

あの時はそこまで深く考えてなくて、やっぱり一度謝らなきゃって……それで……!

 

「はいはいストーップ。」

 

「確かにレキと私が『そういう仲』であることは否定しないわ。誰から聞いたかは知らないけど……まあ隠してる事でもないし。」

 

「でも謝るんなら相手が違うでしょ? まずはレキの方に言いなさいな。私は別についででもいい。」

 

でも……。シュン

 

「私からの態度はあの人の様子を見て決める。まあ、きっと怒ってなんかいないはずだから安心しなさい。私もあの人の判断にとやかく言うつもりはない。」

 

「……ただし、レキは浸食で結構な損傷を受けたわ。そのことは頭に入れておきなさい。」

 

は、はい……。

 

「まだ浸食の怖さをよく分かってなかったようだから、今回だけは大目に見てあげるけど……。」

 

「最近は浸食虫の毒性が上がってきているの。貴女も他人事ではないのだから、次はちゃんと気を付けなさい。そこを分かっていれば、私から言う事は何も無いわ。」

 

はい、以後気を付けます……すみません、ありがとうございました……!

 

「……でも、ちょっとだけ見直したわ。ショコラにも見習わせたいくらい。」

 

……? 何でそこでショコラちゃんの名前が?

 

「昨晩のこと、貴女達見てたんでしょ?」

 

え゙。

 

「昼間に上のビルで雑談してたじゃない。下にも聞こえてたわよ。」

 

あ、ああ~……。

 

その、覗いてごめんなさい……! そんなつもりじゃなかったんですけど……。

 

「別にいいわよ。あそこはあの子の覗きポイントだって知ってるし。」

 

おもいっきりばれてるよショコラちゃん……。

 

「まあ貴女も一緒に見てたとは思わなかったけど……今更そんなことで怒りはしないわ。」

 

「フフ……誰かと『深い仲』になった暁には『ああいうコト』をしたりする可能性がある、というのも覚えておきなさい♪」

 

は、はいぃ……///

 

「あらあら顔真っ赤にしちゃって……可愛い♪」

 

むぅ……。

 

スゥゥ……

 

「来たのかしら?」

 

そうみたいですね。

 

・・・

 

「久しぶりね、ラファ。」

「変わりないようで何よりだわ。」

 

「ええ、貴女達も元気そうでよかった。」

 

「積もる話は中に入ってからにしましょう。それじゃあ交渉してみるわね。」

「貴女、ラファとこの子に機械根転送の使用権限をあげられないかしら。」

 

[対応具申中...] [・・・] [要請ヲ受理デキ(ダメだってば)マセン]

 

「あら、どうしてかしら?」

「理由を教えてちょうだいな?」

 

[・・・] [GuestAccountニヨル権限付与要請ハ、原則トシテ一(これは気軽にあげられるものじゃないの)度ノミトナッテオリマス]

 

「あら……それは残念だわ。」

「こうなったらどうしようもないわね……。」

 

「残念。それじゃあこの子は何処に匿おうかしら……。」

 

……。

 

スタスタスタ

 

[...()]

 

「お、おいシーディ、どうした……?」

 

スッ ガシ ギュゥゥ ギギギメキメキ……!

 

……[御託は良いから寄越しなさい。]

 

[........(……!)....]

 

「し、シーディ?」

「どうしたの、貴女?」

 

「(ねえナズ、この子ってこんな感じの子なの……?)」

 

「(そんなことねえよ……! こんな態度は初めてだ……! てか何だあの馬鹿力!)」

 

[........(ふぅん……。).]

 

[対応検討中] [・・・] [要請ガ受理サレマ(いいよ、認めてあげる。)シタ]

 

ギャルギャルギャル……

 

フゥー……。さあ、行きましょうか。

 

「お、おう……。」

 

「まあ、入れるようになったのなら言う事は無いわね。」

「行きましょう、ラファ。」

 

「え……ええ。」

 

・・・

 

[……今回はあそこから来たんだね。]

 

外で技師型?の幼精を拾いまして。育房に匿うのが一番安全かと思ったので。

 

[ふぅん……。]

 

[ねえ、気付いてる?]

 

何にですか?

 

[そのニンフ、普通じゃないでしょ。]

 

ええ。中層で感じたチリつきに似た感覚がありました。

 

[それが糸の感覚だよ。もっとも、あのニンフのは少しイレギュラーな形のものだけどね。]

 

!?

 

[そっか。知らないとそういう感じ取り方になるんだね。]

 

[……本当にあの子の事、覚えてない?]

 

はい……やはり、私に関係する子なんですか?

 

[私が持っている情報を見る限りはでね。でもまあ、これは分からなくても仕方ないかなという感じではあるのだけれど。]

 

[貴女、ポロッカでの爆発で吹き飛ばされた後『揺籠』に落ちて来たじゃない?]

 

はい。あの時何かを下敷きにした記憶はありますけど……まさか!?

 

[そのまさか。あの子は貴女が下敷きにした種子だよ。]

 

[ただ孵化の手順を飛ばしたからか、不完全な形で産まれちゃったみたいだね。]

 

[形態的には樹に成れなかった『成り損ない』のようにも見えるけど……どうもそれだけじゃなさそう。何か混ざってるのかな?]

 

成り損ない、混ざってる……? そんなことがあるんですか?

 

[混ざるのは稀だけど、成り損なうのは割とある事だよ。女王化の最中にニンフだけが死んだとか、何らかの妨害が入ってニンフと分離させられたとか。]

 

[そう言ったモノはもう工程を止められないから、女王になるでもなく、しかしニンフの形に戻る訳でも無く、自我や意思・記憶という『個』を失った根に成り果てる。]

 

[似たようなもので言えばそうだね……貴女たちが外で使ってる機械根。アレらの大半は、番を得られなかった種子が一人で成った樹木擬き(次の為の端末)なんだよ。]

 

[それが機能だとは言え、ちょっと可哀想な末路を辿った子達だし……あんまり雑に扱っちゃ駄目だからね。]

 

ちょ、ちょっと待ってください……! いろいろこんがらがってるんですけど……!

 

それじゃあ……私はあの時、あの子に女王にさせられかけたというんですか?!

 

[本当に女王にするつもりで実行したのかはわからないけど、状況証拠だけで見ればそういう事になるね。]

 

[女王化はそのプロセスの最初に、自分の持ち物や身体を使って番となるニンフをある程度修復するの。神経とか変換炉とか、重要器官に損傷があると不完全な女王になってしまうから。]

 

[そして残った部分を守子を産ませる為の養分や幹へと成る素材とし、神経と頭脳・変換炉のみとなった女王を文字通り支える。]

 

[これを実行したという事は……あの時の貴女は、自分が思ってるよりも遥かに重傷だったのかもしれないよ?]

 

[それと、その時の貴女の修復ログに外部のアクセスを遮断した痕跡がある。コレは多分……あの子の同化を貴女の()()()拒否したという事かも。]

 

女王化って、そんな自動処理で拒否できるものなんですか?

 

[十分な年季を積んだニンフなら不可能じゃないよ。意志の強い子相手だとそういう事例は稀にあったし。ただ最初に言ったように、その場合でも種子は擬きに変じる。でもあの子はニンフの身体を持っている。]

 

[貴女のケースは工程の途中で拒絶したとかそういうモノじゃない。もっとシステム的な……そうだね、貴女の権限が種子を上回っていたことによる『コマンド受付拒否』とでもいうべきかな?]

 

私の権限が、種子より上位……?

 

[……あの子が語ってくれない限り、真相は分からないだろうけどね。]

 

でもあの子発話機能が怪しいんですが……。さっきみたいに記録を拾ったりとかはできないんですか? 転送したのなら情報に目を通してるはずですよね?

 

[育房産の前期型ならともかく、揺籠産の後期型達の情報閲覧権限は私達でさえ持ってないの。あっちが何を思ってそういう仕様にしたのかはわからないけど……。]

 

[そういうことだから、私はあの時何が起きたのか詳細を把握できない。揺籠もあっちの管轄だから干渉できないし。]

 

[……でもおかしいね? 干渉できずともこの領域は通るはずなのだけれど……こっちを介さずに身体を構築し終わってる。前はこんなこと無かったのに……。]

 

[向こうで独自のルートを作ってたのかな。]

 

え、待ってください。それじゃもしかしてあの子は、私と貴女のようにあっち(Nehma)と接触したかもという事ですか!?

 

[多分ね。もう向こうの糸を付け直されてるんじゃないかな?]

 

じゃあ私は、あの子をアイツの元に送ってしまった……!?

 

[……それは貴女が気にすることじゃない。種子は元々あっちの糸を付けられてるモノだし、これは私も想定してなかったことだから。]

 

[ただまあ、貴方の糸は断ち切られちゃってるかもしれないね。]

 

……。

 

[身体が出来上がったよ。それじゃあ、答え合わせに行ってらっしゃい。]

 

……はい。

 

スゥゥ……

 

[これだけ開示してみてもやっぱり思い出さない。]

 

[もしかして本能的に自覚することを避けてるのかな?]

 

・・・

 

「……来ないわね。」

 

「あの幼精も居ねえな……あ。」

 

スゥゥ……

 

「ようやく来たわね。」

「遅かったじゃない。何かあったの?」

 

すみません、遅れました。何もありませんでしたのでお気になさらず。

 

「え、ええ。」

 

……あの子は? まだ来てないんですか?

 

「ああ、まだ来てないな。」

 

おかしい、あっちではもう転送が終わってるって……まさかっ!

 

ガシャン! ギュィィィ!

 

「お、おい! どこ行くんだ!?」

 

あの子はもう転送されてきてる! ここに居るはずなんです!

 

「まさか、転送の順番を入れ替えた?」ガシャガシャ

「あり得ない話ではないけど……。」ガチャガチャ

 

「とりあえず手分けして探しましょ。」ギュゥゥゥ……

 

「なんだか立て続けにヘンな事起きンなぁ……。」ギュリギュリギュリ

 

・・・

 

「見つかった?」

 

「いや、階段裏も見当たらねえ。樹の枝にも引っ掛かってねえしなあ……。」

 

何処にも見当たらない、糸の感覚も無い。一体どこに……。

 

「もしかして上階かしら?」

「でも上は隠れるような場所なんて無いけれど?」

 

でも下には隠れられそうなところはもう無いんですよねえ……。よっと。

 

バヒュッ! ガタン

 

瓦礫の裏には……やっぱり居ない。となると上?

 

ゴポ……

 

! あ、あそこの殻の中にあの子が……!

 

ゴポポ

 

「う?」

 

……ん? どうしたの? なんだかさっきと様子が……。

 

ユサユサ

 

「うー、んーやっ!」 ビチビチ

 

「もしかして……自力で出られないのかしら?」

 

そんな、起動してて出られないなら窒息しちゃう!

 

「私に任せなさい。シーディは真下へ。」

 

は、はい!

 

ダダン!! チュイン ビシビシ……

 

バリンバシャァッ!! ドチャッ

 

おわっとと……あ、ありがとうございますラファさん。

 

「ケホッケホッ……あー! あう?」

 

「とりあえず元気そうではあるわね。」

 

「何でコイツあんなところに? 自分で入った訳でも無いだろうし……。」

 

ガチャガチャ シュン

 

よい、しょっ……と。もう大丈夫だよ、よしよし。

 

「ん~、ん♪」ナデナデ

 

なんかさっきまでと全然様子が……。

 

「確かに……寝付く前はあんなに大泣きしてたのにな。」

 

「もしかしたら、覚醒直後で混乱して泣いていたのかもしれないわね?」

 

「それならあり得るわね。」

「どこか怪我をしてるわけでも無いのでしょう?」

 

ええ、見た感じそういうのは無さそうです。

 

ギュ

 

「また服掴まれてるわよシーディ。」

 

わっ、ホントだ。

 

「ぅーあ、んん~。」

 

ペタペタ グニ、ムニー

 

いへへへ、いひゃいいひゃい~!

 

「こーら、シーディが痛がってるでしょ。」スッ

 

「ぴゃーっ!」

 

ガシッ!

 

「ん゙!!」

 

おわっ! 余計強く抱き付かれちゃいました……。

 

「……この子が満足するまで好きにさせるしか無さそうね。」

 

でもこのままだと活動できないです……。

 

「少しずつ私達の方にも慣れさせていきましょうか。」

「多分私達が一番面倒を見ることになるのだから。」

 

「あー、あうっ!」グニー

 

ひゃい、ひゅひはひ(すみません)ぇん、おふふぁは(お二方)ふぁ……。

 

「それにしてもホント懐いてるわねえ……。」

 

「これはしっかり躾けといた方がいいぜ。そのうちいろんなもんに悪戯し始めるだろうからな。」

 

「キャッキャッ」ムニムニ

 

ほーへふへー(そうですねぇ)……。パッ ふぃ~。

 

ねぇ、貴女名前はあるの? 私はシーディだよ。

 

「……?」

 

な・ま・え。しー・でぃ。

 

あなたの、おなまえは?

 

「あーぅ……?」

 

「ぅあー……しゅ。」

 

しゅ?

 

「ひぃ、しぃぅ、くぅえ、て。」

 

「しぅー、けて。」

 

「……しゅ、けて! あー! すけて、なまぇ、すけて!!」

 

「……スケテ、が名前ってこと?」

 

「ほぉーん。名前はあるんだな……?」

 

貴女の名前はスケテっていうんだね?

 

「ん! あう!」コクコク

 

ふふ、よろしくね、スケテちゃん。

 

「じゃあみんなの名前も覚えてもらおうかしら。」

「今の内に刷り込んでおきましょう。」

 

「あぅ? あー、なまぇ。しーでぃ!」

 

うんうん、よく言えました~。

 

「次は俺だな。ナズ、だ。なーず。わかるか?」

 

「にゃ、づ。な、ず。なず、なず!」キャッキャ

 

「言語機能に問題があるようだけど、意思の疎通はしっかりできてるわね。」

 

たしかに……。直せそうですか?

 

「ハード側の問題だったら私でもできないことは無いけど……ソフト側だったらお手上げよ?」

 

「今はまだいいだろ。まずは顔と名前覚えさせてからだ。」

 

スゥゥ…… キュラキュラ

 

「……んん、皆で集まって何をしているんだ? お、ラファもここに来たのか。」

 

「ええ。」

 

「ベル。丁度良かった、お前も来いよ。」

 

「あう?」

 

「……ヘロスの恰好をした技師型の幼精……? 一体どこから拾ってきたんだ?」

 

えーと、かくかくしかじかでして……。

 

「まるまるうまうまと。ふぅむ……ならばここも少し整えてやらねばならんな。」

 

最低でも転落防止の柵は欲しいですね。奥や吹き抜けは壁無いですし。

 

ふぁ……く。

 

「あら、眠くなったのかしら。」

「余程安心してるのね。」

 

なんか昔のイーデン思い出すなあ……。あの子も産まれたての時は私にべったりだったっけ。懐かしいなあ……。

 

(本当にイーデンの姉なのね……。)」ヒソヒソ

(ようやく実感が湧いてきたわ……。)」ヒソヒソ

 

は!? そうなのか!? 見えねー……。」

 

んぐ……そういう反応されるのはわかってたけど、ちょっとひどくないですか……!?

 

「あの教会長の姉と言うには、お前は少々威厳が足りんからな。」

 

くぅん……ぐうの音も出ないとはこの事……。

 

すぅ……すぅ……。




・主人公
知ってしまったからには筋を通さなければならない
思い出す範囲を無意識のうちに制限しているため、思い出していてもおかしくないものを覚えてなかったりする
妙にスケテに懐かれてしまった

・ナズ、ヤシカ、ムシカ
警備車両とのやり取りでちょっとビビったのは内緒

・ラファ
結構前からショコラが覗いてることには気づいていたお姉さん 別段害があるわけじゃないので放っておいている
(何で蒸し返すかな)とか思ったりしたが、真正面から白状した度胸に免じ大目に見ることにした
戦闘スタイルは獣脚型のバネを活かした反復横跳びや、それを応用した擬似二段QBを用いての攪乱機動戦闘 逆関ドロップキックも使える

・ネマ(ホド)
揺籠とそこ出身の種子は観測の対象外
故にあっちのネマと種子が何を考えて動いているのかは状況証拠から推理するしかない
これはこれで刺激があるので嫌ではなかったりする
あとがきでは以後『ホドネマ』と呼称

・ネマ(自律警備車両のすがた)
演算ユニットとして使われていた左目が長い年月をかけて自律警備車両をハッキング、ついに全身を掌握するに至った槍の方のネマ
登場時にいちいち壁を破壊するのは、演算力を費やして構造材を分解するのが面倒だった為
あとがきでは以後『槍ネマ』と呼称

・自律警備車両
元々はアーヴド時代のギプロベルデが製作した巡回警備用の機体で、シャーレ同様制御ユニットにニンフを使用していた
弑逆後にシャラの一派の手によって演算補助ユニットとして左眼を搭載する改造を受けたが、直後から操縦者の精神汚染が始まり長らく機体ごと行方不明になっていた
操縦者の自我は既に無く、槍ネマの仮の入れ物として最低限のバイタルを維持されている状態
そこそこの数が生産された機体だが運用はアーヴドのみで行われたため、ギプロベルデ生まれのベルは存在を知らなかった

・スケテ
槍ネマの介入により別ルートで転送された 原作と違い何かが混ざっている
まるで転送前の事など覚えていないかのように、明るく無邪気な様子を見せている
意思疎通は問題ないが原作通りの言語機能しか持たない為、会話を成立させるには慣れが要る

〇女王化のプロセス
種子が女王化の条件を充たしたニンフに出会うと、繰り返しその個体の前に現れてはコミュニケーションを図る、炭素生物で言うところの求愛のような行動を起こす
この時対象が損傷していると『女王化に不安あり』と判断し、対象ニンフに修復を促す行動を取る場合がある
ニンフが女王化や修復を拒否した場合でも心変わりを待つかのように度々現れ、最終的にはニンフの方が折れたり絆されるなどして女王化を受け入れる
なおこれは、候補個体は立場的に孤立しているケースが多く、そこからくる心細さも受け入れる要因になっている為
また対象が酷く損傷していても女王に変じる過程で修復が可能であるが、その場合は種子が自らの肉体で以て当該部位を補う形となる(シーディのケースはこれに該当)
無事女王に成ったニンフは機能の確認も兼ねて直ちに初産を経験、守子となる第一子を産み落とす
守子は二子以降と違い、種子の形質も多く受け継ぎつつ成熟した姿で産まれ、根を下ろし動けない母樹を守るべく付近の脅威の排除や白珠の収集を積極的に行う
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