変わり者のホド旅   作:benitubaki

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ニンフにも恥じらいの感情はある
久しぶりに緩い回


31話 朽ちた育房

・・・

 

「あー、あぅ、んー。」

 

ムニムニ、ペタペタ、スンスン

 

「あぅ! べる、ベル!」キャッキャ

 

「はは、くすぐったいぞスケテ。」ワシャワシャ

 

「流石に相手すんの慣れてんなぁベル。……しかしこれがコイツの『癖』とはねぇ……。」

 

「技師型や通常型の幼精の中には、とにかく興味を持った物に触れてまわる癖を持つ子がいるのだけれども……。」

「それでも大体は武具や装具に興味を示すものよ。ニンフそのものに興味を示すのはかなりの変わり者と言えるわね。」

 

その、興味を引かれる物が成長後の専門分野になるってことでしたが……。

 

この子(スケテちゃん)の専門は素体という事になるんですか?

 

「例に当て嵌めるのならね。でも素体専門の技師型は殆ど例が無いわ。私達でも知ってるのは一例のみよ。」

「私達も産まれて直ぐはあんな感じだったけれど、直ぐに興味が移って武具と装具が専門になったものね。」

 

「じゃあ、成長すれば興味の先が変わるかもしれないのね。」

 

「恐らくはね。じゃなきゃ、いつまでも誰かが玩具になっていなければならなくなるわよ?」

「まあ、興味の先が変わっても関心自体は残るでしょうし……私達のように手慰みで服飾に手を出すかもしれないわね?」

 

「そう言えば貴女達の服は自作だったっけ。」

 

「ええ、可愛いでしょう?」

「興味があるなら貴女にも一着仕立ててあげるわよ?」

 

「興味が無い訳ではないけれど……外ではすぐにダメにしてしまうから遠慮しておくわ。」

 

「あら残念。レキの好みを探ろうと思ったのに。」

「なら戦闘用の外套でも拵えてみましょう。」

 

「もう、貴女達は……。」

 

「ところでその数少ない例はどうなったのか知ってるのか?」

 

それ私も気になりますね。

 

「そうねぇ……確かあの子はヘロスの通常型だったかしら。」

「珍しく服飾を専門にしていた子だったわ。」

 

「私達の服が自作と知って作り方を聞きに来たりして、熱心な子だったわね。」

「そうそう、今のヘロスの配達服は彼女の作品が雛形になったのよ。」

 

あのウェイトレスっぽい服装がですか? へぇ~。

 

「うぇいとれす?がどんなものなのかは知らないけど、彼女は炭素生物の文献をよく読んでいたからね。」

「その辺の影響もあるのは間違いないでしょう。彼女の代表作はもう一つあってね、通商代表部の制式装備なんだけれど……すごいわよ。」

「見てるこっちが恥ずかしくなるくらい。」

 

「……それって、派手なばかりで防御性能全然無さそうな、あの格好(バニースーツ)の事か……?」

 

「あら、ナズも見たことあるの?」

「彼女達、あの服を『仕事を円滑かつ有利に進めるための合理的な装備』だと言ってたけれども。」

 

そんなに過激な格好なんですか!?

 

「過激も過激だ、あんなのインナー丸出しと変わんねえよ。アレ着て会合に参加するなんざ、俺だったらお断りだね。」

 

「それ聞いたら『円滑かつ有利に』の意味合いがだいぶ変わってくるわね……。」

 

「そういやうちの幹部に、あの格好に当てられたのか機密漏らして更迭された奴がいたな……。まあ効果はしっかりあったんだろうな。」

 

へ、へぇ~……。そんなに過激な……?///

 

「……シーディ。もしかして貴女、そういうのに興味あるの……?」

 

ヘアッ!? い、いえいえ、そんなことは決して……!!

 

テキィン!「! あぅっ!」トテトテ

 

「ん? どうしたんだスケテ?」

 

ポス ギュッ

 

スケテちゃん? なぁに、どうしたの?

 

「しーでぃ、あーぅ、んん~……!」

 

シュゥォアア……!

 

わわわっ!? なになに!?

 

「これは、シーディが光って……。」

「セルが反応している時の光にも見えるわね。もしかして服を?」

 

ええ!? ちょっ、ヤっ、待っ、スケテちゃんストップストップ!!

 

「おお……? なんか単純な分解とかじゃなさそうだな?」

 

「だんだん形が変わって……まさか再構築しているとでもいうの?」

 

「む、光が弱まって来たな……は?」

 

ゥゥゥ……

 

「ぇきた! あー!」キャッキャ

 

「あらあら。」

「これはこれは。」

 

……ひょええええ!? 何で私の服がバニースーツに!?

 

「お~、昔見かけたのがこんな感じだったな。流石に細部は違うが良く再現できてるぜ。」

 

「随分と過激な恰好をしているんだな、ヘロスの通商代表部ってのは……。」

 

うえええ! 替えの服なんて持ってないのに~!

 

「う、ん。」(-ω- ) グイ

 

んっ?( ゚-゚)(ス頭)

 

「ん! ん!」(-ω-*)三 ドスッグイグイ

 

グエッ ちょ、なになに!? Σ(゚Д゚((ス頭)三

 

「褒めて欲しいのかしら?」

「初仕事は大成功だものね。ふふふ。」

 

え、ええ~……?

 

「えぅ……?」(´;ω;` ) ウルウル

 

ッ!! ~~~~!! ((; Д ))

 

……よ~しよしよしよしスケテちゃん凄いな~!! 全然違う形に再構成できるなんて思わなかったよ~!! (;^o^)つ三つ ナデナデナデナデナデ

 

「う! あぅ!」(-ω- )フンス

 

「こりゃだめだな……あいつに任せきりだときっと際限なく甘やかすぞ。」

 

「奇遇だな、私も同じことを思っていた。こちらでしっかり躾けなければ……。」

 

「ふふっ、貴女達の装甲をあんな感じにされたら困るものね?」

 

「笑い事ではないぞ全く……。」

 

「そんなカッコをショコラに見られでもしたら、口止め料でどれだけ買わされる分かったもんじゃねえ……。」

 

・・・

 

「くぁ……ふぅ……。」ムニャ

 

あれ、また眠くなっちゃったの?

 

「なら私の膝で寝るか? ほらおいで、スケテ。」

 

「んん~……。」トテトテ モゾモゾ

 

丸まっちゃった……ベルさんにもすっかり懐きましたね。

 

「ああ、妹達を思い出すな……。」

 

それにしても、休眠のスパンが短くないですか? 転送からまだ一時間も経ってないですよ?

 

「きっと再構成で疲れてしまったのね。補給の用意をしておいた方がいいかしら。」

「それにしても……リアルタイムでのセル構築は樹に成った技師型か、訓練された演算特化型でなければ難しいはずよ。この子、産まれたばかりで何故その力を行使できるのかしら……。」

 

「聞き出そうにも話せねえしなあ。」

 

それよりも私は服を元に戻して欲しいですね……。

 

「お前はそのままでもいいんじゃねえの? もともと戦闘用の服装じゃなかっただろアレ。」

 

そ、それはそうなんですけど……!

 

「(♪)なら、あのニンフから剥いだやつ着るか?」

 

それって、コルダちゃんの?

 

「おう、汚れは少ねえからまだ着れんだろ。」ゴソゴソ「ほい。」

 

いいんですか?

 

「ああ。どうせ俺は着ねえからな、やるよ。」

 

ありがとうございます~! ゴソゴソ

 

「……コルダ? それって、ハティの巡礼仲間のコルダで合ってる?」

 

え、ええ。まあ……。

 

「んあ、知り合いだったか?」

 

「知り合いと言うか、常連ではあったわね。引き上げ予定日になっても来ないと思っていたら……そう、やられてしまったのね。」

 

「あー、なんか悪ぃな……?」

 

「いえ別に。ここまで降りてくる子達は皆遅かれ早かれそうなるもの、いい加減慣れたわよ。」

 

む、しまった。背中の端子が引っかかって肩まであげれない……。

 

「……ブフッ。」

 

? どうかしました?

 

「…………ねぇ、この組み合わせって……。」

「ナズ、貴女分かっててやったでしょ?」

 

「ぷ、くく、マジそっくりでウケる……!」

 

……まさか。

 

「代表部の恰好そのまんまよ、それ。」

「上着のせいで余計似てしまったわね。」

 

ちょ、ナズさん!!! もーっ!! ベシベシ

 

「だはははっ!! わりぃわりぃ! あんまり似てるもんでついな!」

 

「全く。悪ふざけも大概にしとけ、ナズ……。しかしこういう感じなのか……。」マジマジ

 

「あんまり感心しないわよナズぅ。……ショコラに見られたら絶対撮られちゃうわね、これ。」

 

い゙ぃ!? こんな格好を拡散されるのはイヤだー!!

 

「あっはは! そりゃあいいや!」

 

「……とまあ、冗談はここまでにしといてだな。」

 

「ほれ、残りもやるよ。これならぱっと見巡礼のカッコに見えないことも無いだろ?」

 

うう~、じゃあ最初からそれも出してくれればよかったのに……。

 

「いやぁ思い付いたら試してみたくなってな! 悪かったって!」

 

まあ、良いですけど……んしょ。

 

流石に背中が引っかかるなあ。どうしよう。

 

「少し鋏を入れましょうか。」チャ

チョキ「これでどうかしら?」

 

あ、大分良くなりました!

 

「じゃあ繕ってあげるわね。」

「ちょっと待ってなさい。」

 

すみません、ありがとうございます。

 

「やれやれ。」

 

・・・

 

そもそもの所で疑問なんですけど、この子はなんでこのカタチに形成できたんでしょうかね?

 

「……言われてみれば確かに。どういう形状だったのかは一切口にしていなかったな?」

 

「マジだ、恥ずかしい恰好としか受け取れねえ筈だし、どういうモノが『恥ずかしい』のかもわかって無さそうだもんな?」

 

「まさか思考を読み取る力もあるというの?」

 

いやぁ、流石にそれは無いんじゃないかと……。

 

「ありえなくはないわよ?」

 

えっ!?

 

「もしかしたら……スケテとシーディの間に、何らかの通信網が出来上がってるのかも知れないわ。」

 

それって、双子同士の間にあるという『秘匿回線』みたいなものでしょうか……?

 

「あら、よく知ってたわね? ええ、それよ。」

「もしかしたら、それに類似したものが貴女達の間に構築されてるのかもしれないわね?」

 

で、でも、私から何か発信したり、それを伝えようとしたりはしていないですよ!?

 

「無自覚に使ってるんじゃないか? さっきのスケテも、明らかにお前に反応して動いたように見えたぞ?」

 

ですけど私からはホントに何も……。

 

「この回線はね、望む望まないにかかわらずお互いの思考が筒抜けになるのよ。」

「だから双子の多くは私たちのように、二人で一人のように話せるくらいになるのよ。」

 

な、成程……それでそういう感じなんですね……。

 

「まあ本当に秘匿回線だったら、当人以外に事情が分かる訳も無いし。」

「これからのこの子の動き次第ね。」

 

うーむむ。

 

「そういやお前、外でコイツの位置確定する前になんか「信号の様なものが」とか言ってなかったか?」

 

ええ、はい。でもあの感覚はもう……。

 

「もしかしたらそれが秘匿回線の様に働いて、この子と以心伝心みたいな状態になってるのかしらね?」

 

い、以心伝心と言うには一方的過ぎませんかぁ!?

 

「だが、私の鎧殻でも通信電波の類は拾っていないぞ。それこそ秘匿回線でなければ説明が付かん。」

 

うーん……ベルさんが言うなら、やっぱりそうなのかなあ……?

 

「本人が分からないと言うなら、これ以上探っても無意味よ。」

「こればっかりは当人たちの感覚でしか説明しようがない現象だもの。」

 

「ま、本当にそうだったら距離も位置も関係なく通じ合えるってことなんだし? お前の方でも受信できるようになれば、すぐこいつの所に駆け付けられるワケだから良いんじゃねえか?」

 

「ふむ。確かにそうだな。」

 

「ということだから、早いとこ貴女も感じ取れるようになりなさいな。」

 

は、はいぃ……。早いとこ繋ぎ直す方法探らないと……。

 

あっいけない、忘れるところだった。ラファさん。

 

「何?」

 

今度上のエリアで制圧作戦を展開する予定なんですけど、良ければ参加していただけないかな~……と。

 

「……制圧? 今更どこを?」

 

えっと、詳細な場所はあと少しで特定出来るんですけど、とりあえず密林の周回ルートの真ん中あたりと思って貰えれば。

 

「あの辺りは何もなかったはずだけど……。」

 

コルダちゃんとペイルちゃんがその辺りにある建物から、地下の秘匿施設に入ったらしいんです。

 

それで防衛機構が作動して分断、ペイルちゃんは取り残されてしまって、外に出られたコルダちゃんも未確認のニンフモドキに追われて……という感じで……。

 

別口で私個人の用事もそこにあるので、取り残されたペイルちゃんの回収も兼ねて突入しよう思ってるんです。

 

只、その防衛機構が中々厄介らしくて……。

 

「シーディだけじゃ無理そうだから、ベルとナズ、そして私達も同行することにしたのよ。」

「直接の戦闘は彼女たちに任せるから、貴女には私達の警護をお願いしたくてね。」

 

あと、突入する際はハティちゃんも同行することになりました。

 

ペイルちゃんが嗅ぎつけたからには何かあるはずだと……それが何なのか確認する為に。

 

「……ふぅん……。」

 

「内容は分かったわ。要するに私は後方警戒と予備戦力として控えていればいいってわけね。」

 

そういう事になります。お願いできますか?

 

「ええ。近所にそんな危険なものがあったら安心して研究できないもの。」

 

ありがとうございます!

 

ニンフモドキのデータ解析と突入ポイントが判明したら皆さんにお伝えしますので、それまで少々お時間いただければ。

 

「いいわよ。こっちでも準備しとくから。」

 

お願いします。

 

「話もまとまった所で、そんじゃ外に出るかぁ。じゃーなー。」

 

ええ、また今度。

 

さて、私もまた探索に戻らないと……すみませんがスケテちゃんをお願いしていいですか?

 

「うむ、任せておけ。」

 

「起きたらしっかり言い聞かせておいてあげるわ。」

「貴女はショコラにすっぱ抜かれないように気を付けなさい。」

 

あはは……気を付けます……。

 

「私も戻ろうかしら。この子の身体を調べるにも道具は必要だし。」

 

それじゃあ一緒に行きましょうか。

 

「ええ。……レキもそろそろ起きてる頃合いだから、今の内に行っておく?」

 

うっ、そうですね……。

 

「レキ?」

「彼女にも応援を頼むの?」

 

「いえ、こっちの話よ。」

 

はい、こっちは本当に個人的な話なので…‥。

 

「? そうか。」

 

・・・

 

シュゥゥ……

 

「ホント便利ねコレ。」

 

はい。各地の機械根にリンクすれば、それだけ行き先が増えるので活用してみてください。

 

「分かったわ。」

 

……。

 

「なに、今更ビクビクしてるの?」

 

い、いえ、そういう訳では……。

 

「大丈夫よ。あの件(サーバーラック回収)に関しては、レキも思うところがあって参加したのだから。昨日の事聞いてたんなら分かるでしょ?」

 

それは……まあそうなんですけど……。

 

「私もついて行ってあげるから、ほらしゃんとしなさい!」

 

は、はいっ。




・主人公
まさかの服装変更が入った(予定外) 普通の服の下に際どい物着てるのって興奮します
糸は切れたようだが、スケテとは未だ何かで繋がりあってるらしい

・スケテ
セルを直接操作してモノ作りが出来る
今はまだ服程度しか弄れないが、次第にできることが増えるかも?

・ヤシカ&ムシカ
変換炉を介さないセルの直接操作はナガラでも秘儀中の秘儀で、目覚めたばかりのスケテが使えることに大層驚いた

・ナズ
ガーディナ時代にヘロス外交素体を目撃しドン引きした経験がある
更迭されたニンフは降格され今も後方で現場監督止まりらしい

・ベル
妹達の事を思い出しつつスケテを可愛がっている
それはそれとして装甲を布に変換されては堪らないので躾はする予定

・ラファ
(レキはどんな格好が好みかしら)と若干揺らいだが、下手に色気づくと向こうの集落の連中や研究仲間が揶揄ってくるのでやめた
特殊過ぎるケースなのでスケテに色々検査したい
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