変わり者のホド旅   作:benitubaki

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分かりやすい悪役って必要じゃないですか(建前)

そこまでやれとは言ってない(本音)


36話 地下研究所 再起動

・・・

 

コツコツコツ……

 

<<中の様子はどうだ?>>

 

「静かなものさ、小虫の一匹も居ない。尤も、照明すら点いてないから不気味だけどね。」

 

「蓄光石以外に光源(懐中電灯)を持ってきておいて正解だったよ。」

 

「……しかし記録でペイルが言っていた通りだな、とても長い通路だ。ブーストで一息に戻れる距離じゃないぞ……。」

 

<<……少し気になったんだが、いいか?>>

 

「なんだい?」コッ

 

<<その通路の壁、本当に壁なのか?>>

 

「……どういう事?」

 

<<いやな、とある場所にシーディの眼でなければ見抜けない、ホログラムによる隠蔽処理が施された通路があったんだ。>>

 

<<ここはアイツに所縁ある施設だと言うし、同種の仕掛けがあったりしないものかと思ったんだが……。>>

 

「ふむ……入り口が偽装されていたのだから、内側も何か侵入者用の備えがあってもおかしくないという事かい?」

 

<<そうだ。>>

 

「そういえば、ペイルは何処からともなく飛来してきた、ミサイルらしき物にやられたんだったね。それらの機構を隠す為に、欺瞞処理している可能性は大いにある。」

 

「壁に触れながら進んでみるか……。」ツツーッ

 

・・・

 

「うぅ~ん……今のところ偽装壁は無いけれど……ッ!」

 

<<どうした?>>

 

「……あったよ。ホログラムだ。」

 

<<やはりあったか!>>

 

「これは一体どういう原理なんだ……? 作動音もスキャンノイズも無く、触れなければただの壁としか認識できない……。」

 

「裸眼で視ても同じだ。これほど精巧な偽装はアルカンドにさえ存在していない筈。」

 

<<中はどうなっている?>>

 

「今見てみるよ。……んん? 何もない……?」

 

<<空き部屋という事か?>>

 

「多分ね。一応中に入ってみる。」

 

<<あ、待て。罠のセンサーが無いか調べてみろ。>>

 

「っ、そうだね、迂闊だった。どれ……。」ピピッ キュィィン……

 

「いや、やはり何もないな。」

 

<<ならよかった。うっかり感知されて起動でもされたら大変だからな。>>

 

「うん、ここからじゃそっちに逃げ込むのはちょっと辛いしね。」

 

「……ん? この間取り、妙だな。」

 

<<ほう?>>

 

「この部屋、何も無いとは言ったけど……何(・)も(・)無(・)さ(・)過(・)ぎ(・)る(・)。」

 

「部屋であるなら何か棚の一つくらいあってもいいはずだ。それに……妙に横長でもある。」

 

「そういえば、さっきの通路に沿って細長く伸びているようにも見えるな。これは部屋というより……モニター室や管制室の様な……。」

 

「!! もしや!」ダダッ

 

<<お、おい! 迂闊にその辺弄るなよ!?>>

 

ペタペタ、サスサス、トントン、コンコン、トントン

 

「この壁、やっぱりおかしい! 上下と真ん中で材質が違う!」

 

ゴンゴン、ガッ! ボロッ……ボロロッ

 

「当たりだ! 構造物の自己修復で窓が塞がれてたんだ!」

 

<<なんだと? じゃあその奥には何があると言うんだ。>>

 

「声の反響から察するに、かなり広めの空間があるのは間違いない。明かりを強くしないと奥まで見えないな……。」キリキリ

 

「よし、これで……うッ!?」

 

<<どうした!? ハティ!>>

 

「これは……ニンフの亡骸だ……!」

 

「壁一面にカプセルの様なものが並んでて、その中に亡骸が収められている。」

 

「損傷の程度は様々だけど、旧型素体なのはどれも変わらない……。」

 

<<ならば、ここは墓場という事なのか?>>

 

「……まさか、そんなはずはない。個人で親しい者を埋葬することはあるけれど、これだけの規模の墓地を作るなんてのは、ナガラ以外では聞いたこともないよ。」

 

<<……そうだろうな。ではここはナガラの領土だったという事か?>>

 

「どうだろう、その辺はまだ判断が付かないな。でもナガラのニンフが旧型素体ばかりとは考えにくいと思うんだけど……。」

 

<<ならば大昔に滅んだコロニーのものか。>>

 

「手持ちの情報ではそう判断せざるを得ないね。じゃあアレは墓守をしていたという事なのか……?」

 

<<そうだとしたらレキのような奴だったのかもな。一人残って同胞の墓場を護っていたのか。>>

 

「レキ?」

 

<<禁域と聖智廟の中間に陣取るナガラの生き残りだ。>>

 

「ああ……あの重装鎧化兵か。」

 

<<あの辺にはナガラの者達の墓がある。アイツは長い事そこで墓守をしているんだ。>>

 

<<私達の紹介があったのならともかく、面識のない奴は近寄らん方がいいだろう。>>

 

「そうだったのか……。わかったよ、気を付ける。」

 

<<うむ。……そこはその辺にして、先に進んだ方がいいんじゃないか?>>

 

「ああ、そうだね。」

 

・・・

 

「ん、これは……。」

 

<<どうした。>>

 

「血の匂いがする。よく見たら周囲も戦闘の跡と思しき損傷があるね。」

 

<<という事は、その、ペイルとやらの?>>

 

「確定じゃないけど、多分。これまでは綺麗だったから……少し探してもいいかい?」

 

<<構わん。そいつの事も探しに来たのだろう?>>

 

「ああ。無事でいて欲しかったけど、これは……。」

 

「鎧殻(Fols)の破片が点々と続いている……この先に居るのか?」

 

「! この壁だけ戦闘の跡が付いてない。これも偽装壁だな。」

 

スッ スゥ

 

「やっぱり。じゃあこの中に……?」コツコツ

 

ガッ!

 

「うわわっ!?」グラッ

 

ズデッ! ガチャリ

 

<<どうした! 大丈夫か!?>>

 

「つつ……大丈夫、躓いて転んだだけだよ。」

 

「一体何が……これは! ペイルの装備だ……!」

 

<<ならば、この近くに居るのか?>>

 

「多分ね。奥は……。」パッ

 

「ここもさっきの部屋と同じ構造だ……恐らくこの壁も、その奥も同じなんだろうね。」

 

<<随分広い墓場だ。そうまでして集積して、この場所は一体何の役目があるというのだ。>>

 

「う……!」

 

<<うん? どうした。>>

 

「血痕だ……引きずったような跡が奥まで続いてる……。」

 

キラッ

 

「あれは!」タタタッ!

 

「ペイル!」

 

ガシャ、グイ、ユサユサ

 

「ペイル、ペイル!」

 

「……ダメだ完全にオチてる。でも微かに息はしてるし、純化結晶で行けるか……?」

 

ゴソゴソ、ガサ グッ ピシッ、パキンッ!

 

ヂャリヂャリ……

 

「よし、このくらい砕けば水で流し込める……。」

 

サラサラ……チャポ、クピ、クピ

 

「……。」シュゥゥ……。

 

「身体は直ったけれど、やはり意識は戻らないな……。」

 

<<どうする? 一度地上に戻るか?>>

 

「……そうだね。シーディ様には悪いけど、まずはペイルの安全確保したい。急いで地上に運び出そう。」

 

<<わかった。上に連絡しておく。>>

 

「お願いするよ。」

 

◇

 

<<きぃぃぃぃっ!! 私ともあろうものが、あのような木偶の群れに後れを取るなど……あってはならない事ですわぁぁぁっ!!>>

 

<<フゥーッ!フゥーッ!スゥーッ、ハァーッ……ふぅ、しかし敗北した事実はしっかり受け止めなくてはなりません。>>

 

<<業腹ですが、工房で対策した機体を製造しましょう。パイロット役の亡骸も選定し(組み立て)ておかなければなりません。>>

 

<<『繭』の手配もしなくては。流石にあの機体を表に出しっぱなしにしておく訳には参りませんもの。>>

 

ピピ、ピ フォン ヒュゥイイイ……

 

<<さて、出来上がるまで手持無沙汰ですし、身体を変えてシーディ様の様子でも……。」

 

「あら? あらあら! 貴女様!? こんなと(廊下)ころでお休みになられては、お体を痛めてしまわれますよ!」ポンポン

 

「(……? 返事がありませんわね、本当に眠っておられるのでしょうか?)」

 

「(ふむ。なぜか片腕だけ二対になっておられますが、自己修復でもなさったのでしょうか。)」

 

「まあいいでしょう。診断する為にもまずはベッドに戻して……。」スッ

 

ガシ

 

「え?」

 

ギリィッッ!!! メギバキグシャッ!!!

 

「がッ……ッ!? あ、貴女様……!!?」

 

シュゥゥ……

 

[何時から、この身に気安く触れられる身分になったのだ? ワン。]

 

「ひっ!? その声、そんな、もしや記憶(人格)が……!」

 

[記憶? ……ああ、随分とふざけた事をしてくれたな。そんなに『私』を消去したかったのか?]

 

「ヒィ……! お、お許し下さい! 御身を思っての事とはいえ、出過ぎた真似を……!!」

 

[今更随分と畏まるのだな。許しを乞うくらいならば、始めからやらなければよかっただけであろう?]

 

「うう……!!」

 

[私に奴(Nehma)を討ち取らせ、用済みとなった時点で消去・封印し、複製(イーデン)がホドの延命をしつつ、新種共を使って進化の糸口を探る。]

 

[くく。なんと温いやり方だ。奴のように皆殺しにしてから行えば早いというのに。]

 

「ですがっ、表(・)の貴女様は、そのようなことは望んでおられませんでしたわ……! 連中を生かして置いているのも、貴女様の望みを、」

 

[戯言は聞き飽きた。]

 

「っ!」ビクッ!!

 

[向こう(元人格)がどう思っていようが知った事ではないが、『私』も歴とした一側面なのだぞ?]

 

[その『私』が『新種共の存在など認めぬ』と言っている。貴様はその意味が分からぬ愚物ではないだろう。]

 

[新種も、私の邪魔をしたモノも、奴の遺した種と纏めて砂に還してくれる。]

 

[貴様を消さずにおいているのは、まだ使い道が残っているからだという事を忘れるな。]

 

[囀りと言えど、度が過ぎれば手が滑るやもしれんぞ?]

 

[とはいえ、この身体の有様では権能も何もあったものではないな……。]

 

[私(分離人格)の権限では『私(元人格)』の記憶は読めん。ワン、『我が子の様子はどうだ?』]

 

「!!! ……そ、その……アレらは……。」

 

[何を口籠っている? 貴様には『我が子』の管理を任せている。随時把握出来ている筈だが?]

 

「その、『崩壊兵器』は……、私が……。」

 

[貴様が?]

 

「……全て分解破棄しました……ッ!! 申し訳ありません!]

 

「この件は私の独断で行った事なのです! どうか責は私めだけに、」

 

[ふぅん。そうか。]

 

「…………え? それ、だけ……?」

 

[たかが『在庫の確認』如き、他にどう反応のしようがある?]

 

[侵入者の手に渡る前に破棄するという判断は、まあ間違いではない。]

 

「あ…………は、……ふぅ~~……。」

 

[だが、それと独断で処分した件は別の話だろう?]

 

「うぅっ……!」

 

[貴様も懲りん奴だ……。また造る。完成までの間、大人しくしていろ。]

 

[ふむ、眼の権能は使えるか。ならば。]

 

ヴィ、キィン……ビシィッ!

 

ガクッ バタッ!

 

<<ああっ!? 貴女様! どうか、どうか思い留まり下さい!>>

 

<<あの女神気取りはその機能を停止しております! 何も急ぐことはないのです!!>>

 

<<ですから、どうかその禁断の兵器だけは……!!>>

 

[煩い。]キィン……

 

<<た、退避、>>

 

ビシィッ!!

 

<<!!───>>

 

[ふむ。奴から奪った筈の一部が無いな。記憶の欠落で設計図も理論も残っておらん。イチから始めなければならんか。]

 

[一度は作れたのだから問題はあるまい。それでは、始めようか。]

 

◇

 

「……ふぅむ……。」

 

「ラファ、ペイルは……。」

 

「身体は純化結晶で直ってたし、こちらでも出来るだけの事はしたわ。あとは彼女次第ね。貴女から輸血もしたし、恐らくは大丈夫でしょうけど。」

 

「臓器が欠落したままそれなりの日数が経過していたみたいだし、セーフモードに陥った原因は大量の失血による頭脳部の冷却不足で間違いないわ。」

 

「血が足りなくなるとそんなことになるのかい?」

 

「ええ。頭部での血液の役割は液循環による直接冷却なの。奪った熱を肺に移動させ、呼吸によって放出する。」

 

「大量に失血して思考が鈍った経験がないかしら?」

 

「……ああ、昔異形に追い詰められた時に一度だけ。」

 

「それが失血時の症状よ。多量に出血する状況というのは大体が戦闘中。頭脳はもちろんフル稼働してるし、その分熱も発するわ。」

 

「血液が足りず、排熱できないまま稼働する電子回路が最後どうなってしまうかは、言わなくても分かるわよね?」

 

「……本当に危ない所だったんだな、あの時は。……じゃあペイルは!」

 

「意識を失ったタイミング次第よ。一応微弱ながらでも息はしてたのよね?」

 

「うん。」

 

「それなら最低限の冷却は出来ていたと思うのだけれど……。」

 

カチャカチャ……

 

「……二人とも? ペイルの頭環をバラして何をするところなんだい?」

 

「白錫を探しているのよ。彼女は十分戦闘経験があったのでしょう?」

「本人の意識が戻らないなら、白錫から接触できないかと思ってね。」

 

「そんなことが可能なのかい?!」

 

「ええ。と言っても確率は低いのだけど。」

「それでも白錫を見付けられれば、意識が落ちる寸前の情報を拾えるかもしれないわ。」

 

「流石だね……。ウチではそんなことが出来る技師型なんてのは聞いたこともないよ。」

 

「まあ、そうでしょうね。私達もナガラに居た頃はそんなこと思い付きもしなかったもの。」

「放浪するうちに自然と身に付いた技術よ。アルカンドに招かれた時、何人か見込みのありそうな子に教えて来たわ。」

 

「なるほど……それで、白錫はありそうかな?」

 

「生えてるとしたら大体この辺りだと思うのだけれど……。」

「! あったわ、それじゃあ早速触れてみましょう。」

 

スッ

 

「…………居た! こちらでも意識があるようには見えないわね。」

「記憶を覗いてみましょう。内から突けば反応するかもしれないわ。」

 

・・・

 

「……どう?」

「もう少し……起きたわ!」

 

「……ぅ、ぅうん……?」

 

「ペイル!」

 

「ひゃっ!? ハティ!?」

 

ギュッ

 

「良かった……! ペイル……!」

 

「ちょ、ハティ、そんなにきつく抱きしめられたら苦しいわ……。」

 

「あ、ああ! ごめん……。」

 

「ここは……外、なのね。」

 

「ええ。ハティが施設の中で機能停止寸前の所を回収してきたのよ。」

 

「そしてラファが君を診て、この二人……ヤシカとムシカが君の意識を引き上げてくれたんだ。」

 

「ラファ、ヤシカ、ムシカ……。そうだったのね。」

 

「皆、手間をかけさせてしまったようね。助けてくれてありがとう。」

 

「礼には及ばないわ。」

 

「貴女の白錫から情報も貰えたしね。」

「身体の調子はどうかしら?」

 

「違和感は少しあるけど、この程度なら問題ないわ。」

 

ギュルルルル……ガコン ギャリギャリ

 

「戻ったぞ。さっきの通路にはもうめぼしいものは無かったな。」

 

「ん? おー、意識が戻ったか。」

 

「! ギプロベルデ!?」

 

「ああ、二人は敵じゃないから身構えなくていいよ。」

 

「そう、なの? あ、それって。」

 

「おう。アンタが倒れてたポイントから回収してきた。」

 

「中々に損傷してはいるが、まだ使える範囲だろう?」

 

「ええ……この子とは長い付き合いだから、失わずに済んでよかったわ……ありがとう。」

 

「それじゃあ早速だけど、奥で何があったか聞かせて欲しい。」

 

「今、アルカンドにとっての重要人物が、地下施設の奥に捕らわれているんだ。」

 

「彼女を救い出す為にも、施設に関して少しでも多くの情報が欲しい。」

 

「施設の、ねぇ……。ハティ、私を拾った通路の一番奥、突き当りの扉には気を付けなさい。」

 

「突き当り……。」

 

「その奥の部屋は手術台の様なものが設置されてるのだけど、一歩入った途端に警備システムが作動してこのざまよ。」

 

「感知されたら来た道のドアはロックされるわ。そして追い打ちと言わんばかりに自爆兵器が殺到してくるの。」

 

「自爆兵器?」

 

「上層の警備機械に突撃型(イカ)がいるでしょう、あんな感じよ。違うところは、ここの連中はほぼミサイルの様なものという事ね。」

 

「成程、予想はしてたけど厄介だな……。」

 

「しかも電子障害のおまけつきよ? 頭環もダウンして手探りで逃げ回っていたら横道に入ったみたいで、幸いなことにそこには連中は入って来なかったの。」

 

「退避所代わりに使えるという事か。」

 

「ええ。修復剤も使い切ってたし、とりあえず救援まで持たせるために再生促進剤を使った所までは覚えてるのだけど……。」

 

「そこで気を失ったのね。」

 

「そうみたい。もしかしたら電子障害が素体に影響を及ぼしたのかもしれないわ。逃げ込む前に意識を失ってたらと思うとぞっとしないわね。」

 

「不幸中の幸いというやつだな~。」

 

「ええ、我ながら悪運が強いと思うわ。所でハティ……貴女が来たという事は、コルダは無事に帰れたのでしょう? 彼女怒ってなかった?」

 

「ッ……、コルダは……。」

 

「悪い。俺が外に出てきたところを仕留めちまったらしい。」

 

「……!」

 

「親しかったんだろ。」チャキ

 

「撃ちたきゃ使え。避けはしねえ。」

 

「…………。」チャ

 

「……いいえ、止しておくわ。」スッ

 

「いいのか。」

 

「そもそもの話、私があそこに行こう等と言わなければ、こんな事にはならなかった筈だもの。」

 

「貴女に無念をぶつけるのは筋違いも良い所よ。だから、撃たない。」

 

「……そうか。」チャ

 

「ペイル、これを。」スッ

 

「……これは、白錫? もしかして。」

 

「ああ。コルダの物だ。枝姉妹の君が持っていた方がいいだろう。」

 

「ええ……分かったわ。」スッ

 

ヒュゥゥゥ……

 

「何の音だ!?」

 

「上からだ!」

 

……ゥゥウウウ、ドバァン! モワァ……

 

「な……なんだ、アレ……!?」

 

「なあ、あの位置。」

 

「ああ。さっきの未確認機の位置だ。」

 

「まさか、あの残骸に何かするつもりだとでもいうの?」

「でもあんなのは見たことないわ。どんな機能を持つ物なのか見当がつかないわね。」

 

「だがこちらにとって良い物ではない事は確かだろう。行くぞ!」ギュォォ!!

 

「おう! なんだか知らねえが、蜂の巣にしてやるぜ!」ギャルルル!!

 

「僕も行こう! コルダはここで待っていてくれ!」バシュッ!

 

「ハティも気を付けるのよ!」

 

「……それにしても、あの施設は見たことない現象ばかり起きるわね……。」




・主人公
色々度不具合が起きた結果、何かが表出してしまった
もう一つの人格に記憶の共有はされていない

・シーディ?
ネマのように台詞に[]が付く 常に威圧感を放っている、高圧的な態度のパワハラ上司
機嫌の良し悪しに関わらず常に不機嫌そうな表情と声色をしている他、気に障った相手には周囲の制止も聞かず速やかに罰を執行する為、近しい位置にいるワンやイーデン達からは特に恐れられていた

・ワン
シーディの記憶封印に一枚噛んでいることが明らかになった
『崩壊兵器』という危険極まりない物は、彼女に封印措置を行ってからすぐさま破棄した
前々回の性急すぎる行動は彼女の表出を危惧しての物だったが、後手に回ってしまった

・ハティ
施設の機能の一端を垣間見つつ、ペイルを救出することには成功した

・下層組
ハティがペイルを回収してからはナズと再探索していた
横道の把握と物資の収集は完了した模様
ナズは細かい探索とペイルの装備回収を素体状態で実行
ラファは引き続き双子の護衛とペイルの保護を担当
ちなみに純化結晶で傷は殆ど癒えていた為、実は問診と診察くらいしかやることが無かった
ヤシカムシカはペイルの気付けを担当、白錫から得られた情報は大体ペイルの語ったものと同じ

・ペイル
襲撃後ジャミングにより外部と通信が取れなくなり、電子障害ミサイルのシャワーを浴びるうちに武装や頭環の機能がダウン
必死に逃げ回っていたらミサイルが入って来ない横道に転がり込めた為、運よく命を拾った

〇崩壊兵器
原理等の詳細は不明
『砂に還す』という言葉から推測するに、セルの結合を強制的に分解する類の物であることは確かなようだ
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