変わり者のホド旅   作:benitubaki

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過去回想編その2
最下層でネマの追跡を振り切った二人だが……?


39話 地下研究所 追憶②

・・・

 

ゥウウン、ッゴン ガコン

 

「中層まで一気に上がれたのは僥倖だったな……行くぞ姉上。」

 

……うん。

 

タタタタ……

 

・・・

 

人気が無い……あの子達どころか、異形の気配すらしないなんて……。

 

「先程のEMP攻撃は、各層の全域を照射するのに必要十分以上の出力があった。」

 

「シェルター並の防護がなされている施設でなければ防ぎきれなかっただろう。地上の連中は恐らく全滅だ。」

 

「恐怖を感じぬままに逝けた事だけが救いか……。」

 

酷い……。自分で産み出した子供たち諸共殺し尽くすなんて……。

 

「それが奴だ。元からこちらと会話が成立する存在ではない。」

 

「ホドの機能だか何だか知らぬが……所詮システムの一部に過ぎん奴に、他人への情などある筈もないのだ。」

 

……そんなことはないよ。対象が違うだけで、彼女にも情は……。

 

「それは証拠があるのか? それともそう信じたいだけなのか?」

 

証拠は……出せな、痛(つ)ッ!? いや、知らない、けど……。ズキズキ

 

「大丈夫か? 何故言い直した?……まあいい。仮定に基づいた希望的観測など捨てることだ。」

 

「……疑問だぞ姉上。あれほどの仕打ちを受けて、なぜ奴の肩を持とうとする?」

 

「既に四人を手に掛けているのだぞ。有象無象ではない、我々の身近な者をだ……!」

 

「それに姉上も、奴に掴まればパーソナルデータを消される! 奴は最も確実な方法で殺す気なのだぞ!?」

 

それはっ、あの子機の考えでしょう!? 親機はまた違う考えかもしれないじゃない!

 

「だから、その甘い考えを改めなければならないのだ! 更新を始めた以上、奴はもう我々にとって敵なのだ!!」

 

ッ……!

 

「姉上、酷な事を言うようだが、今は現実をそのまま受け止めるほかに無い。」

 

「奴は我々を根絶やしにし、自らが手を加えた新たな種でホドの蟲毒を続ける腹積もりなのだ。」

 

「ならば我々がすべきは、残った者達を結集し奴への抵抗を続ける事。」

 

「我々の存在を無かった事になど……絶対させるものか。」

 

……。

 

・・・

 

 

<<───>><<────!>><<──!>>

 

 

(微かにだけど、向こうからあの子達の声が聞こえる……あの子達は大丈夫なの……?)ズキ……

 

「どうした姉上。……ラナ達が気にかかるか?」

 

っ、うん……。

 

「連中に心配は不要だろう。あの三人が揃っているのならば、全滅はそうそうあり得ん。」

 

そう、だよね……。

 

「あの広場が合流地点だが……妙に荒れてるな。それにシャーレと随伴機が見えん、ヴィシク達は何処に行った?」

 

まさか。

 

「<<おいヴィシク! どこに隠れた!?>>」

 

<<あっ! イーデン様~! 助けて下さ~い! BPが切れて何もできないんです~!>>

 

<<異形が群がってきてて降りれないんですよ~! 随伴の自動機械も全滅しちゃったし……発着地点変えません?>>

 

今行く! そのまま引き付けてて! タタタタ……

 

「あっ! 姉上っ!?」

 

<<シーディ様!? ご無事でしたか……て、今なんと?!>>

 

「ごぁう!」「きいいっ!」「……!!」ワラワラ

 

[ハァッ!!]キィン!!

 

「が。」「いぃ……。」「ぁっ……!?」バタバタ

 

ふぅ……ふぅ……、大丈夫だった? ヴィシク。

 

フヨフヨ スゥン……

 

「シーディ様~! 助かりました~!」

 

「まったく、いきなり駆け出した時は肝が冷えたぞ姉上。」

 

ごめん、やらなくちゃって思ったら身体が勝手に……。

 

「それで助けられたんで結果オーライですよ~。あれ?」

 

「どうした?」

 

「いえ、さっきまではいくら潰しても次から次へと沸いて来てたんですけど、急に来なくなったなと思って。」

 

「そうなのか? ならば丁度いい。増援が来る前にさっさとこれ(シャーレ)で脱出するぞ姉上。」

 

「二番殻開けますよ~。」ガゴン キュゥゥ

 

……いや、なにかおかしい……。

 

「姉上? ……まさか!」

 

「ヴィシク! 緊急浮上用意! 姉上も早く乗り込め!」

 

「ええ!? ちょ、いきなり言われても、これ(シャーレ)は急には動けないですよ~!」

 

ヒュゥゥゥ……ドガァン!! ガゴン、バギン! ゴゴゴ……!!

 

うあっ!? 地盤が、下がって……!?

 

「これは、上層の地殻が落ちてきたのか!? 早くしろ姉上!」

 

キラッ

 

!! ダメッ! [離れてッ!!]キィン!!

 

「うっ!? [命令、受諾。回避機動に移ります。]」ヒュィィ

 

「ヴィシク!? 姉上!?」

 

「っは!? 私は今何を……え、ちょ、なんでシャーレが離れてるんですか!?」

 

ヒュガッ!! ッバァン!! バラバラ……

 

「おわーっ!? 離れてなかったら直撃だった……!」

 

やっぱり来てたか! ネマ!!

 

[<<ダメじゃない。そんなもので逃げようとしちゃ。>>]フォン

 

[<<シーディはともかく、お前(イーデン)は逃がさないって言った筈だけど。>>]ハシ、ギリッ、ググッ

 

ッビュンッッ!!

 

ギャギギィッ、ビィンッ!!

 

ヒュルルル……ドガァアン!!

 

「あぁっぶなぁっ!? 曲面装甲で助かった……。」

 

「チィ、異形共は足止めだけでなく網も兼ねていたか!! さっきの崩落も奴の仕業か!?」

 

[鈍重な輸送機で逃げられると思ったの? 叩き落としてあげる。]ヒュッ

 

させない!! シュゥゥ、ビュンッ!

 

バヂンッ! ボガァン!!

 

[上手だね……じゃあこれはどう?]ヒュンヒュンヒュン!

 

くっ! イーデンとヴィシクは先に行ってて! シュゥゥ、ビュンビュンビュン!!

 

バヂンガキンバギィッ!! ボボボガァン!!

 

「ぐぉ……! 話を聞いていなかったのか!? 姉上が戻らなければ意味が!」

 

もう乗り込む暇はない!! ここでネマを足止めしなきゃ二人が死ぬ!

 

……大丈夫、時間稼いだら私も行くから! シュゥゥ、パシッ

 

[先にあなたを仕留めた方が早いかな。]シュン、ハシ スタスタ

 

「姉上!! 無茶だ!!」

 

[行けぇ!!]

 

「っあ。[命令、受諾。]」フォォン……

 

「ヴィシクっ!? 姉上!! 待て、待ってくれ!」

 

[また余計なことを……。本当、面倒。]ヒュンッ

 

させるかっ!! ビュンッ!!

 

バヂンッ!! バガァン!!

 

「[高脅威領域からの離脱を最優先……。]」

 

そう、良い子、ヴィシク。イーデンをお願い……! タタタタ……

 

「姉上ッ!? ええい止まれ、止まらんかッ! 姉上! 姉上ェーッ!! うっ!?」

 

ヒュゥゥ……ゴガァン! ドゴォン!! モワァ……

 

ボタボタボタッ!! ノソ……

 

ぅ、上に居た異形たちも落ちてきて……。

 

[あれ……外れた。まあいいや、あなたを処理した後でも十分間に合うし。]キィン

 

っ!! ……封印じゃない?

 

ゾロゾロ 

 

! しまった、囲まれた!?

 

[封印だと力尽くで逃げられちゃうから、物理的に抑え込むね。その上できっちり要らない部分を消してあげる。]

 

バババッ!! ガシッ!

 

くぅ!! 放せ! [放してッ!!]キィン!

 

バタバタバタッ!

 

ハーッ、ハーッ! ……触れてない個体にも効いた?

 

[権能が強力になってる……?]

 

[……貴女の特性はそっ(権能)ちにも適用されるんだ。]

 

[自動機械の残骸を改修するくらいしかできなかったあなたが、大した存在になったものだね。]

 

[あっ(親機)ちが言っていたことも、あながち杞憂という訳でも無さそう。]

 

[……あなたは危険。消えて貰う。]シュン、ブンッ!!

 

ッ!! サッ

 

「ギッ!?」ガギュン!

 

ボガァン!!

 

ぐぅあああっ!! ゴロゴロゴロ……

 

つぅ……! 群がった異形ごと吹っ飛ばすなんて……!

 

チリッ

 

はっ!?

 

 

 

<<ええい、数は減っているがキリがないな! ヴァ―シィ、どこまでどれくらい走ればいいんだ!?>>

 

<<最寄りの支柱までこのまま直進、あと10キロ!>>

 

<<中々しんどい数字だ! おい、向こうは崩落で塞がってるぞ!?>>

 

<<ええとじゃあ、アッチに!>>

 

<<この調子で本当に着きますの?! このままではジリ貧ですわよ! ていうか何故あんなところ(中央大洞穴)を集合場所にしたんですの!>>

 

<<仕方ないでしょう!? あの大脊柱がボロボロになり過ぎて、上層に繋がる通路まで使えなくなってるなんて思ってなかったんだから!>>

 

<<二人とも喧嘩は後にしろ! 異形の追加だ!>>

 

<<ええいもう! ハッキングに集中します! 誰か私を担ぎなさい!>>

 

 

 

(あの子達だ! 近くにいるの?)

 

[ふぅん……しぶといね。流石あなたたちのお気に入り、といったところかな。]ザッ

 

!! あ、あっ……!!

 

[でもそれも時間の問題。あなたを喪えばあの連携も崩れる。]

 

ソッ ナデ……

 

[……さよなら。腹違いの妹。次は仲良くできるといいね?]

 

ヂッ! チキチキチキ、キュゥゥン……

 

ああ、あああっ!?

 

(防壁が、消える、私が、消される……!?)

 

(いや、いやだ、死にたくない! やだぁっ!!)

 

(いやだいやだいやだいやだきえたくないきえたくなきえたくな……!!)

 

チリ……

 

[? 工程が止まっ]

 

シュゥン

 

ジャギンッ

 

[槍を造った……? こんなもので。]ガシ

 

ザザァ

 

[え? 手が、崩れ、]

 

ザァァ……

 

[っ!? セルが、結合を維持できない……?]ボロボロ……

 

[崩壊が止まらない……! シーディ、あなた……!]ザザ……

 

[……。]ギロ

 

[! 違う、お前は]ザァ……

 

バサァ……

 

[……。]ス……

 

……わぶっ! 何、顔に……? ぺっぺっ!

 

あれ? ネマが居ない……?

 

ザザ、サバ

 

なにこれ、セルの砂……?!

 

! まさか、これがネマ……!? 一体何が起きて、

 

 

 

<<ヴァーシィッッ!!>>

 

 

 

!! あの子達の所へ急がないと!!

 

バサァ タタタタ……

 

◇

 

「二人とも!右前方に7体!」

 

「了解!」「手前側から足止めしますわ!!」

 

「近衛隊! 左前方の5体を! 低いビルの上にも3体!」

 

「「応!」」「「我等は上を!」」

 

ガキン、ザシュッ、ズバァッ! ザギギギッ!! ズバァン!

 

「よし、付近に反応なし……。」ヂッ

 

<<……いやだ、死にたくない! やだぁっ!!……>>

 

「!? 今の声、シーディ様!?」

 

「ヴァーシィにも聞こえましたの!?」

 

「という事は、今のは空耳ではないな……!」

 

ヒュゥゥ、ガズンッッ!!

 

「ごはぁッ!?」ドシャアッ!!

 

「「ヴァーシィッッ!!」」

 

「何だ!? 槍!?」「まだ残っていたか!」

「真上から来たぞ!?」「あ、アレを見ろッ!?」

 

スゥ……トサ スタスタ

 

[ようやく捕まえた。]ズグ、ググッ

 

「かは……。ね、ま……っ!」ブラン

 

「貴様ぁ! ヴァ―シィ殿を下ろせ!」

「従わねば、如何に女神とて切り捨てるぞ!」

 

ザザザッ!

 

[ふぅん……ならやって見せて?]

 

「何……!?」「てめぇ……!」

 

[それともあなた達は吠えるしか能が無いの?]

 

「言ったなァ!」「後悔すんなよネマ!」

「ぶっ殺してやる!!」「構えぃッ!!」

 

「待てお前達! 挑発に乗るなッ!」「ぎゃうッ!」「ち、増援か! 邪魔だ!!」ガギッ!

 

ギュンッ!!

 

「「「「覚悟ッ!!」」」」

 

ガギュンッ!!

 

「ぐぉ……!!」「バカな……!?」

「虚空から槍だと……!」「無念……がふっ」

 

ドサドサッ!

 

[この程度? もう少し戦闘データを取りたかったんだけど……残念。]

 

「お前達ッ!? ええいどけぇッ!!」ズバァッ!「ぎゃんっ!?」

 

「アンジェ、無茶ですわ!」

 

ゾロゾロ……

 

「くぅ! また集まってきた……!!」

 

「が、二人だけで、逃げ……。」

 

[この子はこう言ってるけど、どうするの?]シュゥゥ……ハシ

 

「黙れネマッ! ヴァ―シィ! お前を見捨てる選択肢はない!!」ダッ!!

 

「ああもう、援護しますわ! 雑魚散らしは私が!」キィィン!

 

[そうそう、それで良いんだよ。じゃあ少しだけ遊んであげる。]チャキ

 

「ぉおおおおッ!!」

 

キラッ

 

「ッ!」ビタッ!!

 

[?]

 

ギュゴッ!! ガスンッ!!

 

[っが!?]

 

「隙ありッ!!」ザギンッ!!

 

[ア……!]ガシャァッ!

 

ズルッ、ドシャ

 

「ヴァ―シィっ!」ガシッ

 

「ぁ……アン、ジェ……。」

 

「喋るな、今修復剤を……!」

 

「アンジェ! まだ終わってませんわよ!」

 

「ハッ!?」

 

[ふふ……驚いた。できるじゃない、あなたも、シーディも……!]ギギ……!

 

「なに!? なら、さっきの援護は!」ザッ!

 

ヴァ―シィ! ラナ! アンジェ! タタタタッ!

 

「貴女様っ!」

「シーディ様!」

 

[どうやって切り抜けたのかは知らないけど、纏めて処分してあげる。]ギ、ギギ シュゥゥ……

 

させるかぁっ!!タッ フォン ビュンッ!!

 

ガギュンッ!! バチバチッ

 

[……そこまで、適応しておきながら……。ふ、ふふ───]ッキィン! カッ!!

 

うわっ!?

 

キュゥン……ドシャアッ

 

「うぅ!? 何の光……!?」

 

バキンッ!! ダダダダッ!!

 

「きゃあっ!?」ガバッ ドサドサッ

 

! ラナっ!?

 

「ああ、貴女様っ! 助け……ぎぃっ!?」バギ! グシャッ

 

「何!? 狂暴化したのか!?」

 

このぉ、ラナから離れろっ!! ギィン! ギィン!

 

「でぃやぁっ!」ズバァッ!

 

ドサドサッ バタッ

 

「ァ……貴女様……。」ボロッ

 

ラナっ!? 下半身が……! ギュ

 

「シーディ様。ここは一度、落ち着いて二人を治せる場所を探すべきかと……。」

 

っそう、だね。それじゃあ、あの辺を……。

 

ドズゥン……!! ゴゴゴ……!!

 

「! また崩落か!? うぉおおッ! 地面が、傾く……!」ズリズリ……

 

マズい! さっきのと合わせて、ここの地殻が限界になってる!!

 

ヒュゥゥゥ……ガゴォン!ゴロンゴロン!

 

ビュン!「ぉおおッ!?」

 

きゃあっ!? ズザァッ!

 

ゴゴン、バギン!! ガゴォッッ!!

 

わあああッ!? ヒュゥゥ……

 

「シーディ様!? うあっ!!」ガクン!!

 

バガン!! ギギギ……!!

 

「シーディ様っ!」バシュッ! ガヅン! ガン!

 

「クソ、瓦礫が……!! シーディ様ッ!!」

 

「っ、アンジェ、後ろ……!」

 

「なっ!?」

 

ガァン!!

 

「ぐあああッ!?」

 

ヒュルル……

 

◇

 

ビュゥゥ……!!

 

ああああああっっ!!

 

「……ぅ、あなた、さま……!」

 

(墜ちる……っ! このままじゃ激突……。)

 

(こんなところで、死ねるか! 死なせられるかっ!!)

 

(セル構築演算ブースト、変換制限解除! 重要器官を除いた内臓と第二腕部・両脚を分解、変換炉で増幅しつつ機動外肢スラスター部と副腕基部、加速肢を構築ッ!!)

 

サァァ……パキパキパキ!!

 

「そんな、お身体が……!」

 

(主翼さえあれば装甲は要らない! 最悪滑空できればいい!)

 

サァァ……パキ、パキ

 

(風の影響でセルの損失が大きい……! やはり落下中に再構築は無理があったか……!?)

 

ガシッ

 

「キィ……!」

 

!? 異形……!!

 

しまった、身動きが……!

 

「……はっ、きん、ぐ……!!」バチィッ!!

 

ラナ!? だめ、今それを使ったら貴女が!

 

「が、ああ……!!」ピーッ、ピーッ キィィン、バチン!!

 

「キァッ!?」バッ!

 

ラナッ!!

 

キュィィ、バォォオオ!!

 

!! 動いた!

 

もうちょっとだけ頑張って! 今安全な所に!

 

「……。」

 

・・・

 

キュゥゥ、ボン! バスン! 《big》ズギャギャギャガタンッ!!《/big》 バギン!!

 

ぐぅっ! ここなら……ラナ、今すぐ冷却と修復を!

 

「ぁ…………。」ヒュー……ヒュー……

 

まだ器官は残ってるから、諦めないで!

 

う、動力炉まで損傷してる……!

 

でも私と繋いで融通すれば、まだ……! チャキ

 

「ぁ、なた、さま。」

 

ラナ、頑張って! いま私に! ザクッ! グチャ

 

「おつかえ、できて、しあわせでした……。」

 

! そんな別れの言葉は聞きたくない! 目を閉じちゃ駄目!

 

「あなた、さま───」

 

やだ、いやぁ……! 貴女まで居なくなったら……!

 

 

 

───どうか、貴女様だけでも、生き延びて───

 

 

 

ああ……!! 逝かないで、傍に居てよぉ……!! ギュッ

 

う、ぐす、うぅぅ……っ!! ぐぅ、うぅ~……っ!

 

・・・

 

 

 

・・・

 

ナデ……ナデ……

 

……。

 

イーデン達……無事に着いたかな……。

 

ナデ……ナデ……

 

…………。ピク

 

<<───>><<───。>>

 

……。

 

(あのこたち(アンジェとヴァ―シィ)の……こえ……。)

 

<<─、──。>>

 

<<───>>

 

<<……>>

 

(アンジェ、ヴァ―シィ……。)

 

…………。

 

(だれも……守れなかった……。)ズキ

 

……。

 

……みんなを探して、お墓を作ってあげなくちゃ……。ボソ

 

グッ ヨロ……

 

……どこに、作ろうか。ねえ、ラナは、どこがいい……?

 

くらくて、しずかなとこ……?

 

……そうだね。そうしようか……。

 

フラ……カシャ、カシャ……

 

うん…………みんなも、いっしょのほうが、いいよね……。

 

う、グスッ……だいじょうぶ、だいじょうぶだよ、らな。

 

ないてたら、みんなをしんぱいさせちゃう。だから、えがおでいないと。

 

ふふ、ふ、はははっ。ポロ

 

あははっ、ははは、ははっ……!! ポロポロ

 

あははははっ、ははは……は…………ぁ。ガクンッ

 

あ、ぐ、ぅお゙ぇ……あ゙ぁ……ぅ゙ぅ゙ゔゔぁぁ……っ!! ボロボロ

 

ぅぁ゙あ゙あアーーーーッ!! あ゙あ゙あ゙アアああァア゙ア゙ーっ…………!! ガリ、ギリリィ

 

うぇぇああぁぁああっ!! ひぐっ、ぐすっ、ああああああぁぁぁぁん!!




・主人公
守ろうとした者の殆どが掌から零れ落ちていき、これまで経験した事のない深い悲しみと絶望、後悔と怒りで子供の様に泣き喚くことしかできなかった
セル構築の演算力に優れ、リアルタイムで武装や鎧殻の分解・再構築が可能
危機的状況になればなるほど、本人の意志に関わらずあらゆるものを強化していく特性を持つ
その対象は自分自身や鎧殻だけでなく、権限権能までもが含まれる為、ネマ(子機)が危険視し排除しようとした

・イーデン、ヴィシク
上層の離発着場到着まで命令が効いており、ただ見送る事しかできなかった
シーディとの糸は繋がっている為、彼女が生存している事だけは分かっている

・ネマ(子機)
この戦いで機体の約半数を喪失した
現場での独自判断の裁量が与えられているが、稼働中は親機とは意識を共有していない
その為、子機たちが下した処分の判断やシーディに起こった異変を親機はまだ知らない
少なくとも、親機にはシーディを処分をするつもりはないようだ

・アンジェ
前世代型で最高クラスの戦闘力を誇る近衛隊長
生まれ付き動力炉や供給経路が強靭で、近接武装の常時ドライブが可能なのは彼女だけだった
長身の熱塵剣二刀流を得意とし、攻防一体の近接戦闘で新型にも対応できた
しかし不時着後は鎧殻の損傷や動力炉の不調で実力を発揮できず、新型の餌食となっている

・ラナ
通常型ではあるが生まれ付き演算能力が高く、ハッキング技術に長けており遠隔操作等でシーディの作業補助を担っていた
イーデンとは同分野で競い合う存在で鎧殻や素体の造詣が深く、二人が開発した新型装備の調整も行っていた
動力炉の損傷によりエネルギー不足に陥る中、シーディに取り付いた新型を引き剥がす為にハッキングしたことで急速に衰弱し、シーディの腕の中で息絶えている

・ヴァ―シィ
側近たちのまとめ役を担い、有事の際には近衛隊への指揮権も持つ侍従長
通常型の括りに入れられているが実際には「指揮型」とも呼べる新タイプであり、レーダーと高次分析能力による戦闘型の統率が可能であった
しかし活躍が限定的で自分含め有用性に気付いたものはおらず、次代に彼女の特性が引き継がれることは無かった
不時着後は瓦礫の中に隠され、囮となって新種を引き付け喰われていくアンジェを見ている事しかできず、無力さを呪いながら息絶えた

・近衛隊
ヒトツ~イツまでで構成される一番隊、ムツ~トオで構成される二番隊が存在し、それぞれシーディとイーデンの警護を担当していた
穏やかな者が多い前世代型に於いて特に闘争心が強い個体が選抜されている他、射撃兵器を極力排除しバルムングを主武装に据えた近接特化構成が特徴で、屋内戦闘を得意とする
フタツ~イツは中層で子機ネマに撃破、ヒトツはヴァ―シィ達の最下層脱出時に、ムツとナナツもイーデン達を逃す為に殿を引き受けそれぞれ戦死している
なおこれらの呼称はコードネームのようなもので、本名は別にある
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