変わり者のホド旅   作:benitubaki

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評価・感想ありがとうございました(遅)

今回は短め
禁域ボス部屋に上からエントリーできないのはちょっと悲しい


5話 禁域

「エレベーターはこっちだ。ついてこい。」

 

はーい。……横道ってやっぱり入っちゃダメですよね?

 

「止めておけ。スクラップにされるぞ。」

 

ひぇ~怖……それにしても風化が進んでますねココ。崩落は心配しなくて良さそうですけど。

 

「禁域に咲く『花』の影響だろうな。」

 

花……この花とは違うんですか?

 

「それとは別種だ。もっと大きく成長して、胞子状の異形を散布する奴が禁域には生えてるんだ。」

 

うわっなんですかそれ。もしかしてその胞子が構造物を劣化させてるってことですか?

 

「恐らくだがその通りだろう。禁域が難所である理由の一つでな、地表付近はこれの濃度が高すぎてニンフなど五分と保たないぞ。」

 

ファブラー跡地もなかなか悲惨なことになってますね……理由の一つ?

 

「ああ。禁域の危険度を跳ね上げる要素はあと二つ、一つはもうすぐわかるぞ。」

 

もったいぶらないで下さいよ~。何ですか~? ギュゴンッッ!! ぎゃあっ!?

 

「これが二つ目の理由だ。物陰に隠れろ、二射目が来るぞ。」

 

ちょっ、これどこから飛んで バヂィッ!! あ゛ぁッづぅい!! ギュンッ!! ひぃ~っ!!

 

「そこからでもいい、奥にいるデカブツが見えるか?」

 

はぁ、はぁ、はい? ……でっか! アレが撃ってきてるんですか?!

 

「そうだ。しばらく前に駆除したんだがタイミングが悪かったな……再配備が完了してしまったらしい。」

 

もしかしてですけど、アレに狙われながら飛べってことですか!? さっきの狙撃を見る限り精度はなかなかですよね!?

 

「もしかしたら巡航モードだけだと撃ち落とされるかもな。だが奴の砲撃は単調だし、予兆も派手に帯電するおかげで読みやすい。何とかなるさ。」

 

まあ榴弾でスナイプされるよりは回避しやすいですけど……。

 

「ここを壁伝いに進めば壁に守られている機械根がある。雑魚共の真ん中を突っ切るぞ。」

 

了解です……!

 

・・・

 

うえぇえぇ……、奴らに撃たれた傷がむずむずします~。

 

「それが浸食だ。多少入った程度ならじき免疫で落ち着く。それまでは我慢だな。」

 

はぁい……で、どうするんですか? ここから。

 

「まずはあの狙撃砲を黙らせる。アイツがいると探索もままならんしな。」

 

やっぱりそうなりますか。どう飛べばいいんです?

 

なんだ案外やる気じゃないか。そうだな、策を練る前に巡航モードがどの程度のものか知りたい。」

 

やけっぱちって言うんです、これは。そうですねぇ……今の感じだと燃費含めて飛行自体は問題ないんですけど、推力的には高度を上げるのは厳しいといったところです。

 

せいぜい高度を下げないように飛ぶのが限度ですね。速度は離陸直後が70、速度が乗ってくれば90は行けるかもしれません。

 

ただ飛ぶだけなら二週くらいは軽く行けそうですが、狙撃を回避する為の推進機動も織り交ぜてとなると、エネルギーが持つのは大体奴の所までの片道分って感じになるかと。

 

それに低高度を飛んでどのくらいフィルターが詰まるか……。こっちはまあ短時間の飛行であればあまり心配は要らないですけど。

 

「上手くいけば一往復でアレは片付く。通常回復と緊急回復にかかる時間はどのくらいだ?」

 

通常はだいぶ……十秒は余裕で超す感じになると思います。ウソ、ウチの鎧殻EP圧迫しすぎ……!?あ、緊急は普通とあまり変わらないです。遅延含めて四秒もあれば十分かと。

 

「ふむ……シーディ、あっちから丘側手前の柱の上を覗いてみろ。身体は出すなよ。」

 

はい、どれどれ……あ、なんか四脚が居ますね。うわーホイッスルまみれ……。 ん?こっちに反応しないな?

 

「下はあれが至る所に隠れている。特に茂みにいることが多いな。」

 

武装はミサイルですか?

 

「ああ。禁域が難所の理由、その三つ目がアレと笛の連携だ。四脚は茂みに籠っているせいか此方への反応は鈍いが、笛の号令には一斉に呼応する。」

 

「そして笛はとにかく目が良い。向こうにいる間は四方八方から飛来するミサイルに追われ続けることになるだろうな。そしておまけに弾頭は子爆弾が大量ときた。」

 

それだいぶきつくないですか? 狙撃を避けつつミサイルも撒かなきゃならないとなると片道もつかどうか……。

 

「いや、アレのミサイルは中速よりも遅い。巡行モードの速度なら追い付かれる心配はないな。どちらかというと緊急回復の隙を狙われる方が危険だろう。」

 

なるほど。上手く引き付ければ同士討ちも狙えるかな……。ところでベルさん、一つ良いですか?

 

「なんだ?」

 

飛ぶのはいいですけど狙撃砲はどうやって落とすんですか? まさか私一人で……。

 

「そうだな。お前に弾着観測して貰って潰そうかと考えていたが、むしろお前一人でやって貰った方が簡単に済みそうだ。」

 

ソウナリマスヨネー。 あ、ちなみにアレの耐久力と射界ってどのくらいなんです?

 

「アイツはさっき倒してきた二脚どもより脆いから、そうだな、急所にライフル数発叩き込めば落ちるんじゃないか? 射界は機体前側なら大体範囲内だと思うぞ。どうした?」

 

いや、少し試したいことを思いつきまして。この上って階層間エレベータですよね?

 

「ああ、密林に繋がっている。……なるほど、そういう事か。」

 

ふふふ、自力で高度を稼げないなら、離陸地点を高くしてしまおうかと。

 

「確かにそれなら奴の仰角を超えられるだろう。密林方面は射程範囲外だし離陸も安全なはずだ。ならば準備が整い次第合図をよこせ、どのくらい効果があるかは分からんが囮になってやる。」

 

よろしくお願いします! じゃあ行ってきまーす。

 

ギュゴッ!! うわぁっ!! ここも撃たれるのか!

 

「直撃はせんだろうが、急いだ方が良いぞ。」

 

はーい!

 

・・・

 

さてさて、ここに来るのも久しぶり……ってほど体感は時間経ってないんだよなあ。

 

ここで飛行型(羽蟲)を撒いたんだよね、いやーあの時は生きた心地がしなかった……そういえばあいつらはどこに行ったんだろう? まあいいか。

 

着いた。もう一つエレベーターを上がって……!! あっぶない! ここ狙撃型居るところじゃん! また撃たれるところだった……。

 

そーっと覗いて……あ、いるいる。ん? 地下で見かけたチビがここにも……あーっ!!あれ私が落としたやつ(Sys100-L G07 Celpek)!!

 

うおおおおおそれを返せええええええ!! イヤーッ!!! ……とったどぉー!!

 

ガンッ 痛ったぁ! やったなぁ! ちぇすとー!! はっはっはっ! やったぜ!

 

よーし、これがあればあのアンブッシュタンクにも勝ち目が出てくる! あとはどうやってこの火力を活かすかだ。

 

接続部は……良かった、この子の方は無事だ。それじゃ取り付けて、っと。

 

ふふふ、これは幸先良いぞぉ! この調子であの狙撃砲もサクッとやっちゃおう!

 

んでここからは……流石に滑走距離も跳躍力も足りないな。もいっこ上からにしよ。

 

・・・

 

うーん、見晴らし◎。これならエネ節約しながら飛べば余裕で持ちそう。

 

しかしここにも二脚どもがはびこっているのか……。地味に硬いからどっち使っても撃ち合いになっちゃうんだよなあ。

 

鎧殻も実弾防御はペラッペラであんまり無茶は出来ないし……。そうだ、ベルさんには悪いけど、来たついでにちょっとだけ見て行こう。何か良いものがあるかも……。

 

うわ、上の崩落進んでるなあ……あ、珍しい。こんなところに未使用のデコイが。もーらいっと……わっ、手榴弾だ。これどう見ても罠だよな? ワイヤー引っ掛けてあるし。

 

丁度いいからこれも解除して貰っちゃお、うん大量大量。ていうか待てよ、こんなところに沢山あるという事はもしかして……。

 

うわ、瓦礫の下・ビルの窓・電柱至る所に爆弾と発煙弾が仕掛けられてる……これ自動機械の仕業じゃないよなあ。

 

ん? 上のゲート閉まってね? コールコール。ベルさーん、ちょっと聞きたいことが。

 

<<どうした、何か問題が起きたのか?>>

 

あのー、いま密林側のエレベータ昇ったところに居るんですけど……上のゲートって閉まってるのがデフォです?

 

<<なに? あそこは普段開放してるはずだが……ナズの仕業か。>>

 

あー、なんかそんな気がしたんですよねー。滅茶苦茶罠が仕掛けられてます。

 

<<これは本当に逃がす気が無さそうだな。一応建造物の中を通る手もあるが、この分だとどんなトラップが仕掛けてあるかわからん。>>

 

<<ますます決着を着けなければならなくなったぞ。おそらくまだ聖智廟で待ち構えているはずだ。>>

 

まるで獲物がいるのを察知してたみたいな用意のよさですね……。

 

<<私が大空洞に入るのを見て何かを察したんだろう。ヤマは当たったようだな。>>

 

まったく、付き合わされる方の身にもなって欲しいです……ですがやられっぱなしとはいきませんよ、こちらに秘策ありです!

 

<<あ、ああ。目途が付いたのならよかった。それで、どうだ? いけるか?>>

 

はい! これなら余裕で狙撃砲まで飛べそうです! 離陸します!

 

<<分かった。それでは陽動を開始する。幸運を。ギュゴッ!! ドドォッ!!>>

 

了解です! ベルさんも気を付けて! イクゾー!!

 

・・・

 

ひゃっほーい! 久々の空だ! この風の肌触りが堪らんね!

 

お、撃ってる撃ってる。レキさんとこの方で囮になってるのか。じゃあ気持ち反対側に寄って進もう。

 

ついでに地上をスキャン……おお居る居る、話の通り茂みに隠れてるのが多いな。マップにピン打っとこ。

 

まだ時間あるからもうちょっとだけ……おお? 奥の方に鎧殻っぽいのが……。

 

あ、そろそろ真上だ。それじゃあ試してみますか!

 

ブーストオフ、自由落下開始……バレル展開、敵機ロック!

 

おおりゃああ! 全弾持ってけぇ!! バシュシュシュシュシュシュシュ!!

 

ズババババッ ドドォッ バガァン!

 

着地! 奴は!?……やった、綺麗に決まった!

 

うぐぐ、ちょっと無茶だったかな? 脚が痺r ファーン… やべっ、流石に見つかったか。

 

<<よくやった! 笛に反応してミサイルが撃ちあがり始めたから一旦戻れ!>>

 

了解!

 

うへへ、CELLも大量に手に入ったし、ツケは一発で返済できそう! じゃ、あーばよっと!

 

・・・

 

やりましたよベルさん! バッチリ決まりました!

 

「おかえり、シーディ。しかし驚いたぞ。てっきり急所を撃ち抜くのかと思ってたら、あんな派手なことをするとはな。」

 

上階の通路でこの子を見つけた時ピンと来たんですよ! いやー残っててよかった~。これで怒られずに済む……。

 

「通路……もしかして例のチビが持ってたやつか? それお前のだったのか。」

 

はい! 下でも話しましたけど、ファブラーが陥落した時私ここに居たんです。飛行型(羽蟲)の群れに追われてた時に接続を撃たれて落としちゃって。

 

「ほう。じゃあチビに感謝しないとな。150年近くも確保して貰ってたんだから。」

 

はは、それ言われると複雑ですけどね……。あ、そうだった。お金貯まりましたよ! お支払いしますね!

 

「そういえばそうだったな。……うむ、確認した。頑張ったな。」

 

えへへ……。

 

「そうだ、お前の鎧殻も返してやろう。」

 

えっ、買い戻しじゃなくていいんですか?

 

「なんだかんだお前には頑張ってもらったからな。ちと不足だろうが礼の気持ちだ。」

 

あ、ありがとうございます~! 言い訳せずに済んだ……!

 

「やっぱり大事なものだったんじゃないか。鎧殻といいその熱塵砲といい、価値がわかるやつからすればお前の装備は殺してでも奪いたいもののはずだ、十分気を付けるんだぞ。」

 

りょーかいです! あとは四脚の掃除ですよね? さっき飛んだ時に見えた範囲でピン打っときました。

 

「ああ、こちらでも確認していた。だが先にお前の用事を片付けた方が良いだろう。ナズに一泡吹かせてやれ。」

 

私の方が先でいいんですか?

 

「奴がお前の機動を見ていないとも限らないからな。手の内を知られて対策を打たれる前にカタを付けようじゃないか。」

 

それもそうですね~。じゃあまた上階に上がります!

 

「隔壁上通路に行くんだろう? 私も同行しよう。」

 

ありがとうございます! では向かいましょう!

 

・・・

 

あースイスイーっとな。ふふん、高所から狙い撃ちしてくるんなら、こっちはさらにその上からってね。

 

いや懐かしいな、隔壁上通路。ここでホイッスルに見つかった時はめっちゃ焦ったもんね。

 

「昔はこんなところにも笛が居たのか?」

 

ここには居ませんでしたね、今と同じ下の方です。あいつら、今に比べてかなり目が良かったんです。それこそさっきの狙撃砲レベルで睨み効かせてましたから。

 

「ほう。ならそんな中をどうやって見つからずに飛んでいたんだ?」

 

そこは背嚢に頼ってましたね。光学迷彩ってやつを使ってました。

 

「光学迷彩……?」

 

光の屈折を利用したなんたらで……簡単に言うと、透明になれるんですよ。

 

「ほぉう……随分と便利そうな装備だな。」

 

そりゃあもうとてもお世話になりましたよ~、触れさえしなければ目の前を横切ってもバレないんですから。

 

「そんなに良いものならもっと普及しててもいい筈なのに、全然見かけないな?」

 

これ一個作るのにFols一式を超えるコストが掛かりますから……。

 

「あー……。それじゃあ量産は無理だな。」

 

世知辛い……おや? あそこにいるのはレキさんじゃないですか? ここで何してるんだろう。……周りに沢山積みあがってるのは、近接兵装?

 

「…………。」

 

こんにちは、さっきぶりですね。私です、シーディです。

 

「……ここニ何の用ダ。」

 

「ちょっと野暮用をな。」

 

聖智廟の方にここから降下しようかと。

 

「……なず、カ。」

 

あ、わかっちゃいます? そうです。今狙われてるんで返り討ちにしに行くところなんです。

 

「……恐ラく想定さレている。」

 

ええ、相手は元特殊部隊ですからね。承知の上です。

 

「分かっててもやるしかないのさ。下から行くよりはマシだろう。」

 

黙ってやられるつもりは毛頭ありませんしね。それにこの子達にも頑張ってもらうつもりなので。

 

「……ふ、ならばその剣をどう振るうのか、私もここから見物しているぞ。」

 

あいえええ……き、緊張しちゃいますね……! 恥ずかしいことにならないように頑張りますっ!




・主人公
なんやかんやで持ち物の大半が戻ってきた
手先は器用なので、罠を解除して逆に戴いちゃうなんてことも出来る
もし引っ掛かっていたら樹窟の爆弾地帯みたいに吹っ飛んでいた

・ギリー・ベル
射撃武器の射程は原作の倍以上あることになりました
シーディから送られてくる情報に(あいつ偵察兵ってのは本当だったのか……。)と見直していた模様
ちなみに、囮になってる最中何発か顔面セーフしていた

・レキ
普段何してるんだろうと考えた結果、屋上で喪に服していることに
剣の事になると活舌がはっきりする
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