魔法少女が普通にいる世界でもゲームやアニメを再現した能力なら意外といける説 作:momo28
さて、なぜか主人公のマコト君に修行をつけてほしいと言われたわけだが。
広い部屋に思春期(こっちは違うがな)の男女が二人、何も起こらないはずが無く………。
パチ………パチ…………。
「あっ穴熊かこれめんどくさっ!!」
パチ………パチ………。
「そう言う割には対応が早いんだね?」
「よくおじいちゃんと将棋をやっててね、こういうの得意なんだ、僕」
「へえ……ちょっと意外かも」
私達は、将棋で遊んでいた。
さて、なぜ私たちが修行ではなく将棋をやっているのか、それは少し前に遡る………。
【回想中】
「修行って……………何の為に?貴方、彼女らのサポーターじゃないの?」
「それはそうなんだけど………えっと、今度うちの学校の魔法少女部で全国魔法少女交流大祭に行くことになったんだ。そこってほんとは魔法少女だけが参加できるんだけど、どうしてか僕もサポーターとして強制参加させられちゃって………でも僕こういう大会とかに全く自信が無くってね……………何やるかもまだ発表されてないから」
なるほど、理由はわかった。
サポーターとして少しでも活躍できるくらいにはしてほしいのか。
何で私なんだよ!!ヒロインどもに頼んで一生いちゃついてろよ!!
「いや、なんか………お願いはしたんだよ?そしたらさ……『何でマコト君が修行する必要があるの?そんなことしなくても、私達が守ってあげるよ!』って言われて………」
Oh…………。
うん、ならまあ、仕方ないか。
さて、サポーターとして大事なことの一つは、どれだけ全体を見て的確なサポートができるかだ。
全体を見て考える必要のあるものといえば?←将棋だ!!!
いや、正直ごめん何も思いつかなかったんだよ許してな?
【回想終了】
ということがありまして〜の。
んで戦況はというと…………。
「王手、貴方の負け」
「………降参するよ」
私の勝利です!ぶい!!!
いやーいい勝負だった。
「……ねえ、これ本当に効果あるの?」
「…………」
「…………あるんですよね?」
「それじゃあまた、修行したくなったら呼んでね。……はい私の連絡先」
「あっありがとう………「ばいばい」えっちょっと待って結局効果は!?この時間意味あった!?」
うるせえこちとらバイト中に強制召喚されてんだ!!
はよ戻らんとやばい!クビになったら今度こそ終わる!!
◆
「あー……えっと、何があったか知らないけど、お疲れ様……?」
ぜえ……ぜえ……全力ヒュー(呼吸音)ダッシュでヒュー来たせいでガチヒュー疲れた……!
別にヒュー鍛えてるわけカヒューじゃ無いから割とガチ目に疲れた……!!
「すみま……せん……急に……どっか行ったりして……!…ゴフッ!?」
「芸無さーん!?」
「………あ、別にもうさん付けじゃなくて呼び捨てでもいいですよ……」
「あ、そう……?じゃあせめて芸無ちゃんで………って、そんな場合じゃないでしょ!?個室空いてるからそこで休んでて!」
優しい………。
それじゃ……失礼して………。
芸無が個室に入り仮眠を取ろうとした時、何処からかエレキギターやドラムを奏でる音が響いた。
ジャンジャカジャカジャン‼︎
………。
ジャカジャカジャンジャン‼︎
その音量はまさに爆音で、この建物が軽く揺れるほど。
……工事にも負けないのではないだろうか。
………………。
ジャンジャンジャカジャン‼︎
……………………うるっさいなもう!
誰だ爆音で音楽聴いてるやつ!!
寝れるわけねえだろ!!!!!
「うう……うるさっ………もう……誰?こんな時間にこんな音量でロックを流すなんて……」
ちょっともう男子〜!!定員………じゃなくて店長ちゃんが困ってるでしょ〜!
いやまあ普通にそんなことは置いておいて。
「……私、ちょっと注意してきます。流石に近所迷惑なので」
流石にこれ以上は普通に営業妨害だ。
「えっ?芸無ちゃん!?一人は危ないよ〜!!」
◆
音の発生源、見つけました。
はい……見つけたんですけどね……?
『GYAーーN!!!!!』
どうやら、人ではなくて災獣だったようでして。
目の前にいるのは、複数の音符が集まり形作られたドラゴン………というより骨格的にはワイバーンに近く、その大きな口から発せられる咆哮は、全てが楽器を掻き乱したような音だ。
翼はバイクのマフラーで出来ており、その先端からは煙が針のように噴き出している。
尻尾の先端にはショベルカーのショベル部分がくっついており、まるで意思を持つかのように自由自在に動き回っている。
騒音の災獣、しかもワイバーンの形となればかなり手強い。
災獣の力は基本的に発生場所付近での被害が多かったり、形となったものが強大であればより強くなっていく。
ここら辺ではちょっと前まで暴走族が夜中にバイクを乗り回していたので、その分強くなっているようだ。
しかもこいつ、全身から馬鹿みたいな音を出すのだ。
口を開けば大音量ロック。
翼を動かせばバイクのエンジンが鳴り響く。
一歩歩くたびに建物を取り壊すような爆音。
早く……こいつは早く潰さなきゃダメだ……!!
「っ!?」
新しく作ったハザードシグナル……私魔法少女じゃないから違うか………を使おうとした時、後ろに気配を感じ振り返る。
すると、そこには驚愕の顔でこちらを見つめるヒマリがいた。
「な…何で貴女がここにいるのよ………!?」
あーもうめんどくさい!!
流石に災獣と魔法少女一気に相手するのはキツイ!!
ということでこれを使おう。
「……召喚、【No, I'm not a Human】『蒼白の狂人』『猫を連れた女』『コートの男』」
地中から手が飛び出したかと思うと、地中から三人の男女が現れる。
「あ、貴方達何処から……!?というか何で貴方は服を着ていないんですか!?」
「…………殺すなよ」
今のうちにこの災獣は倒してしまおう。
◆
「あっ!?待ってッ!!………逃してしまった……!」
災獣に向かっていくゲンムを追いかけようとするが、目の前であの……ガシャット?とやらを使われてしまい、逃してしまう。
「………はあ………もしもし?ナガレさん?……はい、ゲンムが……はい、逃してしまいましたわ。あの不思議な機械を使っているようです。……それと、急に人が………はい、保護します」
電話を切ったヒマリは、目の前の男女に向き直る。
「あの……一体どうしてここに?逃げ遅れてしまったんですか?」
口を吊り上げてニタニタと笑う長身の男が口を開く。
『今、一人?』
「は、はあ?今は一人で災獣への対応を行っておりますが………?」
『ああ、ああ、一人、一人だけなんだ。君一人、君一人、君一人……教わらなかったのかい?誰かに一人かどうか聞かれても、一人って答えちゃだめって………さあ、ゲームオーバーだ』
いつの間にかヒマリの後ろに回っていた女に肩を掴まれる。猫は、いつの間にかいなくなっている。
「っ!?貴方達……!災獣……いや、使い魔!?」
ヒマリは女の手を払うと、スナイパーライフルを二人に向かって構える。
『……ああ、魔力に気づいた?でも、もう遅い』
「っ!!」
スナイパーライフルを近付いてきた女に放つが、まるで骨がないかのようにグニョンと首が曲がり、避けられる。
「ひっ………!?!?」
『そんなもので、私を倒せると思ってるの?面白い考えだね?』
思わず後ろに後ずさると、隣から何かがドサっと倒れる音が聞こえた。
『ああ……!ああ………!ヒィ……!!』
そこには、二人に対し酷く怯えた様子の男がいた。
「大丈夫ですか……!」
ヒマリは男を庇うように前に立つと、再び二人にスナイパーライフルを構える。
「(この人、魔力を測定できない………この人は巻き込まれただけの一般の方……この人だけでも避難させないと)」
『す、すみません……!こ、これを見てください』
「え?」
怯えた男が服を捲ると、本来そこに腹がある場所には、まるでブラックホールのような空洞があった。
「なっ……!?(魔力量が……急上昇して……!?)」
嫌な予感を感じ、咄嗟にその場から退くと、先程までヒマリが立っていた場所の地面が抉れていた。
『ああ、違うんです……!何も知らなくて……!これは違う!』
狼狽えながらながら喚き散らす男。
「あ………」
後ろに後ずさっていると、ついに壁にぶつかってしまう。
どうやら追い込まれてしまったらしい。
冷静なヒマリであれば、この窮地も脱せただろうが、あいにく今は正体不明な怪物に対する恐怖で頭が回っていない。
『あっ……!?』
その時、怯えた男の首が飛んだ。
「うぇぇ……グロい……ヒマリちゃん、大丈夫!?」
「な、ナガレさん!!」
そこには、刀についた血を振り払っている魔法少女『マーダー』がいた。
新登場の作品。
No, I'm not a Human
面白いですよね。初めてやった時雰囲気怖くてすぐ辞めちゃいましたが。