初恋は永遠に   作:夜桜 春

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(18)サプライズの準備

 夜、風岡の家での勉強を終え、家に帰った俺は自分の部屋の勉強机に座り、風呂の順番待ちを行っていた。

 

 すると…スマホに1件のメッセージの通知音が鳴った。

 

 そして――何だろう?と画面を開いて確認を行うと…

 

 

 『柿沢くんこんばんは 

 今から電話って出来る?』

 

 何と星空さんからの突然のメッセージだった。

 

 俺はスマホを慌てて両手に持ち変えて返事を送った。

 

 『大丈夫だよ!』

 

 こう返事を返して間もなく電話が掛かってきた。

 

 星空さんから電話なんて何だろう…。

 

 電話で話すのってこれが初めてだったような。

 

 うわっ…1対1で何を話そう。

 

 ドキドキしてきた。

 

 このように様々な事を脳内で張り巡らせながら、俺は息を呑むように通話ボタンを押した。

 

 

 「もしもし…」

 

 「あっ、もしもし。こんばんは。遅くに急に電話してごめんね」

 

 スマホの奥から聞こえる、その可愛らしい声を聞くだけで俺の心臓は張り裂けそうにまたドキドキっと高鳴っていった。

 

 こうやって星空さんと話すのは、この世界線では昨日の風岡の誕生日プレゼントを探して以来になるが…。

 

 1度現代に行っている俺にとって星空さんと話したのは、随分まえな気がしてとても懐かしく尊くも思えた。

 

 

 「あのね柿沢くんに直接聞いておきたいことがあって。まず今日って風岡さんと話しって出来たのかなって」

 

 

 俺は星空さんに風岡と放課後一緒に帰り、普段通りに話せた事を伝えた。

 

 「そうだったんだ。よかった。それなら明日からまた3人で学校行ったり、お昼一緒に食べたり出来るね」

 

 電話の向こうの風岡さんの声を聞いても、喜んでいるのが感じとれた。

 

 「それなら風岡さんの誕生日についてなんだけど…」

 

 俺は風岡の誕生日パーティーについて星空さんと暫く話し込んだ。

 

 ――そして…話がまとまった頃。

 

 「今からパーティー楽しみだね。あっ、もうこんな時間。今日は長い時間話してくれてありがとう。何気にこうやって柿沢くんと電話で話すのって初めてだったよね?最初はドキドキしたけど楽しかった!あっ…ドキドキって変な意味じゃないからね。また柿沢くんが良かったらこうやって話せたらなぁって…」

 

 

 彼女の中で、俺はもう恋愛対象じゃなくなってるのかも知れない。

 

 でも…だからと言って俺の想いは変えられない。

 

 「もちろん。俺もとても楽しかったしまた星空さんと話しがしたい」

 

 こう返事をした俺は名残惜しいながらも星空さんとの電話を終えた。

 

 

 くっ~!星空さんと電話をしちゃった。

 

 俺は嬉しさのあまりマクラを抱きしめて喜んでいた。

 

 初恋の相手であり、あれだけ手の届かない存在だった星空雪菜との初通話。

 

 まだまだ彼女を救うために、やらければいけない事が多い中ではあるが、この時の俺は少しばかり浮かれてしまっていた。

 

 

 ――風岡の誕生日――

 

 星空さんと立てた予定はこうだ。

 

 まずは星空さんが風岡を連れ出して家から遠ざける。

 

 そして俺が風岡の家に行き、風岡の弟たちと部屋の装飾や誕生日会の買い出しに行くという流れだ。

 

 「みんなおはよう」

 

 俺は星空さんと風岡が合流したという連絡を、星空さんから受け取り風岡の家へとやってきていた。

 

 予め星空さんと手分けして用意した飾り付けを手にして。

 

 「あっ、柿沢だ!こんな朝早くからどうしたの?手に持ってる荷物ってなに~?」

 

 そう言われながら俺は4人もの、弟たちが居る家の中へと入っていった。

 

 風岡の姉弟は風岡の次が小6で、一番下は5歳とまだまだ小さな子達が多かった。

 

 「こらこら~柿沢じゃなくてお兄ちゃんだろう」

 

 「だって姉ちゃんは柿沢って呼んでるじゃん」

 

 この姉弟にあうといつもこのやり取りをするほどにテンプレ化していた。

 

 「まぁいいや。みんなは今日は何の日か知ってる?」

 

 「当たり前じゃん。姉ちゃんの誕生日でしょ」

 

 4人の子達が口を揃えて言った。

 

 「みんな正解。俺が今日来たのも星空さんって言うお兄ちゃん達の友達と、一緒にお姉ちゃんにサプライズをしようと思って来たんだけどみんな協力してくれる?」

 

 「いいね!サプライズ」

 

 「姉ちゃんの腰を抜かしてやろうぜ」

 

 「楽しそう!どんなことやるの?」

 

 姉弟たちの反応はとても好感触だった。

 

 そしてまずは風岡の家のリビングの飾り付けが始まった。

 

 風船や紙で作った飾り付けを壁一面に貼り付けていく。

 

 弟たちとやったらあっという間に飾り付けが終わった。

 

 続いては皆を連れての買い出しだった。

 

 「お~いそっちに言ったら危ないぞ」

 

 「そんなところ上っちゃ危ないって」

 

 俺は高いところや車通りの多い場所に弟たちが行く度に注意をしていた。

 

 風岡は毎日のようにこんな想いをしているのか…

 

 改めて風岡が5人姉弟の長女としてどれほどの苦労をしているのかというのを実感していた。

 

 このような環境もあって、あのようなしっかり者の風岡になったんだろうと納得した瞬間でもあった。

 

 「お姉ちゃん何が好き?イチゴのケーキ?それともチョコケーキ?」

 

 弟たちの意見を聞き買い出しを進めていく。

 

 あまり高いものは買えないが、星空さんと出しあったお金を使って精一杯の準備を行った。

 

 そして…飾り付けと買い出しを終え、いよいよこの日の主役である風岡を迎え入れる時がやってきた。

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