「それでは、アビドス対策委員会の定例会議を始めます。」
翌日、アビドス対策委員会部室
ずっと床に正座させられていたセリカがプルプルの足で席に着いたところで定例会議…アビドス対策委員会の会議が始まった。何故セリカが正座させられていたかは…説明不要だな。
「今回は先生とトウジさんのお二方にも参加していただいたので、いつもより真面目な議論ができると思います!」
「ん、期待する。」
「うへー、先生とトウジもよろしくね」
「あぁ、こちらこそ」
"うん、よろしくね、みんな"
「それではまずは私から、先日もあったヘルメット団の襲撃、その対処についてです。これまでに行われた襲撃、その全てを私たちは退けてきました。しかし、襲撃がやむ気配は無く、むしろ相手の戦力は増え続けています。」
「ん、あいつらの人数もこの前のが一番多かった。」
「その通りです。それに、前回の戦闘の時のドローンカメラに映った写真を解析したのですが、彼女らの使用している銃器が軍用の小銃、それも最新式のモノだということがわかりました。」
「そ、それって超高性能なんじゃ…」
「はい、性能、そして値段も一般の学生が使う市販のモノとは比べ物になりません。」
"…なるほどね"
「不良が大量に装備するのにはとてもじゃないが不適格、って認識でいいか?」
「はい、トウジさんの言う通りです。そして、まだこれは私の想像に過ぎませんが…恐らくヘルメット団を裏から支援する『誰か』がいます。」
一気に場の空気が引き締まったのがわかる、まぁ強大な経済力を持ってる『敵』がいるっていう可能性が浮上したんだから当然か…
「ん、それならその『誰か』を探して、引きずり出してやればいい。」
シロコらしくちょっと過激な案だが、的は射ているな。仮に、このままヘルメット団を撃退し続けても、黒幕を倒さない限り襲撃がやむどころか戦力が増強され続ける一方だろうし、一見していい案だが…
すると不意にノノミが手を挙げる。
「はい、二年の十六夜ノノミさん、お願いします。」
「…なんでフルネームなの?なんか変な感じがするんだけど」
「あはは、何ていうかせっかくの会議だし、こうしたほうが引き締まるかなぁと思って…」
「私は委員会ぽくっていいと思います☆」
「お堅い感じでいいんじゃなーい?先生たちもいるしね~」
「まぁ先輩たちがそういうなら…」
ノノミがコホンと咳ばらいをして続ける。
「その『誰か』の存在を調べるのも必要だとは思うんですが…まずはヘルメット団の襲撃自体を何とかしないといけないと思うんです。襲撃されている以上、校舎を空にするわけにもいきませんし…」
「そう、そうなんです。それに関して皆さんのご意見を伺いたいのですが……はい、シャーレの禪院トウジさん、お願いします。」
「その『誰か』…黒幕についての調査とヘルメット団の襲撃の対処、同時に進めることができればいいんだよな?」
「は、はい。そうですが、そんな方法が…?」
「簡単だ、ヘルメット団の基地を強襲する。」
「え、えっ!私たちから攻めるんですか!?」
「ん~、おじさんは結構いい案だと思うよ。結局、あいつ等の襲撃を止めないと何もできないしね~」
「ん、私も賛成。きっと私たちが補給を受けてるとも知らないだろうし、夢にも攻められるとは思ってないはず。」
「うーーん…まぁ先輩たちがそういうなら…」
「そ、それは確かにそうですが…、先生はどう思われますか?」
先生は数秒悩む素振りを見せたが、すぐに顔をあげた。
「まだ相手は再編成もできてないだろうし、反撃するのにはいいタイミングじゃないかな?みんなが行くなら、私も同行するよ。もちろんサポートや指揮は任せてほしい。」
アヤネも先生が言うなら、という顔になり、皆の目に戦意が灯る。
「…決まりだな」
「ん、善は急げ、すぐ行こう。」
「わ、私装備一式とドローン準備してきます!」
「ボッコボコにしてやるわ!」
「いっちょやりますかー」
「ではしゅっぱ~つ、ですね☆」
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結論から言うと、カタカタヘルメット団の基地への強襲はひどく簡単に成功した。基地にいたのは50人ほどだったが、その半数以上は先日の襲撃の際の疲れやケガが治っていない様子で、まともな戦闘行動が取れていない者もいた。また、やはり
「敵の退却と、基地の居住区、武器庫、車庫の制圧を確認!私たちの勝利です!」
「ふふん!目にもの見せてやったわ!」
「これでしばらくは大人しくなるだろうな」
「ん、武器庫見てくる」
シロコは敵の退却を確認すると一目散に武器庫に駆けていった。大方、金目になりそうな武器を探しに行ったのだろう。さすがは生粋のアウトローである。
「よ~し、作戦終了だね~、みんな、お疲れ様~」
"ホシノもお疲れ様"
「さっき、あそこでトラックを見つけたので物資はそこに載せましょうか?」
"そうだね、そうしようか。それじゃあ…アヤネは念のためドローンで周囲の警戒をお願い、居住区にはセリカとノノミ、車庫には私とトウジで行こうか。"
先生と一緒に車庫に向かうと、そこには大型の戦車が三両、鎮座していた。
「…先生」
"うん、これはどこかの学校で使われてるようなモノじゃないね、治安維持のためには明らかに過剰な性能だ。"
「あぁ、それにこの主砲弾、学校によっちゃ使用禁止の代物、それに値段も張るヤツだな。」
"うん、やっぱり、彼女らの背後には誰かがついてるようだね。"
その後、もう一度みんなで集まるとセリカが両手いっぱいに物を抱えてやってきた。どうも居住区にはそれなりに高級なお菓子や、ゲーム機、漫画などの娯楽品がそろっていたようだ。で、それを根こそぎ持ってきたらしい。そしてそれに続いてノノミもやってくる。
「一応何か黒幕につながるような書類などがないかも探しましたが、特に何もありませんでした。」
"うん、二人ともありがとう。セリカはコケないようにね。"
先生が若干苦笑いをしながらそういうと、こんどはライフルを何丁も抱えてシロコが走ってきた。
「ん、すごい量の武器と弾薬。持って帰って使うか売ろう。」
シロコがそれはもうキラキラした目でそう告げた。
"じゃあトウジはシロコを手伝ってきてもらおうかな"
「了解だ、先生。」
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「先生!物資、武器、弾薬、積めるだけ積み終わりました!」
"了解、みんなありがとう。"
武器の積み込みを終えた後は、倉庫にあった爆薬を使い基地のインフラを破壊、もし戻ってきても基地として機能しないようにした。少々心は痛んだが、まぁバチは当たらないだろう。
「それじゃあ帰還、ですかね☆」
「みんな~、帰るまでが遠足だよ~。」
こうして、アビドスによるヘルメット団の基地襲撃は大成功を収めたのだった。
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とある高層ビルの一室、黒いスーツを着たロボットが如何にも高級そうな椅子にふんぞり返って座っていた。そのアイライトが見つめるのは、一つのモニター……先日アビドスを襲撃、そして撃退された挙句、逆襲して敗走したカタカタヘルメット団だった。
「…これ以上待ってもチンピラ如きでは、大した戦果も上げれそうにないな。主力戦車まで貸し出してこのザマとは…」
滲み出る苛立ちを隠しきれず、乱暴にモニターを閉じた彼は、その巨躯で椅子を軋ませながら立ち上がる。彼が苛立っているのは他でも無い、『計画』が順調に進まないからだ。
「このまま不良共を使い潰しても良いが、連邦生徒会が動くともっと厄介なことになるな…。これ以上目立つのも避けたい、そうなると静かに、少数で、事を小さく抑えられる…」
これもまた高級なデスクの上に置かれたスマートフォン、其れを手に取りあらかじめ用意しておいた番号を表示する。
「ーーーエキスパートに依頼するとしよう。」
呼び出しコールが三回、直後に相手方の声が聞こえてくる。
『はい、どんな依頼でも請け負います。便利屋68です。』
「仕事を頼みたい、便利屋。目標はとある学園の校舎の占領、報酬は惜しまないと約束しよう。」
返答は極めて端的だった。
一つお願い、というより報告なのですが、2月から書き始めたこの小説、最初から読み返すとアラや不自然な文章が多い、と個人的に強く感じました。のでこれから加筆修正を加えていこうと思います。本編の更新を最優先で行いますので、大したスピードではないですが、過去話が少しだけ変わります、という報告です。よろしくお願いします。
追記、行の感覚がおかしかったので直しました