ブラックマーケットの路地裏
不良たちの数はだんだんと増えてきており、その表情はどれも怒りに満ちていた。まあヘルメットで分からないやつもいるのだが
「風鬼!ここで借りを返してやるぜ!百倍でな!」
「囲め! 逃がすんじゃねえぞ!」
不良たちが一斉に銃口を向ける。
その中心に立つ禪院トウジは、心底面倒くさそうに眉をひそめた。
「……だから、その名前で呼ぶなっつってんだろ。言ってねぇけど」
「えっ、そこなの?」
思わずセリカが突っ込んだ。
「いやだってダサすぎる、それに自称してるとか思われたら恥ずいだろ」
「そ、それはそうかもだけど……」
「トウジ君ってブラックマーケットで何をしたんですか……?」
ノノミが困ったように笑いながら尋ねる。
「…悪いがそれはあとだ。それよりまずは…」
トウジは肩を回し、手にした刀の柄へ指を掛けた。
その隣では、シロコがすでにライフルを構えている。
「先生。私たちも戦う」
"うん。みんな、無理はしないで。数では向こうが上だ。お互いにカバーし合っていこう"
「了解です、先生!」
アヤネがドローンを起動させ、上空から周囲の様子を確認する。
「敵は前方だけじゃありません! 左右の路地にも数人います。包囲を狭めてきています!数は…約六十名です!」
「うへぇ……六十人って、ずいぶんと集まったねぇ」
ホシノは盾を構え、いつもの気の抜けた声でぼやいた。
「まったく。どこからそんな人数湧いてきたのよ!」
セリカが銃を構え直す。
「まあまあ、セリカちゃん。先生もトウジくんもいますし、大丈夫ですよ~」
ノノミが明るく声を掛けた。
対して、彼女たちの少し後ろにいる白いリュックの少女は、顔を青くしていた。
「あ、あのっ! 皆さん、私のせいで……!」
「今は気にしなくていい」
トウジは彼女を振り返ることなく告げた。
「自分の身を守ることだけ考えろ。先生の指示に従ってくれ」
「は、はいっ!」
「おい、聞いてんのか! こっちは六十人だぞ!」
不良の一人が声を張り上げた。
「てめえら、風鬼を倒せば名前が売れるぞ! 一斉に撃て!」
その声を合図に、銃声が路地裏を埋め尽くした。
「伏せて!」
先生の指示と同時に、アビドスの生徒たちが動く。
ホシノが盾を前に出し、飛来する弾丸を受け止める。シロコはその陰から身を乗り出し、敵の武器を狙って正確に撃ち返した。
ノノミのミニガンが火を噴く。セリカも遮蔽物を利用しながら応戦し、アヤネのドローンが敵の位置を知らせた。
その間にトウジは、弾幕の隙間を縫うように走り出していた。
「なっ――速っ!?」
不良が銃口を向けたときには、もう遅い。
トウジは銃身を払い、相手の懐へ潜り込む。柄で腕を打ち、足を払って地面へ転がした。次の一人が殴りかかってくるが、軽く身を逸らしてかわし、その勢いを利用して壁際へ押しやる。
「くそっ、アイツはどこいった!」
「ここだ」
返事をしながら、トウジは飛び込んできた相手の腹に刀を叩き込む。相手がうずくまるのを確認すると、そのまま次の敵へ向き直った。
戦いは長く続かなかった。
シロコたちの連携によって包囲の一角が崩れ、トウジがそこから一気に突破口を広げる。敵の数は多かったが、全員が同じ方向から攻めてくる以上、動きを読めば対処できた。
やがて、最後の一人が武器を放り出し、仲間たちと一緒に逃げていった。
「はぁ……終わったぁ」
セリカは銃を下ろして、大きく息を吐いた。
"みんな、怪我はない?"
先生が確認すると、アヤネがすぐに返事をする。
「こちらは全員無事です。軽い擦り傷等はありますが、大きな怪我はありません!」
"うん、みんな無事でよかった。そこの君も"
「は、はいっ!」
先生たちが振り返ると、白いリュックを背負った少女が深々と頭を下げていた。
「本当にありがとうございました! 皆さんが助けてくださらなかったら、私、どうなっていたか……、あ!自己紹介がまだでした、私はトリニティ総合学園の阿慈谷ヒフミです!」
「ん、私たちはアビドス対策委員会。私は砂狼シロコ、あっちの二人がアヤネとセリカ、こっちがノノミとホシノ先輩。それであっちの二人が…」
”こんにちは、連邦捜査部シャーレの先生だよ。こっちはトウジ、私の補佐をしてもらってるんだ”
「よろしくな」
「み、みなさん、よろしくお願いします!」
「えーと、ヒフミちゃんだっけ?なんでトリニティのお嬢様がこんな危険なところに?」
ホシノが尋ねる。
「そ、それは……」
ヒフミは視線を泳がせた。
「えっと……その……」
「何か盗まれたの? それとも、誰かと揉めたとか?」
シロコが淡々と尋ねる。
「いえっ、そういうわけではなくて……!」
少女は慌てて首を横に振った。
「私、探し物をしていたんです。その、ブラックマーケットなら見つかるかもしれないと思って……」
「探し物?」
ホシノが首を傾げる。
「はい……。どうしても欲しいものがあって……」
少女はリュックの肩紐をぎゅっと握りしめた。
「それが…このペロロ様の限定グッズなんです!」
「……へ?」
セリカが間の抜けた声を漏らした。
数秒、沈黙が流れる。
「……ペロロ様?」
ホシノが聞き返した。
「はい! 以前に販売されていたアイス屋さんとのコラボの限定品なんですけど、もう普通のお店では取り扱っていなくて……! それで、ここならもしかしたら見つかるかもしれないって聞いて……!」
先ほどまで怯えていた少女は、好きなものの話になった途端、少しずつ早口になっていく。
「手に入れることはできたんですが…まさかこんなに怖い人たちに追いかけられるなんて思っていなくて……あうぅ……」
”そ、そうだったんだ……”
先生は返事に困りながらも、彼女が無事だったことに改めて安堵した。
その隣では、ノノミの目が輝いていた。
「ええっ、ペロロちゃんですか!? 私もモモフレンズ、大好きなんです!」
「ほ、本当ですか!?」
少女の表情がぱっと明るくなる。
「はい! ペロロちゃん、可愛いですよね!私はミスターニコライが好きなんです。」
「分かります!ニコライさんも哲学的なところがカッコよくて!」
「ええ、そうなんです! それでですね――」
あっという間に、二人の間で会話が弾み始めた。
「う~ん、最近の若い子たちにはおじさんはついていけんな」
セリカが呆れたようにつぶやく。
「先輩も大して歳変わらないでしょ…」
トウジはその様子を眺めながら、小さく息を吐く。
阿慈谷ヒフミ
トリニティ総合学園の生徒。ペロロ様をはじめとするモモフレンズをこよなく愛する、ごく普通の少女。
少なくとも、本人はそう思っている。…そう、本人だけは
「ところで、アビドスの皆さんはなぜこんなところに?」
「実は私たちも似たようなものでして…」
アヤネが苦笑いしながら答える
「そう、今は生産されてないようなものなんだけど、ここなら出回ってるかもと思って。」
「そうなんですか、似たような感じなんですね」
「み、皆さん大変です!先ほどの不良たちが戻ってきました、どうやら数も増えているようです!」
「ん、望むところ」
「いくらでも相手してやるわ!」
「ま、待ってください!これ以上ここで戦うのはまずいです!」
「ん、どうして?」
「だ、だって…もしこれ以上ブラックマーケットで目立ってしまったら、ここの治安を維持してる機関、『マーケットガード』に見つかってしまうかもしれません。もしそうなってしまえば……あうぅ……」
「俺も同意見だな、ここで奴らと闘り合うのは得策じゃない」
「うん、ここのことは二人のほうがよくわかってるだろうから従おっか。」
「み、みなさんこっちです!ついてきてください!」
メインストーリーでは無い話を区切りが良い時にちょいちょい挟もうと思っているので、それについて(しばらくはないと思います)
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イベントストーリー
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オリジナルストーリー(他生徒との絡みなど
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甚爾とトウジの魂について(オリジナル設定
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ブルア廻戦恒例原作(呪術廻戦の世界)介入
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そんなことよりメインストーリーを書け
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楽するな全部書け