俺は、アダム・スマッシャーを殺した後『神輿』に接続した。
「ここは…、ミスティと行った屋上…」
俺はふと目の前に置いてあったヴィクターから貰った『お守り』を手に取った。
気付けば辺りの景色が変わりデータの世界へと来ていた。俺は目の前に続く道へと進んで行った
<さあ行こう、君と私で>
頭にオルトの声が響く
<まるで麻酔に掛けられた患者の様に……>
<黄昏が広がる空の下を>
目の前にあるピラミッドの様な物から放たれる光を目指して行く
<さあ行こう、人もまばらな通りを抜けて>
<騒がしい安宿……>
<牡蠣の殻が散らばった食堂での一夜は……>
<ささやく声を簡単にかき消してしまう>
<通りは何処までも続いている。まるで……>
<あの問いに繋げようと……>
<延々続く退屈な議論の様に……>
<"何のつもり?"と聞かないで>
<とにかく行けば分かるさ>
光の直ぐそこまで近付いた、階段を登り前へと進む
光の直ぐ近くに人がいる、ジョニーだ
近くへ行って分かったが光はこのピラミッドから出ていた訳では無かった
俺はジョニーの肩を掴んだ
「ジョニー!」
「俺の言った通りだったろ?」
「ああ。認めてやるよ。V」
「ははは、随分素直だな」
「ハッ、うるせえよ」
ジョニーが俺の後ろへと歩き出した、俺も後ろを向くといつ出てきたのか椅子と机を模したデータの塊があった。ジョニーがそこに座ったので俺も向かいの席に座った
俺は辺りを見渡した
「ここが、あの悪名高い魂の牢獄なのか?」
「俺の記憶とは違うが、あの頃はオルトが仕切って無かったからな」
「で、ソウルキラーの犠牲達はどこだ?」
「さあな。俺達には、オルトの見せたい物しか見えない」
「アラサカの増援が来る前に終わらせたい。オルトはどこだ?」
「まだ気付いちゃ無いようだな?」
「は……?何の事だ?」
「俺達は既に分離されてる。『神輿』に接続した時点でオルトがソウルキラーを起動したのさ」
「お前のカノジョは仕事が早いな」
少しからかう様に言うとオルトが出て来た
<カノジョ、ではない>
「オルト。魂の切り離しは済んだようだが、次はどえするんだ?」
<現在、チェックサムの検証と。記憶痕跡の複製エラーの除去を行っている>
「は?、てことは…俺は今、コンストラクトなのか?」
「お前は今俺と同じ道を歩んでいる訳だ。唯一違うのはどっかのマヌケの脳みそにコピーされてないって点だけだな」
ジョニーの軽口に適当に相槌をうっておく
「じゃあ、これで終わったんだな。約束通りにしてくれた」
<一つだけ想定して無かった事がある>
「オルト、何の事だ?」
<肉体そのものを計算に入れて無かった>
<『Relic』によるDNAの再構成が既に進行し過ぎている。さらに、服用している薬剤だけでなく、肉体の免疫システムが自らのニューロンを攻撃している…>
気付けば俺は怒鳴っていた、オルトが何を言っているのか、薄々感じていた
「説明は良いから結論を言え!」
<コンストラクトをお前の身体に接続すれば、お前は直ぐに死に至る。これを防ぐ事は出来ない>
余りの衝撃に頭が真っ白になる
「冗談だろ、話が違うじゃないか」
<余命は6ヶ月程度、或いはもう少しあるか>
「嘘だ…あり得ない…」
「まだ…何か手がある筈だ!」
<お前は肉体に適合出来ない>
「俺の身体なんだぞ!」
<チップが肉体を変質させた。今はジョニーが体の主だ>
「オルト、もういい。Vと少し話をさせてくれ」
「信じられない…。今までの努力は…何もかも無駄だったのか…」
今までやって来た事が無駄に終わった…
「もうたくさんだ。何もかも…特にお前には」
これが意味のない事だとは分かっているがジョニーに対して八つ当たりをしてしまった
「だったら丁度良い。最初の計画通り、俺はオルトと行く。行き先は知らんが、体はお前のもんだ」
「彼女はお前を何処に連れて行く気だ?」
「『ブラックウォールの遥か先』であいつの一部になる…意味はよく分かんねえがな」
「本当に他の方法は無いのか…?」
<話た通りだ。お前が私と来れば、ジョニーは肉体を保持して生き続けられる>
「そうじゃなくて…みんな幸せになれる…ハッピーエンドは無いのかよ」
「この街で、俺達みたいのに?。そりゃ夢みす見ぎだぜ、V」
<少なくとも、選択出来る権利は得た。意志と努力の賜物だ>
<これは、サイバー空間の深淵へと続く"橋"だ。ここを通れば肉体との繋がりは永久に斬たれる>
オルトがそう言うと光の方へと道が出来て行った
<或いは、肉体に戻りたけばあの"泉"へと入れ>
階段があった場所には泉の様な物が出来ていた
「…ビスティス・ソフィアで話した時から考えは変わってない」
「俺が行く。お前がここに残れ」
俺はそう行って立ち上がった
「また、問題から目を逸らす気か?」
"橋"を渡って光を目指して行く
ジョニーが俺の前へと現れる
「おい、罪悪感でも感じてんのか?そんな簡単に死んで良いのかよ?」
「よせよ、もういい」
俺は再び歩みを進めた
ジョニーが俺の腕を掴んだ
「てめえ自身の身体なのに、てめえ自身が簡単に諦めんのか?俺を殺すのが怖くって、自分を消滅させるっていうのかよ!」
「もう決めたんだ、口を出さないでくれ」
俺はそう言うとまた歩き出す
「誠実なのはいいが、お前はとんだ間抜けだよ。初めて会った時からなんも変わってねえ」
「もう疲れたんだジョニー、どうなるにせよ、一からやり直したい。お前にとってもこれがベストだ」
歩みを進める
「V…、俺は…、お前の事が心配なんだ」
俺は振り向いてジョニーに言った
「ジョニー、お前だから身体を明け渡せるんだ」
「V…」
橋の先へと辿り着いた、光は上にも下にも永遠と続いてる様に見える
「じゃあな、ジョニー、俺の身体大事に扱ってくれ。次に会えれば何をしたか教えてくれよ」
「V!」
俺はそのまま橋の下へと落ちていった
目の前が暗くなっていく
眠くなって来た…
また、次があれば良いな…
取り敢えず此処までです…
ブルアカ要素がなさ過ぎますが次で出します