刃尾少女に装い有らず~億年の素振りに我流で張り合ってみた~   作:阿久間嬉嬉(新)

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クラスと確認とサプライズと

 厳かに、つつがなく、などと言った言葉とは遥かに縁遠い入学式も、『クラス対抗戦もあるから剣はしっかりと振っとけや~』など学院長の連絡も挟みつつ、無事(?)終了。

 

 続いて体育館から出ると皆が思い思いに、三々五々散らばり目的地へ向かっていく。

 教室に向かっている生徒がほぼいない様に見えるのは、まあこういう学院だからむしろ自然と表すべきかもしれない。ただバックレたがっていた生徒も教室へは向かわずとも帰りはせず、ほとんどが流れでも学院にひとまず居る様子。

 

 もっと言えばこの後は各教室にて『任意で』簡単な挨拶を受けるだけであり、実はバックレるも何も無かったりする。中等部ではそうでは無かったろうし他学院も似た場所は多かろうが……この学院も割と大概らしい。

 つまるところあとはもう自由時間に等しく、寮か家か問わず帰るだけと通達されている。

 

 ガラの悪い学院ということに鑑みるといっそマジメだとすら言えようか。

 恐らくは教室に行かないだけで、挨拶が終わるまでは学校に居る可能性がそこそこあるのだし。

 

 

 ちなみに先のムウVSカイデルに際し嫌悪をむき出しにしていた割に、その戦闘に付いてあまり反応していなかったガロウはと言うと。

 腐れど堕ちれどやはり天才剣士だからかムウが見せた実力に付いて真剣に捉え、周りに煽てられる中でも「ちょいと鍛え直した方が良くねぇかこれ」と呟いていたのだが、余談としておく。

 

 

 そして初日から色んな意味で有名人となったムウはと言うと……。

 

「…………」

 

 普通に教室に向い、自分の席順をまじめに確認し、特に何も無く席に着いていた。

 まあ……当然と言えば当然だろう。プチサボりする性格でもないし、サボる理由が無いのだから。

 

 

 しかし窓から見えたり廊下を通る、同級生や在校生がまあ濃いこと濃いこと。

 右を見れば刈上げモヒカンにソフトモヒカン、モヒカン以外ハゲていたりと選り取り見取り。

 左を見ればオールバックにポンパドール(リーゼント)、長さも形も千差万別。

 ツーブロックもしっかり存在。

 

 エクステもメッシュも入れ放題。

 V系からパンクまで、演奏しないバンドマンがそこら中で誕生して居る。

 無論、言葉の綾でありほとんど男女問わずだ。

 

 元々この世界では髪の色がカラフルなのだが、それでもなお染めていたりする自由さ。

 地毛と区別がつくもの、付かないもの、あまりにバラエティ豊か。

 部分の大小問わず一部だけ染めていたりと配色も個性が伺えすぎている。

 

 ピアスもマストとばかりに装着。

 あっちのギャルがハートのリングを付けているかと思えば。

 こっちのヤンキーは鉄の(びょう)みたく鼻に付けて。

 果てはへそにリングが付いている生徒まで、また様々。

 

 タトゥーやとんでも化粧など言うまでも無し。

 

 ナチュラルな生徒も負けず劣らずいはするのだが、髪の整え方がどうにもワイルド。

 整えていない、ではなくちゃんと整えているのは分かるものの、様はアウトローのそれ。

 ウルフなセミロングから野球部よろしくな坊主頭までこちらもまた個性豊か。

 しかし改造制服込みで、どうにも不良やヤンキーなのは皆一様。

 明らかに新品でない包帯を巻いていたりと、何があったのか逆に聞きたくなる者まで。

 

 極少数のきちっとした装いが必然的に浮いてしまうレベル。

 

 

 ガラが悪いとは言われていたが……それ以前に見た目がカオスすぎる。本当に剣術学院なのだろうか、ここは。

 

「さっきのチビっこじゃねぇか、マジメだな」

「ん」

「オマエ……まさかクールってよかあんま喋んねぇ側?」

「ん」

 

 通りがかった別クラスの女子生徒とそんな会話(?)を交わすなどして暫し待ち。

 

 やがて再びやってきた賑やか、よりうるさい話声が通りすぎずに教室へ飛び込んでくる。

 根が真面目なのか気まぐれなのかまばらにやってきたその生徒達と、教室にたった1人しかいないムウの視線が、必然的にばったりと合った。

 

 途端、推定クラスメイト達は先の会話以上に盛り上がる。

 

「おお! やっべぇガキンチョと同じクラスかよ!」

「クラス対抗戦とかもあんだったな? こりゃ超アガッてきたわ」

「チビちゃん期待してっからね! ぶっ潰してやろう!」

「ん」

「ガロウの野郎とどっちが1年のテッペンになんだろナァ」

 

 やはり話題は入学式の事から始まり、そしてここでもちゃっかり馴染んでいるムウ。聞いた感じでは彼ら彼女らは早速グループとしてつるみ始めた集まりらしく、どうやらまじめと言うより本当に流れで来たらしい。

 

 つまりは、恐らくもう来ないだろう。

 これで本格的に、まともにここへ向かったのがムウ一人になる。……何度でも言おう、悪童のたまり場とは言え本当に大丈夫なのだろうか、この人狼学院は。

 

「おーっす。来てる奴は……おっ飛び級ちゃん以外にも居んじゃん、アテが外れたなぁ」

 

 担任か連絡役かはまだ分からないが、イグゼ学院長が便宜を図ってくれたのかやってきたのは見慣れぬ教師ではなく、先からムウと共に行動しているヘルガだった。

 

「や、ぶっちゃけここに来る予定マジメに無かったッス」

「覗いてくぞっつう話になっただけだな」

「でもチビちゃん居たしラッキー? みたいな?」

「あの試合を見りゃあ無理からぬだけど、入学早々人気者ですね、だな。飛び級ちゃん」

「ん……」

 

 小さく手を挙げて応えた彼女を見て皆が少し笑う。かなり豪快な笑い方ばかりだったのは、まあ不良校なりのご愛嬌という事にしておこう。

 

 そんなプチ雑談を終えたのち、ヘルガはかなり簡単な、本当に簡単なあいさつを終えると、薄っぺらい資料を教卓から取りぺらぺらさせながら連絡事項を口にする。

 

「クラス対抗戦だのはまた追々話すから今回はパスとして。え~……大五聖祭へ見学に行きたい奴、居るか?」

「は~い、チビちゃんが行きたいみたいでぇ~す」

予想通りの返答ありがとうございます、だ。ま、実は飛び級ちゃんも来ねえかと思ってたが」

「……え~……」

「そういう時は喋んのかよオメェ!?」

「ハハハッ、気紛れ具合は相変わらずですね、ってやつだなぁ」

 

 ―――大五聖祭。

 それは『五学院』と呼ばれる歴史ある強豪校、皇・炎帝・白百合・氷王・千刃の5つの学院の1年から選りすぐりの3名を出し合い、勝ち抜き戦を行う大会。

 

 ……なので人狼学院とはあまり直接的な関係が無いうえで開催日は休日、もっと言えば『五学院』は何かと対抗心や敵愾心を抱かれ易い立場に居る。

 また入学生徒も大概が当初から有名な神童的天才、もしくは剣王祭に至る前に頭角を現すのがほぼ確定な剣士ばかり。黙っていても情報が入る可能性は高いと言えた。

 

 また大五聖祭と剣王祭で出る生徒が異なる場合も多々ある、なので諸々を踏まえるとそりゃあより熱心でもない限り偵察目的であっても行きたくは無いだろう。

 剣を鍛えること以外では“不真面目”の多い人狼学院であるなら殊更にだ。

 未知なる相手を知る事、新たな強敵を見据える事、それも【鍛える】のなら大切ではあるのだが、まだまだそこを考えられる頃ではない。

 元よりそこを考えられるのならば皆が手を挙げている。

 

 ただまあ……ムウが手を挙げたのは強敵の為と言うより熱の種のため、つまりはより個人的な事の為なので結局みんな一緒と言えば一緒なのだが。

 

「それじゃあ飛び級ちゃんだけってことで。ちょい先の週末終わり、ちゃんと空けといてくれよ」

「ん」

「あ、それとちょいと残ってくれ」

「ん」

「うっわガキンチョ早速かよ、アンラッキーだなぁ」

「言ってくれるなぁオイ?」

 

 軽いツッコミなのかマジなのかいまいち分かりにくい声色で告げたヘルガに男子生徒はちょっと引け越しになり、ムウは変わらず2度ばかり頷いた。

 

 そうして入学式の全日程の終了を告げるチャイムが鳴る。

 

 1年は皆が寮へ家へと帰って行くか、顔見知りらしい先輩と共に市街の方へ向かうかは問わず、解放されたとばかりに駆け出していくのを横目に見ながらムウはヘルガと向きあう。

 

「で、だ。話って言っても別にクラス対抗戦だとか、大五聖祭のことじゃない。ちょっとしたサプライズさ」

「ん? ……ん」

 

 ヘルガの言にムウが一度疑問符を浮かべた理由。それは直近、クノンの口からも全く同じ単語を聞いたからであろう。それがここでふとよぎって何かしらの予感を覚えたらしい。

 

「飛び級ちゃんもよく知ってる人(・・・・・・・)がな、この学園と魔剣士組合の新たな橋渡しとして、臨時で補佐および雑用として勤める事になったのさ。ま、人狼(ここ)はなにかと面倒なのでその形です、だな」

「……!」

 

 頬をかきつつ「それに毎日じゃないしな。いやぁしかし、まさか飛び級ちゃん以外も教室に残ってたとはな。隠れててもらっちゃいるが、だからこそちょっとヒヤヒヤしたんだなこれが」と続けるヘルガの言葉、そしてそれでムウがある種の確信を得る。

 

 そして促され、入って来たのは……。

 

「紹介しよう。こっちでは補佐にもなる魔剣士組合職員新入り―――クノン研修生だ」

 

 ……確信通り。今朝分かれたばかりのクノンであった。

 

「あはは……あれだけ盛大に送ったからちょっと気恥しいけど、よろしくね」

 

 所属自体が違うゆえ、毎日顔を合わせる訳ではなくとも、それでも案外近くに居る事になったからか若干顔が赤いクノン。

 

「ん」

 

 そんな彼女にムウは何時も通りにも、どこか嬉しげにも見える顔を向けどこで憶えたか、或いは“戻った”のかサムズアップして見せた。

 

「わ、ムウちゃんってばまた新しいことを憶えてる……!」

 

 先の雰囲気はどこへやら。

 ムウに対しては入れ込んでいたり、過保護だったりするからか突っ込みがちになる、いつものクノンに戻ってちょっと驚いたような顔を見せた。

 

 そんなやり取りを微笑ましそうに眺めているヘルガは、しかして次の予定があるのかパンパン! と手を叩いて彼女らの意識をこちらへ向けさせる。

 

「態々呼んどいたうえ良いとこでちょいと悪いな研修生。飛び級ちゃんにはもう1つ、いや2つ新しいことを憶えてもらわなきゃならない」

「……?」

「な、何かは知りませんけど、入学式の直後にですか?」

 

 首をかしげる2人。そのリアクションは至極当然だ。

 この後なぞ孤児院に帰るだけ……いや、正しくは孤児院長が言っていたように、一回泊りになるらしいので宿泊先へ向かうだけだろうに、一体これ以上何をやると言うのか。

 

 その答えをヘルガは少し声量を落し、しかしてはっきりと告げた。

 

魂装(・・)だよ。今日から他のどの生徒よりも先んじて授業を受けて憶えて頂きます、ってやつさ」

「……こ、魂装……!?」

 

 ガロウの例でも何度か言及された魂装(それ)を聞き、クノンの顔が驚愕に染まる。

 

 ―――魂装とは人々の中に眠る【霊核】と呼ばれる存在の力を借り、または奪って顕現する武装のこと。

 こと剣術の祭典などでは相対的に頻繁に見ることとなるだけで、本来は習得自体がとっても難しい代物だったりする。

 それを何の補助も無しに10歳から得ているらしいガロウは、なるほど確かに天才だろう。

 

 また魂装は習得者と未習得者で大きく水をあける程の力を持つとされ、得る事さえできればそれだけで剣士としての(ランク)上がるほど。

 無論それだけで常勝無敗となる訳ではなく、地力の差で逆転されることも大いにあるのだが……基本的には習得>未収得と考えて良い。

 

 剣術以上に剣士としての“格”を決めてしまう、それこそが魂装なのだ。

 

「飛び級ちゃんは割とガチ目に強いからなぁ、可能なら剣王祭までに魂装を発現させて備えたいのですよ、ってやつだ」

「人狼……ほんとに、本気なんですね」

「ガロウ以外も粒ぞろいなんでね、来年再来年も見据え高められるところからやってきたいのさ」

 

 大の男すらぶん投げる膂力に相手の技に合わせて的確に対応する戦いの才能。そこに魂装が加われば……はてさてどうなってしまうのか。

 それを想像してちょっとゾクゾクしてしまったクノンはハッ! となり切り替えるように首を小さく横に振る。

 

 しかして反対する気はない、と言うより反対する権利が無いので黙ってムウの方を向き、ヘルガも続く。

 

 2つの視線を向けられたムウはやっぱりと言うべきか、いまいち読めない顔のまま固まっていた。が、やがてゆっくりと頷いた。

 

「じゃ、さっそく我が学院の魂装場(こんそうじょう)へと赴きましょう、だ」

 

 

 

 3人で歩くこと数分……。

 やたら汚れた扉を開いて現れた地下への階段を下りていくと、やたら殺風景な部屋に到着する。

 

 そのまま準備室へと入っていったヘルガは、すぐに透明な青いガラス製にも見える謎の剣を持って来た。

 

「これが霊晶剣。魂装に必要な霊核の……まあアレやコレやを表層に浮かび上がらせる奴だ」

 

 なんとまあびっくりするほどいい加減。

 しかもこの剣、希少な鉱石かつその純度の高い部分を使っているため、おひとつ100万ゴルドはくだらない高価な剣らしい。加えて五学院ならばともかく、人狼学院には現状十数振りぐらいしか無いとか、なんとか。

 今年度の人狼学院新入生だけでも詰め込めば3クラス、通常で4クラスに分けられるぐらいには入ってきている。要するに超絶足りない。

 

 ……そんな貴重品がこんなぐっだぐだな考えで使われていて、果たして本当に良いのだろうか。

 

 まあそもそも一応は部外者であるクノンすらここに入れている時点で大概かもしれない。

 一抹、どころか諸々の不安を漂わせながら、ヘルガはそれでもやや丁寧にムウへ霊晶剣を渡した。

 

「知らないと思うので一応説明しておきましょう、だ。これは魂装の習得の時のみに使われる道具なんだと。だから持ってるだけで効果がある、筈だぜ。どうだい飛び級ちゃん?」

「…………」

 

 貰ってから正眼に構え続けているムウはヘルガの問いに答えず、ずーっとあらぬ方を向いている。クノンからも目線が外れているので、彼女を見て精神を落ち着けているわけでもない様子。

 

「うーん、戦闘の才能と魂装の才能は全くじゃないが別だからなぁ」

「ムウちゃん、本当に大丈夫?」

「ん」

「大丈夫ってことは特に何の影響も出てないってことか、違うのか……」

 

 心配、不安視、思案、その他様々な感情入り混じり、コロコロと表情を変える2人。

 

「まあまずは使ってみてからだな。やり方は単純明快だ、目を閉じて精神を集中させ、自分の内へ内へ潜って、いや沈めていくよう意識しろ。万が一あっても心配無用、自分がいるからな。そも霊核は所有者の味方なのでレアケースですよ、だ」

「頑張って、ムウちゃん!」

 

 だが本番はここからとばかりに気分を挙げ、期待を込めて見つめ始める。

 

 

 そんな2人に見つめられているムウは内心……実は少し、そして珍しく焦っていた。

 

(生まれ、が、異なる、ことで、関係、ない、から、そも、発現する、可能性、が……)

 

 そう、これだ。

 

 これまでも何度か記述したがムウは別世界から落っこちてきた存在なので、霊核自体が端から存在しない。仮に存在していたとして、実は当人でも自覚できるレベルで芯の芯(・・・)まで改造されているのでぶっこ抜かれているも同義。

 

 

魂 装 な ど 出 し よ う が 無 い の で あ る 。

 

 

 それでもやらなければばならなかろうと目を閉じたまま待つこと、暫し。

 何分立ったかも分からない頃。

 ……やはりと言うべきか何一つとして変わらないが、どうやらヘルガの見識では違ったようで。

 

「一回、二回で習得できることは稀だ、そう気にするな。先も言ったが、才能はそれぞれ別途でも考えられるんですよ、だぜ」

(違、う……)

「継続して頑張ってこ、ムウちゃん」

(違、う……)

 

 確かにそうだろう。そもそも魂装は習得した際の恩恵が多く、反面それゆえそう簡単に習得できるものではない、と先にも言ったばかりだ。

 されども励ましてくれたそれがムウの、徐々に“戻って”きている部分に突き刺さった。

 

 まあ当初の、本当に無機質かつ『日常』に囚われていた頃に比べれば、人狼学院に来たことで得たものは確実にあると見える……と考えたなら、存外悪くない兆候なのかもしれない。

 

 一切進展しない修行を応援し続けられる上でまだまだ話すには多方面的に足りなすぎるのでどうあっても苦しむという事を除けば。

 

 彼女の内心など知る由もなく、魂装の特別授業を切り上げ霊晶剣をしまい込んだヘルガは2人を連れ立ち地下室を出る。

 そのまま振り向いて。

 

「さてと、じゃあ2つ目にいこう。これで本当に最後だ、もう少しばかり頑張ってください、ってやつだ」

 

 流れるように次の場所へと案内していく。

 と言ってもかなり近くで、さらにこれまた地下だった。

 

「ここは霊力量を測定する霊力の間っつうんだ、そのまんまだな。……本来なら魂装を出した後に教えんだけどちょっと状況が特殊だからな、今の内に追加の特別授業を行います、ってことだ」

「あの……特殊、とは? ムウちゃんがですか?」

「ん……あぁー……そりゃまあな、他に居ないだろ?」

 

 何かを誤魔化すように頭をかいたヘルガだが、最終的には肯定を返し、説明を続ける。

 

「霊力ってのは魂装習得後、後天的に会得して増やしていく……んがな本来は。例外が稀に居るんだよ」

「そ、それが、ムウちゃん……?」

「あくまで可能性だ。そう緊張せずにリラックスしていきましょう、だぜ」

 

 思わぬ形で自分事では無いのに緊張させられているクノンの背中に、気のせいか当事者である筈のムウが少し近付いて立っていた。

 

「霊力の間での霊力量の測定はとても簡単だぜ、魔法陣の真ん中に立って意識を集中させるだけ。さ、やってみろ。イグゼ学院長からも頼まれてるんで、断るは無しで頼むぜ」

「……ん」

 

 が、促されたことでそこからすぐに離れて、言われるまま中心へと向かっていき、いつもの棒立ちポーズで魔法陣上に佇む。

 

 ゆっくりと目を閉じつつ……“違う”を連呼していた。

 

 先の通り、魂装に必要不可欠なものが欠けているのだから、霊力すらも無いので間違いなく面倒が起きるだろう。ムウ自身未だそれを先の件ほど言語化して謝罪できるほど復活はしていないが、さりとて予感自体はしているためそりゃあトゲも刺さる。

 

 そして数分経ち。

 とうとう明かされる彼女の真実(さいのうなし)への一端。

 

 案の定、出てしまった順当な結果。それは―――。

 

「は?」

「えっ?」

「………?」

 

 

 ――あまりにも不規則で。

 ―――あまりにも不気味な。

 

 ――――

 

 

 

 

 

 

 

ゴメンおまえなんなの?

 

 ……お決まりの台詞も飛び出した。




Q5.人狼学院ってガラ悪そうでもなかなか楽しそうじゃないです?

A.ぶっちゃけた話、ムウが強いから楽しげになってるだけでもあります。
「強い奴や、そういうの含めて後ろ盾を持てる奴にとっては楽しい」
「他にとってはそうでもない」
って感じで少なくとも強さ+周囲の威圧感も気にしないムウだからこそのコレで
そうじゃない場合は本当に肩身が狭いと言うか、歩きたくない場所かなって言いますか……。
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