転生者が往くブルーアーカイブ ソロversion! 作:よっしぃぃぃい
第1話 デザートワールド アビドス
それは、ある日のこと。いつも通り書類をこなしていたシャーレの先生こと俺に、一通の手紙が届いた事から始まる。
『連邦捜査部の先生へ。こんにちは、私はアビドス高等学校の奥空アヤネと申します。今回どうしても先生にお願いしたい事がありまして、こうしてお手紙を書きました。単刀直入に言いますと、今私たちの学校は追い詰められています。それも地域の暴力組織によってです。こうなってしまった事情はかなり複雑ですが…どうやら私たちの学校が狙われているようです。今はどうにか食い止めていますが、そろそろ弾薬などの補給が底をついてしまいます…このままでは、暴力組織に学校を占領されてしまいそうな状況です。それで、今回先生にお願いできればと思いました。先生、どうか私たちの力になっていただけませんか?』
「これが、届いていたんだな?アロナ。」
『はい!他の手紙とは違い、ちょっと不穏だと感じまして。』
「なるほど…アビドス、か。どんなところか教えてもらえるか?」
『昔はとても大きい自治区だと聞いています。しかし今は、気候の変化により街が厳しい状況だと。』
「大きい…それに気候の変化か。」
『はい。街のど真ん中で道に迷って遭難する人がいるくらい大きいそうです!…まぁ、誇張されていると思います。…それと、気候についてなのですが、現在は定期的に砂嵐が襲ってくるとの事です。その砂嵐の原因は不明ですが…』
「砂嵐か…これまた、すぐに解決できなそうな。暴力組織についてはどうにか出来そうなんだがな…ま、今のところ緊急の仕事も無いし、一度見に行ってみるのも悪くないか。物資も枯渇しそうらしいし、今から行くか。」
『今からですか!?さすが、大人の行動力です!』
「よせやい。砂嵐があるというなら、それを防ぐ手段も必要だな…物資の支援も必要だし…アロナ、手が空いているならでいいんだが、アビドス高等学校の生徒会メンバーをリストアップしてもらえるか?」
『はい!…あれ?』
「…どうかしたか?」
『いえ、実は…』
さて、それから数日後。
「この地図使い物にならねぇじゃねえかよ!」
用意していた地図は昔のもの。現在のものと違うため迷ってしまったのだ。
「どうすっかな。保存食はあるとはいえ、実質遭難しているというのも面倒だ。こうなるんなら、迎えを要請していた方が良かったか…?」
そう愚痴っていた矢先。
「あの…?」
自転車に乗った生徒が話しかけてきていた。
「あぁ、邪魔だったか?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど…ここに人がいるのが珍しかったから。」
「あ、そういう。俺は勇凪理玖。シャーレに所属する先生だ。要請を受けて、アビドス高等学校に向かっていたんだがあいにく迷ってしまってな。」
「…先生?あの噂の?」
「どの噂か知らんが、まぁその先生だ。」
「そっか。私は砂狼シロコ。アビドス対策委員会だよ。」
この時期には似合わないマフラーをつけた生徒はそう言った。
「良かった、アビドスの生徒だったのか。申し訳ないが、道案内頼めるか?」
「ん、構わない。着いてきて。」
「助かるぜ…」
シロコはロードバイクを手で押しながら案内してくれた。
「それにしても、この辺りは随分閑散としているな。」
「ここはとっくの昔に寂れてる。郊外の方に行けば店もあるし、そうでもないけど。」
「ふむ…」
それから、取り留めのない話をしながら歩いていく。
「ただいま。」
「ちょっと邪魔するぜ。」
部室には3人の生徒がいた。
「おかえり、シロコせんぱ…い?って誰!?」
「あぁ、俺は勇凪理玖。シャーレの先生だ。」
「…ええっ!?まさか!?」
「連邦捜査部シャーレの先生!?」
「そんなに驚かれることかな…」
「わあ⭐︎支援要請が受理されたのですね!良かったですねアヤネちゃん!」
「はい!これで物資の援助が受けられます。」
「あ、そうだ。物資の援助に関してなんだが、弾薬とその他補給品で間違いないか?」
「はい!早くホシノ先輩にも知らせてあげないと…あれ?ホシノ先輩は?」
「委員長なら隣の部屋で寝てるよ。私、起こしてくる。」
その時、銃声が響く。
慌てて外を見ると、沢山の不良…ヘルメット団がこちらに攻めてきていた。
「武装集団が学校に接近しています!カタカタヘルメット団のようです!」
「あいつら、性懲りも無く…!」
「ホシノ先輩連れてきたよ!」
「むにゃ…まだ起きる時間じゃないよ…」
「言ってる場合か!」
「ホシノ先輩!ヘルメット団が襲撃を!こちらの方はシャーレの先生です。」
「どうもこちらの方です。落ち着いて話をしたかったが仕方がない。ひとまず弾薬を渡しておく。」
「補給も十分。すぐに出る。」
「はーい、出撃ですよー⭐︎」
ダッ、とそれぞれ外に出ていく。
「オペレーターは私が行います。先生はサポートを!」
「分かった。戦術指揮はこちらでやる、名前を教えてくれるか?」
「はい!私は奥空アヤネです。それから黒髪の子が黒見セリカ。先生と一緒に学校に来たのが砂狼シロコ先輩。ガトリングガンを持っているのが十六夜ノノミ先輩。そして先ほどまで寝ていたのが小鳥遊ホシノ先輩です!」
「よし、わかった。それじゃ、いっちょやりますか!」
「まぁ、補給も十分でサポートもあるなら簡単だよな。」
特に語ることもなく撃退成功。
「いやぁ、まさか勝っちゃうなんてね。」
「勝っちゃうなんて、じゃないですよ。負けていたらこの学校は不良たちのアジトになってしまいます…」
「先生の指揮も良かった。私たちだけの時とは全然違う。やりやすかった。これが大人の力…」
「このタブレット型オーパーツありきだけどな。」
「謙遜しなくていい。」
「いや本当に…」
「…さて、少し遅れちゃいましたけど、改めてご挨拶します。私たちはアビドス対策委員会です。私は書記とオペレーターを担当している1年の奥空アヤネです。こちらは同じく1年のセリカ、」
「どうも。」
「2年のノノミ先輩とシロコ先輩。」
「よろしくお願いします、先生〜。」
「さっき道端で最初に会ったのが、私。…あ、別にマウントを取ってるわけじゃない。」
「そして、こちらは委員長の、3年のホシノ先輩です。」
「いやぁ〜、よろしくね、先生。」
「あぁ、よろしくな。」
「ご覧になった通り、我が校は現在危機にさらされておりまして…先生がいらしてくれたことでその危機を乗り越える事ができました。先生がいなければさっきのヘルメット団に学校を乗っ取られてしまったかもしれません。感謝してもしきれません…」
「それはお前たちの力だよ。…そうだ、対策委員会とはなんなんだ?生徒会ではないのか?」
「そうですよね、ご説明いたします。対策委員会とは、このアビドスを蘇らせるために有志が集った部活です。」
「うんうん!全校生徒で構成される校内唯一の部活なのです!全校生徒といっても私たち5人だけなんですけどね。」
「他の生徒は転校したり学校を退学したりして街から出ていった。学校がこのありさまだから…住民はほとんどいなくなったし、さっきみたいなやつらに学校を襲われてる始末。」
「問題はヘルメット団だけじゃないのに…しつこいもん、あいつら!」
「…ならば、元を絶つか。こう言うのは生徒皆の先生として間違ってるかもだが…全員に手など差し伸べられない。いくら俺が頑張っても届く範囲にしか手は届かない。取捨選択はしないといけないか…」
「ま、仕方ないよー。それでさ、ちょっと計画を練ってみたんだけど。」
「ホシノ先輩が!?」
「そんな反応されると傷つくなー。」
「…それで、どんな計画なんだ?」
「それはね、今このタイミングでこっちから奴らの基地を襲撃しちゃおうって。向こうも消耗しているだろうしさ。こっちは先生のおかげで物資が充実してるしー。」
「ふむ…一理あるな。ヘルメット団の基地はどこにあるか検討はついているのか?」
「ここから30kmくらい。今からでも出発しよっか。」
「いいと思います!あちらも今から襲撃されるなんて夢にも思ってないでしょう!」
「先生はいかがですか?」
「いい考えだと思うぜ。」
「よっしゃ、先生のお墨付きももらったし、いっちょいきますかー。」
「善は急げ、だね。」
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