セシリアとの口論を終えて、二限目が始まった。すると千冬先生が何かを忘れていたかのような顔をしながら山田先生に代わって教壇に立った。
「…授業中すまない。クラス代表を決めるのを忘れていた。今から決めようと思う。」
クラス代表とは、再来週行われるクラス対抗戦に出場する選手であり、このクラスの室長も兼行する存在だ。しかもクラス代表だからには生徒会や委員会にも駆り出されるのだ。俺の答えは簡単…絶対にNOだ!!
「はい。」
まず一人の生徒が手をあげた。俺に投票しないよな?
「織斑君に投票します!」
「なっ………!?」
「私もそれがいいと思います!」
「私も~!」
よし!一夏に投票が回ったぞ!一夏…まぁ、代表になってもがんばr
「私は獅子神君に投票します!」
「私も同じく獅子神君に投票します。」
「私も~。」
な、何だってーー!?嘘だろ?俺まで推薦されちまったよ…ってか一夏、何げにお前はそんなにニヤけた顔でこっち向いてるんだ?道連れにされてザマァ(笑)って言いてぇのかぁ?よかろう、お前また後で悶絶チョップぶち込んでやるからな!?
その後、投票は俺と一夏に交互に割り振られ続けた。と、その時
「納得できませんわ!!」
ここでセシリアが机を叩きながら怒鳴り始めた。何だろう…この裁判で「異議ありっ!」って感じの怒鳴りは…?
「そんな選出は認められません!男がクラス代表だなんて、いい恥さらしですわ!!このセシリア・オルコットに、そんな屈辱を一年間も味わえとおっしゃるのですか!!?」
さっきの口論で頭に血が上ったせいか、ものすごい威圧感とプライドを放っている。女尊男卑主義者と言っても過言じゃないな。まぁ…俺と一夏もクラス代表になりたい訳じゃないし、別にこいつに代表の座に譲っても何にも問題は……
「実力で言えば、この私が代表になるのが当然です!!それを珍しい極東の猿にされては困ります!!それに、極東の猿そのものに代表の座を譲るなんてもっての他ですわ!!」
……前言撤回だこの野郎……!俺と一夏のみならず日本そのものに侮辱するつもりなのか?喧嘩売る気なのかこの野郎ぉ……!!俺は苛立ちながらシャーペンを握り閉め続ける。あいつの首根っこを“握り潰す”ように…
「大体、文化としても後進的なこんな国で暮らさなくてはいけない事自体、私にとっては耐え難い屈辱だというのに!!」
バンッ!!
俺はとうとう頭に血が上り、シャーペン諸とも机を叩きつけながら立ち上がり、セシリアの方を獅子の如く鋭い眼で睨みつける。ここまで侮辱されたら我慢できねぇな………セシリア……!もう絶対許さねぇ!!
「おい…。」
「何ですの!?」
「実力、実力ってほざきやがって……実力だけで代表になれると思ったら大間違いだ!!」
俺は心に溜まり続けた慎怒の声を教室全体に響くように怒鳴った。
「実力が無くては代表は務まらないのは当然のことですわ!!」
「セシリア……俺か一夏が代表になることが気に入らないことならまだいい。それだけだったら別に代表の座をお前に譲ってやっても俺は気にしない。けどよぉ、日本そのものに侮辱することは絶対許さねぇぞ!!」
俺はさらに怒りを露にして怒鳴る。何せこれはセシリアから日本への宣戦布告だからだ。
「それによぉ、日本を侮辱した時点でお前が代表になれないことは確定なんだよ。」
「な、何を言いますの!?極東に大して良いものなんてあるはずがありませんわ!!」
「…それを言われたらイギリスだって大したお国自慢は一つも無いだろ。世界一不味い料理で何年制覇だよ?」
ここで一夏も頭にきたのか、セシリアに対して暴言を吐いた。そう、まさにその通りだ。案外お前も腹黒いこと考えるんだな。
「っ!?あなた、私の祖国を侮辱しますの!?」
「その侮辱を先にやったのはお前だろうがっ!!」
やっぱりお前も頭に血が上ったみたいだな。一夏の怒りの言葉が、セシリアの怒りに油を注いだ。そしてセシリアは俺たちに指を差してこう言った。
「決闘ですわ!!」
ほぅ…いよいよ俺と一夏に宣戦布告したか。
「おぉ、いいぜ?四の五の言うよりは、よっぽど分かり易い!」
「私が勝ったらあなた達二人を小間使い…いえ、奴隷にして差し上げますわ!!」
「好きにしろよ。で、ハンデはどのくらいつける?」
「あら……早速、お願いかしら?」
「“俺が”どのくらい、ハンデをつければ良いかって事だよ。」
「は………?」
一夏がそう発言した瞬間、クラス中が爆笑し始めた。お前何を言ってるんだよ?
「ちょっと織斑君、それ本気?」
「男が女より強いなんて、大昔の話だよ?」
予想した通りの展開であった。一夏は迂闊な発言に後悔している。
「女が常に男よりも勝るというのは間違いだな。」
「どういうことですの!?」
「女が男より強いとはっきりと主張できるのはあくまでISを動かせるからだ。こんな状況を考えてみろ。女がISを動かせない、もしくは使用不能に陥った時と、男もISを動かせる時の2パターンだ。これもまとめて考えると戦況はどうなると思う?」
「「「「「……っ!」」」」」
やはりクラスの殆どが目を見開いたか。まぁ単純だな。現に女が強いのはISの恩恵があるからだ。それさえ断ち切ればこっちの手玉だ。
「それに証拠としてISを動かせる男は俺も含めて二人“ここ”にいるんだ。だから女は決して“男より強い”とは言い切れないはずだ。」
俺の発言にクラスは一気に静まりかえった。こんな重要なことにすら目を通してなかったんだろうな。
「あと一夏、お前代表候補生がどれだけISの操縦技量を積んでるか分かるか?」
「いや…全く…。」
「あんな奴にハンデなんて自殺行為だ。一緒に粛清してやろうぜ!」
「ああ!」
俺が一夏にそう言うと、一段落ついたかと判断した千冬先生がクラスを静めた。
「それでは、勝負は次の月曜日、第三アリーナで行う。織斑と獅子神とオルコットはそれぞれ、勝負の準備をしておけ。」
「分かりました。」
「了解です。」
「承知しましたわ。」
とりあえず来週に勝負するらしい。来週の内に【ライガーゼロ】の調整をしないとな。
ちなみに授業が終わった後に女子が何人か謝罪しに来たのはまた別のお話だ。
やっぱりパロディネタが多い……そして眼が痛いです。