授業が終わり、放課後の教室で俺は一夏に勉強を手伝っている。最初は本当にこいつはマジもんの観察処分者と思っていたけど意外にも呑み込みは早いらしく、勉強が全くできない訳ではないらしい。まぁ出来なかったらその時は悶絶チョップをうなじにぶち込むだけだ。
「あ!織斑君、“シシ”神君。まだ教室にいたんですね。ちょうどよかったです。」
山田先生は教室に入ってくると、俺たちを見てそう言った…ってかあんたもそっちの“シシ”神で呼ぶんかい。それよりも何か用件があるのか?
「えっとですね。寮の部屋が決まりました。」
………は?何でだ?そんな唐突なことを言いながら番号書かれた紙とルームキー渡されても困るんですけど?
「俺たちの部屋ってまだ決まってないんじゃなかったんですか?」
「そうですよ。俺は1週間は自宅通学としか聞かれてないんですが?」
「そうなんですけど、事情が事情なので一時的な処置として部屋割りを無理矢理変更したらしいです。」
うそぉ…しかも紙をよく見たら一夏と俺は部屋が別々になってるな。まぁ部屋が問題って訳じゃないしな。
「先生、じゃあ俺たちの荷物は「私が手配してやった。ありがたく思え。「あっ、はい。ありがとうございます…。」
千冬先生の威圧感が桁違いだ…。腕組むだけでこんなにジョ○ョっぽくなるんだな。
「“シシ”神の場合はZOITEC社の大嶋という者から荷物を授かっただけだが。」
大嶋さんが荷物を送ってくれたのか。そして千冬先生、何で“獅子”神って呼ばないんですか?そんなにジ○リにハマッてるんですか?
「え?翔汰って企業に所属してるのか?」
「ああ。」
俺はZOITEC社に所属している。俺が自宅で親父の遺作【ライガーゼロ】を手に入れた後、親父の研究仲間であった大嶋さんが社長に手引きしてくれたらしく、何とか企業に所属できた。そうでもないと絶対怪しまれること間違いないからだ。
「織斑先生。俺の荷物は…?」
「着替えと携帯電話の充電器“だけ”で良いだろう?」
“だけ”って……姉弟関係だからか一夏がものすごく可哀想だ。まあドンマイ。
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プルルルル
「ん?」
俺は一夏より先に寮に向かう途中、携帯が鳴った。通話相手は……大嶋さんだ。
「もしもし、大嶋さん?」
『ああ、翔汰君。荷物の方は自宅から色々なものを詰め込んでおいたからね。』
「変なもの入れてないですよね?」
『大丈夫大丈夫!変なものは入れてはいないから。』
本当だろうな…もし入ってたら電話で抗議してやろうかな…。
「大嶋さん。ちょっとお願いがあるんですが…。」
『ん?』
「実は1週間後に決闘することになったんですよ。だからそれまでに[CAS]の導入を急いでもらえないですか?一つだけでもいいので。」
[CAS【チェンジング・アーマー・システム】]、専用機で言うオートクチュールのことを差す。通常の機能特化パッケージとは違い、[CAS]はライガーゼロのコンセプトまでを180度切り換えると同時にその局地戦に応じて幅広い戦略的運用が可能になるライガーゼロの最大の特徴だ。
『うーん、それは難しいね。何せどのユニットもまだ完成度が40%も満たないからね。』
「そうですか。」
やっぱり[CAS]の導入はまだ早いか。CASはコストも桁違いらしいしな。
『ユニットは完成したら一つずつ導入していくからそれまでは辛抱しててくれ。』
「分かりました。」
俺は電話を切ると、そのまま部屋に向かう。
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「1026…ここか。」
俺は部屋の前に到着すると、ドアをノックする。
コンコン……
「は~~い。」
すると、ものすごいふんわりとした声と共にドアが開いた。そしてそこから本音が出てきた。そういえばこいつ俺を推薦していたな。
「なんの用かな~?」
「ああ、部屋の割り振りで先生にここに住めと言われたから来たんだ。」
「ん~、そうなのか~、よろしくガオガオ~。」
何だその犬につける名前みたいなあだ名。俺は苦笑いの表情を浮かべながら荷解きを始める。
「お~、キラキラしたのがあるね~。」
「シルバーアクセだよ。ほら、自己紹介のときにこれを集めるのが俺の趣味ってi「おーい“シシ”神!俺だ!開けてくれ!」………。」
一夏……お前何回言ったら分かるんだ?“シシ”神って呼ぶなというのを学習してねぇのか?俺はドアを開けて……
「“シシ”神、実h「ガァァァッデェェェム!!」イ"ェェアアアア!?」
そして思いっきり教科書で叩いた。その瞬間、一夏はそのまま悶絶した。
この後俺は悶絶した一夏を元の部屋に送り返した。そして隣からものすごい断末魔が響いたのは言うまでもない。
CASってISだとオートクチュールの立場になると思うんですよね。