翌日、俺は朝食を食べる為、本音と一緒に食堂に入る。ちなみに本音は洋食、俺は和食を選んだ。
「あ、おはよう翔汰。それに本音さん。」
「………。」
「ん?ああ、一夏か。おはよう。」
「おりむ~、おはよ~。」
一夏の隣に座っている少女・篠ノ之箒を除いた俺たちは挨拶をする。
「なぁ翔汰。昨日から箒が「名前で呼ぶな!」…あ、ごめん篠ノ之さん……で、篠ノ之さんの機嫌が悪いんだけど…。」
「一夏、部屋入る時にノックしたか?」
「…してない。」
「やっぱりな。昨日俺たちの部屋に逃げてきた理由が分かったよ。」
「は、はは……。」
一夏は汗を流しながら苦笑いした。用はラッキースケベってやつか?そりゃ箒も怒るって。
「そーいえばがおがお~。」
「ちょっ!?…そのあだ名やめろって…!」
「“がおがお”って……くくく……」
「…………ふっ…。」
のほほんさん………何故そのあだ名使うんだよ…それどっかで見たことあるぞ…。“シシ”神よりはマシな方だけどはっきり言って恥ずかしい……箒や他の生徒も笑ってるよ……そして一夏、お前は後で覚えてろよ?
「いつまで食べている!さっさと行動しろ!遅い者はグラウンドを10周させるぞ!」
ここで千冬先生が食堂に入ってきて、出席簿を叩きながらそう言った。すると周りの生徒たちが大急ぎで食べ始めた。普通の先生なら無視する生徒達も千冬先生だとすぐ行動するな。千冬先生のカリスマ性は尋常じゃないな。
「じゃ、俺は先に行く。」
「私も先に行くね~。」
「え!?ちょっと待って!?」
朝っぱらからグラウンド走るのは御免だ。俺と本音は先に教室まで向かった。ちなみにこの後、一夏は何とか間に合ったそうだが、千冬先生に叩かれた。まぁ、お約束か。
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授業が終わり、俺と一夏はクラスの生徒ほぼ全員から質問攻めを受けていた。というより昼休みと放課後は暇かと尋ねているだけに聞こえるが。
ちょうどその時、教室に千冬先生が入ってきて、何故か一夏を叩く。何を言ったんだろう…。
「一夏、お前の使用するISなんだが、学園で使える予備機が無いため準備に時間がかかる。それで学園がお前の専用機を用意するそうだ。」
一夏が未だに理解していない中、千冬先生の言葉に教室中がざわめきはじめた。
「せ、専用機!?一年で!?」
「という事は政府から支援が出てるのかな?」
「いいなー、私も専用機欲しいなー。」
クラスの女子達がそんなことを言ってる中、一夏は未だ理解できていない。
「え?…どういうこと?」
スパァン!
「教科書を読め。」
「は、はい。」
千冬先生に何回も叩かれた一夏は教科書を開く。内容をまとめると、まずISのコアを作成する技術は非公開。世界中にあるIS467機のコアは全て篠ノ之博士が作った。ブラックボックス故に作れるのは篠ノ之博士だけだが、それ以上の作成は拒絶している…ということだ。
「理解できたか?」
「はい、何とか…。」
その顔、絶対理解してないだろ。
「先生、そういえば翔汰の専用機は?」
「ああ、それは既に獅子神の元に渡っている。」
「…え!?」
千冬先生の言葉を聞いて一夏は驚きを隠せなかった。それは一夏だけでなくクラスの女子達もだ。
「あの、先生。思ったんですけど、篠ノ之さんって、もしかして篠ノ之博士の関係者なんでしょうか?」
ここで一人の女子が千冬先生に質問した。おいおい、それってプライバシーを守ってない質問じゃないのか?
「そうだ。篠ノ之はあいつの妹だ。」
あっさり答えちゃったよ。教師がプライバシーを守らないでどうするんだよ。クラスの女子達はそれを聞いて一斉に箒のもとに集まり、質問攻めをする。ただでさえ箒の機嫌が悪いのに、余計刺激することになるぞ…?
「あの人は関係ない!!!」
ああ、とうとう箒が怒号をあげてしまった。質問攻めしていた女子達が全員硬直した。
「……大声出してすまない。だが、私はあの人じゃない。教えられるようなことは何もない。」
箒はそう言うと、窓の外に顔を向けた。女子達はそれぞれ困惑や不快な表情をして席に戻った。
どうやら箒は姉に対して良いイメージを持っていないらしい……俺とは正反対だな。
「さて、授業を始めるぞ。」
そんな中、千冬先生の言葉で授業が始まった。
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「安心しましたわ。まさか訓練機で対戦しようとは思ってなかったでしょうけど。」
休み時間、俺と一夏のもとにセシリアが再びやってきた。よく見ると昨日とポーズが一緒だ。
「まあ?一応勝負は見えていますけど?さすがにフェアではありませんものね。」
「何で?」
「……。」
一夏は理解できない様子で聞き返し、俺は無言のまま立つ。
「あら、ご存じないのね。いいですわ、庶民の貴方達に教えて差し上げましょう。」
決闘に巻き込まれた影響か、俺も含まれていた。一夏と違って俺は大体のことは知っている。
「このわたくし、セシリア・オルコットはイギリスの代表候補生…つまり、現時点で専用機を持っていますの。」
「へー。」
「あっそ…。」
「……馬鹿にしていますの?」
セシリアの自慢話に俺は適当なこ返事を言い、一夏は頷きをした。俺たちの態度に苛立ったセシリアが顔を引きつらせていた。
「一夏はまだしも、俺は既に専用機を所持してるんだ。そんな自慢話されても驚く訳ないだろ?」
「何ですって!?」
すぐ頭に血が上ったセシリアはそう言って一夏の机を両手で叩いた。
「貴方達、覚悟しておきなさいよ!貴方達が私に敗北することを!」
「その台詞そっくりそのまま返すよ。」
「~~~!わたくしに勝てると思ってるのですか、身の程知らずも大概にしなさい!」
「身の程知らずも何も、『強者が勝つのではなく、勝った者が強い』って言うじゃないか。それなら俺はこう宣言しておくぜ。“俺は狙った獲物は必ず仕留める”。」
「キィ~~~~!!!もう泣いても謝っても許しませんわ!覚悟しておくように!」
セシリアは怒りが頂点に達してそのまま教室から出ていった。
「ふぅ…これで面倒なのも行ったな。」
「ところで、どうする?」
「俺は今から食堂に行くよ。」
俺は一夏にそう言ってひとまず食堂に向かう。
ピロロロン
「ん?メール?」
俺は途中で立ち止まり、携帯を取り出してメールの内容を確認した。送り主は大嶋さんだ。えーと、『夕食を食べ終えたらアリーナに来てくれ。ちなみに先生には許可をもらったよ。』か。決闘を控えてるし、ちょうどいいか。
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俺は一夏達よりも先に夕食を食べ終え、アリーナに行く。そして更衣室に行き、ISを使用するためのスーツに着替える。着替え終えてアリーナの中央まで行くと、そこには例のごとく大嶋さんが待っていた。
「やぁ翔汰君。急に呼び出してすまないね。」
「いや、ちょうどいいですよ。決闘が控えているもので……それで、用件は何ですか?」
「決闘前の特訓だよ。とりあえず翔汰君、まずはISを展開してくれ。」
「分かりました。」
やっぱりメールの内容は特訓だったか。俺は大嶋さんの指示を受け、指輪をはめた右手を左手で添える。すると眩い光と共に指輪がアーマーに変形し、俺はIS【ライガーゼロ】を纏った状態になる。
「そういえば大嶋さん。千冬先生は俺のISのコアが親父の作ったものということは知ってるんですか?」
「うーん…ISを持たせていることは伝えたが、そこまではまだ伝えてないね。その時が来たら私が伝えるよ。」
「分かりました。」
千冬先生はまだ知らないのか。
「翔汰君、CASはまだだけど、これを作った。」
ここで大嶋さんは思い出したかのように鞄から何かを取り出した。
「これは…光線銃?」
「そうだ、名称は【グリーヴァ】だ。ライガーゼロの武装が突撃銃と近接用の爪だけだったからね。決闘となるとそれだけじゃ厳しいと思って作っておいたんだ。」
「なるほど…。」
俺はグリーヴァを手に取る。そしてアサルトライフル【レーベ】を実体化させてグリーヴァと比べてみた。
「…レーベと同じくカービン化されてるな。」
「その通り。ライガーゼロは機動性がメインだからね。武装はあえて軽いものにしているんだ。」
「なるほど。」
「とりあえず、話はここまでにして特訓を始めようか。」
「はい!」
大嶋さんはそう言うと、俺はさっそく特訓を始めた。
この特訓は決闘の日まで続いた。
倫理が授業で出ているために、何げに翔汰にある名言を言わせました。