転生したら暗月の大剣でした 作:月光剣好きな男
血が流れる。刺されたお腹はもう赤く染っている。
徐々に寒くなってきたことが分かる。
口に広がる鉄の味。
動こうとすると多量の出血により思い通りに動かない。
聞こえていた音も、見えていた目も何も感じ取れなくなった。
──あぁ、俺は死ぬのか──
俺は朝、学校に行くために通学路を歩いていたら前から通り魔に刺されてしまった。
もっと幸せに生きたかったな、もっともっとやってみたい事があったんだけどなこれまでか。
次生まれ変わるなら"剣"の様にたくましく生きたいな。
【確認しました。転生先の種族は剣に設定……成功しました。
【次に転生時の剣型は大剣に設定……成功しました】
ん?幻聴か?俺の要望を聞いてくれているのか?まぁ最後だしちょうど良いか。
そうだな、次は月の様になりたいな。
【確認しました。
次は空間を切り裂くような斬撃が欲しいかな。
【確認しました。
後は剣の扱いを世界でも類を見ない強さにして欲しいかな。
【確認しました。
最後に、一つにまとめてくれないかな?
【確認しました。
これくらいかな。最後まで厨二病の俺に付き合ってくれてありがとう。
そして俺は安らかに永遠に目を閉じた。
───その瞬間、身体が暖かくなるのが分かった。それだけじゃなく他にも色々な感覚があるのが分かった。
俺は目を覚ました。刺されたハズのお腹を見ようとして俺はふと思った。
何故か背中が曲がらなく腕もない、そう俺は──大剣になっていた。
「(え、俺転生した?)」
どうやら俺は転生したらしい。
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まじかよ、夢に見た事だぜ。全男子なら憧れる転生ものだが俺は少々違うらしい。俺はなんと大剣になっていた。
藍色で両刃の刀身。刀身は大きく180cm位はありそうだ。柄の部分は頑丈そうな木で出来ていた。
俺は普通に思ったこれもいいかなと。なんでかって?──なんたってかっこいいもん!なんだよ青くて大きな剣って男子の憧れる奴じゃぁないか!!俺は転生しても悔いは無い!
俺はそうして剣を祭壇から抜こうとした。
しかし──ん?抜けねぇぞ。
どうやらまだ抜けないらしい──じゃねぇよ!勇者でもないと抜けねぇってか!?終わってんだろ!なんとかして、ぐぬぬぬぬぬぬ。ぬ、抜けない。
そこで俺は察した──あ、俺の人生ここで終わったんだ。
しかしここで転機が訪た。白く魔女が被って居そうな尖った帽子。外に羽織っているのは黒い毛皮のようなローブ。中にはこれまた白いローブと長いスカートを着ている。慎ましやかな胸の前で優雅に組まれた腕が四本。明らかに人の目から目見ても"異形"。
そんな人が俺に近づいてきた。そして話しかけて来たのである。
「お前……何者だ?」
ふと帽子を上げたので顔を見るとそれはそれは、この世の誰よりも美しく月の様に輝いて見えたのである。クールビューティーという言葉が似合う整った顔立ち。そよ風で靡いた群青色の髪は背中の半ばまであり顔は二つある。幽霊のようなその人の顔立ちや体格は肉体と異なっている。明らかに人ではない。生気が感じられないから、恐らく人形の類と思われる。となると、重なり合う形で視えるあの人が本体か、それでもなお美しい、俺は正直にそう思った。
「もう一度聞く……お前は何者だ?」
おっと名を名乗らないとな、そう思い名乗ろうとした。
しかし──あれ?俺ってどうやって名乗るんだ?それと今の俺の名前ってなんなんだ?
「なんだ?話せないのか?」
「(そうだよ、どうすればいいんだ?)」
「なんだ、話せるではないか」
「(えっ!俺、話せたの?)」
「あぁ、ちゃんと聞こえているぞ」
「(それなら良かった。それで俺はまぁ名無しの大剣だな。それであなたは?)」
「そうか。私は魔女ラニ」
「(ラニさんここから私を抜いてください)」
「生憎と私はここにきたばかりでなそう言う物には疎いのだよ」
「(俺もですよ。最近ここに来ました)」
「そうかお前もか経緯を聞かせてくれるか?」
そうして俺はラニにこの世界に来た理由を話した。そしてラニの方もこの世界に来た理由を話してくれた、どうやら肉体を殺し魂だけを別の肉体に移そうとして不思議な光に飲まれこの世界に来たと言う理由らしく肉体は目が覚めるともう馴染んでいたらしい。
「(へ〜ラニさん大変だったんだね)」
「なんだ?驚かないのか?私は罪を犯したのだぞ」
「(いやいや、自分の意思でそうしたのなら良いんじゃないかな?)」
「そうか、お前は優しいんだな」
「(まぁね)」
「そんな優しいお前に朗報だ。私に仕えないか?」
「(どうして?)」
「お前に興味を持った、それだけだ」
「(報酬はあるのか?)」
「お前をそこから引っ張り出そう」
「(喜んで仕えさせていただきます!)」
「単純なヤツだな」
ラニさんは優しく微笑んで俺を引き抜くのに多少の時間がかかったが引き抜いてくれた。あれ?でもよ俺、全然抜けなかったのにラニさんは抜いてしまった………あれラニさん、力強くね?
「重いぞお前」
そんな事はないらしい。
「それでも手に馴染むな、お前」
「(酷いな、ラニさん。でもまぁ抜けたし手に馴染んだのなら良かったです)」
「それとお前、今思ったがここにある魔力で抜けたのではないのか?」
「(はい?)」
「まぁなんださっき言った様に私も今分かった事だ。それで、私の憶測なのだが」
それからラニさんは俺に今分かっていることを教えてくれた。存外優しいなラニさん。
そして俺は魔力探知と魔力浮遊を覚えた。まぁ前者は簡単だったが後者は習得するのに時間がかかってしまった、泣けるぜ。
すると突然ラニさんが俺に向かって「お前の力を見てやる」といいなんか目の凝らして見てきた。
そしてラニさんは見終わると俺を終始驚いた顔で見てきた。
ラニが見たのは名も無き剣の真髄であった。
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【基本性能】
【物理攻撃力】〔82〕 【物理カット率】〔42〕
【魔力攻撃力】〔98〕 【魔力カット率】〔63〕
【炎攻撃力】 〔0〕 【炎カット率】 〔31〕
【雷攻撃力】 〔0〕 【雷カット率】 〔31〕
【聖攻撃力】 〔0〕 【聖カット率】 〔31〕
【致命攻撃力】〔100〕 【ガード強度】 〔36〕
【射程距離】 〔-〕
【付帯効果】
【付帯効果 : 冷気】
【現在の能力値】
【生命力】〔18〕
【精神力】〔19〕
【持久力】〔12〕
【筋力】〔16〕
【技量】〔11〕
【知力】〔38〕
【信仰】〔0〕
【神秘】〔0〕
【戦技 : 月光剣】
【タリスマン】
【捧闘の剣のタリスマン】
『HPが最大のとき、攻撃力上昇』
【魔力の蠍】
『魔力攻撃力を高め、カット率が下がる』
【ゴッドフレイの肖像】
『魔術/祈祷/戦技のタメ使用を強化する』
【アレキサンダーの破片】
『戦技の攻撃力を大きく高める』
【霊薬】
【魔力纏いの割れ雫】
『一時的に魔力の与ダメージを1.2倍にする』
【大棘の割れ雫】
『一定時間タメ攻撃を強化する』
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「面白いなお前は」
「(どういう事ですか?)」
「そうだな簡単に言えば…お前は"強い"ということだ」
「(まじすか)」
「本当だ。しかしながらまだ本当の力は出せていないな」
「(なるほど、どうすれば強くなれますか?)」
「場数を踏むんだな」
「(なるほど)」
「それでは行くぞ」
「(はい!)」
俺とラニさんは洞窟から出るために歩を進めた。
ラニ様は神。