伏黒恵の調和 (タイトル変更)   作:ゲダツ

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私は間違えました さすがに原作そのままを小説載っけるのはバカのやることでした さすがに今後はそれはないようにいたしますので、今回は許してください!
あと日間ランキングに私の作品が入っている!! 皆様のおかげです!!


11 調伏と作戦

――――――――――

交流会まで、あと数日。

――――――――――  

 

 

 

 

 

 

高専の訓練場。

 

 

まだ朝の空気が残る、静かな時間帯だった。伏黒は一人、影を見下ろして立っている。

 

 

「……交流会まで、時間がない」

 

 

 

静かに状況を整理する。

 

 

「現在、調伏が終わっている式神は――」

 

 

・玉犬(これは最初から所持している)

 

・鵺

 

・大蛇

 

・蝦蟇

 

・満像

 

・脱兎

 

 

「最初からもらえる玉犬を除いて、すでに6種類は調伏済み」

 

 

影がわずかに揺れる。

 

 

「未調伏なのは、あと4種類」

 

 

伏黒は指を折りながら確認する。

 

 

「円鹿」

 

 

「貫牛」

 

 

「虎葬」

 

 

「……そして魔虚羅」 

 

 

最後の名だけ、わずかに間を置いた。

 

 

 

 

「魔虚羅は論外だ。今やるものじゃない」

 

 

 

 

淡々と切り捨てる。

 

 

「だから現実的に交流会までに狙うのは、残り3体」

 

 

伏黒は手を組む。

 

 

「再調伏の儀と違って――」

 

 

 

「普通の調伏の儀は、手印さえ結べば即座に開始できる」

 

 

一度経験したことで、術式の“開き方”が身体に馴染んでいた。

 

 

「……楽なもんだ」

 

 

場所は前回と同じ高専の訓練場。

 

 

今回は人のいない朝を選んだ。

 

 

「まずは――」

 

 

伏黒は印を結ぶ。

 

 

「貫牛」

 

 

影が盛り上がる。

 

 

次の瞬間、巨体の式神が現れた。

 

 

地面を削りながら、一直線に伏黒へ突進してくる。

 

 

「――!」

 

 

伏黒は即座に横へ跳ぶ。

 

 

(土煙が弾ける)

 

(原作の情報通りだ)

 

 

伏黒は冷静に思考を巡らせる。

 

 

(貫牛は直線でしか動けない)

 

(その代わり――)

 

 

地面を抉りながら再び距離を取る貫牛。

 

 

(距離を取れば取るほど、突進の威力が増す)

 

 

 

「単純だが、厄介だな」

 

 

伏黒はわずかに影へ呪力を流す。

 

 

「――来い」

 

 

影の中から現れたのは、

 

蝦蟇と玉犬の融合体。

 

 

「蝦蟇犬さん」

 

 

長い舌が伸び、突進してきた貫牛の脚へ巻き付いた。

 

 

拘束。勢いが止まる。

 

 

「今だ」

 

 

伏黒の影がさらに広がる そこから――複数の“伏黒”が現れた。

 

 

影分身。

 

 

だが、それだけではない。

 

 

「潜れ」

 

 

影分身たちは、拘束された貫牛の影へ沈み込んでいく。

 

 

次の瞬間。

 

 

貫牛の身体が、唐突に沈んだ。

 

 

 

 

ズン――

 

 

まるで見えない重量に押し潰されたように。伏黒は静かに説明する。

 

 

「さっきの影分身には、“満像”を含ませてある」

 

 

影の中に潜ませたのは、象の式神の質量。

 

 

「見た目はただの影分身」

 

「だが中身は像だ」

 

 

さらに数体、重ねる。

 

 

「……複数体分の重さに耐えられるか?」

 

 

完全に煽りだった。

 

貫牛は脚を震わせながら、なお伏黒へ進もうとする。

 

 

だが速度は激減。

 

 

鈍足。

 

「終わりだ」

 

 

伏黒は手をかざす。

 

 

「黒狼」

 

 

影から現れた黒い玉犬。

 

 

次の瞬間――素早い連続攻撃。

 

 

牙、爪、呪力を纏った打撃や斬撃が叩き込まれる。

 

 

 

逃げ場のない状態で、貫牛は耐え続けるが――

 

 

限界が来た。

 

 

 

巨体が、崩れ落ちる。

 

 

砂のように。

 

 

肉体が時計崩しのように砕け――そのまま伏黒の影へ吸い込まれていった。

 

 

静寂。

 

 

伏黒は息を整える。

 

 

「……調伏、完了」

 

 

影の中に、新たな存在が沈んでいるのを感じる。

 

「残るは――」

 

伏黒は空を見上げる。

 

「円鹿」

 

「虎葬」

 

「……この2体だな」

 

 

伏黒恵は、その場から動かず、すぐに次の手印を結んだ。

 

 

 

 

「……続けていく」

 

 

 

 

 休む理由はない。 交流会まで残された時間は限られている。

 

 

 

 円鹿の手印を結ぶ

 

 

 

「円鹿」

 

 

 

 影が静かに波打つ。

 

 

 

 そこから現れたのは、巨大な鹿の式神。 角は樹木のように枝分かれし、空気そのものが澄んでいくような異様な気配を放っていた。

 

 

 

 伏黒は即座に理解する。

 

 

 

(これが円鹿)

 

 

 

 同時に、原作の情報を思い出し、頭の中で整理する。

 

 

 

(円鹿の周囲には反転術式が張り巡らされている)

 

 

 

(術師の治癒が可能)

 

 

 

(さらに――)

 

 

 

 円鹿の周囲の空間がわずかに歪む。

 

 

 

(他者の呪術を中和し、術式効果そのものを無効化できる)

 

 

 

「……サポート特化型か」

 

 

 

 円鹿が伏黒へ向かって駆け出す。

 

 

 速い。 だが――

 

 

「抵抗手段は、術式中和以外ほぼ無い」

 

 

 伏黒は即座に判断した。

 

 

「蝦蟇犬・白」

 

 

 すでに影の中へ潜伏させていた式神が現れる。

 

 

「援護射撃」

 

 

 蝦蟇犬・白の口腔に呪力を収束。

 

 

 ――呪力弾、発射。

 

 

 連続で撃ち込まれる呪力弾が円鹿の進行をわずかに鈍らせる。

 

 

「白狼」

 

 

 伏黒は間髪入れず、もう一体を顕現させた。

 

 

 白い玉犬が影から現れる。

 

 

「呪力砲、準備」

 

 

 白狼の口元に膨大な呪力が集束していく。

 

 

(円鹿は中和はできても)

 

 

(圧倒的な呪力出力そのもの全部を消せるわけじゃない)

 

 

 円鹿が距離を詰める。

 

 

 だが伏黒は一歩も動かない。

 

 

 

(時間さえ稼げれば――)

 

 

 

 呪力の圧縮が極限に到達する。

 

 

 

(白狼で消し飛ばせる)

 

 

 

「撃て」

 

 

 

 白狼が、呪力砲を放った。

 

 

 

 轟音。 

 

 

 圧縮された呪力の奔流が、円鹿の巨体を正面から呑み込む。

 

 

 次の瞬間。

 

 

 

 円鹿の身体の大半が消失していた。残った部分も、維持できずに崩壊。

 

 

 溶けるように形を失い――

 

 

 

 伏黒の影へ吸い込まれていく。

 

 

 

「……調伏完了」

 

 

 

 伏黒は短く息を吐く。

 

 

 

「残るは――虎葬」

 

 

 

 

 

 

 ★

 

  

 

 

 数時間が経過していた

 

 

 同じ訓練場。 伏黒は最後の虎葬の手印を結ぶ。

 

 

 

「虎葬」

 

 

 

 影が裂ける。

 

 

 

 次の瞬間。

 

 

虎葬が姿を現した――が

 

 

「――撃て!!」

 

 

 

 出現と同時の命令だった。

 

 

 

 白狼は、すでに呪力砲の“溜め”を終えていた。

 

 

 円鹿の調伏完了後から、 ずっと呪力を圧縮し溜め続けていたのだ。

 

 

 

 発射。

 

 

 準備済みの最大出力が、出現直後の虎葬へ直撃する。

 

 

 

 虎葬は何もできなかった。

 

 

 

 顕現した瞬間に、呪力砲に呑み込まれる。

 

 

 回避も、術式も、発動する暇すらない。

 

 

 

 そのまま消滅。

 

 

 

(……リスキルになったな)

 

 

 

 伏黒は内心で思う。

 

(原作に一度も出てこなかったから情報がなかった)

 

 

 (だからこの方法でしかやるしかない ごめんなこれも全てあの単眼猫っていうやつが悪いんだ)

 

 

 

 崩れた残骸が影へ吸収されていく。

 

 

「……調伏完了」

 

 

 これで、

 

・貫牛・円鹿・虎葬

 

 

 今回のすべての目標を終えた。

 

 

 

「……終わった」

 

 

 

 緊張が一気に解ける。

 

 伏黒はその場に座り込み――そのまま訓練場の地面へ倒れ込んだ。

 

無理もない伏黒は何度も死線を超えている 今回のことでまた危機に至る可能性が伏黒の頭から離れなかった

 

 

 朝日が少し高くなっている。

 

 

「……少しだけ……」

 

 休むつもりはなかった。だがあまりの疲労で限界だった。

 

 

 伏黒恵は、そのまま訓練場で眠ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

――訓練場。

 

 

「……おい」 

 

 

 声が聞こえた。

 

 

「おい、伏黒」

 

 

 肩を軽く蹴られる。伏黒はゆっくりと目を開けた。

 

 

「……真希先輩?」

 

 

 視界に入ったのは、呆れ顔の禪院真希だった。

 

 

「今、何時だと思ってんだ」

 

 

「……朝、じゃないんですか」

 

 

「昼だ」

 

 

 伏黒は数秒固まった。

 

 

「……だいぶ寝たんだな」 

 

 

「だいぶどころじゃねぇよ」

 

 

 真希はため息をつく。

 

 

「探したんだぞ」 

 

 

「先輩たちは?」

 

 

「パンダは何してたんだ?って騒いでた」

 

 

 伏黒は体を起こす。

 

 

「……調伏してました」

 

 

「また無茶してんじゃないよな」 

 

 

「ただの調伏だったので楽でした」

 

 

「“ただの”の基準がおかしいんだよお前は」

 

 

 伏黒は立ち上がりながら言った。

 

 

「……今日、交流戦の作戦立案のミーティングですよね」

 

 

「だから探してたんだ」

 

 

 真希が指を差す。

 

 

「なのにお前はここでぐっすり眠りやがって」

 

 

「……すいません」 

 

 

 

 

 

 

 

 

――場面転換。

 

 東京校・教室。

 

 中ではすでに狗巻棘と釘崎野薔薇が待っていた。 

 

 

「遅い!」

 

 

 釘崎が腕を組んだまま言う。

 

 

「あんたどこで道草食ってたのよ」 

 

 

「ちょっと仮眠を取っていただけだ」

 

 

「“ちょっと”ねぇ……」

 

 

 伏黒はそのまま話題を切り替える。

 

 

「作戦の説明をする」

 

 

 影が広がる。

 

 

「来い」 

 

 

 現れたのは、

 

 

 白い玉犬の機動力と、 脱兎の数を併せ持った新しい式神。

 

 

「うさぎ犬です」

 

 

「……可愛い」

 

 

 釘崎が即答した。 

 

 

「ネーミングセンスがダセぇ」

 

 

 真希は真顔だった。

 

 

「……名前は仮です」

 

 

 

 伏黒は続ける。

 

 

「まず俺が、うさぎ犬をフィールド全体に放つ」 

 

 

「この中の俺が決めた"1体”に、視覚情報を集約できます」

 

 

「つまり――」

 

 

「索敵用ってこと?」

 

 

 釘崎が聞く。

 

 

「それだけじゃない」

 

 

 伏黒は一体のうさぎ犬を持ち上げた。

 

 

「こいつは通信手段として使えます」

 

 

「さらに――」 

 

 

 うさぎ犬が変形し、帽子の形になる。

 

 

「帽子になる」

 

 

「……は?」

 

 

 真希が眉をひそめる。 

 

 

「これを身につければ」

 

 

「ラグのある電話より早く、情報共有できる」

 

 

「視覚情報を直接渡せるからだ」 

 

 

「……つまり」 

 

 

「その帽子をかぶらないといけないってことか?」

 

 

「東京校全員、そうなります」

 

 

「俺が視覚情報を捌きます」

 

 

「必要な情報を、帽子をかぶった全員へ共有する」

 

 

「かぶっている者同士でも情報交換が可能です」

 

 

「帽子が壊れない限りは」  

 

 

「なるほどな」 

 

 

 真希が腕を組む。 

 

 

「その情報を元に」

 

 

「蝦蟇犬さん達に呪霊の討伐、京都校の足止めをさせる」

 

 

「……あんた式神に“さん”付けするのね」

 

 

 釘崎が半目になる。

 

 

 その時、パンダが口を挟んだ。

 

 

「東堂は誰が相手にするんだ?」

 

 

 伏黒は答える。

 

 

「東堂相手に作戦は二つあります」

 

 

「一つ目」

 

 

「蝦蟇犬さん・白のほとんどを東堂を足止め」 

 

 

「呪力を吸収させて弱体化させる」

 

 

「二つ目」

 

 

「東京校の全員が、俺が作った“京都校の姿の影分身”を纏う」

 

 

「その姿で東堂に接近、不意打ちする」

 

 

「うわ」

 

 

 パンダが苦笑した。

 

 

「一度そうなったら疑心暗鬼になるな」

 

 

「誰が敵で誰が味方か分かんなくなる」

 

 

「……でもそれ」

 

 

 真希が言う。

 

 

「伏黒の負担がデカすぎるだろ」

 

 

「大丈夫です」

 

 

 伏黒は即答した。

 

 

「影分身の姿の維持は、白狼に任せます」

 

 

「式神にそんなことができるのか?」

 

 

「この白狼は精密な呪力操作が可能です」

 

 

「影の制御程度なら問題ない」

 

 

 真希は数秒考え、

 

 

「……それなら大丈夫か」

 

 

 と頷いた。 

 

 

 

 

 

 作戦ミーティングは、そのまま解散となった。

 

 

 各々が交流会に向けて準備へ移る。

 

 

 狗巻は呪言の調整へ。 パンダは体術の確認へ。 釘崎は真希と組み手へ向かっていった。

 

 

 

 

 一方――

 

 

 

 

 伏黒は訓練場に残っていた。

 

 

「……やることは、まだある」

 

 

 交流会でくる呪霊たちにはまだ足りない

 

 

 伏黒が習得しようとしているものは、二つ。

 

 

 

 一つ。

 

 

 

 

 

 反転術式。

 

 

 

 

 二つ。

 

 

 

 自分の体から立ち上る呪力を、ほぼ完全に消すこと。

 

 

 この二つはできるかもしれない、なぜなら転生して最初に自分へ課した“縛り”だった。

 

 

 

 ――毎日、必ず呪力操作を行うこと。

 

 

 

 その代償として、精度だけは上がり続ける。

 

 

 

 結果。

 

 

 

 今の伏黒は――

 

 

 

 特級術師レベルの呪力操作精度に到達していた。

 

 

 

「……操作は、もう問題ない」

 

 

 だが問題は、前者。

 

 

 反転術式。

 

 

「どうやって……反転させる」

 

 

 理屈は知っている。

 

 

 負の力同士を掛け合わせ、正の力を生む。

 

 

 だが――

 

 

 やり方が分からない。

 

 

 これまで何度も黒閃を放ち、呪力の核心に触れかけている。

 

 

 あと少し。

 

 

 本当に、あと一歩。

 

 

 だがその一歩が、届かない。

 

 

「……なら、先にもう一つを完成させる」

 

 

 今は呪力消失の方を詰めるべきだと判断した。

 

 

 伏黒は座禅を組む。

 

 

 呼吸を落とす。

 

 

 意識を、体内の流れへ沈めていく。

 

 

 呪力を――抑える。

 

 

 

 ゆっくり。

 

 

 

 本当に、ゆっくり。

 

 

 通常、呪力は常に体から滲み出ている。

 

 

 それを止めるということは、

 

 

 生命活動の一部を止めるのに近い。 

 

 

 呪力が、消えかけた瞬間。

 

 

「……ッ」

 

 

 猛烈な眠気が伏黒を襲った。

 

 

 思考が落ちる。

 

 

 視界が霞む。

 

 

 意識が沈みかける。

 

 

 伏黒は即座に呪力消失を中断した。

 

 

「……なるほど」

 

 

 冷静に分析する。

 

 

 呪力の放出は、代謝と同じ。

 

 

 それを止めれば、当然反動が来る。

 

 

 先ほどの眠気が、その代償。

 

 

「……なら」

 

 

「慣らせばいい」

 

 

 伏黒は、もう一度呪力を抑え始めた。

 

 

 眠気が来ても、止めない。

 

 

 ただ続ける。

 

 

 数十分。

 

 

 数時間。

 

 

 繰り返すうちに――

 

 

 眠気に、抗えるようになっていた。

 

 

 呪力を消した状態。

 

 

 それは奇妙な感覚だった。

 

 

 意識の半分が覚醒し、

 

 

 もう半分が眠っているような状態。

 

 

(……これが、呪力ゼロに近い状態か )

 

 

 

 伏黒は確認のため、真希たちの方へ向かった。

 

 

 

 

 ★

 

 

 

 

真希と釘崎は組み手の最中だった。

 

 

「おい、どうした」

 

 

 真希が気づく。

 

 

「確認してほしいことがあります」

 

 

「今から呪力を抑えるので、どう見えるか教えてください」

 

 

 伏黒は地面に座り、再び集中する。

 

 

 呪力を、落とす。

 

 

 限界まで。

 

 

 真希の表情が変わった。

 

 

 驚きに。

 

 

 彼女は眼鏡を外した状態と比較していた。

 

 

 呪力を感知できない、あの感覚と――

 

 

 ほぼ同じ。

 

 

 

「……お前」

 

 

「呪力、消してんのか?」

 

 

 伏黒は呪力消失を解除し、答えた。

 

 

「はい」

 

 

「ただ、消すことに集中力を全部持っていかれるので」

 

 

「他の行動はほぼできません」

 

 

 真希は、少しだけ笑った。

 

 

「それでも十分すげぇよ」

 

 

「そんな芸当、普通できねぇ」

 

 

 呪力消失。

 

 

 習得完了。

 

 

「……次だ」

 

 

 伏黒は移動し訓練場へ戻る そのまま、反転術式の修行へ移行した。

 

 

 反転術式とは何か。

 

 

 負の力同士を掛け合わせ、正の力を生むこと。

 

 

 だが伏黒は、理解できていなかった。

 

 

 どう掛け合わせる?

 

 

 どう反転する?

 

 

「……数式の問題じゃない」

 

 

 考え方を変える。

 

 

 マイナス × マイナス = プラス。

 

 

 なぜプラスになるのか。

 

 

 マイナスを“減らす”からだ。

 

 

 負を打ち消すから、結果が正になる。

 

 

「ならどうすれば――」

 

 

 伏黒はひらめく

 

 

「呪力を、呪力で減らせばいいんじゃないのか?」

 

 

 呪力と呪力をぶつける。

 

 

 その中で“呪いの性質”だけが対消滅する。 

 

 

 残った純粋なエネルギーだけが、正の力になる。

 

 

「……理屈は通る」

 

 

 伏黒は、自分の腕にわざと少し深めの傷を作った。

 

 

 集中。

 

 

 呪力を二重に練る。

 

 

 衝突させる。

 

 

 ぶつかる負の力。

 

 

 削れる“呪い”。

 

 

 その奥に生まれた、

 

 

 質の違うエネルギー。

 

 

「……これだ!」

 

 

 伏黒はその力を、傷口へ流し込んだ。

 

 

 次の瞬間。

 

 

 傷が、ぶくぶくと音を立てるように再生していく。

 

 

 肉が繋がる。

 

 

 血が止まる。

 

 

 皮膚が閉じる。

 

 

 数秒後。

 

 

 そこには、傷一つ残っていなかった。

 

 

 伏黒は自分の腕を見つめ――

 

 

 小さく息を吐いた。

 

 

「……できた」

 

 

 反転術式。

 

 

 習得成功。 

 

 

 交流会へ向けた準備は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 静かに、しかし確実に整いつつあった

 




出落ちになった虎葬くんだって、君の能力も何もわかってないじゃないか! おのれ。単眼猫何で重要な情報は出さないんだ!
反転術式に関しては最も苦労しました。これのせいでいっぱい時間くったんです なぜ単眼猫は詳しく反転術式のことを話さない! あと、 AI で真希を画像出力しました 武器庫呪霊がイメージと違ったけど、これはこれでよし 
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