伏黒恵の調和 (タイトル変更)   作:ゲダツ

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最近の悩みはどうこの物語を終わらせるかです 終わりよければ全てよし。終わりが悪ければ全てだめみたいな。そんな感じなってしまうのが一番懸念してるところっす


14 京都姉妹校交流会 3

 

場面は変わる。

 

 

 

 森の中。

 

 対峙するのは――禪院真希と加茂憲紀。

 

 

 

 先に動いたのは加茂だった。

 

 

 

 弓を引く。

 

 放たれた矢は一本ではない。

 

 

 

 複数。

 

 

 

 だが――その軌道は異様だった。

 

 

 

 直線ではない。

 

 重力にも、慣性にも従わない。

 

 

 

 曲がる。

 

 ねじれる。

 

 まるで意思を持つかのように、真希へと“当たりに行く”。

 

 

 

「……チッ」

 

 

 

 真希は一歩も引かない。

 

 

 

 呪具を振るい、矢をすべて叩き落とす。

 

 

 

 金属音。

 

 破砕。

 

 そして――地面に散る、血。

 

 

 

 真希の視線がそこに落ちた。

 

 

 

(矢じりに……血)

 

 

 

 思考が一瞬で繋がる。

 

 

 

(あの軌道は術式によるものだ)

 

(赤血操術――自身の血と、それが付着したものを操る術式)

 

 

 

 どこまで操れるか。

 

 射程は。

 

 精度は。

 

 

 

 真希は即座に分析に入る。

 

 

 

 一方の加茂も、真希を観察していた。

 

 

 

(体に巻き付いているあの呪霊……)

 

(意図的に使っているものか)

 

 

 

 互いに、探り合いの段階。

 

 

 

 真希が口を開く。

 

 

 

「そんなに血使っていいのかよ」

 

「貧血になんぞ」

 

 

 

 加茂は静かに答える。

 

 

 

「心配はいらないよ」

 

 

 

 新たな矢をつがえる。

 

 

 

「これらはすべて――事前に用意したものだ」

 

 

 

 放つ。

 

 

 

 矢は木へ、岩へ、地面へとぶつかり――

 

 瓦礫を撒き散らす。

 

 

 

 視界が遮られる。

 

 

 

 その死角を縫って、加茂が踏み込んだ。

 

 

 

 速い。

 

 

 

 真希が呪具で受け止める。

 

 

 

 衝撃が重い。

 

 

 

(こいつ……こんなパワーあったか?)

 

 

 

「よく反応したね」

 

「気を抜くなよ」

 

 

 

 加茂の片目が開く。

 

目の周囲から血が滲み出る。

 

 

 

 再び踏み込み、連撃。

 

 

 

 真希が防御に回される。

 

 

 

(スピードもパワーも――さっきまでと別人だ)

 

(体中に巡る血を操って、身体能力を跳ね上げてやがる)

 

 

 

 真希が吐き捨てる。

 

 

 

「……ドーピングしてるんだな、お前」

 

 

 

「よく気づいた だが俗な言い方はやめてほしいね」

 

 

 

 加茂の声は静かだった。

 

 

 

 だが、その圧は確実に増している。

 

 

 

 真希は攻撃を捌きながら思考する。

 

 

 

(この強化も、時間が経てば切れるはずだ)

 

(だがこいつは用意周到だ。補充も想定してる)

 

 

 

(このまま戦えば、じり貧)

 

 

 

 判断は一瞬。

 

 

 

「――逃げる」

 

 

 

 真希は踵を返した。

 

 

 

 加茂が目を細める。

 

 

 

「逃げるのか?」

 

 

 

 追跡が始まる。

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 森を抜け、真希はある地点に到達する。

 

 

 

 通信を入れる。

 

 

 

「……恵」

 

「あいつらがいる場所に来た」

 

「計画、動かしてくれ」

 

 

 

 

 

 

 加茂が追いつく。

 

 

 

「逃げるのはやめたのか?」

 

 

 

 真希は答えない。

 

 

 

 森の中を移動し続け、視界から外れ続ける。

 

 

 

 気配消し、姿を見せない。

 

 

 

 そして――

 

 

 

 静寂。

 

 

 

 風の音だけが流れる。

 

 

 

(逃げ切っられたか?)

 

 

 

 そう思った瞬間。

 

 

 

 すぐ近くに、気配。

 

 

 

 加茂が振り返る。

 

 

 

「……三輪?」

 

 

 

 そこに立っていたのは、三輪霞。

 

 

 

「戦闘が終わったのかい?」

 

「こちらは相手に逃げられたところで――」

 

 

 

 言い終わる前に。

 

 

 

 三輪が斬りかかった。

 

 

 

 加茂、被弾。

 

 

 

「なっ――!?」

 

 

 

 反射で反撃を入れる。

 

 

 

 

 

 三輪の体が、溶けた。

 

 

 

 中から現れたのは――真希。

 

 

 

「策にハマったな」

 

 

 

 加茂の思考が一瞬止まる。

 

 

 

(なぜ、あそこまで精巧な姿を保てた?)

 

 

 

(……いやまて。姿形は呪具でどうとでもなる)

 

 

 

(問題は――呪力だ)

 

 

 

(本人と、ほとんど変わらない呪力放出だった)

 

 

 

 だが、その仕組みを加茂が知るはずもない。

 

 

 

 影分身の形状維持。

 

 呪力出力の微調整。

 

 それを裏で行っていたのは――伏黒の式神・白狼だった。

 

 

 

 複数の分身を同時制御し、

 

 それぞれの呪力を本人に“寄せる”。

 

 

 

 本来なら不可能に近い荒業。

 

 

 

 しかもそれは、伏黒すら把握していない白狼の独自判断だった。

 

 

 

 

 

 

 加茂が距離を取る。

 

 

 

「同じ手が通じると思うな!」

 

 

 

 真希は再び森へ消える。

 

 

 

 通信。

 

 

 

「恵、影分身を出してくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 静寂。

 

 

 

 次の瞬間。

 

 

 

 加茂の周囲に、次々と人影が現れる。

 

 

 

 京都校の面々と同じ姿。

 

 

 

「……これだけ出せるのか」

 

 

 

 影分身たちが一斉に襲いかかる。

 

 

 

 加茂は目を閉じ、呪力感知へ集中する。

 

 

 

 違和感。

 

 

 

 周囲の“影”に、微細な呪力反応。

 

 

 

(式神が潜んでいたのか)

 

(式神の視覚情報を伏黒君が処理し、真希へ渡している……)

 

 

 

 気付く。

 

 

 

 だが、遅い。

 

 

 

 

 

 

 

 加茂は分身をいなしながら考える。

 

 

 

(真希は呪霊を飼っていたはずだ)

 

(姿を変えている間、別の場所に置くか それとも自分が身につけるかの2。択 )

 

 

 

 木へ跳ぶ。

 

 上空から見渡す。

 

 

 

 いた。

 

 

 

 影分身の一体に、呪霊が付いている。

 

 

 

 加茂が輸血パックを取り出す。

 

 

 

「百斂」

 

 

 

 血液を両手で挟み、圧縮。

 

 

 

「――穿血」

 

 

 

 一直線の血のビームが放たれる。

 

 

 

 呪霊ごと、影分身を貫く。

 

 

 

 形が崩れる。

 

 

 

 だがその瞬間、加茂は悟る。

 

 

 

(呪霊も……偽物!)

 

 

 

 背後。

 

 

 

 本物の真希の一撃が直撃した。

 

 

 

 加茂、倒れる。

 

 

 

 

 

 

(伏黒くん……)

 

 

 

 意識が沈みながら、加茂は思う。

 

 

 

(君は、なかなかの呪術師だ)

 

(その実力なら――一級、いや特級すら狙える)

 

 

 

 

 

 

 真希は倒れた加茂を一瞥もせず、武器庫呪霊を回収する。

 

 

 

 その時、通信が入る。

 

 

 

『真希さん』

 

 

 

『私の時間稼ぎが終わりましたので、あとは自由に行動していいですよ』

 

 

 

 伏黒の声。

 

 

 

 真希は短く答える。

 

 

 

「言われなくても、そのつもりだ」

 

 

 

 

 

 ――加茂憲紀、リタイア。

 

 

 

 戦局が、大きく動き始めていた。

 

 

 

 

 

恵は、真希が勝利したことを確認し、小さく息を吐いた。 

 

 

「……いや、よかったです。こうもうまく作戦がハマるとは」

 

 

本来の作戦の本筋は極めて単純だった。

 

東堂を“罠の場所”までおびき寄せ、戦闘に適した一点へ誘導。

 

その地点には――姿を変えた影分身たちを大量配置。

 

 

 

囲んで、袋叩きにする。

 

 

 

 

真正面から勝負するのではなく、情報・配置・心理を利用した確実な削り。

 

 

「加茂さんが血を大量に使わなくてよかったです」 

 

 

恵は静かに分析を続ける。

 

 

「もし血を使って広範囲攻撃をしていたら、あそこの分身は“もろく設定”してあるので即壊れていたでしょう」

 

 

「ですが――」 

 

 

「加茂さんからすれば、あの数の分身を相手に血を使いすぎれば、自分が先にすっからかんになる」

 

 

「そうなったらあとは真希さんが仕留めます」

 

 

それこそが誘導だった。

 

 

血を温存させる。動きを制限させる。

 

 

そこへ――真希が叩く。

 

 

「まぁ、あそこに行った時点で すでに負けは確定してたんですけどね」

 

 

恵は淡々と言い切った。

 

 

「さて……」

 

 

「次は真希さんに真依さんの情報を送って、 真依さんのところまで誘導します」

 

 

通信を操作しながら、視線を別方向へ向ける。

 

 

「釘崎さんが今相手してるのは西宮さんですね……」

 

 

少しだけ眉を寄せる。

 

 

「空を飛んでいる相手に、飛び道具なしで戦うのは少し不利です」

 

 

「ですので――」

 

 

「こちらから、少しサポートしましょう」

 

 

――――――――――場面転換。 

 

 

釘崎と西宮の戦闘。

 

 

「テメェが面倒くせぇのは分かったよ!」

 

 

西宮は箒を振るい、風の斬撃を飛ばす。

 

 

釘崎へ直撃――

 

 

する寸前。

 

 

ドン、と音を立てて蝦蟇犬が間に入り、攻撃を受け止めた。  

 

 

「……は?」

 

 

釘崎は一瞬、理解が追いつかない。

 

 

その時、通信が入る。

 

 

『少し不利と感じましたので、 私からのちょっとしたサポートです』

 

 

恵の声だった。

 

 

「余計なお世話だよ!!」

 

 

一方、西宮は困惑していた。

 

 

(何この……白とも黒とも言えないカエル!? 伏黒くんの差し金!?)

 

 

「説教は終わりかよ!!」

 

 

釘崎が叫びながら釘を複数射出。

 

 

西宮は何か言い返そうとするが、

 

 

「うるせぇよ!!」 

 

 

即座に遮られる。 

 

 

釘崎は懐から新しい道具を取り出した。 

 

 

「見せてやる、私の最新武器」

 

 

――ハンマータッカー。

 

 

「芻霊呪法――簪」

 

 

先ほど打ち込んだ釘の呪力が一気に膨れ上がる。

 

 

刺さっていた木が、爆ぜるように倒壊。

 

 

西宮は回避のため高度を落とす。

 

 

その隙。

 

 

釘崎が一気に接近。

 

ハンマータッカーを振り下ろす。

 

 

内部装填された釘が、叩いた衝撃と同時に射出される構造。

 

 

さらに叩打面へ呪力を流し込むことで、衝撃そのものが呪力爆裂へ変換。

 

 

釘が西宮へ突き刺さった。

 

 

「グッ」

 

 

釘崎は箒を掴もうとするが――

 

 

「甘い!!」

 

 

西宮の蹴りで弾かれる。

 

 

だが。

 

 

釘崎はすでに、箒の一部を奪っていた。

 

 

藁人形へ差し込む。

 

 

「芻霊呪法――共鳴り」

 

 

釘崎はトンカチへ持ち替え、言い放つ。

 

 

「男がどうとか女がどうとか、 知ったこっちゃねーんよ!!」 

 

 

「テメェらだけで勝手にやってろ!!」

 

 

「私は――」 

 

 

「綺麗におしゃれしてる私が大好きだ!!」

 

 

「強くあろうとする私が大好きだ!!」

 

 

「私は――『釘崎野薔薇』なんだよ!!」

 

 

共鳴り、発動。

 

 

西宮の箒が操作不能になる。

 

 

釘崎は攻撃へ踏み込むが――

 

 

武器を持ち替える。

 

 

ピコピコハンマー。

 

 

「はぁ!?」

 

西宮が素で驚いた。

 

 

バコッ。

 

「加減してやってんだよ!!」

 

もう一撃いこうとした瞬間――

 

 

 

ダァン

 

 

 

銃声。しかし

 

釘崎は、撃たれる寸前蝦蟇犬に飲み込まれ、その場から即座に退避させられる。

 

 

「邪魔すんじゃねぇ!!」

 

 

通信越しに恵が冷静に説明する。

 

 

『西宮さんとの戦闘後、真依さんが遠距離射撃する可能性が高いと見ました』

 

 

『不利な状況から即離脱できるよう、サポートを送ったのです』

 

 

「……チッ クソが」

 

 

『さて――』

 

 

『そろそろ真希さんが着く頃です』

 

 

 

――――――――――場面転換。

 

 

西宮との通話を終えた真依。

 

 

そのすぐ近くに――真希が立っていた。

 

 

「仲間呼ばねーの?」

 

「別に2対1でもいいぜ?」

 

 

真依は銃を構え、薄く笑う。 

 

 

「楽しみ方って色々あるでしょ?」

 

「みんなでボコボコにするより、 一人で楽しみたいの」

 

「……アンタは」 

 

 

真希は呆れたように言う。 

 

 

「お姉ちゃんって呼べよ、妹」 

 

 

戦闘開始。

 

真希は武器庫呪霊から移動用呪具を取り出し、木々を高速移動。

 

真依が数発発砲。

 

真希は枝ごと切断し、真依の足場を崩す。

 

 

「チッ」

 

 

落下しながら真依が撃つ。

 

真希はそれを避け、接近。そして攻撃

 

真依はよろめきながら吐き捨てる。

 

 

「……大嫌い」

 

 

真希は撃たれた弾丸を呪具で弾きながら数を数える。

 

 

(6発撃った リロードさせねぇ)

 

 

距離を詰める。

 

 

真依は燃費の悪い構築術式を発動。

 

さらに呪力総量の問題で、1日1発の弾丸生成が限界。

 

そのたった一発を生成し――撃つ。

 

 

 

ダンッ

 

 

 

真希はそれを。 

 

素手で、掴んだ。

 

 

「……っ」 

 

 

わずかに痛みの表情。

 

真依が目を見開く。

 

 

「素手で触るもんじゃねぇな……弾丸」

 

 

真希は呪具を突き立てた。

 

 

「決着ってことでいいな?」

 

 

――禪院真依、リタイア。

 

 

 

★ 

 

 

 

恵は、森の中を歩きながら現在の戦況を整理していた。

 

 

「……さて」

 

 

静かに呟き、指折り数える。

 

 

「加茂さん、リタイア」「メカ丸さん、リタイア」「真依さん、リタイア」

 

 

一拍置く。

 

 

「残りの京都校は――」

 

 

「東堂さん、三輪さん、西宮さんの3人」

 

 

淡々とした声だが、内容は極めて現実的だった。

 

 

「手が空いている三輪さんと西宮さんだけで、 ボス呪霊を倒さないといけない」 

 

 

少し空を見上げる。

 

 

「……ここから勝つのは、ほぼ無理です」

 

 

今回投入された呪霊は、全部で9体。

 

 

「8体の3級呪霊は、東京校の仲間や私の式神によってすでに討伐済み」

 

「残るは――」

 

「ボス呪霊のみ」

 

 

恵の視線が、森の奥の一点へ向けられる。

 

 

「場所は、もうすでに特定済みです」

 

 

影を通じた索敵結果は正確だった。

 

 

「……どうやら、そこから動かないようですね」

 

 

少し考え、

 

結論を出す。

 

 

「出ました、ボス呪霊です」

 

 

警戒ではなく、観察の声色だった。

 

 

「動かないのなら――」

 

 

「練習にしてもいいですね」

 

 

右手を軽く掲げる。

 

 

呪力の流れを整える。

 

 

「では、反転術式は――」

 

 

「負のエネルギー同士を掛け合わせ、 正のエネルギーを生み出す」

 

 

「生み出した後、 頭から任意の部位へ流す……と」

 

 

手のひらから、

 

白いエネルギーが静かに立ち上る。

 

 

 

理論を確認するように、ゆっくりと呪力を循環させる。

 

 

「これを――君に与えたら」

 

 

そのまま、呪霊へ触れた。

 

 

次の瞬間。

 

 

ボス呪霊の存在が、

 

 

音もなく、

 

霧が晴れるように――消滅した。

 

 

「……なるほど」

 

 

恵は少しだけ感触を確かめるように手を見た。

 

 

「呪霊に対しては、 治癒ではなく“消滅”として作用するんですね」

 

 

特に感慨もなく、結論だけを述べる。

 

 

「反転術式……使いどころは多そうです」 

 

 

そう言って、次の行動へ意識を切り替えた。

 

 

 

 

場面は、教師陣営へと移る。

 

 

設置されていた最後の札が――

 

 

赤く燃え上がった。

 

 

パチパチと乾いた音を立てながら、すべての札が同じ色に染まっていく。

 

 

その光景を見て、歌姫が息を呑む。

 

 

「……ゲーム終了」

 

少し間を置き、

 

 

「しかも、全部赤色」

 

 

予想外の結果だった。

 

 

冥冥が、くすりと笑う。

 

 

「ほとんど伏黒くんの手柄だね」

 

 

腕を組み、淡々と評価を下す。

 

 

「彼はもう、1級になっていてもおかしくない」

 

 

歌姫も頷く。

 

 

「しかも――見ただけで簡易領域を習得した」

 

 

信じられない、といった表情で続ける。

 

 

「そのセンス……ずば抜けているわ」

 

 

夜蛾が静かに言った。

 

 

「……五条ですら習得できなかった」

 

 

わずかに視線を落とし、

 

 

「反転術式のアウトプットまで、使えるようになっている」

 

 

その場に、短い沈黙が落ちる。

 

 

夜蛾は五条の方を見た。

 

 

「どうした」

 

 

「いつもの、おちゃらけた雰囲気がないぞ」

 

 

五条は何も答えない。

 

 

ただ、モニターに映る“伏黒恵”を見つめていた。

 

 

(――本当に、恵か?)

 

 

胸の奥に、わずかな違和感が引っかかる。

 

 

(あれは本当に……伏黒恵なのか?)

 

 

だが、その疑問を表には出さない。

 

 

いつもの調子に戻るように、軽く手を振り――

 

「はいはい、というわけで!」

 

 

明るい声を作り、

 

 

『ゲーム終了でぇーす  それじゃルール説明をしたところに各自集合!』

 

 

区画内へ、終了の合図が送られた。

 

しかしその目だけは、

 

まったく笑っていなかった。




さて今の恵くんは一体何者なんでしょうね そして本物は一体どこへ?
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