伏黒恵の調和 (タイトル変更)   作:ゲダツ

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ぽこあポケモンをやるのでしばらくは遅くなるでしょう。ごめんね あと赤ゲージの評価になりたいです!!!


17 天元

白い空間の中心。

 

伏黒は一歩進み、静かに頭を下げた。

 

 

 

「聞きたいことが、複数あります」

 

 

 

天元は微動だにしない。

 

ただ、空間そのものがこちらを見ているような圧がある。

 

 

 

「言ってみなさい」

 

 

 

伏黒は息を整える。

 

 

 

「一つ目は――」

 

「シン・陰流の当主の居場所」

 

 

 

わずかに空気が揺れる。

 

 

 

天元は、淡々と返す。

 

 

 

「……知っているだろう?」

 

 

 

伏黒の瞳が揺れない。

 

 

 

「ええ。おおよその見当は」

 

 

 

天元の声がわずかに低くなる。

 

 

 

「では、それを知って何をする?」

 

 

 

試す声。

 

 

 

伏黒は即答する。

 

 

 

「簡易領域を、一般術師に普及させます」

 

 

 

間。

 

 

 

「そして、シン・陰流の門弟たちに課せられた理不尽な縛りを解きたい」

 

 

 

白い空間が、わずかに軋む。

 

 

 

天元はしばらく沈黙した。

 

 

 

「なるほど」

 

 

 

「理由は通る」

 

 

 

伏黒の胸の奥が、ほんの僅かに緩む。

 

だが表情は変えない。

 

 

 

「二つ目は?」

 

 

 

伏黒は言う。

 

 

 

「結界術の知識の受け渡しです」

 

 

 

「完全な継承でなくても構いません」

 

「コピーされたものでもいい」

 

 

 

天元は興味深そうに沈黙する。

 

 

 

「……一応、可能だ」

 

 

 

「だが」

 

 

 

空間が近づく。

 

 

 

「そこまでして、私に会いに来る理由は何だ?」

 

 

 

伏黒の喉が、わずかに鳴る。

 

 

 

ここが本題だ。

 

 

 

伏黒は視線を逸らさない。

 

 

 

「俺は……」

 

 

 

言葉を選ぶ。

 

 

 

だが、途中で諦める。

 

 

 

飾るのをやめる。

 

 

 

「助けたい人がいるんです」

 

 

 

天元は無言。

 

 

 

伏黒の拳が、わずかに震える。

 

 

 

「でも、全員は助けられないと思ってる」

 

 

 

息が荒くなる。

 

 

 

「好きな人もいます」

 

 

 

言った瞬間、わずかに頬が強張る。

 

 

 

「仲間もいます」

 

 

 

「全員助けたい」

 

 

 

声が低くなる。

 

 

 

「でも、どこかでこぼれが出る」

 

 

 

歯を食いしばる。

 

 

 

「それが、気に入らない」

 

 

 

視線が鋭くなる。

 

 

 

「呪術界を……世界を、少しでもマシな未来にしたい」

 

 

 

「そのために、力がいる」

 

 

 

沈黙。

 

 

 

白い世界が、しんと静まる。

 

 

 

天元はゆっくりと言う。

 

 

 

「……私は、人の心までは分からない」

 

 

 

「だが」

 

 

 

「嘘は感じない」

 

 

 

伏黒の胸の鼓動が強くなる。

 

 

 

「よかろう」

 

 

 

空間が、わずかに温度を持つ。

 

 

 

「情報を渡そう」

 

 

 

天元が手を差し出す。

 

 

 

人の形をしているが、

 

指の数も、関節も曖昧だ。

 

 

 

伏黒は一瞬だけ迷う。

 

 

 

(ここで拒絶されたら終わりだ)

 

 

 

覚悟を決める。

 

 

 

その手を、握る。

 

 

 

瞬間。

 

 

 

膨大な情報が流れ込む。

 

 

 

「っ……!」

 

 

 

視界が白く弾ける。

 

 

 

結界術の構造。

 

重層結界の理論。

 

呪力循環の補助式。

 

空間固定の応用。

 

結界と領域展開の差異。

 

 

 

脳が悲鳴を上げる。

 

 

 

伏黒は膝をつく。

 

 

 

「ぐ……っ……!」

 

 

 

頭が割れそうになる。

 

 

 

意識が飛びかける。

 

 

 

天元はそれを静かに見下ろす。

 

 

 

「結界術のみだ」

 

 

 

「それ以上は与えない」

 

 

 

伏黒の呼吸が荒い。

 

 

 

それでも、意識を手放さない。

 

 

 

(……覚えろ……全部だ)

 

 

 

歯を食いしばる。

 

 

 

天元は言う。

 

 

 

「君ならば、何かを変えられるだろう」

 

 

 

声は静かだが、

 

確信を含んでいる。

 

 

 

伏黒の視界が揺れる。

 

 

 

最後に見えたのは、白い空間。

 

 

 

次の瞬間――

 

 

 

景色が変わる。

 

 

 

薄暗い部屋。

 

 

 

見慣れた天井。

 

 

 

自分のベッド。

 

 

 

高専の、自室。

 

 

 

伏黒はそのまま倒れ込む。

 

 

 

荒い呼吸。

 

 

 

額には汗。

 

 

 

頭の奥に、確かに残る知識。

 

 

 

(結界術……だけか)

 

 

 

だが、それで十分だ。

 

 

 

ゆっくりと瞼が落ちる。

 

 

 

 

 

 

 

静寂。

 

 

 

伏黒はそのまま、深い眠りに落ちた。




短くてごめんね!!!!
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