伏黒恵の調和 (タイトル変更)   作:ゲダツ

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ペースをあげたいが やる気が出ない 
元気が出ない アイデアは出る 頑張る!




23 京都姉妹校交流会 個人戦トーナメント 休憩

 

一回戦が終わり、次の試合までの短い休憩時間。

 

東京校の控えスペースでは、それぞれが飲み物を口にしたり、ストレッチをしたりしていた。

 

その中で伏黒は、ふと思い出したようにパンダへ声をかけた。

 

「パンダ先輩。どうでしたか? 東堂さんは」

 

パンダは肩を回しながら苦笑した。

 

「いやー、無理無理」

 

即答だった。

 

「術式なしとはいえ、パンダじゃなきゃ何回も死んでたところさ」

 

「そんなにですか」

 

「そんなにだよ」

 

パンダはため息を吐く。

 

「あいつ、一回戦なのにギア上げてきやがったからな。

叩き込まれすぎて残機がもうねぇ」

 

「それは相手が悪かったな」

 

真希が腕を組みながら言う。

伏黒も素直に頷いた。

 

「あの人、一回戦から全力でしたしね」

 

「全力じゃないぞ」

 

パンダが即座に否定した。

 

「むしろあれでまだ余裕あったのが怖ぇんだよ」

 

「……」

 

「……」

 

伏黒と虎杖は顔を見合わせた。

やっぱり怖い人だな。

 

という感想だけは一致した。

 

話題を変えるように伏黒が真希へ向く。

 

「真希さんは西宮さんとの戦闘どうだったんですか?」

 

「あいつな」

 

真希は少し笑った。

 

「空飛んで逃げ回ってた」

 

「まあ、そうなりますよね」

 

「だからアモリィー投げた」

 

「アモリィー?」

 

伏黒が首を傾げる。

真希は当然のように言った。

 

「お前がくれた武器庫呪霊の名前だよ」

 

「へぇー」

 

伏黒は一瞬納得しかけ、

 

「じゃなくて」

 

とすぐに突っ込んだ。

 

「空中にいた西宮さんはどうなったんですかそれ」

 

「あぁ」

 

真希はさらりと言った。

 

「見事に当たって撃墜した」

 

「撃墜」

 

「その隙でボコボコにした」

 

「ひでぇ」

 

伏黒が思わず呟く。

横で虎杖も引いていた。

 

「えぇー……」

 

「何だその反応は」

 

「いやだって」

 

虎杖が苦笑する。

 

「空飛んでた人撃墜って」

 

「戦闘機じゃないんだからさ」

 

伏黒も同意した。

真希は鼻を鳴らす

 

「勝負なんだから当然だろ」

 

するとパンダが呆れたように言う。

 

「もう少し手加減したらどうだ?」

 

「は?」

 

真希が眉をひそめる。

 

「それ言うなら伏黒も相手フルボッコにしたじゃねぇか」

 

「いや」

 

伏黒は即座に反論した。

 

「俺は相手にチャンス与えてたつもりですよ」

 

「「あれが?」」

 

虎杖と釘崎の声が重なった。

 

伏黒は不満そうな顔になる。

 

「何ですかその反応」

 

釘崎がジト目になる。

 

「真衣さんをあんな風にしといて?」

 

「加茂先輩も影に沈めかけてたわよね」

 

虎杖も頷く。

 

「俺もあれ見て怖かったぞ」

 

「ちゃんと会話してたじゃないですか」 

 

「会話の内容が怖ぇんだよ」

 

パンダが突っ込む。

 

「穿血撃ってくださいとか普通言わねぇから」

 

「データ収集です」

 

「怖ぇ」

「怖いわ」

「怖いな」

 

三方向から否定された。

伏黒は納得がいかなかった。

 

その時だった。

補助監督が控えスペースへやって来る。

 

「皆さんに連絡があります」

 

自然と全員がそちらを見る。

 

「敗者復活戦についてです」

 

空気が少し変わった。

 

「まず、パンダさんですが、戦闘続行不可能と判断されました」

 

「ですよねー」

 

誰も驚かなかった。

パンダ本人すら驚かなかった。

 

「そのため敗者復活戦への参加は不可となります」

 

「残念」

 

パンダは肩を竦める。

 

「いや十分頑張っただろ」

 

虎杖がフォローする。

 

「東堂相手だったんだし」

 

「それな」

 

パンダは深く頷いた。

 

続いて補助監督が資料を見る。

 

「また、西宮桃さんは現在も気絶中のため参加不可能」

 

「そりゃそうだろうな」

 

真希が即答する。

 

「撃墜されたし」

 

「言い方」

 

伏黒が突っ込む。

 

「ですので、消去法で…」

 

補助監督は続ける。

 

「敗者復活枠は禪院真衣さんに決定しました」

 

「へぇ」

 

釘崎が少し驚く。

 

「真衣さんか」

 

「結構ボロボロだったよな」

 

虎杖も思い出す。

伏黒も頷いた。

 

「それでも出るんですね」

 

真希は少しだけ笑った。

 

「アイツらしいな」

 

「負けっぱなしは嫌でしょうしね」

 

伏黒も納得する。

すると釘崎が腕を組んだ。

 

「次会う奴大変そうね」

 

「それはそう」

 

虎杖が同意する。

 

「めちゃくちゃ悔しがってたし」

 

真希は鼻で笑う。

 

「まあ、あいつなら何とかするだろ」

 

そして。

補助監督は最後に告げた。

 

「二回戦の組み合わせですが――」

 

その言葉に全員の視線が集まる。

次の戦い。

そして敗者復活を含めた新たなトーナメント。

 

補助監督が資料を確認しながら口を開く。

 

「それでは二回戦の組み合わせを発表します」

 

控えスペースの空気が少しだけ引き締まる。

 

伏黒は静かに目を閉じた。真希も腕を組む。

 

パンダは天井を見上げながらため息を吐く。

 

狗巻も静かに聞いている。

 

どう考えても予想できていた むしろここまで来れば、

ほぼ確定だ。

 

補助監督が読み上げる。

 

「2回戦第一試合――」

 

一瞬の間。

 

「虎杖悠仁さん 対 釘崎野薔薇さん」

 

虎杖と釘崎が同時に固まった。

 

「え?」「は?」

 

二人の声が重なる。

一方で、

 

「やっぱりな」

 

真希は頷く。

 

「だろうな」

 

パンダも納得した。

 

伏黒も特に驚かなかった。

 

「まあ、そうなりますよね」

 

狗巻も静かに頷く。

 

「しゃけ」

 

虎杖が周囲を見る。

 

「いや待て待て待て」

 

釘崎も同じ反応だった。

 

「なんでみんな驚いてないのよ」

 

真希が肩を竦める。

 

「残り人数見れば大体わかるだろ」

 

「分かんねぇよ!」

 

虎杖が即座に突っ込む。

 

パンダも苦笑する。

 

「実力的にも妥当だしな」

 

釘崎は顔をしかめる。

 

「よりによってコイツ?」

 

「俺だって嫌だぞ!」

 

虎杖が反論する。

 

「なんで初めての個人戦で、

チームメイトとやらなきゃなんねぇんだよ!」

 

伏黒が小さくため息を吐いた。

 

「むしろ一番やりやすい相手だと思いますけど」

 

「どこがだ!」「どこがよ!」

 

また声が揃った。

 

伏黒は少し考える。

 

「お互いの手の内知ってるじゃないですか」

 

「それが嫌なのよ!」

 

釘崎が叫ぶ。

 

補助監督は構わず続きを読み上げる。

 

「第2試合2回戦――」

 

今度は誰も反応しない。

 

「東堂葵さん 対、狗巻棘さん」

 

沈黙。

数秒。

 

パンダが狗巻を見る。

狗巻は少しだけ目を閉じた。

 

「しゃけ……」

 

諦めが混じっていた。

真希が呟く。

 

「ご愁傷様」

 

「しゃけ」

 

「いやぁー 棘、お前頑張れ」

 

パンダが肩を叩く。

 

「最悪、東堂を止めろ」

 

「しゃけ!」

 

「無茶言うなこの人」

 

伏黒が冷静に突っ込む。

 

虎杖は少し青ざめた。

 

「東堂が相手か……」

 

釘崎も同情する。

 

「相手が悪すぎるわね」

 

狗巻は静かに首を横に振る。だが目に弱気な色はなかった。

伏黒はそれを見て少し頷いた。

 

(狗巻先輩なら何かしら見せるだろう)

 

補助監督は最後の組み合わせを発表する。

 

「第三試合――」

 

「禪院真希さん 対 禪院真衣さん」

 

真希が鼻で笑った。

 

「やっぱりか」

 

伏黒もそうなると思っていた。

パンダも苦笑する。

 

「これは荒れるぞ」

 

釘崎が小声で言う。

 

「絶対荒れる」

 

虎杖も頷く。

 

「うん」

 

真希は指を鳴らした。

 

「丁度いい」

 

その目には容赦がなかった。

 

「今度こそ文句なしで勝つ」

 

伏黒は少しだけ真衣に同情した。

 

「……」

 

「何だその顔」

 

真希が睨む。

 

「いや別に」

 

「今同情しただろ」

 

「してません」

 

「嘘つけ」

 

パンダが笑う。

 

「してたな」「してましたね」

 

虎杖まで乗っかる。

伏黒は少しだけ目を逸らした。

 

否定しきれなかった。

 

こうして二回戦の組み合わせは正式に決定した。

虎杖と釘崎は未だに納得していない顔をしている。 

 

一方で真希、パンダ、狗巻、伏黒は予想通りという反応だった。

ここから先は、一回戦以上に厳しい戦いになる。

 




今回は短めでした

次回の私に任せる!
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