ちょっとした間話で、ターニングポイントの一つになります。
「響木いる?」
「ん、どうした浮島?試合までまだ時間あるぜ?」
「話したいことがあってね」
今日はFF決勝戦、そんな時に呼び出された響木は首を傾げていた。自分は何かまたやらかしたのだろうか、いやでもそれなら二人きりじゃなくて公開説教でいいしな…と思いながら浮島の話を聞いてみることにした。
「いつか皆の夢を語り合ったことがあったじゃん」
「おお、あったなあ。大体は家継ぐらしいし、備流田も会田も影山もプロにならねえって言ってた」
「それでも指導者にはなるんでしょ?」
「俺は一緒にプロになりたかったんだよ!まあ俺も親父が倒れたら雷雷軒継がなきゃならねえけど…」
「継がなくていいんじゃないの?」
「いやいや、学生に割と人気な店だからな。潰すのは惜しいぜ」
「…そっか。あのさ、あの時は僕は夢を語れなかったから今響木に言っておこうと思って」
「ん、ああそっか。あの時お前夢ないって言ってたもんな」
浮島一人はサッカーを始めるまではただの内気な少年であり、特に夢などは持っていなかった。サッカーを始めてから変わったのだ。そんな彼の、将来の夢は───
「───僕さ、プロサッカー選手になるよ」
「…マジ?」
「マジだぜ、大マジさ」
「…うおおお、言うじゃねえか浮島!」
「ちょっ、撫でるな撫でるな髪型崩れる!後で絶対髪村が色々言ってくるから!」
なんだかんだ同じチームでプロを目指していたのが自分だけ、というのは響木にとってはちょっと寂しかったのである。なので浮島が自分にプロになることを言ってくれたのは嬉しかったのだ。
「よーし、他の連中にも言ってこようぜ!」
「待った待った、まだ恥ずかしいから響木にだけ言ったんだって!」
そんな二人の近くに二つの影が忍び寄っていた。
「こんちわー!雷門の人ー!」
「お前ら久しぶりー!」
「んあ!?帝国の!?」
「ええと、菜花くんと代之総くんだよね」
「何話してたのー!?」
今日対戦する帝国サッカー部の二人、それも元気なコンビである。折角なので二人にも聞いてみることにした。
「…二人はさ、夢ってある?」
「帝国相手に雑談始めんのか、浮島も図太くなったなあ」
「響木煩い…因みに僕らはプロ志望」
「んー…オレもプロかな?監督のスカウトから始まったサッカーだけど面白くてずっと続けてたいやんね!」
「おー…オレは学校創ろうかなって!」
「「「学校!!!???」」」
そこまで賢くなさそうで実際そこまで賢くない代之総がそんなことを言うとは思わず、3人とも大声をあげることとなった。
「オレ福井の出身でなー!サッカー強くて化石掘り出せる学校を創ろうと思ったんだー!監督からも色々制度教えてもらってるぞー!名称は代之総中学校とかになりそうだー!」
「はえー…なんか意外やんね…」
「意外な話聞けたなあ」
「他の人たちの話も聞きたいけど…響木、そろそろ事前ミーティングの時間だ」
「あっ!?もうそんな時間かよ!」
いつのまにか針は雷門の最終調整の為のミーティングの時間へと差し迫っていた。響木は立ち去ろうとしようとして、一言だけ帝国に残すことにした。
「…おい帝国」
「む、なんやんね?」
「今日の試合、俺たちが勝つ!」
「…ふふ、勝つのはこっちやんね!」
FF決勝戦、雷門vs帝国の試合は刻一刻と迫っていた。
浮島の話は書いておきたかった。
あと代之総くんと菜花くんの話も。
次回からFF決勝戦開始!