アイすべき精霊   作:ヒトノミライ

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今回はさらに短いです。


第三話:回り始めた歯車

クレーターの中心で、一人の少女がブツブツと何かを喋っている。

その少女の背には、3対の神々しいほどに真っ白な翼が生えていた。

 

「ーーー天使の展開は半分も出来ていない。出来たのは“服”を正常に起動すること、か。…でもこれがあればよほどの事がない限り、彼は(・・)大丈夫ね」

 

まるで天使のような翼を生やした彼女が、ブツブツと思考に耽っている姿はある意味シュールだった。

 

「ーーーッ」

 

ブツブツと喋っている彼女が突然固まり、前方にその大きな翼を振るった。

 

「ーーぐッ! 」

 

襲ってきたその人影を翼で振るう事で弾き飛ばすと、初めてそちらに視線を向けた。

 

「……さっきからずっと気付いていていたけど、まさか襲ってくるとは思わなかったわ」

 

「………」

 

睨み合う二人の少女。

 

片方は改造シスター服を着て翼を携え、さほど興味のなさそうに見ている。

 

片方は纏った機械は半壊し、所々に裂傷を負いながらもレーザーソードのようなモノを構えている。

その視線は殺気立っている。

 

「……もしかして、私に勝てるとでも思っているの?」

 

「…………ーーッ!」

 

翼の少女の問いには答えず、機械を纏った少女は無言で剣を振り抜く。

 

「…………くっ!」

 

だが、それは容易く翼に弾かれる。

その衝撃を利用して一度距離をとる。

 

「………ッ!」

 

背後から2メートルほどある頭身の銃を2丁出現させ、その両方から紫色のレーザーが少女に向かい飛来する。

 

だが、少女は今度は翼を振るう事すらしない。

ただ一瞥しただけ。

それだけで紫のレーザーは霧散する。

 

そして、背後から迫っていた剣を翼で弾き飛ばす。

 

「ぐぅッ!」

 

機械を纏った白髪の少女は先ほどよりも強く振るわれた翼が腹部に直撃し、吹き飛んでいく。

 

「がッ!?」

 

そして、ビルのコンクリートの壁にぶち当たり壁に亀裂を残して気絶した。

 

 

「……まぁ、半分も展開出来ていないならこの程度かな」

 

白髪の少女には見向きもせずに歩き出そうして、突然立ち止まる。

 

「…………もう時間か。だけど、こんな所で無防備に彼に変わるわけにはいかない」

 

そして、近くにビルに急いで駆け込む。その顔は今にも気を失いそうなほど朦朧としている。

 

「…こ、ここまで、くれば…大丈、夫よ…ね……」

 

最後の力を振り絞るように歩き、近くにあったベンチに座り込む。

ーーそして、少女は眠るのように倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

ーーしかし、その時の少女はほとんど意識が無かった所為で、気付いていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後ろから、一つの人影が近づいていることにーーーー。

 

 




白髪の少女……皆さんはお分かりですよね?
次回はついにあの人がご登場します。

……やっと話が進む。
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