暗殺教室 もう一度立ち直ろう   作:補強と育成

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俺の本音…




本音の時間

 プロ野球観戦が終わった2人は再び椚ヶ丘市に戻っていた。明日も普通に学校があると言うのに、試合が終わった後の勝利の2次会に最後まで参加していた為、2人疲れ果てていた。

 

 

ガタン!ガタン!ガタン!

 

 

「す…」

 

「…」

 

 

勇人も中村さんも電車の中でほぼ爆睡状態だった

 

 

『次は椚ヶ丘…椚ヶ丘です…』

 

 

「ん…次か…って!(肩重!)」

 

 

勇人の左肩は悲鳴を上げていた…

 

その理由は

 

 

「す…」

 

「うん?莉桜…」

 

 

そう、中村さんが勇人の肩ですやすやと寝息を立てて寝ていたからだ。

 

 

「…(起こすか)」

 

 

ガサ!ガサ!

 

 

「ん…」

 

「莉桜!起きて!もう椚ヶ丘に着くよ!」

 

「え?そうなのね…」

 

「カバン持つよ!」

 

 

ガタ!

 

 

「あ、ありがとう…」

 

「良いって!良いって!」

 

「うん!」

 

 

 勇人はどこまでも優しい男だ…

 

 

シュウ…ガーア!

 

 

トッ!!

 

 

「着いた〜椚ヶ丘!」

 

「あっという間だったね〜」

 

「それじゃあ!帰るか!」

 

「うん…」

 

 

 聞こう…勇人の本音を…

 

 

「うわ…バス大行列じゃん…」

 

「まぁ、しょうがないよ!(予定通り…)」

 

「はぁ…マジかよ…」

 

「ま!ゆっくり帰ろうよ!」

 

「…そうするしかないなぁ!」

 

 

そのまま2人で歩きながら帰る事にした。そして…

 

 

「ねえ勇人…」

 

「ん?なに?」

 

「椚ヶ丘に戻ったら聞きたい事があるって言ったじゃん?」

 

「あ〜そう言えば!」

 

「聞いてもいい?」

 

「良いよ!」

 

 

 聞こう…

 

 

「私さ…勇人の本音が知りたいんだ!」

 

「俺の本音?」

 

「勇人ってさ、次の期末テストで学年50以内を目指してるんでしょ?」

 

「うん、そうだけど」

 

「もしさ?50以内に入って、本校舎から復帰の許可をもらったら戻るの?前のクラスに?」

 

「…」

 

「勇人?」

 

 

 何でその事知ってるんだろ。俺は渚以外言ってないのに、まさか渚が誰かに言ったのかな?けど、どちらにしろ俺の答えは…

 

 

「戻ると思う…」

 

「どうして?」

 

「大野先生からも努力して戻って来いって言われてるし。それに俺は、もう一度野球部に戻りたいから…」

 

「何で戻りたいの?」

 

「俺は、向こうでやり残した事がたくさんあるんだ」

 

「…」

 

 

 そう、俺はまだ何も…何も恩返しを出来ていない。大野先生にも、野球部の皆んなにも。

 

 

 大野先生は中1の頃からの担任だ。あの人はいつも勉強の事で相談に乗ってくれた。成績が落ちても、いつも励ましてくれた。そして俺がE組行きが決まった時も「努力して戻って来い」って言ってくれた。俺は大野先生に恩返しをしたい!俺は大野先生に成長した所を見てもらいたい!最後はD組に戻って椚ヶ丘中学校を卒業したい!

 

 

そして野球部だ。俺は1年生の頃から試合に出場していた、出場と言っても3年生が引退した後の話だけど、そこで俺は同学年の「進藤一孝」と共にチームの中核を担っていた。進藤が1年生でありながら秋の大会でエースナンバーを背負うと俺は4番を任された「進藤が投げ」「井上が打つ」2人でチームを引っ張った。俺が成績が下がって試合に出れない時でも、進藤を始め誰も俺の事を「見下して来たり」「罵って来る」チームメイトは1人もいなかった。俺はそれが1番嬉しかった。寺井先生も、どんなに成績が下がっていても背番号だけは、常に1つ空けていた事も知っている。だからこそ俺は戻らないと行けない!

 

 

俺はもう一度!本校舎に戻りたい!

 

大野先生が居るD組に戻りたい!

 

野球部に戻って最後の大会に出場したい!

 

最後は本校舎に戻って卒業したい!

 

 

「俺が本校舎に戻りたい理由はこれだ。俺は何も恩返しを出来てない、色んな人に迷惑をかけた。だからこそ俺は戻らないと行けない!」

 

「…」

 

 

勇人は初めて自分の本音を喋った。誰にも打ち明けなかった自分の本音を…

 

 

「E組の皆んなは?」

 

「え?」

 

「それに殺せんせーや烏間先生…そしてビッチ先生は?」

 

「莉桜?何を言って…」

 

 

スッ!

 

 

「勇人の気持ちは良く分かる。でもE組でやり残した事もたくさんあるんじゃないの?」

 

「…」

 

「暗殺は良いの?もし来年の3月までに殺せんせーの事を暗殺出来なかったら地球が滅びるんだよ?」

 

「どうせ…」

 

「ん?」

 

「例え殺せんせーじゃなくても、地球はいつか滅びるさ…太陽に飲み込まれてな」

 

「それは…」

 

 

スッ…

 

 

「それに宇宙だっていつかは終焉を迎えるんだ…どっちにしろ人類は滅びる運命さ…」

 

 

 宇宙の終焉って、

 

 

「確かに勇人の言う通り。地球も、宇宙も、いつかは終わりを迎える。でもそれは何十億年後の話よ?別に今直ぐに終焉を迎えるわけじゃない」

 

「それはそうだけど…」

 

「本当に大野先生や野球部の皆んなが大切なら、殺せんせーを暗殺して皆んなを救う。それが勇人に出来る最大の「恩返し」じゃないの?」

 

「あ…!」

 

 

 そうか、皆んなを救う。これが最大の恩返しか…

 

 

「なるほどな…」

 

「勇人…?」

 

 

 莉桜の言う通り、例え戻れたとしても地球が滅びれば、全て終わる。楽しかった時間も思い出も全て吹き飛ぶ…

 

 

「分かったよ莉桜!俺は次の期末テストで学年50以内を目指す!」

 

「…」

 

「けど、例え50以内に入ったとしても、俺はE組に残るよ!」

 

「え…」

 

「俺はE組で「暗殺教室」を続ける。必ず殺せんせーを暗殺して地球を救う!皆んなを救う!それが俺に出来る最大の「恩返し」だからな!」

 

「勇人…」

 

 

この時…勇人は決意した。

 

殺せんせーを暗殺して地球を救う事を!

 

その為にE組に残り続ける事を!

 

自分の心の中に!

 

 

「勇人!」

 

「莉桜?!」

 

 

ガバ!!

 

 

「勇人…」

 

「急に抱きつくなよ…びっくりした…」

 

 

中村さんは勇人の言葉を聞いた瞬間、そのまま勇人の胸に向かって飛び込んで行った…

 

 

「う…う…」

 

「何で泣いてるんだよ…」

 

「だって…最初は勇人が本校舎に戻ると思ってたから…」

 

「莉桜!俺は残るよ!E組に!」

 

「うん…」

 

 

そのまま中村さんはいっときの間ずっと勇人の胸の中で嬉し涙を溢していた…

 

 

 ありがとう勇人!E組に残ってくれて!やっぱり私は勇人の事が…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         大好き…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…その様子をソッと見ている大集団がいた…

 

 

「「「「「「「……………」」」」」」」

 

 

「烏間先生…実弾持ってますか?」

 

「速水さん?!何を言い出すんだ!急に!」

 

「あの2人を撃ちます」

 

 

速水は普通に嫉妬していた…

 

 

「落ち着け速水さん!」

 

「烏間先生…早く銃をください…」

 

 

ガタ…ガタ…ガタ…

 

 

「おい!イリーナ!お前が責任を取れ!」

 

「は?!何で私になるのよ!どう考えても後ろにいるタコでしょうが!」

 

「にゅや?!酷いですよ!イリーナ先生!何で私が責任を取らなくちゃいけないんですか?!」

 

「あ、ビッチ先生の拳銃でも構いませんよ?」

 

「お、落ち着きなさい!速水!」

 

「にゅや!そ、そうですよ!速水さん!落ち着いて!」

 

「とりあえず一旦深呼吸をするんだ!」

 

 

殺せんせーと烏間先生そしてビッチ先生の3人は速水を落ち着かせようとしていたが、最終的に諦めて普通に取り押さえた…

 

 

「いや、速水恐ろしいな…どうするよ委員長?」

 

「だから前原、こう言う時だけ委員長呼びするのはやめろよ!」

 

「まあまあ!それより良かったな!勇人がE組に残ってくれて!」

 

「ああ、勇人がE組に残ってくれるには嬉しいけど、速水さんを何とかしてほしいよ。勇人には…」

 

「それより、クラスの皆んなはともかく、誰が先生方も呼んで来たんだよ?」

 

 

そう、あの集まりに先生方3人はいなかったにも関わらず、何故か居る…

 

 

「はいはーい!杉野君!私と矢田さんと岡野さんの3人で呼びに行ったの!」

 

「倉橋が主犯だな、これは」

 

「だろうな…」

 

 

犯人は倉橋さんだ!

 

 

「いや〜渚君!良かったね〜」

 

「そうだね!カルマ君!もしあそこで勇人が本校舎に戻るとか言っていたら僕が勇人の事を撃ち殺す所だったよ!」

 

「…」

 

 

一瞬だけ渚の目が殺人者みたいになっていた…

 

 

「…(速水さんも渚君も怖過ぎる…)」

 

「カルマ君?汗すごいですけど、大丈夫ですか?」

 

「あ…奥田さんか…大丈夫だよ…」

 

「なら良いんですけど…」

 

 

カルマからは全身鳥肌が立っていた…

 

 

「茅野さん?」

 

「神崎さん?どうしたの?」

 

「茅野さんの言う通り、中村さんに任せて正解だったね!」

 

「うん。結果的に良かったけど、速水さんがちょっと怖いかも…」

 

「きっと大丈夫よ、そこは勇人君に全てを任せれば良いだけの話だしね!」

 

「あはは…」

 

 

 神崎さんも中々の鬼畜だ…

 

 

茅野は心の中でそう思っていた…

 

 

「おい!お前ら!」

 

「喋ってないで見ろよ!」

 

「テメエら!なにベラベラ喋ってんだよ!」

 

 

「「「「「「うん??????」」」」」」

 

 

「どうかしたのか?」

 

「何かあったの?」

 

 

どうやら吉田、村松、寺坂の3人が何か異変に気付いたようだ

 

 

「あの2人が動き始めたぞ!」

 

「追わなくて良いのかよ!」

 

「喋ってる暇とかねえぞ!」

 

 

そう…皆んながベラベラ喋ってる間に勇人と中村の2人は再び歩き出していた。

 

 

「マジか!」

 

「急げ皆んな!後を追うぞ!」

 

 

スッ!!!!!!

 

 

「いいえ!その必要はありません!」

 

「殺せんせー…」

 

「良いんですか?追わなくても?」

 

 

クラスの皆んなを止めたのは、殺せんせーだった

 

 

「ええ!これ以上追う必要はありません!そっとしときましょう…それにもう夜も遅いです、君達も早く家に帰らないと明日遅刻しますよ!」

 

 

「「「「「「「…………」」」」」」」

 

 

「奴の言う通りだ。井上君のE組残留も決まった事だし、目標は既に達成した、君達も早く家に帰った方がいい」

 

「そうね。それが良いわ、あの2人も家に帰ってる事だしね」

 

 

殺せんせーだけでなく、烏間先生もビッチ先生もこれ以上は追わなくて良いと判断したようだ

 

 

「まあ!確かにそうだな!」

 

「ああ!勇人も無事にE組に残る事が決まった事だしな!」

 

「それもそうだな!」

 

「私達も帰ろっか!」

 

「そうだね!」

 

 

先生方からそう言われたE組の皆んなは、これ以上追うのはやめて帰宅の準備を始めた

 

 

「それじゃ帰るか!」

 

「おう!じゃあな!」

 

「バイバーイ!」

 

「さようなら!殺せんせー!」

 

「烏間先生もビッチ先生もさようなら!」

 

「さようなら!先生!」

 

 

スッ!

 

 

「はい!さようなら!また明日元気よく教室で会いましょう!」

 

「良かったな」

 

「にゅう?烏間先生?」

 

「井上君が残ってくれるのは、こちらとしても有難いからな、暗殺する生徒は1人でも多い方が良いからな」

 

「またまた!そんな事言って!本当は普通に嬉しいだけでしょう!」

 

 

ツンツン!ツンツン!

 

 

「…」

 

 

シュウ!!

 

 

「にゅやん?!」

 

「バカやってないで、私達も帰りましょ!」

 

「そうだな」

 

「ええ!烏間先生!イリーナ先生!また明日お会いしましょう!」

 

 

シュバアア!!!!

 

 

殺せんせーもそのまま飛び去ってしまった。

 

 

「とりあえず良かったわね」

 

「ああ…井上君が居るのと居ないのとじゃ、クラスの雰囲気もだいぶ変わるからな」

 

「それもそうね」

 

 

烏間先生とビッチ先生もひとまず安心したようだ!

 

 

その頃…渚とカルマの2人は

 

 

「はあ〜眠い…」

 

「カルマ君?眠いの?」

 

「まあね!渚君は眠くないの?」

 

「僕もちょっと眠気は襲って来たかな?」

 

「勇人のE組残留も決まった事だし、ゆっくり寝るのが良いよ」

 

「そうだね!」

 

「…(渚君普通に怖かったなぁ…)」

 

「カルマ君?どうかしたの?」

 

「何でもないよ!」

 

「なら良いよ!」

 

 

 勇人がE組に残り続ける事も決まった事だし。明日はどんな1日になるのかな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回予告

 勇人君。自分の悩みなどは1人で抱えず。友達や親並びに学校の先生などにしっかり相談しましょう。1人で抱えてしまったら、いつまで経っても解決できずに更に自分の事を苦しめる事になります。最悪の場合そのまま鬱病を抱えてしまう可能性もあります。そうなってからでは遅いので、ちゃんと誰かと相談しましょう。先生はいつでも相談に乗りますよ!


次回・才能の時間



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