暗殺教室 もう一度立ち直ろう   作:補強と育成

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何か隠していませんか?




期末の時間

 

「いきなり!」

 

 

「「「「教えて!くぬど〜ん!!!!」」」」

 

 

「やあ!みんな!くぬどんだよ!」

 

 

「「「「Sir yes sir!!!!」」」」

 

 

「いよいよ待ちに待った期末テスト。椚ヶ丘中学校では成績が全て。結果を出せないクズは人生の落価者として、惨めな未来が待っているよ!」

 

 

「「「「野垂れ死にだ!!!!」」」」

 

 

「クズ代表!E組のみんなは大丈夫かな?」

 

 

「「「「どうせ駄目だ!わーい!!!!」」」」

 

 

シュバアアアア!!!!!

 

 

「ヌルフフフ!皆さん。一学期の間に基礎がガッチリ出来てきました。この分なら、期末の成績はジャンプアップが期待できます」

 

 

 俺達E組は教室の中ではなく、なぜが裏山で勉強していた。普通にズボンが汚れるし、蚊に腕中刺されるし、個人的に裏山で勉強するのは、もう懲り懲りだ。それと殺せんせーの分身は尋常じゃない程に増えている。確実にパワーアップしている事は確かだ。

 

 

「殺せんせー。期末もテストも前回の中間テストの時と同じように全員50位以内を目標にするの?」

 

「いいえ渚君。先生はあの時、総合点ばかり気にしてました。生徒それぞれに、見合った目標を立てるべきかと思い至りまして。そこで今回は、この暗殺教室にピッタリの目標を設定しました」

 

「ピッタリですか?」

 

「そうですよ茅野さん。それに今回は先生の「弱点」を話すわけですから」

 

「先生の弱点…」

 

「茅野?」

 

 

 何だろ…茅野が一瞬だけ笑ったような気がした。

 

 

シュバン!

 

 

「だ、大丈夫!寺坂君にも必ずチャンスがある目標ですから!」

 

「くっ…」

 

 

寺坂の周りには、ナ◯トの鉢巻を巻いている殺せんせーが3人いた。めちゃくちゃマンツーマンだ!そして勇人の方は…

 

 

「ん〜」

 

「勇人?どうかしたのか?」

 

「ああ、千葉か。数学の事でちょっとね」

 

「何か分からない所があるのか?」

 

「うん。空間図形の問題でね」

 

「空間図形か」

 

 

そう、勇人は数学が大の苦手である。小学生の頃の算数は問題なかったが、数学になった瞬間、一気に駄目になった。特に空間図形がボロボロなのだ!対して千葉は中間テストでの数学の点数は学年でも上位!でもちょっと他人とのコミュニケーションが苦手なのか分からないが、余り自分からは喋らない方の人だ。

 

 

「空間図形なら俺の得意分野だけど、良かったら教えようか?」

 

「おお!ありがとう千葉!(目は見えないけど)」

 

 

 千葉の目は前髪で隠れており、マジで見えない。一回見ようとしたけど普通に駄目だった。いや、今はそんな事よりもとにかく勉強だ!

 

 

「よろしく頼むわ!千葉」

 

「おう、それじゃ早速やるか」

 

 

この後の勇人は千葉からマンツーマンで図形の解き方を学んだ!

 

 

「つまり空間図形の解き方で、これが最も重要な事なんだが「立体を平面に切り出す」これが1番大事なんだ」

 

「なるほど…(千葉が教えてくれた手順はこうだ!)」

 

 

1・平面を取り出す

 

・断面図を書く

・2次元に落とし込む

 

2・定理と公式を使い分ける

 

・三平方の定理

・相似

・体積の公式

 

3・解法のパターンを選択する

 

・直接求める

・全体から引く

 

 

「つまり「気合い」と「根性」で解けって事だな」

 

「違う、そうじゃない」

 

「違うの?」

 

「全然違う。何で精神論になるんだよ。普通にさっき言ったやり方で解けば簡単だから、取り敢えず一旦解いてみよう」

 

 

 千葉がそう言って俺の膝の上に空間図形の問題を置いて来たが、俺はその問題を見てこう思った。

 

 

「これもう分かんねぇな」

 

「何でだよ」

 

 

 俺はもう無理かも知れない。空間図形とかマジ意味わからん!こんなの人生で必要ないよ!意味ないよ!そう思っていたら、もう一人誰かがやってきた。

 

 

「ねえ、二人ともちょっと良い?」

 

「ん?速水か」

 

「凛香、どうかしたの?」

 

 

 千葉と勇人の前に現れたのは速水だ。そして速水も普通に頭が良い。E組に落ちた理由も他の生徒に頼まれごと…いや、正しく言えば他の生徒達に「パシリ」にされていたのだ。その為、勉強の時間がどんどん削られてしまい、気付けばE組に落ちるレベルまで下がってしまったのだ。

 

 

「いや、勇人は何の問題解いてるの?」

 

「空間図形の問題だけど」

 

「勇人が空間図形…(無理ね)」

 

 

速水は勇人の事を憐れみな目で見つめていた。

 

 

「え?なになに?速水なら分かるの?」

 

「何で苗字呼びになるのよ」

 

「取り敢えず、二人とも一旦落ち着け」

 

 

 いや落ち着けねぇ!さっきの目は明らかに哀れな人間を見た時の目だ!

 

 

「数学なら私もある程度得意分野だから、教えて上げても良いわよ?千葉君だけだと、大変だと思うし」

 

「いや、別にそんな事…」

 

「へ〜!速水って数学得意なんだ」

 

「そうよ、後いつまで苗字呼び続けるの?」

 

 

 中間テスト何点だったんだろ?これは聞くしかないな。

 

 

「それじゃあ速水?まずは中間テストでの数学の点数を聞いてもいいかな?」

 

「84点、平均です」

 

「あっ、ふーん」

 

「因みに勇人は?」

 

「56点、赤点ギリギリです」

 

 

「「あっ」」

 

 

「二人で「あっ」言うなや」

 

「いや、悪い」

 

「そうね、ごめん」

 

「もう嫌だ…勉強しよ」

 

 

この後の勇人は千葉と速水の二人に教わりながら、何とか空間図形の解き方だけは理解したが、普通に怪しい。因み椚ヶ丘中学校は50点以下を取ったら赤点となる。

 

 

「渚…助けて…」

 

「勇人?どうしたの?」

 

「数学がマジで分からん…」

 

「あはは…それは大変だね。もっと頑張ろっか」

 

「はい」

 

 

 俺は渚の隣に座って一緒に勉強していたら、突然殺せんせーがハンドガンを持って急に話し始めた。どうやら触手を失ったらどうなるかの話しらしい。

 

 

「さて皆さん。前にシロさんが言った通り、先生は触手を失うと動きが落ちます」

 

 

ドン!

 

 

「一本減っても影響はでます。ご覧なさい。分身の質を維持出来ず、子供の分身が混ざってしまった」

 

 

「「分身ってそういう減り方するモノなの?!」」

 

 

「更に一本減らすと…」

 

 

ドン!

 

 

「子供の分身が更に増え、親分身が家計のやりくりに苦しんでます」

 

 

「「なんか切ない話になってきた…」」

 

 

「更にもう一本!」

 

 

ドン!

 

 

「今度は父親分身が蒸発し、母親分身は女手ひとつで子供達を養わなくてはいけません!」

 

 

「「重いよ!!」」

 

 

「触手一本喪失につき、先生が失う運動能力は約10パーセント。そこで本題です。今回は総合点の他にも、各教科ごとに1位を取った者には、先生の触手を一本破壊する権利を進呈します」

 

 

「「「「「「ッ…!!!!!!」」」」」」

 

 

「これが暗殺教室の期末テストです。賞金百億…そして地球の危機を救えるかどうかは、皆さんの努力次第なのです」

 

 

 この先生は、殺る気にさせるのが本当に上手い!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「E組の成績を落とす為なら何でもする。私の事をそう思ってませんか?」

 

「いいえ。でも横の堅物が貴方を疑って聞かないんですの」

 

「…」

 

 

 烏前先生とビッチ先生の二人はどうやら、理事長室に訪れているようだ。特に中間テストでの全教科出題範囲変更の件で烏前先生は浅野理事長の事を疑っているようだ。

 

 

「それならご安心を、我が校は生徒の自主性を育んでいます。成績を決めるのは我々学校ではなく、あくまで生徒達です。私は…なにもしません」

 

 

「「……」」

 

 

そして烏間先生とビッチ先生の2人はこのまま理事長室から退出した。

 

 

「なーんか、含みのある言い方だったわね。生徒の自主性がどうとか」

 

「まあな。だが中間テストの時のような、不正ギリギリの小細工はなさそうだ」

 

「ま、今回は成績が直に暗殺と関係あるみたいだし、私も一肌脱いでやろうかしら!保健体育なら私にまかせて…」

 

「外国語はどこいった」

 

 

ビッチ先生は烏前先生の腕に抱きついたが、普通に振り解かれてしまった様だ。ビッチ先生が烏間先生を落とすのは、まだまだ先になりそうだ。そして先生方が本校舎にいた頃、旧校舎の教室の方でも動きがあった。

 

 

「各教科で触手一本か」

 

「英語なら渚行けるだろ」

 

「ん〜どうだろう、僕には難しいかな?」

 

 

 そうかな?英語なら渚でも十分行けると思うけどなぁ

 

 

「とにかく頑張るしかないな」

 

「ええ!がんばりましょう」

 

「珍しく気合入ってんじゃん。奥田さん」

 

「はい!理科だけなら私の大の得意ですから。やっと皆の役に立てるかも」

 

「ウチにも上位ランカー結構いるから、一教科だけならトップも夢じゃないかも!」

 

 

ブウウウウ!ブウウウウ!

 

 

「進藤?」

 

「珍しいな、進藤から電話って」

 

「もしもし?よう、なんだ?球技大会振りだな」

 

『ああ、あん時は世話になった。高校で借りは返すと言ったが、お前がマトモな高校に進学できるか心配になってな。それと勇人にも連絡したんだが繋がんなくてよ』

 

 

進藤は勇人に対して何回か電話したが、全て音信不通だ。

 

 

「あはは…相変わらずの上から目線で。それと勇人なら俺の隣にいるぜ」

 

『はあ?居るのかよ!何で電話に出ないんだよ』

 

「ごめん進藤。スマホの充電切れてたから、今モバイルバッテリーで受電中だ」

 

『そう言う事ならしょうがない』

 

 

嘘である。普通に消音モードをオンにしていた為、鳴らなかっただけなのだ。

 

 

「それで、どうしたんだ?」

 

『かなり大事な話だ。と、言うのもな。今、会議室に特進クラスA組が全員集結して、自主勉強会を開いているんだ。音頭をとるメンバーは「五英傑」と呼ばれるウチが誇る天才達だ』

 

 

 

   特進Aクラス五英偨履歴

 

 

 

『中間テスト総合二位!世を圧倒するマスコミ志望の社会知識!』

 

 

   放送部部長!荒木鉄平!

 

 

『総合三位!人文系コンクール総なめ!鋭利な詩人』

 

 

   生徒会書記!榊原蓮!

 

 

『総合五位!赤羽への雪辱に燃える暗記の鬼』

 

 

   生物部部長!小山夏彦!

 

 

『総合六位!口の悪さとLA仕込みの語学力は追随者ナシー!』

 

 

   生徒会議長!瀬尾智也!

 

 

「ちょそのナレーション…進藤がやってんのか?!」

 

『あ、ああ!一回やってみたかったんだ、こういうの』

 

 

 進藤…キャラに合ってないぞ

 

 

『そしてその頂点に君臨するのが…』

 

 

ガタン!

 

 

「僕等は選ばれし者。名門、椚ヶ丘中学で選ばれた者達だ。しかし…その輝きを覆い隠そうとする、不穏な革命が発生しつつある。あのE組が中間テストにおいてクラス全員総合50位以内を目指していたと言う。ならば僕等A組が上位を独占し、立ち込める革命を叩き潰そうじゃないか。彼らの野蛮的な考えを公し、我が校の秩序を守ろう。僕達の手で!」

 

 

「「「「「「おう!!!!!!」」」」」」

 

 

『総合一位!全国模試一位!全教科パーフェクトー!支配者の遺伝子を引き継ぐ男!』

 

 

    生徒会長!浅野学秀!

 

 

「理事長のひとり息子…」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「浅野君か、一回会った事あるな」

 

「え?そうなのか?」

 

「ああ、図書室を訪れた時ね」

 

 

勇人は一度2年生の頃に浅野君に会っている。その時は図書室に本を置きに行く為に訪れたのだが、たまたま居たのだ。因みにイケメンだ!

 

 

『人望厚く、成績はトップ。プライドの高いA組の猛者をまとめ上げるカリスマ性。彼自身の指導力に加えて…』

 

 

 

「一日に千里の道を行くよりも、君と一里を行くが楽しき…さあ、学ぼうじゃないか。美しい言葉が君の動脈を満たすまで…」

 

 

 A組の前原みたいな榊原

 

 

「俺が住んでたLAでは、そんな文法じゃ笑い者だぜ!」

 

 

 アメリカかぶれの瀬尾

 

 

「大事なのは、その出来事がもたらした変化の大きさ。これ見えないと… 君、社会から置いてかれるよ」

 

 

 見下し野郎の荒木

 

 

「死ぬ気で詰め込め!中高の理科は暗記だけで充分じゃぁぁぁ!!!!」

 

 

 気合と根性!帝政日本の生き残り小山

 

 

『全教科パーフェクトな浅野と各教科のスペシャリスト達。五人を合わせて「五英傑」奴ら、お前らを本校舎へ復帰させないつもりだ。このままだと…』

 

 

 進藤…やっぱり良い奴だな〜

 

 

「ありがとう進藤。心配してくれて、けど大丈夫。今の俺達はE組脱出が目標じゃない。けど目標の為にはA組に勝てる点数を取らなきゃならない。見ててくれ進藤、俺等頑張るから」

 

『フン…勝手にしろ。E組の頑張りなんて知った事か』

 

 

 進藤はもしかして、ツンデレタイプなのか?いや、それは流石にあり得ないか。いや、やっぱりあり得るかも。

 

 

「進藤。ツンデレタイプとは「お可愛いこと…」だな」

 

『おい勇人。今からそっち行くわ』

 

「ごめん」

 

 

その日の放課後

 

 

「各教科一位かぁ〜」

 

「渚が英語、神崎さんが国語、茅野は…無理か」

 

「ちょっと勇人!無理ってどう言う事よ!」

 

 

勇人は茅野に胸ぐら掴まれて、めちゃくちゃ前後に激しく揺さばれた。

 

 

「そう言う勇人君は何かないの?得意科目」

 

「神崎さん。俺は社会が得意から、社会を何とかしてみるよ」

 

「そっか、勇人って社会とか暗記系は結構得意方だよね」

 

「おう!暗記だけなら」

 

 

勇人の得意分野は暗記だ。理由は幼い頃からプロ野球選手に憧れていた為、12球団の選手名簿を毎日欠かさず読んでいたのだ!そのお陰で記憶力だけは意外とあるのだ。

 

 

「4人共!ちょっといいか」

 

「磯貝君?」

 

 

4人で帰ろうとしていたら、磯貝が手に一枚の紙を持って俺たちの元へやって来た。それと磯貝の後ろには中村さんが居た。

 

 

「明日の放課後、本校舎の図書室で勉強しないか?期末狙いで随分前に予約しといたんだ。E組は基本後回しにされるから、俺らにとっちゃ、このチケットはプラチナチケットだぜ!」

 

 

「「「「お〜!行く行く!!!!」」」」

 

 

「行く行く!」

 

「神崎さんが「イクイク」って!」

 

「勇人君?」

 

「何でもないです。さあ!帰りましょう!」

 

 

その後は6人で仲良く帰路に着いた。俺等が帰っている頃、理事長室では…

 

 

「理事長。あなたの御意向通り、A組の成績の底上げに着手しました。これでご満足でしょうか?」

 

「浅野君。私が求めているは結果だよ。結果の伴わない報告は何も意味がない。そうだな、A組全員がトップ50に入り。五教科全てでA組が一位を独占するのが合格ラインだ」

 

「E組は他を上回ってはならない。あなたのその理念は分かります。が、なぜそこまでこだわるのか解りません。理事長の言う通り、E組の成績が上がっているのは事実です。が、しょせん限界がある。僕等A組に本気で及ぶとは、とても思えません」

 

 

 浅野君。サッカー上手いってレベルじゃねーぞこれ。勉強だけでもなく、スポーツまでも優秀とは…さすが理事長の息子だ。

 

 

「私が君に教えたいのはそこだよ、浅野君。弱者と強者の立場は時に簡単に逆転する。君はフランス革命、ロシア革命、ドイツ革命を学んでないのかな?強者の座に居続ける、これこそが最も大変な事なのだ。歴史を学べは良く分かる話さ」

 

「分かりました理事長。僕の力でその条件をクリアさせましょう。クリアできたら、生徒ではなく、息子として一つおねだりしたいのですが、よろしいですか?」

 

「おねだり?父親に甘えたいとでも?」

 

「いえいえ。僕はただ知りたいのです。E組の事で…何か「隠」していませんか?」

 

「!」

 

 

シュドン!!!!!!

 

 

 浅野君はさっきまでサッカーボールでリフティングの方をしていたが、そのボールを理事長に向かって蹴り飛ばした。そして理事長の方は片手でサッカーボールを普通に掴んだ。

 

 

「どうもそんな気がしてならない…あなたのE組への介入は、今年度に入っていささか度が過ぎる。去年や一昨年には無かった行動の数々…まさかとは思いますが、教育以外に「ナニ」かヤバい事に手を出してらっしやるとか?」

 

「…」

 

「不審者の噂もありますしね。「空飛ぶ黄色い巨大タコを見た」とか、コンビニスイーツを買い占める「怪しい黒ずくめの男」とか、Gカップ女子の背後で「ヌルフフ」と笑う「謎の声がした」とか、これらは根も葉もないデマだと思いますがね…」

 

 

 殺せんせー!やらかしまくってんじゃねーか!

 

 

「知ってどうする?それを使って私を支配する気かい?」

 

「当然でしょう!全て支配しろと教えたのは、紛れもなくアナタなのですよ。理事長」

 

「さすが最も長く教えて来た生徒だ」

 

「首輪つけて飼ってあげますよ。一生ね」

 

「奇遇だね。私も君を社畜として飼い殺そうと思ってたところだ」

 

 

「「ふふふ…はははっ!!!!!」」

 

 

 この親子…狂ってる。父親の事を「首輪つけて飼う」とか、父親が自分の息子の事を「社畜として買い殺す」とか、初めて聞いたわ。

 

 

そして次の日の放課後。勇人は磯貝のプラチナチケットと共に本校舎の図書室に訪れていた。メンバーはこうだ!

 

磯貝、勇人、渚、茅野、奥田、中村、神崎の計7人だ。

 

 

「勇人!今から言う問題解いてみろよ」

 

「OK!」

 

「それじゃ問題!18世紀、フランス革命の始まりとなった襲撃事件は何だ」

 

「フランス革命か〜!」

 

 

 フランス革命と言えば必ず出て来る問題だな。

 

 

「答えは「バスティーユ牢獄襲撃事件」だよな」

 

「正解!流石に簡単だったか」

 

「多分普通の市立中学の人達でも分かるよ」

 

「じゃあ、そん時に処刑された要塞司令官の名前は?」

 

「ロネー」

 

「正解!」

 

「しゃあ!」

 

 

勇人は世界史系の問題はめちゃくちゃ得意だ!特にロシアの歴史が一番得意傾向にある。

 

 

「茅野。支配者や占領者に対する、武力による抵抗運動を何と言うでしょう!」

 

「磯貝君舐めないでよ!答えは簡単だよ。レジスタンスまたはパルチザン」

 

「正解!」

 

 

 でもテストでは、ほぼ出ないけどなぁ〜

 

 

「代表なのが、フランスの対独レジスタンスと、ソ連の対独パルチザンが有名だな」

 

「後は…中国の抗日パルチザンかな?」

 

「最後に対渚レジスタンス」

 

「勇人?どう言う意味かな?」

 

「ごめんって」

 

 

その後は渚に詰め寄られながら勉強の方をしていたら、出来れば会いたく無い人達が現れてしまった。

 

 

「おや?E組のみなさんじゃないですか。非常にもったいない。君達にこの図書館は、豚に真珠しゃないのかな?」

 

「(うっわ…よりによって)」

 

「(例の五英傑)」

 

「どけよ。ザコ共の集まりが、そこは俺らの特等席だ。とっとと失せな」

 

 

 豚に真珠だの。ザコの集まりだの。言いたい放題言いやがって、流石に文句を言おうとしたが、俺より先に茅野が先に言ってくれた!

 

 

「な、何よ!勉強の邪魔しないで!」

 

「そうだ!そうだ!」

 

 

 茅野!よー言った。と、思ったのだが…

 

 

「茅野…本…」

 

「勉強して無かったのかよ。このバカたれが!」

 

 

 茅野は国語の教科書ではなく「世界のプリン大百科」などと言う本を読んでいた。なぜプリンなんだ…

 

 

「ここは俺達がちゃんと予約して取った席だぞ!」

 

「そーそー。クーラーの中で勉強なんて、久々でチョー天国」

 

「おいおい忘れたのかァ?この学校のルールでは、成績の悪いE組はA組に逆らえない事をな!」

 

「さ、逆らえます!」

 

「は?何だと?」

 

「私達…期末テストで各教科一位狙ってます。そうなったら大きい顔なんて、させませんから!」

 

 

 奥田さん…

 

 

「く、口答えすんな!生意気な女め、オマケにメガネなど掛けてイモ臭!なぁ、荒木」

 

「お、おう…」

 

 

 お前もメガネ掛けてるじゃねーか!荒木も反応に困るわけだわ。

 

 

「臭すばかりでは見逃すよ小山。見るがい…どんな底辺層にも鶴がいるもんだ。すごく勿体無いよ神崎さんは、学力さえあれば、僕と釣り合つ容姿なのに。せめてウチに奉公に来ない?」

 

「い、いえ…あの、大丈夫です」

 

「遠慮しないで良いんだよ?」

 

「本当に大丈夫です…」

 

 

( ( (神崎さん…男運なさすぎ…) ) )

 

 

「!(待てよ…確かこいつ等中間テストでは…)」

 

 

神崎有希子、国語187/23位

 

中村莉桜、 英語187/11位

 

潮田渚、  英語187/28位

 

磯貝悠馬、 社会187/14位

 

井上勇人、 社会187/34位

 

奥田愛美、 理科187/17位

 

茅野カエデ、理科187/26位

 

 

「なる程なぁ!一概に学カが「ない」とは言えないなぁ。一教科だけなら…」

 

「それじゃあ、こう言うのはどうかな?俺達A組と君等E組…五教科でより多くの一位を取ったクラスが、負けた方に何でも命令出来る。って言うのは」

 

 

 なるほどね…そこでA組が圧倒的大差をつけて勝利して、E組の事を徹底的に弾圧するつもりか。

 

 

「どうした井上?臆したか?所詮お前等ザコは口だけか?よく聞けよ、俺達ならお前等と違って「命」賭けても構わないぜ」

 

「命ね…」

 

「あっ?」

 

 

シュウ!

 

 

「?!」

 

 

この瞬間…俺等はそれぞれ五英傑の顔付近又は喉元にそれぞれペンか人差し指を当てた。

 

 

「命は簡単に賭けない方がいいと思うよ?」

 

「そうだぜ、瀬尾」

 

 

4人はさっきまでの余裕の表情は無くなっているだけではなく、冷や汗の方も出ていた。

 

 

「じょ、上等だよ!井上!受けんだな、この勝負!」

 

「死ぬより厳しい命令だしてやる!」

 

「逃げるんじゃないぞ!」

 

「後悔するぞ!」

 

 

 この騒ぎはたちまち、全校生徒の知る所となった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「わ、悪い浅野。下らん賭けだとは思ったけど、アイツ生意気に突っ掛かって来たもんで…」

 

「ま、いいんじゃないかな?その方がA組にも緊張感が出て」

 

 

浅野君がそう言うと、4人は一旦ホッとした。だがこの後…

 

 

「ただ、後でゴネられても面倒だから、ルールは明確にしておこう。勝った方が下せる命令は「一つ」だけ。内容はテスト後に発表する」

 

「一つだけかぁ?ちと物足りないな?」

 

「それで、コチラの命令は?」

 

「…」

 

 

カタカタカタカナカタカナ!!!!!!!!

 

 

 ファ?!タイピング世界一位の方ですか?!

 

 

「この協定書に同意する。その「一つ」だけ」

 

 

「「「「………」」」」

 

 

「全50項に渡り、彼ら組がA組に従属を誓う。その代償として、僕等A組はE組に正しい生徒像を指導してあげる。両者Win・Winの地位協定だ」

 

「ギシシシ!!一つと言いつつ、奴隷扱いの50項。Win・Winとはよく言うぜ」

 

「もしかしてこれ全部、今一瞬で関いたのか?恐ろしい男だ」

 

「恐ろしい?ご冗談を…生徒同士の私的自治に収まる範囲の軽い遊びさ、それに民法は粗方収めてある。その気になれば人間を壊す契約だって全然不可能じゃない…」

 

 

「「「「………」」」」

 

 

「いいか皆!是非聞いてくれ!僕がこれを通して言いたいのは、やる以上真剣勝負だって事だ。たとえどんな相手であろうとも、本気を出して向き合う。それが皆を導く、僕達A組の義務なんだ!」

 

 

「「「「「「「おう!!!!!!!」」」」」」」

 

 

 こいつが皆をまとめる言葉は、ただのキレイ事だ。クラスの連中もそれを承知の上で、熱狂的に付いて行く。あの男の偽善の先の勝利を信じて。まさにエースのA組、絶対的エース「浅野学秀」奴に勝てる生徒はこの学校には存在しない。

 

 

そしてE組では

 

 

「はぁぁ〜!」

 

「こらカルマ君!あくびしてないで勉強なさい!君なら総合トップ狙えるでしょ!」

 

「言われなくても、ちゃんと取るよ。アンタの教え方がいいんでね。けどさあ、殺せんせー?なんか最近トップ、トップって普通の先生みたく、安っぽくてつまらないよね」

 

「…」

 

 

シュバン!

 

 

カルマの「つまらない先生」発言を言われた事が原因なのか分からないが、殺せんせーが急に分身をやめてしまった。

 

 

「それよりどーすんの?明らかに何か企んでるよね?そのA組が出した条件って」

 

「心配ねーよ、カルマ。このE組がこれ以上失うモンはねえよ!」

 

「勝ったらなんでも一つかあ〜!学食の使用権とか欲しいなぁー!」

 

「俺は五英傑の仲間に入れて欲しいなぁー!」

 

 

「「「「「「「無理無理」」」」」」」

 

 

「にゅるフフフ!それについては先生に考えがあります」

 

 

シュバババ!!!

 

 

 そう言うと、殺せんせーはパンフレットを持って教卓の方に移動した。おそらく、クラス全体が見える様にだろ。

 

 

「これを「よこせ」と命令してはどうでしょう?」

 

「学校案内?」

 

「そのパンフレットをよこせですか?」

 

「違います、勇人君。この裏に書いてるモノです」

 

 

そして殺せんせーがパンフレットの裏側を見せてくれた。

 

 

「「「「「おお〜!!!!!」」」」」

 

 

「なるほど!そう言う事ですか」

 

「そうです。君達は一度、どん底を体験しました。だからこそ、次はバチバチのトップ争いを、経験して欲しいのです。暗殺者なら…狙ってトップを殺るのです」

 

「渚!これは燃えて来たな」

 

「そうだね勇人」

 

 

しかしそう簡単に行かないのが「現実」だ。すでに本校舎の方でも動きがあった。それは五英傑ではなく、理事長の方に…

 

 

カタカナカタカナカタカナ!!!

 

 

「浅野君がE組との対決ムードを盛り上げてくれています。これを我が校の偏差値向上に、つなげない手はありません。頼みますよ。先生方…」

 

「ご安心を理事長。我らが叡知を結集させたこの問題…A組ですら正解を導くのは至難かと!」

 

「ほう…」

 

「これは最早単なる試験問題ではなく、問題と云う名の怪物「問スター」です!」

 

「大いに結構…結果が楽しみです」

 

 

 理事長は本校舎の先生方に対してかなりの難問問題の要求している様だ。これは絶対にE組を勝たせない様にする為なのか、それとも他に何かあるのか…それは理事長以外には誰も分からない。

 

 

「数々の過教な項目に紛れ込ませた地味な項目…その中にある「E組の隠し事を禁じる」僕の真の狙いはこれだ。貴方が必死に隠蔽しようとする、E組の重大な「ナニ」か…これを知れれば、僕はアナタの事を支配者する事が出来る。なにせ父さん、僕は貴方の息子ですから」

 

 

     期末テスト 当日

 

 

「どーよ渚?ちゃんと仕上がってる?」

 

「まあ…ヤマが当たれば、何とか」

 

「男ならシャキッとしな!英語なら、アンタも上位狙えんだから!」

 

「そうだぞ渚!頑張ろうぜ!」

 

 

この時の勇人は緊張し過ぎて普通に吐き気と腹痛を抱えていたが、そこは「気合い」と「根性」で乗り切るつもりだ。

 

 

「そーゆう、勇人は本当に大丈夫なの?ウチと渚がちゃんとマンツーマンで教えたんだから、これで低い点数取ったら許さないわよ?」

 

「大丈夫だって!絶対にヘマはしないよ」

 

「それと社会で学年一位取るって本当なの?」

 

「え?!そうなの勇人?!」

 

 

 そう、俺は磯貝と共に社会で学年一位を取ろうと、約束したのだ。俺は殺せんせーに最大10時間越えの勉強を手伝ってもらい、準備満タンだ!社会だけならいける!

 

 

「おう!何だって俺は…」

 

「楽しみだなぁー!」

 

 

 おい!今決め台詞言おうとしたのに!

 

 

「A組と無謀な賭けしたんだって?」

 

「どんな命令されんだろうなァ?」

 

 

 田中と高田だ…お前等一年二年の頃はそんな性格じゃなかっただろ。やっぱりこの学校は三年に上がったら皆どんどん性格が変わっていくなぁ

 

 

「気にせず行こうぜ、渚」

 

「うん…」

 

 

 俺は無視しようしたが…

 

 

スポ

 

 

「ん?」

 

 

プシュウ!!!

 

 

「ほんげ〜!!!!あっっっっ!!!!」

 

「田中ァァァ!!!!」

 

 

 中村さんが田中の両方の鼻の穴にペンを突っ込み、そのまま思いっきり弾き飛ばした為、田中は両方の鼻から鼻血を出していた。

 

 

「さて、あたしら一番乗り!」

 

 

ガラガラ!

 

 

「え?」

 

「ファ?!」

 

「どうしたの?」

 

 

 教室のドアを開けたら、なぜか律そっくりの人間が座っていた。

 

 

「「「いや誰?!」」」

 

 

「律役の生徒だ」

 

「烏間先生」

 

「さすがに理事長から、人工知能の参加は認められず。律が勉強を教えた替え玉で落着した。交渉の時…理事長に「大変だなぁコイツも」と言う憐れみの目を向けられた俺の気持ちが、君らに分かるか?」

 

 

「「「頭が下がります!!!」」」

 

 

「これは律は初めイリーナとアイツの伝言を併せて俺からも「頑張れよ」努力は必ず報われる。君達がどれだけ勉強していたのかは、俺もよく知っている。自信を持って挑めよ!」

 

 

「「「はい!!!」」

 

 

「よし…(頑張ろう)」

 

 

キーンコーンカーンコーン!

 

 

 本来、テストと言うのは、ひとりひとりで受ける筈の試験。なのに、色んな人と同じ舞台に立っているのを感じる。

 

 

・一緒になって闘う者

 

・敵となって闘う者

 

・野次と声援を飛ばすギャラリー

 

 

 これはまるで…

 

 

ガシャ!

 

 

ゴゴゴゴ!!!

 

 

 僕らは暗殺者。おまけに今はグラディエーター。まるで古代ローマ帝国…コロッセオにいるみたいだ。戦いの鐘が…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     今日は鳴る!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回予告

 英語の長文テストでは、もし知らない単語があったらと不安かも知れません。ですが前後をよく見ると別の表現の言い換え、などのヒントがある事も多いのです。隠されたヒントを見つけられるのも、一つの実力ですよ、中村さん。


次回・終業の時間 1学期


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