暗殺教室 もう一度立ち直ろう   作:補強と育成

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って!思ってたよりも絡まれてる?!




野球の時間

 旧校舎の隣にあるデカい森の中で「殺せんせー」はいつもの様にゆっくりしながら新聞を読んでいた。

 

 

「う〜ん。アメ〜リカでも月の話題ばかり。もっと楽しい一面記事が欲しいですねぇ」

 

 

 殺せんせーは新聞を見ながらそう呟いていた。そしてその様子を3人は木の後ろに隠れながらジッと見つめていた。

 

 

「ホームルームの前に、校舎裏で寛ぐのがアイツの日課。マッハ20で買ったドリンクと英字新聞で」

 

「やっぱり渚の情報通りだな!」

 

「あぁ、サンキュウ。渚!」

 

「うん、頑張ってね。2人とも」

 

「おう!100億円は俺達のものだ!」

 

「俺もベストを尽くすよ!」

 

 

 今日のHRが始まる前に、渚と杉野そして勇人の3人は殺せんせーを暗殺する為に校舎裏に集合していた。

 

 

「それじゃあ杉野。始めるか」

 

「おう!今が絶好のタイミングだ」

 

 

 そして勇人と杉野は投球動作に入り2人で、一気に殺せんせーに向かってボールを投げた!

 

 

 僕らは殺し屋。ターゲットは先生。

 

 

「おはようございます!」

 

 

「「「なぁ?!」」」

 

 

「さぁ!朝の挨拶は大きな声で!」

 

「え!? え、え!?」

 

「いつの間に…」

 

「おはようございます…。殺せんせー」

 

 

 この時、殺せんせーが3人の後ろに急に現れていたが、俺ら3人は全く状況が掴めなかった。てか早すぎ…

 

 

「それで先生の弱点。対先生用BB弾をボールに埋め込むとは、良いアイデアですねぇ。これならエアガンとは違い発砲音もない。ですが…先生ボールが来るまで暇でしたし、直に触ると先生の細胞も崩れてしまう。そんな訳で、先生道具室までグローブを2つ取りに行っていました!」

 

 

「「なぁ!!」」

 

 

「殺せると良いですねぇ。卒業までに…」

 

 

 殺せんせーの顔には緑の縞々模様が出来ていた。

 

 

「さぁ!HRの時間ですよ!」

 

 

「「はい…」」

 

 

「くっそ…やっぱり俺の球じゃ無理なのかな…」

 

「もうドー◯ングでもするか?」

 

「杉野…てか勇人!それは普通にやばいから!」

 

 

 俺達3人はそのまま戦意を喪失して教室に戻った。途中から杉野がずっと無言のまま何も言わなくなってしまった。渚は気付いたが、俺はあんまり気にしてなかった。そしていつも通り一時間目の授業が始まった。

 

 

「えぇ…それでは次の問題を勇人君と前原君?前に出て解いて下さい」

 

「はい」

 

「分かりました」

 

 

 今は数学の時間だ。正直言って数学はめちゃくちゃ苦手だ。

 

 

「全然分からん」

 

「心配すんな勇人!俺もだ!」

 

「コラ!ちゃんと考えて解いて下さい!」

 

 

 先生は月を7割型壊滅させた怪物、来年の3月には地球をも破壊すると言う。そんな怪物がどう言う訳が、僕らの担任になる事を希望した。僕らの任務は来年の3月までに、この先生を暗殺する事。成功報酬は100億円。

 

 

「ねぇ渚!」

 

「茅野?」

 

「杉野と勇人って今朝、暗殺失敗したんだって?」

 

「うん、それから杉野…すっかり元気なくしちゃって…」

 

「え?勇人は?」

 

「勇人は普通に元気…」

 

「いつもの事だね…」

 

「勇人っていっつもポジティブ思考だから…」

 

 

 この時、渚は少し羨ましいと思っていた。

 

 

「それにしても杉野、あんなに落ち込む事ないのにね。それに、今まで誰も成功してないんだから」

 

「うん…」

 

 

 殺せない先生。名付けて「殺せんせー」

 

 

 その時、突然殺せんせーの触手が菅谷の席まで伸びるとそのまま菅谷のノートを奪いとった。そう菅谷は殺せんせーを描いていたのだ。

 

 

「え?」

 

「あれ?ってあ!」

 

「菅谷君!!実に惜しい!先生はもっとシュット「塩顔」ですよ!」

 

 

「「どこが?!」」

 

 

 俺と前原普通にツッコミを入れてしまった。そして今日も1日が終わり帰りのチャイムが鳴ると、殺せんせーはいつもなら職員室に向かうが今回は違う様だ。

 

 

「それでは皆さん!先生ちょっとこの後用事があるので、これにて失礼します!」

 

「用事?」

 

「先生に?」

 

「えぇ!ニューヨークでスポーツ観戦です!」

 

 

 そう言った瞬間、先生はいつもの様に飛びだってしまった。因みに先生がマッハ20で飛んでいった為、強風が教室を襲った。

 

 

「行っちまった…」

 

「何なんだよ、アイツ…」

 

「吉田!寺坂!殺せんせーがおかしいのは、いつもの事だろ?」

 

「でもよ勇人?毎回あれされたらこっちもきついぞ」

 

「あぁ、あの野郎…教室中にある埃を撒き散らすからなぁ…」

 

 

 寺坂達は少しお冠な様子だった。でも気持ちは分かる。

 

 

「先生もさぁ。たまにはお土産でも買って来てくれれば良いのにねぇ」

 

「ターゲットからお土産貰っても困るでしょう?」

 

「食べ物なら良いんじゃないのかな?後に残らないし!」

 

「変なとこで現実的ね…」

 

 

 どうやら倉橋さんはお土産が欲しいらしい。まぁ片岡さんの言ってる事も理解は出来る。

 

 

「ニューヨーク土産ってなんかあるのか?」

 

「酒とかどうよ!」

 

「飲めねぇじゃん!」

 

「じゃあコーラ?」

 

「何でコーラなんだよ?」

 

「前原に磯貝。俺は本場のコーラが飲みたい!」

 

 

「「変わんねえよ!!」」

 

 

「やっぱ!お菓子が良いよね!」

 

「白人の金髪美女!たまんね〜」

 

「だよな!」

 

 

 岡島、前原!金髪美女ならもうクラスにいるけどな?

 

 

「お前ら!金髪美女なら「中村」さんがいるやん!」

 

「なんで中村なんだよ?」

 

「前原は分かってないなぁ。髪が黄色で目も青い。これだけで白人とぶっちゃけ変わらないだろ?」

 

「…」

 

 

(髪を染めて、カラコンを入れているだけでは?)

 

 

 この時、前原はそう考えていた。

 

 

「ちょっといいか?」

 

「あ…烏間さん」

 

「どうだ?奴を殺せる糸口は見つかったか?」

 

「糸口…」

 

 

 烏間さんからの質問に直ぐに答えれる者はいなかった。そればかりかクラスの大半が顔を下に向けていた。

 

 

「って言うか〜私達E組だし〜」

 

「無理ですよ…烏間さん」

 

「早すぎるって、あいつ…」

 

「マッハ20で飛んでく奴なんて殺せないですよ!」

 

「もう、みんなで火星に移住しましょう」

 

 

 クラスメイトの殆どは諦めかけていた。そして俺も正直言ってもう暗殺は無理かも知れないと思っていた。

 

 

「そうだ。どんな軍隊でも不可能だ」

 

「でしょう?」

 

「だが、君達だけにはチャンスがある」

 

「え?」

 

「チャンスがある?」

 

「奴は何故か君達の教師だけは欠かさないのだ。放っておけば来年の3月、奴は必ず地球を爆破する。削り取られたあの月を見れば分かる通り、人類を含め全ての地球生物は滅びるだろ。奴を生かしておくには、余りにも危険過ぎる。この教室が奴を殺せる唯一の場所なのだから」

 

 

 烏間さんが話を終えると、クラス中に無言の空気があった。烏間さんが言った事は紛れもなく事実であり正論でもあるからだ。

 

 

「後…井上君」

 

「はい」

 

「火星移住は現時点では不可能に近い事は覚えといてくれ」

 

「はい!(いや!本気で言った訳じゃないですよ!)」

 

「ふーん…」

 

「渚…。そんな哀れみな目で俺を見るな…」

 

 

 落ちこぼれクラスの僕らE組に与えられた試練は、地球を救うヒーローになる事。けど分からない、何で先生が地球を爆破しようとしているのか、どうしてそれなのに僕らの前に現れたのか。

 

 

 そして次の日。今は昼休みの時間だ。

 

 

「渚!何してんの?」

 

「勇人?今はね、課題やってる所」

 

「あ…課題ね」

 

「どうしたの?」

 

「いや俺…英語の課題やってなかったなぁって…」

 

「何してるのさ…」

 

 

 渚…そんな哀れみな目で俺の事を見ないでくれ!

 

 

「井上!」

 

「中村さん?」

 

「課題教えてあげようか!」

 

「え?いいの?!」

 

「良いって事よ!」

 

「まじかサンキュウ!」

 

 

 中村さんまじで神!最初はやばい人かと思ったけど全然良い人じゃん!この後、俺は中村さんに教わりながら、猛スピード課題を仕上げた。およそ10分だ。

 

 

「いや〜中村さんマジで助かったよ!」

 

「どういたしまして!」

 

「それじゃ、殺せんせーに提出して来るよ」

 

「いってら!」

 

 

 俺は中村さんにお礼を言うと課題を解いたノートを手に持って教習から出た。そして外に杉野の姿が見えた。

 

 

「杉野?あんな所で何やってんだろう?」

 

「勇人」

 

「誰?!って、なんだ速水か。急に後ろから現れるなよ」

 

「後ろじゃなくて横ね」

 

「どっちでもいいだろ。それよりちょっと、杉野の様子見て来る。多分弁当も食べてないと思うし」

 

「私も行くわ。1時間目の授業から、ずっと溜め息してたし」

 

 

 俺と速水は杉野が外にある石階段に腰掛けて、弁当を食べているが殆ど手に付けてない事にも気付いた為、俺は殺せんせーに課題を提出する前に杉野に会いに行く事にした。

 

 

「…はぁ」

 

「すーぎの!」

 

「なんだ…勇人と速水か…」

 

「隣いいか?」

 

「ああ、いいぜ」

 

「それじゃあ、私も」

 

 

 俺と速水は杉野の隣に座って、それぞれ持って来た弁当を膝の上に置いて食べることにした。因みに右が杉野で真ん中が俺で左が速水だ。

 

 

「それよりどうしたんだ?2人して」

 

「杉野が外で食べてたから、俺と速水も気分転換で来ただけさ」

 

「そうよ。青空の下で食べるのも全然悪くないと思うし」

 

「そうか…」

 

 

 うーん。ここまで良いんだけど、こっからどうしようかなぁ。特に何も考え無しで来たからなぁ。

 

 

「…はぁ」

 

「杉野君?今日はずっと溜め息ばかりしてるけど何かあったの?」

 

「別に…速水が心配する事じゃないさ。俺の事だし」

 

「そう、なら良いわ。ただ席の後ろからずっと溜め息の音が聞こえて来たら、流石に気になるわよ」

 

「それは悪かったな」

 

 

 ヤバイな。マジで何て言えば正解なんだろう?俺はただひたすら弁当の中に入っているハンバーグを食べながらそう考えていた。そうしたら…

 

 

「ボール2つ、綺麗に磨いておきましたよ。杉野君に勇人君」

 

「殺せんせー、て言うか何食ってんの?」

 

「昨日ハワイで買ったヤシの実です。食べますか?3人とも」

 

「何で食べるんだよ、普通飲むだろ」

 

「それに歯が欠けるわ」

 

「遠慮しときます」

 

 

 それに俺はお腹が弱いから5時間目に腹痛起こしそうになるわ。そして殺せんせーも杉野の隣に座った。めちゃくちゃ狭い。

 

 

「それにしても、2人とも昨日の暗殺は良い球でしたねぇ」

 

「よくゆーよ。考えてみりゃあ、俺の球速でマッハ20の先生に当たるはずないよなー」

 

「そうですよ。グローブ2つも取りに行く余裕すらあったボールなんですから」

 

「いえいえ!それにしても2人は野球のスポーツを?」

 

「ああ、俺と勇人の2人は野球部で、速水は…」

 

「私はスキー部」

 

「あーあったな、そんな部活」

 

「スキー部か…」

 

 

 でもスキー部って北海道や東北地方じゃないんだから…。普通にテニスとかやってれば良かったのに。

 

 

「それで君達は放課後その部活に行っているのですか?」

 

 

「「「………」」」

 

 

「今はもう行ってない」

 

「にゅう?行ってない?それはどうして?」

 

 

 殺せんせー。この中学校は残酷なんですよ。

 

 

「部活禁止なんだ。このE組じゃ、成績悪くて下に落とされたんだから、とにかく勉強しろってさ」

 

「それはまた、随分な差別ですねぇ」

 

「…でも、もういいんだ。昨日見ただろ? 遅いんだ俺の球。遅いからバカスカ打たれて。マウンドから降ろされて、それから勉強にもやる気なくして、今じゃエンドのE組」

 

 

 杉野…。確かに杉野の球は遅い。それに変化球も特に無かったはずだ。中学生で変化球無しじゃ流石にキツイだろう。

 

 

「勇人君は?」

 

「自分ですか?」

 

「ええ、そうです」

 

「自分は一応野球部のレギュラーでした。ポジションはセンターで打順は主に5番」

 

「ほう…。それは中々ですねぇ!」

 

 

 けど俺は…。杉野以上に悲しい現実があるのだ。そう、おそらく周りから見れば何故その中学校を受験したのか?と聞かれてもおかしくないだろうと思う。

 

 

「ただ僕は、勉強が苦手で…そもそもこの中学校に受かった事すら奇跡に近かったです」

 

「にゅや?そうなんですか?」

 

「はい、実は小学校の先生や塾の先生からも…『井上君!君は普通に市立中学に行った方がいい。君の学力だと例え受かったとしてもついて行けない可能性があるぞ!』って何度も言われましたし。実際授業について行けず落ちこぼれになりましたしね」

 

「そうですか…。速水さんは?小テストでの成績は良かったですが」

 

「私は…ちょっと色々あって…」

 

「にゅう…」

 

 

 殺せんせーは触手で腕を組むと、深く考え込んだ。殺せんせーも相当悩んでいる様だ。でも正直無理はない、杉野も速水も俺も落ちこぼれになった理由がそこそこ闇深いし。そう考えていたら…

 

 

「分かりました。では杉野君から行きますか」

 

「え?俺からって何やるんだよ?」

 

「杉野君に先生から一つ、アドバイスを差し上げましょう」

 

「…え?」

 

「では…チェックです!」

 

 

 殺せんせーは杉野を触手で抱き抱えると、次の瞬間…

 

 

「んんんぅぅぅ──! んん──!!」

 

「え…」

 

「流石にそれはちょっと…」

 

 

 俺と速水はすごい光景を見る事になった。それに出来れば速水に対してやってほしかった。

 

 

 そしてこれよりちょっと前の渚は…

 

 

「課題提出しなきゃあ…ん?」

 

 

 渚は廊下の窓から殺せんせーと俺ら生徒3人が外で座っている事に気付いた。

 

 

「殺せんせー?杉野達と何喋ってるんだろう?あ!まさか…昨日の暗殺を根に持って…」

 

 

 そして渚は急いで外に出ると目に映った光景は…

 

 

「って!思ってたよりも絡まれてる?!」

 

「お?渚じゃん。課題終わるのに随分時間かかったな」

 

「1人で寂しくやってるからよ」

 

「いや、僕の事はいいから、早く止めないと!」

 

 

 渚は俺と速水を間を通り越して、急いで殺せんせーと触手まみれの杉野の元に向かって行った。

 

 

「何してるんだよ!殺せんせー!生徒に危害加えないって国連との契約じゃなかったの?」

 

「ヌルフフフ!」

 

「待てよ渚、これにはちゃんとした理由があるんだ」

 

「杉野君のチェックよ」

 

「え?理由?それに速水さん。チェックって?」

 

「そうですよ渚君。ご安心よ!」

 

「え…?」

 

 

 渚はまだ困惑中だ。けど、それはしょうがない。

 

 

「それより杉野君!昨日見せた癖のある投球フォーム…メジャーに行った有田将大投手を真似ていますね!」

 

「うっ?!…」

 

 

 あれやっぱり有田投手の真似だったのか。通りでなんか独特のフォームと思ったわ。俺にはとても真似出来ないフォームだし。

 

 

「でもね、触手は正直です。有田投手に比べて君の肩の筋肉は配列が悪い…」

 

「…どう言う事だよ」

 

「君の体では有田投手の様な豪速球は絶対に投げられません。どれだけ有田投手の真似をしても無理です」

 

「あっ…」

 

「…」

 

 

 殺せんせーがそう言った時、杉野はショックを隠しきれず、渚の方はなんかおかしかった。

 

 

「な!」

 

「何で…何で…先生にそんな断言出来るんだよ…」

 

「渚…」

 

「僕らが落ちこぼれだから…エンドのE組だから…」

 

「おい渚…」

 

「ちょっと渚…」

 

「やっても無駄だって言いたいの!」

 

「そうですね…何故無理かと言いますと…」

 

 

 殺せんせーはそう言いながら左手の触手を服の中に突っ込み取り出した物は…

 

 

「昨日、本人に確かめて来ましたから!」

 

 

((((確かめたんならしょうがない!!!))))

 

 

「サインも貰いました…」

 

「その状態でサイン頼んだの?!そりゃ怒るよ…」

 

「良く逮捕されずに済んだな…殺せんせー」

 

「ほんと勝手な事ばっかりしてますね」

 

 

 殺せんせーが見せてくれた物は有田投手が触手に絡まれている写真が載っている英字新聞と有田投手のサインだった。

 

 因みにサインには「ふざけるな触手!」と書かれていた。

 

 

「そっか、やっぱり才能が違うんだなぁ…」

 

「杉野…」

 

「一方で肘や手首の柔らかさ君の方が素晴らしい!鍛えれば有田投手を大きく上回るでしょう!先生の触手に間違えはありません。才能の種類は一つじゃない。君の才能にあった暗殺を探して下さい…」

 

「肘や手首が俺の方が柔らかい。俺の才能か…」

 

「良かったな杉野!」

 

「おう!ありがとうな!勇人!」

 

 

 杉野…良かったな。そして殺せんせーは旧校舎の方へと戻って行った。

 

 

「次は速水か渚で今の光景が見たいなぁ」

 

「勇人?!ない言ってるの?!」

 

「勇人?次同じ事言ったらビンタね」

 

「ごめん」

 

 

 いや、でもいつか見たいな。

 

 

「それより勇人?殺せんせーに課題提出したの?」

 

「あっ、出してない!行こう渚!」

 

「ちょっと待ってよ!」

 

 

 俺と渚は殺せんせーに課題を提出する為に急いで旧校舎に向かった。杉野と速水をその場に置いて行って。

 

 

「「殺せんせー!!」」

 

 

「ぬ?渚君と勇人君ですか。どうかしましたか?」

 

「課題提出しに来ました!」

 

「遅れてすいません!」

 

「いえいえ!提出期限は今日の放課後までなので遅れてはいませんよ」

 

 

 殺せんせーってまじで優しい!

 

 

「ねえ、殺せんせー。ちょっと聞きたい事あるんだけどいい?」

 

「ええ、大丈夫ですよ」

 

 

 まさか!渚は『殺せんせー!僕も杉野と同じ奴やってください!』と言ってくれるのか!

 

 

「もしかして、杉野にアドバイスをあげるためにわざわざニューヨークに行ったの?」

 

「もちろん、先生ですから」

 

 

 んだよ渚。そっちかよ。

 

 

「普通の先生はそこまでしてくれないよ。まして、これから地球を滅ぼす先生が…」

 

「まあ、確かにそれは言えてるな」

 

 

 そっか来年の今頃は地球は滅びてる可能性があるんだよなぁ。

 

 

「渚君に勇人君。先生はね、ある人との約束を守るために君達の先生になりました。確かに私は地球を滅ぼしますが、その前に君達の先生です。君達と真剣に向き合う事は、地球の終焉よりも重要なのです」

 

 

 殺せんせーは俺と渚の手に持ってるノートを取って猛スピードで採点してくれた。因みに渚は96点だ。流石英語が得意だけの事がある。俺は普段50点くらいだが、中村さんのお陰で一気に86点まで伸びた!

 

 

「殺せんせー」

 

「ふっ…86点」

 

 

 しかし…ノートの裏を見ると…

 

 

「ノートの裏に変な問題書き足すの、いい加減やめてくんない?」

 

「にゅや?!」

 

「採点スピード詩示するのは分かるけどさ…」

 

「ボーナス感があって喜ぶかなと…」

 

「むしろペナルティだよ…」

 

「ジャイアンツの選手を歴代全て答えろって無理に決まってるだろ!」

 

「井上君はジャイアンツが好きなんでしょ?!」

 

「ジャイアンツは好きだけど俺はNPBのジャイアンツだよ!MLBのジャイアンツじゃない!」

 

「え?!そうなんですか?!」

 

 

 渚のノートには[この触手がいまいち崩えない理由を英話で述べよ]と触手の絵が描かれており、俺のノートには「ジャイアンツの選手を歴代全て答えろ]とあったが、描かれたユニフォームや帽子などはサンフランシスコ・ジャイアンツであり、読売ジャイアンツではなかった。後歴代の全選手とか分かる訳がない。

 

 

「そ、そんな訳で君達も勉強と暗殺を真剣に楽しんで下さい!ま、暗殺の方は絶対に無理と決まっていますがねぇ!」

 

 

 殺せんせーは赤ペンをボリボリ食べ始めた。

 

 

 そして次の日…

 

 

「行くぞ渚!勇人!」

 

「良いよ!」

 

「おっしゃ!こい!」

 

 

 「シュウ!」っと音と共に杉野が投げたボールはおそらくカーブだ。

 

 

「うわ?!凄いよ杉野!消えるみたいに変化した!」

 

「やるじゃん杉野!」

 

「へへ!肘と手首をフルに生かした変化球を取得中だ!」

 

「もしかして殺せんせーのアドバイスか?」

 

「その通り!遅いストレートもこいつと2択で早く見せられる!」

 

「なるほどな。良く考えたな」

 

「まぁ、先生にとっては、あくびが出る様な球だけど…でもさぁ渚!勇人!俺続けるよ!野球も暗殺も!」

 

「うん!」

 

「おう!やっぱり杉野はそうじゃないと!」

 

 

 僕らの先生は、超スピードと万能な触手を備えていて正直言って殺せる気がしない。でも…

 

 

「殺せんせー!ちょっと殺したいんだけど。来てくんない!」

 

「ヌルフフフ!凝ませんねぇ!」

 

 

 殺せんせーの顔には緑の縞々模様が上がっていた!

 

 

 不思議に僕らをやる気にさせてくれる、殺せんせーの暗殺教室は、ちょっと楽しい!

 

 

————————————————————————

 

 

 杉野が復活した数日後…

 

 

「おーい!勇人!」

 

「井上!」

 

「前原?それに岡野さん?どうかしたの?」

 

「ちょっと付き合えよ」

 

「え?」

 

「暗殺よ!暗殺!」

 

「え〜。でも今日から巨人対阪神戦が東京ドームであるからなぁ…」

 

 

 そう!伝統の一戦だ!

 

 

「別に1日ぐらいどーって事ないだろう?どうせ3連戦なんだから」

 

「まあ、そうだけど」

 

 

 けどな〜。ワンチャン2015年で伝統の一戦も物理的に終わる可能性があるからなぁ。

 

 

「井上君!行こうよ!」

 

「そうだぞ勇人!それにまだ4月だぞ?」

 

「片岡さんと磯貝がそう言うのであれば行くよ」

 

 

 俺は帰る準備を進めていたが、一旦やめて俺も行く事にした。委員長2人の意見は無視出来ない。前原や岡野と違って。

 

 

「「へ〜。俺達/私達じゃダメなんだ」」

 

 

「前原、岡野さん。別にそんな事ないよ」

 

 

 こうして俺は前原と岡野さんからゴムナイフを背中にぶち当てられながら、既に待機していた、三村と矢田さんの2人と合流した。

 

 

「みんな!あそこだよ!」

 

「今日のおやつは北極の氷でかき氷だとさぁ」

 

「コンビニ感覚で北極行くなよ!あのタコ!」

 

「流石マッハ20」

 

 

「ゴロゴロ…」と殺せんせーが氷を砕いている。勿論かき氷機で。 

 

 

「行くぞ!100億円は山分けだ!」

 

「山分けって言いつつ、独り占めすんなよ!委員長!」

 

「おい勇人!俺を何だと思ってるんだ!」

 

「ちょっと!2人とも気付かれるわよ!」

 

「とにかく行こう!」

 

「よし、行くぞ!」

 

 

「「「「殺せんせー!!!!」」」」

 

 

「にゅう?」

 

「かき氷俺たちにも喰わせてよう!」

 

「先生!私にもちょうだい〜」

 

「殺せんせー!俺にも食わせろよ!」

 

 

 俺を含め今回の暗殺に参加したメンバー全員で渾身の演技で殺せんせーに近いた。メンバーは磯貝、前原、三村、勇人、片岡、岡野、矢田の7人だ。

 

 

(おぉ…生徒達が心を開いてくれている…あんなにも笑顔で…こんなにも殺気だって!)

 

 

 俺達は一斉に対先生用ゴムナイフを取り出して、殺せんせーに襲い掛かったが…

 

 

「あれ?」

 

「いない…」

 

 

 砂煙が収まった頃にはその場にあるのはかき氷を作る道具だけで殺せんせーはいなかった…

 

 

「でもねぇ、笑顔が少々わざとらしい。油断されるには足りませんねぇ、こんな危ない対先生用ゴムナイフは置いといて、花でも見ていい笑顔を学んで下さい」

 

 

 いつの間にか手に持っていたゴムナイフではなく、花に変えられていた。ちょっと待って!この花は…

 

 

「ん?て言うか殺せんせー!この花クラスのみんなで育てた花じゃないですか!」

 

「にゅや!そうなんですか?!」

 

「酷い殺せんせー…クラスのみんなで大切に育ててやっと咲いたのに…」

 

「すいません!今から新しい物を…買って来ました!」

 

 

 片岡さんが花の事を指摘した後、矢田さんと岡野さんの泣き真似の演技も決まり。殺せんせーはマッハ20で速攻に新し球根を買ってきてしまった。

 

 

「マッハで植えたら駄目だからね!」

 

「はい!承知しました!」

 

「1個、1個労って!」

 

「はい!かしこまりました!」

 

 

 流石にこれは自業自得だぞ、殺せんせー。もしかしたら、矢田さんも岡野さんも泣き真似じゃなくて、ガチだったのかな?

 

 

「なぁ、アイツって地球を滅ぼすって聞いてるけど…」

 

「お、おう。その割にはチューリップ植えてるな…」

 

「けど良い先生じゃん」

 

「そうか?」

 

「チューリップ抜いたのはアイツだけどな?」

 

「前原と磯貝には人の心がないんか?」

 

 

「「勇人に言われたくないわ!!」」

 

 

「チッ!モンスターが良い子ぶりやがって…」

 

 

 何故か寺坂達は道具室の隣でたむろっていた…

 

 

「渚!何書いてるの?」

 

「茅野か、このメモ帳に先生の弱点を書いてるんだよ」

 

「先生の弱点?」

 

「うん、そのうち暗殺のヒントになるかと思って」

 

「ふ〜ん」

 

————————————

 殺せんせーの弱点❶

 

  カッコつけると

 

   ボロが出る

————————————

 

 

「で、その弱点役に立つの?」

 

「う〜ん」

 

「何言ってるんだよ!役に立つかも知れないだろ!」

 

「かも知れないって事は多分役に立たないって事か?」

 

「勇人?!いつからいたの?」

 

「今さっき!杉野の後ろ姿見えたから追いかけて来た」

 

 

(((何故追いかける!!!)))

 

 

「それより何て書いてあるの?」

 

「えーっと、身長背伸びしたら3mぐらい、特技は超音速巡行、体重…何これ?」

 

「役に立たないね。このメモ…」

 

「今の所はね…」

 

「もうビリビリに破くか。渚のメモ帳」

 

「いや何で?!」

 

 

 僕らは殺し屋。椚ヶ丘3ーEは暗殺教室。そして僕ら以外は名だたる進学校のエリート達。

 

 

「日本政府から通達済みかと思いますが、明日から私も体育教師としてE組の副担任を務めさせて頂きます。奴の監視は勿論ですが、生徒達には技術面そして精神面でのサポートが必要になります。教員免許は持っておりますのでご安心を」

 

「ご自由に、生徒達の学業と安全を第一にね…」

 

「では、失礼します」

 

「…」

 

 

 そして烏間さんと部下は理事長室から退出した。

 

 

「ものわかりの良い理事長ですね」

 

「フン、見返りとして国が大金を積んでいるしな」

 

「まあ…そうですね」

 

「だが、都合がいいのは確かだ。地球を壊せる怪物がいて、しかもそいつは軍隊でも殺せない上に教師をやっている。こんな秘密を知っているのは我々国と、ここの理事長。そしてあの校舎のE組の生徒だけでいい」

 

 

 その時…

 

 

「やっば!これ以上落ちたらE組行きかも…」

 

「マジかよ!?あそこ落ちたらほとんど絶望だぞ。学食もない、便所も汚い、隔離校舎で俺等からも先生からもクズ扱い。超いい成績出さないと戻ってこれない。まさにエンドのE組!あそこ落ちるくらいなら死ぬな!俺!」

 

「だよな!あいつ等みたくならないよう頑張らなきゃ!」

 

 

 田中と高田だ!

 

 

「いきなり!」

 

 

「「「「教えてくぬどん!!!!」」」」

 

 

「やあ!みんな!僕の名前はくぬどん!この学園のマスコットだよ!このコーナは椚ヶ丘中学校を詳しく紹介するコーナーだよ!」

 

 

「「「「わーい!!!!」」」」

 

 

「椚ヶ丘中学校は偏差値66の中高一貫で、明るく楽しく勉強に励める中学校だよ!」

 

 

「「「「「へ〜!凄いや!!!!」」」」

 

 

「みんなとっても仲よくて学費も「平等」なんだ!」

 

 

「「「「共産主義だ!わーい!!!!」」」」

 

 

「何ですかね?さっきの生徒達、かなり焦ってましたが」

 

「なるほど、極小数の生徒を激しく差別することで、大半の生徒が緊張感と優越感を持ち頑張るわけか。合理的な仕組みの学校だし、我々としてもあの隔離校舎は極秘任務にうってつけだが、切り離されたエンド達は、たまったものではないだろうな」

 

 

 烏間先生はそのまま旧校舎に向かって行った。

 

 

「あ!烏間さん!こんにちは!」

 

「こんにちは。明日からは俺も教師として君達を手伝う」

 

「そうなんだ!」

 

「あぁ、よろしく頼み」

 

「じゃあ、これからは烏間先生だ!」

 

「ところで、奴はどこだ?」

 

「それが、殺せんせーがクラスの花壇荒らしたから。そのお詫びとして、ハンディキャップ暗殺大会を開催してるの!」

 

 

 そう、この時の殺せんせーは木に吊るされながらゴムナイフやBB弾を躱していたのだ!

 

 

「どう渚?勇人?」

 

「う、うん。完全に舐められてる…」

 

「一向に当たる気配がない…」

 

「クッ!最早これは暗殺と呼べるのか…」

 

「あ!でも待てよ、殺せんせーの弱点からすると…」

 

「渚、もしかしてあれか?」

 

「そう、勇人見てて」

 

 

 殺せんせーの弱点その❶…

 

 

「ニュルフフフ!無駄ですねぇ!E組の諸君!このハンデをもろともしないスピードの速さ!君達がこの私を殺すなど夢のまた夢のさ——」

 

 

 殺せんせーの顔に緑の縞々が出ていたが「バキ!!!」と枝が折れる音が鳴り響き殺せんせーが地面に落ちると形勢が逆転した。

 

 

「…」

 

 

「「「「「「………」」」」」」

 

 

 そして…

 

 

「「「「今だやれ!!!!」」」」

 

 

「にゅや!しまった!!!危ないでございます!危ないでございます!危ないでございます!危ないでございます!」

 

 

———————————

殺せんせーの弱点❶

 

カッコつけるとボロでる

———————————

 

 

「弱点メモ、役に立つかも…」

 

「うん、どんどん書いていこう!」

 

「いや、その前にビリビリに破く」

 

「だから何で破くの?!」

 

 

「ちょ、待って!縄と触手が絡まって…」

 

 

————————————

殺せんせーの弱点❷

 

テンパるのが意外と早い

————————————

 

 

「こんな時は少年ジャンプ!」

 

「チクショ!」

 

「逃げやがった!」

 

「ここまでは来られないでしょう!基本性能が違んですよ!バーカ!バーカ!ヌルフフフ!ヌルフフフ!」

 

「くそ!後もうちょっとだったのに!」

 

「はぁはぁ、ふーう。明日出す宿題を3倍にします…」

 

 

「「「「ちっせ!」」」」

 

 

——————————

殺せんせーの弱点❸

 

器が小さい

——————————

 

 

「にゅるフフフ!」

 

 

 殺せんせーはそう笑いながら、何処かへ飛んでいってしまった。

 

 

「あ!逃げた!」

 

「でも!今までで1番惜しかったね!」

 

「みんな!この調子なら殺すチャンスが必ずくるぞ!」

 

 

 磯貝がそう言うとみんなは歓喜の声を上げながら喜んでおり、100億円を何に使おうかって話や、次はこうしよって話で盛り上がっていた。

 

 そんな様子を見て烏間はこう思っていた

 

 

 中学生が嬉々として暗殺の事を語っている。どう見ても異常な空間だ。

 

 

「ねえ渚!勇人!」

 

「なに?」

 

「茅野?どうかした?」

 

「殺せるかな?卒業までに」

 

「殺すよ!殺す気じゃないと、あの先生とは付き合いきれない!」

 

「渚の言う通りさ!茅野!お前も殺す気で行こうぜ!」

 

「うん!そうするよ!」

 

 

 だが不思議だ。生徒の顔が最も活き活きしているには、ターゲットが担任の、このE組だ。

 

 

 烏間はそう不思議がっていた…

 

 

 その頃、防衛省では…

 

 

「事情は今話した通りです。地球の危機ゆえ秘密の口外は絶対に禁止」

 

「…」

 

「もし漏らせば記憶消去の治療を受けて頂くことに…」

 

「怖っえ!」

 

「E組の全員に同じ説明をし他の皆はすでに任務に入ってます。君も停学が解けたらE組に戻る…よって君にも暗殺任務を依頼します!」

 

「ねぇ…このゴムみたいなナイフ本当に効くの?」

 

「ええ、人間には無害ですが奴への効果は保証します」

 

「へーえ」

 

 

 そして「ズン!」赤髪の少年は殺せんせーが載っている写真にゴムナイフを突きした。

 

 

「ま、人間じゃなくても別にいいか。1回さあ…先生って生き物…殺してみたかったんだ…」

 

 

 





次回予告

 杉野君。人間の腕には上腕二頭筋、骨筋と上腕三頭筋、伸筋が付いています。それぞれの筋肉を収縮させる事で腕の曲げ伸ばしが行われます。まぁ、先生の関節は曖昧ですがね。


次回・カルマの時間

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