ハスターなオリ主とジョジョ3部   作:ラムセス_

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二作同時同日2話投稿ッッッ。
世界を早回しにしたのでスタンドの反動で明日の投稿は多分お休みになります。


新生コンビ

 

 刀がガタブルしてるから何かと思いつつ、廊下をうろうろする。

 

「いや何。なんでそんな怯えたワンちゃんみたいになってんの」

『忠誠を捧げますので…どうかご慈悲を……』

 

 アヌビス神がヒーーンと耳を垂らして鳴いている。

 さっきスタンドを食ったのが地味に衝撃映像だったらしい。

 アヌビス神は別に興味ないから食ったりせんのだが…まあいいか。

 

 俺がキョロキョロと入り口付近で辺りを見回していると、急に幻覚が消えて屋敷の霧が晴れる。

 どうやら幻覚のスタンド使いを倒したらしい。

 

 同時に壁が崩れる音がして、どうやら近場で戦闘をしているのだろうと言うことがわかった。

 

「ふむ。急ごうアヌビス神。あの厄介な空間掘削のスタンドが相手だと厄介だ」

『御意』

 

 急いで音のした方に駆けつけると、走って来たポルナレフさん、アヴドゥルさん、イギー君の三人と合流できた。

 というか全力疾走しているのにばったり遭遇したと言うべきか。

 

 三人ともかなり体のあちこちを削られて満身創痍の様子だ。

 アヴドゥルさんは肩を派手に抉られてかなり痛々しい。

 

 戦闘中で、敵から逃げて来たのかもしれない。

 俺がアヴドゥルさんの怪我を治そうと手を伸ばすと。

 

 「黄衣ーーッ!危ねえッ!!!」とポルナレフさんが叫んで手を伸ばした。

 

 瞬間。

 死角から飛んできた空間を削り取るスタンドに、足を残して消し飛ばされ…そうになったので慌ててアヌビス神を放り出す。

 ポルナレフさんに向けて乱暴に投げつけた。

 

 瞬く間に化身の大部分が粉微塵に粉砕され、外の世界へ投げ出された。

 ニャルがすかさず「おーよしよし、羽虫に酷いことされましたね。帰りましょうね」と言って俺の肉片を回収する。

 いや今取り込み中でね。ちょっと忙しくてね。

 

 ブスくれるニャルを宥めて、足を起点に瞬時に肉体を復旧する。

 

 ガバリと開けた敵スタンドの口の中には、スタンド使い自身が収まっていた。

 全方位防御不可な攻撃に、スタンド使い自身は絶対安全圏にいられると。

 つくづく便利な能力のようだ。

 

 敵スタンド使いが嫌悪の表情で吐き捨てた。

 

「やはり貴様は一息で肉体全てを消し去らねばならんか」

「たしかに、一撃で全部空間外に出されるとちょっと復活が手間かも。手間なだけだけど」

「世迷言を。貴様だけはこのヴァニラ・アイスが葬る…DIO様にクソのような言葉を垂れた貴様だけは…私自らが処理するのだ…!!」

 

 名前可愛いなおい。

 

だが、俺が事前にこいつの能力を伝えておいて正解だった。

 部屋にはイギー君の砂が砂煙のように舞っていて、これで敵の位置を判別していたようだ。

 

 昨日この能力を伝えた時点で、結構念入りにこいつの対策は打ち合わせをしたからな。

 不意打ちをギリギリで防いで、逃げるだけの余裕を持てたのだ。

 

 三人の怪我を全て完治してからまた走り出す。

 すかさずヴァニラ・アイスもスタンドの口をバクンと閉じて追う構えに入った。

 

 こいつの能力は力場面に触れたものを世界の外に飛ばすもの。

 飛ばされた肉が粉々になったのは、単に壁を越えて放り出す時に空間摩擦が起こっているだけだ。

 

 その性質上、「元に戻す」能力では肉体部位を取り戻せなくて治すことができない。

 そういう意味では俺の再生は新しく生み出す能力だから、都合がいいはずだ。

 

「よ、っと。アヌビス神はポルナレフさんがこのまま持っててくれ。俺が持ってると肉盾しづらい」

「わかった。おい、この際だ。協力してくれよな」

『ふん。よかろう。貴様の剣筋は嫌いではない』

 

 剣を抜いたポルナレフさんが、チャリオッツと二刀流になる。

 アヌビス神は不服そうに鼻を鳴らしつつも、そこまでまんざらでもないようだ。

 

『貴様は敵の攻撃を捌き死なないようにしろ。私は学習に専念し、その結果をフィードバックする』

「あん?どういうことだそりゃ」

『私は学習し強くなるスタンド。攻撃パターンを憶えて対処することこそが本懐。すなわち』

 

 

 貴様は絶対に負けんということだ。

 

 

 そう言い切ったアヌビス神に対し、ポルナレフさんは走りながら笑ったようだ。

 

「ならせいぜいテメェの勉強が捗るよう避けまくってやるよ!」

「よーし、アヌビス神の学習が終わるまで頑張って逃げる作戦でーす」

「カッコつかねぇ作戦名やめろ!アヴドゥルもなんとか言ってやれ!」

 

 アヴドゥルさんが「うむ、まぁいいんじゃないか?」と柔らかく同意してくれる。

 皆、いつもの調子が戻って来たようだ。

 

 アヌビス神の学習が駆動し始める。

 時は俺たちに有利に働くだろう。

 

 背後から、空間を削る攻撃が猛進する。

 だがこの入り組んだ館の中で逃げ回るのならば、どうしても相手も正確な攻撃のためには時折顔を出さねばならない。

 できるだけ無秩序に逃げ回って、壁に穴を開けて走り回る。

 

 命懸けの追いかけっこだ。

 目の多い俺は触手を出してさえいればほぼ敵の軌道は読み切れるから、積極的に触手をはやしまくる。

 

 駆け回り、ドアを盾に視界を塞いで逃げると、ポルナレフさんが吐き捨てた。

 

「しつこい野郎だ!おい黄衣!さっきから攻撃喰らいまくってるけど大丈夫かよ!?」

「全然平気。明日までくらい続けても元気ぐらい」

「ホントに底なしだな…けど助かるぜ!」

「ッ、すまない黄衣君。私を庇って君が削られていただろう」

 

 アヴドゥルさんが部屋の一部に炎でトラップを張りながら息を切らせて口を開く。

 さっきアヴドゥルさんが致命的に避け損ねて敵の攻撃を喰らいそうになったから、俺が触手で引っ張って助けたことを言っているらしい。

 

 俺の触手は犠牲になったが、そんなの瞬きの間に復旧する話だ。

 髪の毛を犠牲に命を助けたなら軽すぎると言うべきだろう。

 

「気にしないでくれ。アヴドゥルさんも肩を治したばっかだろ、疲労の具合は平気か?」

「問題ないさ」

 

 明るく笑ったアヴドゥルさんの運命の縄が、キリキリと彼の首を落とそうと締め上げている。

 イギー君もだ。

 それは、奴が彼らの命を奪う予定だったろうことを明らかにしている。

 

 吐き気がする。

 そんなこと絶対に許せるものではない。

 

 扉を越える前に、こちらの位置を確認しようとヴァニラ・アイスが顔を出した。

 不意打ちで俺が触手の一撃をお見舞いする。

 

「がっ……!」

「やったか!?」

 

 ポルナレフさんがフラグを叫んだからなわけではないが、ヴァニラ・アイスは健在だった。

 顔が吹き飛んだが、そのまま動き出して再びスタンドを纏い突進してくる。

 

 アヴドゥルさんがほぞを噛んで舌打ちする。

 

「あれで人が動くはずがない!まさか奴は吸血鬼か!?」

「それなら話は楽だ。どんどん日光の当たる部位を増やしてやりゃいい!」

 

 ところどころ壁を破壊しつつ撹乱。

 窓などを破壊して外の光が差すように細工していく。

 

 ヴァニラ・アイスは余計に憤ったようで、「ゴミムシが!!!」と叫んで俺たちを罵っている。

 

 3周ほど追いかけっこすれば、途中でアヌビス神の剣が掠って欠けるトラブルも発生した。

 あとで直してやるべきだろう。

 無限とも思える敵の体力に、アヴドゥルさんにやや疲れが見え始めた。

 

 だが、そろそろ俺たちも締めの時間だ。

 

 「死んだら恨むぜアヌビス神」とポルナレフさんが軽くアヌビス神を肩に構え直す。

 「はっ、この程度で死ぬものかよ」とアヌビス神が応えた。

 

 不意にポルナレフさんが反転、突っ込んでいく。

 

 スタンドの絶対性を信じるヴァニラ・アイスはその行動を意に介さなかった。

 太陽光すらもスタンドの前には無意味だからか、その中を直進してくる。

 

 それが命取りだった。

 一閃。

 

 アヌビス神を神速の太刀筋で振り下ろした瞬間、ヴァニラ・アイスのスタンドは断たれていた。

 

 透過の能力の延長線上だ。

 物質を透過する能力を学習で延長して、奴の能力を透過して中身だけ切ったのだ。

 

「あばよ、吸血鬼。なかなか強かったぜ」

 

 能力が解除される。

 真っ二つになったヴァニラ・アイスは、それでもまだ動いていた。

 吸血鬼は真っ二つになった程度では死なない。

 

 憤怒の表情でポルナレフさんを見て。

 そのまま縊り殺さんと手を振り上げて。

 

 そのまま、次の瞬間砂の如くに崩れたのだった。

 

 午前の光が差し込み、陰鬱な屋敷を照らしている。

 ボロボロの館は激戦を物語っていたが、どこか古びた遺跡のような神秘的な気配が漂っている。

 

 アヌビス神が鼻を鳴らして言った。

 

 

『だから言ったろう。我らは絶対に負けんと』

「だな。ありがとよ、アヌビス神」

 

 

 静かに落ちた不履行の運命の縄を、俺はするりと回収したのだった。

 





・アヌビス神&ポルナレフ
地味に良コンビになる。
アヌビス神はポルナレフの剣の腕を認めている。
ポルナレフはアヌビス神の剣としての頑固さを買っている。

・DIO
天国への儀式を短縮履行中。
力がみなぎってくるのを感じる
神が慌ててテコ入れしているのには気付いてない。
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