ハスターなオリ主とジョジョ3部   作:ラムセス_

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番外編はとびとびに駆け抜ける方式。




番外編:第四部もろもろ
杜王町に来た!


 

 東方仗助にとって、空条承太郎とは本当に奇妙な人間であった。

 

 第一印象は、「頭にタコ乗っけた変人」である。

 

 思っても口出しはしない。

 同じ類の言葉をミリでも出されたら秒でキレる自信があったし。

 自分が言われて嫌なことを相手に言うほど醜いつもりもなかった。

 幼い女の子を連れて、どうやら人の親のようだし、仗助にもその程度の常識はある。

 

 しかし。

 

「ダディ!変な頭の人がいる!」

「───あ゛?」

 

 光の速さで地雷を踏み抜いたのは幼女だった。

 

 指を差して大声で指摘するので、周囲の女子生徒が慄いた。

 とはいえ、いくらキレるのが早い仗助でも、ノータイムで幼い女の子を殴るほど人を捨てていない。

 

 「ガキ、いま何つった?」と全ギレの顔で青筋を浮かべながらしゃがんでガン付けるだけだ。

 幼女は瞬時に涙目になり、承太郎の後ろに隠れた。

 

「徐倫。人の容姿をとやかく言うのはやめろ。すまないな仗助。俺の方で言って聞かせる」

「…………っす」

 

 大人の対応、と100回ぐらい脳内で繰り返して怒りを収める。

 かなり危なかったがギリギリでなんとかなった。

 

 徐倫と呼ばれた女の子がちょこっと足の間から顔を出して「怒った?…ごめんなさい…」としょんぼりする。

 

 はちゃめちゃに怒ったが、目くじらを立てたりはしない。

 「もう言うなよ」とだけ言って撫でてやれば、女の子はニコッと笑ったようだった。

 

 などというトラブルもあったが。

 とかく。

 

 承太郎というアメリカ航空宇宙局の研究者は、己の血縁なのだという。

 

 すごいエリートの研究者だ。

 しかもアメリカの不動産王の孫で、とんでもない大金持ち。

 そんな人物と自分が、血縁とは。

 雑なドラマの導入だってあまり見ない設定だろうに。

 

 仗助は困り果てた。

 降ってわいた大金持ちとの血縁なんて面倒でしかないから、関わりたくはなかったのだが。

 こればっかりは仕方ない。

 

 幸せに暮らしているので放っておいてほしいと思いつつ、連絡先を交換して別れることにした。

 

「気をつけろ、仗助。危険な時はそこに連絡してくれ」

【みみっ!みゅーーん!】

「ジョリーンもいるよ!!」

 

 帽子の上のタコが激しくのたうって鳴くのに合わせて、徐倫が跳ねる。

 黄色くて目がたくさんある宇宙人みたいな謎の生き物であったが、人懐っこくて愛嬌もあるようだ。

 特に気にせず、ぺこりと会釈してコンビニに寄って帰宅することにした。

 

 

 次の印象は祖父の命の恩人である。

 

 仗助は、あれは自分のミスだったと今でも思っている。

 邪悪な水のスタンド使いの気を引いて、まんまと祖父を殺されてしまった。

 血を流して動かない姿に全身の血の気が引いて。

 クレイジー・ダイヤモンドで治したのに目を覚まさなくて。

 

 その時、祖父を救ってくれたのが空条承太郎であった。

 

「肉体が完璧な状態にあり、死後間も無くで魂がまだそこにあったからこそ、俺の出力でも真実を書き換えられた。お前が最善を尽くしたからこそだ」

「………すみません、承太郎さん」

 

 仗助は祖父の体をソファに横たえて、腹の底からの安堵の息をついた。

 

 祖父は夜勤明けなこともあり、むにゃむにゃと柔らかい寝息を立てて眠っている。

 クレイジー・ダイヤモンドで死者は蘇らせられない。

 あまりにも回復能力が高くて、これまで気にも留めたことがなかった。

 何でも治せると思っていた。

 

 ほっと、全身が安堵で脱力する。

 空条承太郎が軽く壁に寄りかかって目を伏せる。

 徐倫という女の子の姿が見えないのは、ホテルに置いてきたらしい。

 

「俺のスタンドはスタープラチナ・オーバーヘブン。能力は真実の書き換えだ。君の祖父の真実を書き換えて、死を覆した」

「それ、何でもありじゃないっすか?」

「そうでもない。ロケットエンジンをコップ一杯の液体燃料で動かしているような物でな、取り回しがあまりにも悪すぎる」

 

 承太郎は口端だけを吊り上げて、「例えば神のような、燃費を気にすることのない生き物が使えば別だろうが」と冗談めかして言った。

 仗助も少しだけ笑って肩をすくめる。

 

「でも、たとえば宝くじを一等に変えたりとかできるんすよね?」

「それはまあ、その程度の真実なら簡単に書き換えられるな」

「バリーの新作の靴とかも出せちゃったり?」

「?……こういうことか?」

 

 一瞬ぐにゃりと景色が歪んで、次の瞬間承太郎の手の中にお値段38000円、バリーの新作ドレスシューズが現れた。

 そのまま仗助にひょい、と手渡され、慌ててサイズを確認。

 

 己のサイズにぴったりなことを理解して、仗助は目を剥いた

 

「グレート……!最高の能力じゃないっすか!?」

「俺はお前の優しさの具現たる治療能力が羨ましいがな。俺の治療はコストが高すぎるから、実際普段はハイタの治癒能力を借りている」

 

 ハイタ、と呼ばれたタコが「みゅみゅ!」と変な声を出して力こぶを作った。

 どうやら己の力を誇示しているらしい。

 日本語がわかるタコのようだ。

 

「ああ、そういえばお前の唇。自分の傷は治さないのか?」

「俺のスタンドは俺自身を治したりできませんから。あのゲス野郎のスタンドに体の中に入られたら終わりっす」

「……そうか。ならハイタを渡しておこう。二度目の襲撃を考えれば、その方が効率がいいだろう」

 

 タコがムニュムニュと手をつたって仗助のところにやってくる。

 8本足が別々に動いて、若干気色悪い動きだ。

 しかし触ってみると意外とスベスベで肌触りがいい。

 

「ええっと、このタコなんなんすか?タコじゃないっすよね?」

「こいつはハイタ。治癒能力を持つスタンド使いだ。ちなみにタコと呼ばれると怒る」

【むきーーー!!!】

 

 怒り心頭と言った様子のタコがポコポコと仗助の胸を叩いた。

 全然痛くないが、怒りは伝わってきた。

 

 どうすればいいのかわからなかったのでひとまず頭を撫でると、タコは怒りをおさめてむすっとした。

 今日はこの辺にしといてくれるらしい。

 

 するりとタコが触手を伸ばして、仗助の顔に触れる。

 同時に切れた唇が治療され、傷が瞬く間に塞がった。

 

 仗助は目をまん丸にして瞬いた。

 

「こいつ、俺と同じ能力を…!?」

「いや。見たところお前の能力は『回帰』だろう。状態を元に戻しているんだ。ハイタは『再生』。時間のベクトルが真逆だ」

「あーー……なるほど。でもいいんですか。アンジェロがまた攻めてくるんですよ」

「俺は自前である程度防御も治療もできる。徐倫にも真実による防御をかけておいてきたしな。それならハイタはお前につけておいた方がいい。ハイタは自己治癒もできる」

 

 スタープラチナ・オーバーヘブンとは全く、聞けば聞くほど実に反則級のスタンドだ。

 ギリシャの彫刻のような人らしい体躯に、ゆらめくような強大なパワーが見える。

 それこそ、敵に「仗助ですら治療不可能な傷」を与えることすら可能なのだろう。

 

 仗助がタコをヨシヨシと揺らすと、タコは心地よさそうに触手をモゾモゾさせた。

 結局何の生き物か分からなかったが、まあ多少のことは問題ないだろう。

 

 仗助は納得してタコをタプタプした。

 

 水のスタンド使い、アンジェロは再び攻めてくる。

 今度こそ何物も傷つけさせはしない。

 

 そのように思って、仗助は拳を握りしめたのだった。

 





・空条承太郎
NASAで働いてる研究者。
親バカ。真実で常にガチガチに徐倫に防御かけてる。
DIOの使ってた無敵性の付与。
相棒のミニタコ君には「ハイタ」という名前をつけた。
黄衣ほどではないが高い再生付与能力がある。

・ポルナレフ&アヌビス神
今イタリアで五部を蹴散らしてるとこ。
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