【真名】 ギルガメッシュ
【クラス】 ルーラー
【性別】 男性
【身長】 182cm
【体重】 68kg
【属性】 秩序・善・天
【好きなもの】 この世の財宝は全て我の物
【嫌いなもの】 特に無い、強いて言うなら呼ぶだけ呼んで丸投げした阿呆
【備考】
英雄王でも賢王でも無い、ハイブリッドな存在。
謎の少女によって神性が元に戻っている為、神としての側面が強くなったものの、相変わらずギルガメッシュは我が強く、ただ混ざっただけならば大した変化は無かった。
しかし、状況も相まって賢王としての側面の方が強く出ており、半ば強引に押し付けられた先生としての責務も、自分を喜ばせる為に熟すのだった。
1話 黄金の王
夕暮れの電車の中、血に濡れた長い銀髪の少女は床に陣を描き、血を垂らして詠唱をする。
それにより陣は起動し、黄金の鎧に身を包んだ金髪赤目の男が現れる。
「どうやら、成功のようですね。先生、いえ、王様」
「貴様、理を犯したな」
「そうですね」
少女が行った儀式は過去の英霊を現代に召喚する魔術。それにより呼ばれたのは古代バビロニアの王、英雄王ギルガメッシュ。
しかし、この召喚は本来の英霊召喚とは極めて異なっていた。
「キヴォトスには本物の神を召喚しようとした研究がありました。その研究の応用、発展させ、英霊召喚の儀式のシステムに組み込んだモノを使いました」
本来英霊召喚はその英霊の一側面だけを召喚するというものだったが、少女は生前に限りなく近いかつ、すべての側面を複合して召喚を行った。
それ故に、召喚されたギルガメッシュは晩年の賢王に近い人格を持った全盛期の肉体というイレギュラーな存在となっていた。
「
「この土地、キヴォトスの未来です」
「……貴様、己の尻拭いをこの我にやらせるつもりか」
「そう、なってしまいますね。その事に関しては、本当にすみません。ですが、偉大なる王である貴方にしか頼めないんです」
「人の世は人がその営みを守り、続けていくものだ。英霊たる我が人の世の統治など、それこそ未来は無いわ、たわけ!」
「であれば、人ならば良いんですね」
「なに?」
少女は微笑み、そこで意識が途絶え、眠りに落ちる。
目を覚ますと、そこはどこかも分からない砂漠だったが、目の前には長い翡翠色の髪をした少女が倒れていた。
「貴様、そこで何をしている」
「水を……」
「はぁ、阿呆が」
ギルガメッシュは金色の波紋の様なゲートを出現させ、その中から無駄に華美な水筒を取り出す。
「飲め、雑種」
ギルガメッシュはその少女の装備を見て、方位磁針も無ければ水筒も無い、およそ砂漠を歩く人間の装備ではなかった。
その少女に水を飲ませ、金色の玉座に座って眺める。
「助かりました〜!」
「そんな装備で砂漠に出るとは、死にたいのか?」
「うっかり忘れてしまって……。あっ、梔子ユメって言います。貴方は……」
「ウルクの王、ギルガメッシュ」
ギルガメッシュはそう名乗り、黄金の鎧から白いズボンと紺色のシャツ姿に換装して玉座から立ち上がる。
「雑種、貴様はどこから来た」
「アビドスからです。……えっと……」
振り返って辺りを見渡してから首を傾げる。
「まさか……自分が来た方向すら分からないと言うつもりではあるまいな?」
「えへへ……」
「貴様はどこまで阿呆なのだ!たわけ!!どうやって帰るつもりだったのだ!!」
「ひぃん!!」
結局、ユメはどっちから来たのかすら分からなかったので、金色の船体にエメラルドの翼を持つ飛空挺ヴィマーナに乗って、空からアビドス高等学校を探す事にした。
「あ!ありました!あ、いや、アレじゃないかも」
「誇れ、貴様は長い人類の歴史の中で最も頂に近い馬鹿だ」
「は、はい!」
「皮肉だ、たわけ」
ユメとギルガメッシュはその後、何とかアビドス高等学校を見つけてアビドス高等学校で降りて、ユメの案内で生徒会室に入る。
「何だここは、廃墟か」
「えっと、一応学校です。全校生徒が2人しかいませんけど……」
「はぁ、仕方あるまい。この我の手腕にかかればこんな寂れた廃墟校すらキヴォトス随一の学園にまで押し上げて見せるわ」
「それって」
「感涙に咽ぶ事を許す!この我が貴様等の先生として、このアビドスを復興してやろう!」
「え、ええ!?」
先生として呼ばれたので、学校を探していたが、目の前にここまで荒廃し衰退した学校を見て、キヴォトスの未来とはこう言う事だったのかと思いながら先生となることで、アビドスの問題を解決する事にした。
半ば強引にアビドスの先生になったギルガメッシュはまず、ユメからこの学校が抱える問題について洗い払い話させ、頭を抱える。
「つまり、砂嵐によって砂漠化し、その復興の為に多額の資金を投じたものの、事態は好転せず、膨らみ続ける借金のせいで学園の経営は悪化し、好転の見込み無しと絶望した生徒の殆どが学校を去り、人口の流出にも歯止めがかからず地区全体が衰退してしまったと」
「はい……」
砂嵐は昨日今日で対策できるものではない。それはギルガメッシュも分かっている。
しかし、知恵ではなく金で自然現象を解決しようとした過去のアビドスに呆れてしまった。
「時間をかけて全てを立ち直らせるのも良いだろう。だが、それではこの土地では正解とは言えん。早急に解決する」
「は、はい!」
「……貴様、その手に持っているものはなんだ」
「スコップです。砂を片付けるんですよね!」
「そんなものでチマチマと砂を掻き出すつもりか!!早急にと言ったのが聞こえなかったかたわけ!!」
「ひぃん!!」
ギルガメッシュはこれから採掘に向かうと言い、それ用の装備を用意させるが、ユメはここでもギルガメッシュの想像を超えてポンコツだった。
「……貴様の馬鹿さには感服するぞ」
「えへへ」
「褒めてないわ!たわけ!!」
「ひぃん!」
ユメは何故かスク水にピッケルというトンチキ極まる装備をしていた。
「それで、もう1人の生徒はどうした」
「それが……」
ユメ曰く、砂漠に行く前に喧嘩してしまい、愛想尽かされてしまったのだとか。
「つまり、正式に転校したわけではないから2人だと言ったが、事実上貴様1人だと?」
「はい……」
「呆れてものも言えんわ……」
ギルガメッシュがユメのポンコツさに呆れていると、生徒会室の扉が勢いよく開く。
そこにはピンクのショートヘアーで大きなアホ毛がある少女が立っていた。
「愛想を尽かされていた訳ではないようだな」
「あ、ホシノちゃ……」
「ユメ先輩!」
その少女はユメに飛び込み、ユメは後ろに倒れる。
それからユメの後輩、ホシノに話を聞き、ユメが砂漠に出かけた後で生徒会室に戻って来たものの、ユメは既に砂漠に旅立った後で慌てて装備を忘れたユメを追いかけたが、どれだけ探しても見つからず、ようやく見つけたのがユメが普段持ち歩いている盾だけだった。
それで絶望して盾だけでも持ち帰ろうと思い、学校にに戻って来たのだが、生徒会室の電気がついており、話し声も聞こえて来たので走って戻って来たのだった。
「ユメ先輩を助けてくれて、ありがとうございました」
「雑種よ、後輩の方がまともだな?砂漠を数日彷徨って迷わずに戻って来るとは、貴様もこの小娘を少しは見習うと良い」
「あの、そういえばこの人は」
「王様です!」
「はい?」
ギルガメッシュは呆れつつ、ホシノにアビドスの先生をする事にしたと言い、これからアビドスが抱える問題の一つを早急に解決するため、採掘に出かけるところだったと説明する。
「採掘?砂しかありませんよ」
「小娘、貴様はなぜ過去のアビドスが覇権を握っていたと思う」
「え?それは人が多かったから……」
「順序が逆だたわけ。何も無い場所に人は集まらん」
砂嵐に見舞われる前からアビドスはオアシスが象徴になるような砂漠だった。だが砂漠しかないのなら、そこに人が集まる事はない。
アビドスの気候で農業は難しく、水辺という訳でもない。そうなれば、分かりやすく人を惹きつけるモノが過去のアビドスにはあった事になる。
「金だ」
「それこそ逆なのでは?」
「厳密には金そのものではない。金になるもの、即ち鉱石だ」
「鉱石なんて、もう残ってないと思います」
「たわけ、鉱脈を根こそぎ取り尽くすなど愚か者のする事よ」
鉱脈は基本的に取り尽くす事はない。何故ならば、コスパが悪いのだ。
取りすぎて少なくなった鉱石を取る為に、多くの人員や設備を使うとなれば、鉱石による利益よりも人件費などによる出費の方が増えてしまい、かえって利益が減ってしまう。
その為、取り尽くす前に見切りをつけて次の鉱脈を探すのだ。
「この様な土地で話に聞くほどの大国にまで発展したのならば、間違いなく金になる鉱石があったのだろう。それも、この土地でしか取れぬような希少なモノがな」
「つまり、残り少ない希少鉱石を根こそぎかき集めて、それを売ってお金にするということですね!」
「問題の根本的な解決にはならんが、そんなことを言ってられる程余裕は無かろう。そういう訳だ、雑種」
ギルガメッシュがユメの方を見ると、何も理解していなさそうな顔をしていた。
「はぁ、阿呆め。行くぞ、小鳥遊ホシノ」
「どこに埋まっているのか分かるんですか?」
「この我を誰と心得る!当然目星はついておるわ!」
ギルガメッシュは現在のアビドスと、過去のアビドスの地図を照らし合わせ、鉱脈があったと思わしき場所に目星をつけ、現在のアビドスの地図に何箇所か赤でバツ印をつける。
「このどこかで鉱石が出る事だろう!」
「おお!宝の地図みたいですね!」
「頑張って掘ろう!!」
ホシノとユメはギルガメッシュと共に、バツ印をつけた場所に向かう。
一見何も無い砂漠だが、ユメとホシノはピッケルとスコップを使ってただひたすら掘る。
ギルガメッシュはその間、パラソルの下でビーチチェアに腰掛け、自前のタブレット端末で今後のアビドスの復興計画を練っていた。
(直近で解決せねばならん問題は9億の借金。それが解決したとしても、この土地にしかない魅力を作り出し、安定した社会基盤を作らねば人口の回復は望めん)
ギルガメッシュはアビドスの特徴を活かして復興事業をしようと考えていると、ユメ達の方で何かを掘り当てる。
「見つかりましたよ!先生!!」
「でかしたぞ!さて、あとはその鉱石はどれほどの価値があるかだが」
「先生にも分からないんですか!?」
「たわけ、物の価値は時代や価値観、希少性によっていくらでも変わる。我の価値観では高価だとしても、この時代やこの土地での価値が高価かどうかは別の話よ」
それからユメ達はギルガメッシュが記した宝の地図に従い、鉱石の採掘を行い、想定の何十倍も鉱石を掘り当てた。それが例え安い物だったとしても、少しはお金になると信じて掘り続けた。
そんな微かな希望を見出していた2人とは裏腹に、ギルガメッシュは黄金律と呼ばれるスキル持ち、生きているだけで金に困る事がないことが運命付けられている。当然、そんな黄金律を持ったギルガメッシュが本気で金を作りに行けば、どうなるかは自明の理。
「100グラム100万!?」
「い、1トンはありますよ!?」
「えっと、100グラム100万円が1トンだから……えっと……ホシノちゃん」
「そんな急に聞かれても」
ホシノが計算をしようとすると、ギルガメッシュが高笑いをしながら答える。
「フハハハ!!100億だ!たわけ!」
「100億!?」
「借金9億を賄うだけのつもりが、うっかり11倍以上にしてしまったわ!」
その後、10億円分だけ換金して借金を丸ごと返済した。
そこで初めてアビドスの土地のほとんどがカイザーコンストラクション、借金をしていた相手の所有物になっていることが判明した。
「何とかして買い戻さないと」
「でも、私達には残りの90億円が」
「たわけ、土地の所有者は奴ら、金額を決めるのも奴らに決まっておろうが。当然不利な交渉になるだろう」
「どうしよう!?」
一難去ってまた一難、アビドスに残る問題は金だけでは解決には至らなかった。
幕間「こんなはずじゃなかったのに?」【とある海岸線】
「あれ?どこですか?王様ー!?」
電車でギルガメッシュを現実世界に送り出したは良いものの、本来飛ばすはずの時間軸にギルガメッシュが行っておらず、何故か予定の2年前に飛ばしてしまうという大失態を犯している事に気が付いたのは、これから数十分後の事だった。
「まさか2年前の世界に飛んでしまうとは……。現実とは隔絶された場所に召喚して、キヴォトスの人間として受肉させて現界させようとしたからズレてしまったんでしょうか……」
とあるどこかの浜辺で少女は体育座りをして、空を眺める。
「未来じゃなかっただけセーフですかね。時が来れば連邦生徒会に呼ばれる事になるでしょうし。ただ、私がいた時間軸からズレてしまったので、もしかしたらとんでもない方向に捻じ曲がってしまうかもしれませんね……」
少女は現実世界に干渉出来ないので、仕方なく浜辺に横になって目を閉じる。